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ブックマーク / synodos.jp (93)

  • 移民、宗教、風刺――フランス・テロ事件を構成するもの/吉田徹 - SYNODOS

    沢山の血、涙、怒り、哀しみがパリを襲った。 1月7日に起きたパリでのテロ事件については、今でも数多くのことが語られ、分析され、指摘されている。日でも多くの翻訳があり、その小説をクリバリ容疑者も読んだ形跡があるとされた作家アメリ・ノートンは今回の事件に際して、「正しい言葉を見つけるのは今よりも距離が必要だ」と、感想を述べた。事件の全容は明らかになっていないし、時間という距離を得なければ、この事件をどう捉えたらよいか、より客観的な解釈は難しいように思う。 『シャルリ・エブド』襲撃とつづくスーパー人質事件を解釈する際に、最大の問題となるのは、どのような立場の表明や分析をしようとも、それが必ず「構成主義的」なものとなること、すなわち他の立場や意見に連鎖していくことだ。 たとえば、単純にテロを非難したとしよう。それは翻って、フランス社会におけるエスニック・マイノリティたるムスリムの問題を(意図しな

    移民、宗教、風刺――フランス・テロ事件を構成するもの/吉田徹 - SYNODOS
    nebokegao
    nebokegao 2015/02/14
    「フランスのライシテはまずは弱者(世俗)が、強者(カトリック教会)からの公的領域への介入を排除するために生み出されたもの/かつてはカトリックに向けられた原則がムスリムにも向けられるように」
  • ヘイトスピーチと「傷つきやすさ」の社会学/塩原良和 - SYNODOS

    2000年代後半以降の日社会では、いわゆる「ネット右翼」や「行動する保守」などと呼ばれる人々による、外国人住民をはじめとする民族的・社会的マイノリティ(*1)に対する攻撃的な言動が注目を集めるようになった(板垣2013; 安田2012; 前田2010a; 高・雨宮2013)。それにともない、「ヘイトスピーチ」という概念への関心も改めて高まっている。 (*1)稿では「マイノリティ」を、ある社会においてネガティブだとされている差異(マイノリティ性)を有しているがゆえに不利な立場に置かれた人々と定義する。なお稿では、近年の日において急速に顕在化してきた、外国人住民をはじめとするエスニック(人種・民族的)・マイノリティへのヘイトスピーチを主な検討対象とするが、それ以外の社会的マイノリティへのヘイトスピーチについてもあてはまる分析については、「エスニック・マイノリティ」ではなく「マイノリティ

    ヘイトスピーチと「傷つきやすさ」の社会学/塩原良和 - SYNODOS
    nebokegao
    nebokegao 2015/01/22
    「自らの「傷つきやすさ」を強く意識している人ほど、(共感よりも)むしろ、なぜマイノリティの人々だけが保護され、優遇されなければならないのか、という違和感・反感であることも少なくない」
  • 『シャルリー・エブト』襲撃――イスラーム過激派の事情/髙岡豊 - SYNODOS

    2015年1月7日、パリの中心部で風刺画新聞社『シャルリー・エブド』が襲撃され、同紙の風刺画作家、編集者、警官ら12名が殺害された。襲撃犯2名は、逃走・立てこもりの末、射殺された。同じころ、やはりパリで警官を射殺した後、ユダヤ教式品販売店に立てこもった男が、店にいた4名を殺害した末に射殺された。 襲撃された新聞社が、イスラームを中傷する風刺画を再三掲載したとしてしばしば抗議や襲撃を受けていたことから、事件発生当初から、襲撃はムスリム、あるいはイスラーム過激派の犯行と疑われた。自由と寛容を旨とする西洋と、それを拒絶するムスリムという、お決まりのともいえる対立構図が描かれたのである。 さらに、実行犯の身元が判明すると、彼らのムスリム、移民の出自、貧困層などの属性から、事件についての論評はヨーロッパ在住ムスリムや移民と地元社会との関係、経済的格差の問題などへと広がっていった。 事件の実行主体・

    『シャルリー・エブト』襲撃――イスラーム過激派の事情/髙岡豊 - SYNODOS
    nebokegao
    nebokegao 2015/01/19
    「イスラーム過激派にとって、民主主義とは、「アッラーの啓示以外の方法で統治を行う異教」/「イスラーム国」とアル=カーイダ諸派との関係は明らかな敵対関係に転じつつある」
  • ドイツとイスラエルの和解とパレスチナ問題/武井彩佳 - SYNODOS

    「記憶」「和解」――こういった言葉が現実の政治において、ある意味ではアジア諸国以上に、重く響いてきた国家関係があるとすると、それはホロコーストの「加害者」と「犠牲者」としてのドイツとイスラエルの関係ではなかっただろうか。ヨーロッパで戦争が終わった1945年、ドイツ人とユダヤ人は最も修復困難な関係の入り口に立っていたに違いない。ユダヤ人にとってドイツとは親兄弟の血の染みた「呪われた土地」となり、両者の間に横たわる600万人の死者は、和解へのいかなる試みをも挫くと思われた。他方、ヒトラーに世紀の指導者を見たドイツ人は、昨日まで自身の世界観の一部であった反ユダヤ主義を脱ぎ捨てる用意はできていなかった。 それからあと少しで70年になろうとする現在、ドイツとイスラエルの関係は良好である。イスラエル建国60周年の2008年に、独首相メルケルはイスラエルの国会クネセトで演説を行い、イスラエルとの関係をホ

    ドイツとイスラエルの和解とパレスチナ問題/武井彩佳 - SYNODOS
    nebokegao
    nebokegao 2015/01/18
    「確かに暴力的な反ユダヤ主義は影をひそめていたが、それはドイツ国民が過去を真摯に反省し、民主主義的に生まれ変わったというよりは、ユダヤ人に対する反感を実践する政治的・法的手段を奪われたためであった」
  • 「許す」と「赦す」 ―― 「シャルリー・エブド」誌が示す文化翻訳の問題/関口涼子 - SYNODOS

    「シャルリー・エブド」誌襲撃事件の後、フランスと日のメディアによる報道を追っていて、この事件への反応や解釈が両国でまったく異なっていることに気がついた。 大まかに言えば、フランスの場合は、「シャルリー・エブド」の編集方針に賛成でない人、あるいは同誌を読んだことがない人でもほぼ全員が、同誌への抗議の手段として殺人という最大の暴力が行使されたことに激しく怒りを覚えたのに対し、日の場合には、「テロは良くないが」というただし書き付きで、「でも表現の自由と騒ぐのは西欧中心主義ではないか。表現の自由にも、他者の尊厳という制限が設けられるべきでは」と表明することが少なからず存在した。 ここではその点については触れない。それとは別に、取り急ぎ指摘するべき問題が一つあるからだ。 1月13日付読売新聞の夕刊、国際欄に出ていた記事のことだ。今日14日水曜日、襲撃事件後初めて発行される「シャルリー・エブド」最

    「許す」と「赦す」 ―― 「シャルリー・エブド」誌が示す文化翻訳の問題/関口涼子 - SYNODOS
  • ふたつの人間関係原理の幸せな「総合」──旧リベラル派の「社会契約」という「ゴマカシ」/松尾匡:連載『リスク・責任・決定、そして自由!』 - SYNODOS

    ふたつの人間関係原理の幸せな「総合」──旧リベラル派の「社会契約」という「ゴマカシ」 松尾匡:連載『リスク・責任・決定、そして自由!』 経済 #リスク・責任・決定、そして自由!#ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼 今回の記事は、10月下旬にお読みいただく予定でしたが、ここまで執筆が遅れてしまいましたことをお詫びいたします。 言い訳がてらになりますが、この連載の第1回から第8回までの記事に加筆修正したものが、このほどPHP研究所さんから出版のはこびとなりました。なんとか無事仕上がりましたのも、読者のみなさんからのご激励、ご批判の賜物と思っております。当にありがとうございます。 PHP新書で、『ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼──巨人たちは経済政策の混迷を解く鍵をすでに知っていた』というタイトルをつけていただきました。この数日のうちにはご入手いただけますので、どうかよろしくお願いします。 シノドス

    ふたつの人間関係原理の幸せな「総合」──旧リベラル派の「社会契約」という「ゴマカシ」/松尾匡:連載『リスク・責任・決定、そして自由!』 - SYNODOS
  • 特別永住資格は「在日特権」か?/金明秀 - SYNODOS

    「在日特権」というデマがある。《在日コリアンは日人にはない特権を享受している》と誣告するもので、例えば「申請するだけで生活保護を受給できる」「税金は納めなくてよい」「医療、水道、いろいろ無料」といったたぐいの流言群のことである。 この種のデマは、その原型を1990年代末ごろに右派メディアが報じるようになり、山野車輪『マンガ嫌韓流』(普遊社、2005年)などの影響もあって2000年代半ばごろからネットで尾ひれを付けながら普及したものだ。 その間15年余りに渡って一貫して勢力を拡大し、《在日コリアンは弱者を装いながら不当に利益をむさぼる悪徳民族だ》といった差別的な認識を増幅させることに一役買ってきた。加えて、真実に誠実であろうとする人にも、「そんなバカげた話はないと思うけど、でも『ない』と言い切るほど知識があるわけじゃないから……」と差別への反論を沈黙させる効果を生み出してきた[*1]。 [

    特別永住資格は「在日特権」か?/金明秀 - SYNODOS
    nebokegao
    nebokegao 2014/10/25
    「「在日特権」デマ/真実に誠実であろうとする人にも、「そんなバカげた話はないと思うけど、でも『ない』と言い切るほど知識があるわけじゃないから……」と差別への反論を沈黙させる効果」
  • 演じることにはすでに批評行為が含まれている/舞台芸術家・鈴木忠志氏インタビュー - SYNODOS

    1960年代、「早稲田小劇場」で日の演劇の潮流を変え、1976年に富山県利賀村に移ってからは、世界とダイレクトに結び合いながら活動してきた鈴木忠志氏。今夏に開催された第1回利賀アジア芸術祭には、国内のみならず世界各国から観客が訪れた。『シラノ・ド・ベルジュラック』のクライマックスで、夜の野外劇場を花火が彩る。『からたち日記由来』では、語りの力が、合掌造りの劇場につめかけた観客を異世界へと連れていく。はじめて訪れる者にとっては、こんな山深い村にこんな空間が?!と驚くような体験だ。幻想的な夜が明け、静けさを取り戻した利賀村で、「演劇と力」をめぐって話を聞いた。(聞き手・構成/島﨑今日子) ―― 利賀村に来たのははじめてです。合掌造りの劇場も見られたし、来てよかったです。 今年の利賀アジア芸術祭には、18カ国から150人が参加したんです。俺の訓練(スズキ・トレーニング・メソッド、独自の俳優訓練

    演じることにはすでに批評行為が含まれている/舞台芸術家・鈴木忠志氏インタビュー - SYNODOS
  • スコットランドで何が起こっているのか――民族とアイデンティティを超えた独立運動/久保山尚 - SYNODOS

    スコットランドで何が起こっているのか――民族とアイデンティティを超えた独立運動 久保山尚 スコットランド史、スコットランド政策研究 国際 #スコットランド#独立運動 イギリス[*1]北方のスコットランドは、UKからの独立を問う住民投票を間近に控えている。 2012年にUK・スコットランド両政府間で住民投票開催が合意され、独立賛成派と反対派がキャンペーンを繰り広げてきた。独立賛成・反対への支持は、2013年末~2014年初頭に若干賛成派が伸びを見せたものの、一貫して賛成3割強、反対5割弱程度で推移し、スコットランドはUK内にとどまるものと思われてきた。 しかし8月に入り、独立への支持が急速に伸び始め、最新の世論調査では賛成派が過半数を超える[*2]など、状況は刻一刻と変化している。スコットランドの独立が俄かに現実味を帯びてきているのだ。 いったい何が起こっているのか。何がスコットランド人を独

    スコットランドで何が起こっているのか――民族とアイデンティティを超えた独立運動/久保山尚 - SYNODOS
    nebokegao
    nebokegao 2014/09/16
    「硬直したUKの議会制民主主義に別れを告げ、新しいより良い民主主義をスコットランドに作り上げる」
  • 男女雇用機会均等法では「共働き」を実現できない/筒井淳也 - SYNODOS

    先日(2014年7月1日)、男女雇用機会均等法の施行規則が改正された。男女雇用機会均等法は、1986年の施行から、1999年、2007年の比較的大きな改正法施行を経て、ふたたび改正された。大まかな流れは以下のとおりである。 1986年施行: – 採用、昇進における男女差別の撤廃を努力義務に。 – 教育訓練、福利厚生、定年・解雇における男女差別を禁止。 1999年改正法施行: – 採用、昇進における男女差別の撤廃を努力義務から禁止に。 2007年改正法施行: – 間接差別の禁止。これにより「合理的な理由なく総合職の募集において転勤を要件とすること、転勤経験を昇進の要件とすること」が禁止された。 2014年改正法施行: – 間接差別の禁止の範囲拡大。「すべての労働者の採用、昇進、配転などにおいて合理的な理由なく転勤を要件とすること」が禁止された。 男女の機会均等について識者の間でもしばしば注目

    男女雇用機会均等法では「共働き」を実現できない/筒井淳也 - SYNODOS
    nebokegao
    nebokegao 2014/07/20
    「「男女雇用機会均等」が徹底された先にあるのは「主婦(夫)」を欲する男女の増加であり、…性別分業は維持されるだろう」
  • 性差別野次からみる、日本一議会改革の遅れた東京都議会の問題/塩村あやか×上田令子×飯田泰之 - SYNODOS

    2014年6月18日の都議会の最中、一般質問を行う塩村あやか都議(みんなの党)に対して性差別的な野次が飛ばされたとして、連日報道を騒がしている。23日には、自民党会派に所属する鈴木章浩都議が記者会見を開き、「早く結婚したほうがいいんじゃないか」と野次を飛ばしたことを認め会派を離脱した。鈴木都議の記者会見直後に行われた塩村都議、同じくみんなの党会派の上田令子都議、そして経済学者・飯田泰之による鼎談の模様をお送りする。(構成/金子昂) 飯田 たいへんお忙しいところありがとうございます。今日は、塩村議員が受けた野次についてのお話はもちろん、そこから都議会をどう変えていくべきなのか、塩村議員が今後どうしていきたいとお考えなのかも含めてお話を伺いたいと思います。今日(23日)になってからの急展開とさきほどの謝罪と……お時間もないところでしょうからさっそく題に入ります。 野次の内容についてはもちろん

    性差別野次からみる、日本一議会改革の遅れた東京都議会の問題/塩村あやか×上田令子×飯田泰之 - SYNODOS
    nebokegao
    nebokegao 2014/06/25
    「財源が厳しいと議会改革が進む。東京はじゃぶじゃぶですから、日本一議会改革が遅れている」
  • 比べてみないと、相手も自分も、分からない――物差し同士も照らし合わせて/比較政治学者・浅羽祐樹氏インタビュー - SYNODOS

    比べてみないと、相手も自分も、分からない――物差し同士も照らし合わせて 比較政治学者・浅羽祐樹氏インタビュー 情報 #教養入門#比較政治学#韓国研究 「分けて、分かる」――思い込みから離れて物事を考えるには、いろいろなものを比べることが欠かせない。そして、ときには他人の物差しと照らし合わせて自分の物差し見直すことも大事。今回、「高校生のための教養入門」でお話を伺ったのは比較政治学者の浅羽祐樹先生。比較政治学に限らず、どんな社会科学でも、自分を知るためにも大切な「比較」の重要性とその難しさについてお話いただきました。(聞き手・構成/金子昂) ―― 比較政治学をご専門として韓国政治を研究されている浅羽先生ですが、そもそも比較政治学ってどんな学問なんでしょうか? 高校生のみなさんは、何カ国か外国を並べてそれぞれの共通点や相違点を比較するというイメージを持っているかもしれません。まずお伝えしたいの

    比べてみないと、相手も自分も、分からない――物差し同士も照らし合わせて/比較政治学者・浅羽祐樹氏インタビュー - SYNODOS
  • 限られた財源で、多様な子育て支援を展開するには――時間・貧困・自由選択/千田航 - SYNODOS

    限られた財源で、多様な子育て支援を展開するには――時間・貧困・自由選択 千田航 比較政治学/福祉政治学 福祉 #子育て支援#待機児童 2014年4月から消費税が8%になった。また、最終的な判断は下されていないが、2015年10月から消費税が10%に引き上げられる予定となっている。消費税増税は歳入の増加につながる一方で、消費税増収分から7,000億円は「子ども・子育て支援新制度」に充てられることになる。 民主党政権下で制度設計され、政権交代後も継続された「子ども・子育て支援新制度」は、小規模保育を含めた施設サービスへの給付や幼保一体化を目指した認定こども園制度の改善、社会全体による費用負担などを図るものである。2015年度から格的に開始される予定であるが、一部は「待機児童解消加速化プラン」として2013年度から前倒しで実施されている。 今年度予算での「量的拡充」と「質の改善」は2014年3

    限られた財源で、多様な子育て支援を展開するには――時間・貧困・自由選択/千田航 - SYNODOS
  • 孤独死に年齢は関係ない ―― ひとり暮らしが当たり前の時代で社会化を迫られる死/『孤独死のリアル』著者・結城康博氏インタビュー - SYNODOS

    孤独死に年齢は関係ない ―― ひとり暮らしが当たり前の時代で社会化を迫られる死 『孤独死のリアル』著者・結城康博氏インタビュー 情報 #孤独死のリアル#新刊インタビュー#超高齢化社会 いまあなたが自宅で突然死んでしまったとき、誰が心配して様子を見に来てくれるだろうか? そして死後何日で発見してもらえるのだろう? 孤独死で亡くなる人は年間約3万人。2015年のひとり暮らし高齢者は約600万人――もはや孤独死の増加は避けることができない中で、死の社会化を迫られる時代になりつつある。ケアマネジャーとして、研究者として、孤独死を見つめてきた結城康博氏が上梓した『孤独死のリアル』(講談社現代新書)。孤独死のいまについて、お話を伺った。(聞き手・構成/金子昂) ―― いまどれだけの人が孤独死で亡くなっているのでしょうか? 厚生労働省の研究班でまとめられたものだと、だいたい年間3万人くらいが孤独死で亡く

    孤独死に年齢は関係ない ―― ひとり暮らしが当たり前の時代で社会化を迫られる死/『孤独死のリアル』著者・結城康博氏インタビュー - SYNODOS
  • オウム真理教事件の真の犯人は「思想」だった/大田俊寛 - SYNODOS

    一連のオウム事件の主犯が誰であったかについては、一時期、「麻原彰晃の独断」説と「弟子たちの暴走」説のあいだで論争が行われていました。 最近『文藝春秋』(2014年2月号)で公表された井上嘉浩氏の手記に見られるように、オウムにおいては、たとえ上層の幹部であっても、「麻原の意志に背けば殺される」ということが陰に陽にほのめかされていましたので、どちらかといえば前者の方が事実に近かったと思いますが、オウム問題を広い視野から捉えようとする場合、そのことは実は、さして重要ではありません。 事件のすべては麻原の独断によるものであり、また同時に、その「真相」のすべてを麻原が了解していたかといえば、とてもそうは考えられない。麻原の裁判は一審で打ち切られ、二審と三審が行われませんでした。言わば、「デュー・プロセス・オブ・ロー(法の適正手続)」が堅持されなかったわけで、そのことはやはり批判されなければなりません

    オウム真理教事件の真の犯人は「思想」だった/大田俊寛 - SYNODOS
    nebokegao
    nebokegao 2014/05/15
    「オウムの思想の根幹は「霊性進化論」/歴史を振り返ってみれば、思想の罪を問わないというのは、むしろ例外的な事態」
  • ビットコインをめぐる共同幻想と同床異夢/山口浩 - SYNODOS

    要旨: ◎ビットコインは通貨としての機能には疑問符。むしろ投機対象 ◎ビットコイン利用者のニーズは多様で、互いに相矛盾する ◎通貨として定着させたいなら価値の安定が必要 ◎ビットコイン自体より、それが引き金となるイノベーションに注目すべき *  *  * ここのところ、ビットコインのニュースがさかんにマスメディアに流れてきている。 ビットコインが始まったのは2009年だったが、日でメディアが取り上げ始めたのは2013年になってからのことだ。最初は「こんなものがある」といった紹介程度の扱いだった。それがその後、みるみるその存在感を増し、とうとう新聞やテレビのトップニュースを飾るまでになった。もちろん、ご存じの通り、悪いかたちでだ。世界最大のビットコイン取引業者になっていたマウント・ゴックス社の経営破綻のニュースは、その利用者が世界に広がっていたことや、そこで伝えられた損害のあまりの巨額さも

    ビットコインをめぐる共同幻想と同床異夢/山口浩 - SYNODOS
    nebokegao
    nebokegao 2014/04/29
    「ビットコインが採用した、通貨の供給を制約し市場の状況に合わせたコントロールを行わないことで通貨の価値が安定するという考え方は、投機的需要の存在を無視したものといえる」
  • 「なぜ日本では運動部活動なるものがあるのか? Amazing!」――『運動部活動の戦後と現在』(中澤篤史)ほか/今週のオススメ本 / シノドス編集部 - SYNODOS

    「なぜ日では運動部活動なるものがあるのか? Amazing!」――『運動部活動の戦後と現在』(中澤篤史)ほか 今週のオススメ / シノドス編集部 情報 #synodos#シノドス#運動部活動の戦後と現在#中澤篤史#「あいつらは自分たちとは違う」という病#後藤和智#坂口恭平躁日記#坂口恭平 書のテーマはいわゆる部活。日の中高校に通ったことのある人なら、だれもが知っている運動部活動である。だがつぎのような事実はご存じだろうか? じつは運動部活動が日ほど盛んな国はほかにない。ヨーロッパや北米では運動部活動は存在するものの、地域社会のクラブのほうが規模も大きく活動も活発であるし、ドイツなどそもそも運動部活動が存在しない国もめずらしくない。中国韓国では運動部活動が中心だが、そこに参加するのは一握りのエリートだけだ。「部活動は日独特である」といわれる所以である。 ところが、教師や生徒の

    「なぜ日本では運動部活動なるものがあるのか? Amazing!」――『運動部活動の戦後と現在』(中澤篤史)ほか/今週のオススメ本 / シノドス編集部 - SYNODOS
    nebokegao
    nebokegao 2014/04/20
    「戦後の教育改革/子どもの自由と自主性をスポーツを通じて実現しようとした、(自主性を教育するという点で)多分に緊張関係をはらんだ教育実践が部活動だった」
  • 「民主化の成功」という国際評価の罠――インドネシアの政治から見えてくるもの/本名純 - SYNODOS

    「民主化の成功」という国際評価の罠――インドネシアの政治から見えてくるもの 名純 インドネシア政治・東南アジア地域研究・比較政治学 国際 #スハルト#国軍ドクトリン#ハビビ#選挙#メガワティ#民主主義#synodos#シノドス#インドネシア#ミャンマー#アラブの春#ユドヨノ 2011年に世界の注目を浴びた「アラブの春」から3年。私たちは各地で頓挫する民主化の行方を見てきた。また、過去10年に渡ってイラクやアフガニスタンでアメリカを中心に進められてきた国家再建や民主化といったプロジェクトも、順調というには程遠い状況にある。そんななか、国際社会はアジアの民主化に大きなラブコールを送る傾向にある。対象はミャンマーとインドネシア。東南アジアの2つの国である。 ミャンマーの軍政は、2010年以降、「上からの民主化」に乗り出し、民政移管の演出とアウンサンスーチー女史の政治参加により国際的な支持を集め

    「民主化の成功」という国際評価の罠――インドネシアの政治から見えてくるもの/本名純 - SYNODOS
    nebokegao
    nebokegao 2014/04/10
    日本の戦前・戦後の連続性に通じる>「支配エリートによる「勝つための民主化」/民主化を演出することで既得権益の保持・拡大が可能になると考えた結果、政変が起きた」
  • 検証! 財務省のメディア戦略と消費税増税ロジック 片岡剛士×荻上チキ 2014.04.01 Tue

    2014年4月1日、消費税が5%から8%に引き上げられた。アベノミクスの金融政策によって徐々に景気が上向きになってきた矢先の増税は、当にこのタイミングで適切なのだろうか。そもそもなぜ消費税を増税するのか。2013年11月に財務省から「消費税についてお話したい」とコンタクトがあり「ご説明」を受けてきた荻上チキが、エコノミストの片岡剛士氏と、財務省による「ご説明」の影響力と消費税増税について語り合う。(構成/金子昂) 荻上 そういえば去年の11月頃、「ご著書を拝読しました。消費税についてぜひ一度お話をしたいです」と財務省の方からコンタクトがありました。面白そうな機会だと思って一度会ってみたんです。 片岡 「ご説明」ってやつですね。 荻上 そうそう。財務省の人に加え、電通から任期付きで官民交流採用された広報担当が話にきたんですけれど、説明の内容が典型的なマーケティングだったんですよ。 最初のコ

    検証! 財務省のメディア戦略と消費税増税ロジック 片岡剛士×荻上チキ 2014.04.01 Tue
  • 治らない病気を診ることが医学の神髄だ――人はナラティブによって生きている/脳神経内科医・中島孝氏インタビュー - SYNODOS

    大人気コーナー「高校生のための教養入門」。今回は国立病院機構新潟病院の副院長で、脳神経内科医の中島孝先生にお話を伺いました。人はいつか治らない病気にかかって死んでしまうのだから、治らない病気こそ診たいと語る中島先生。臨床現場で数多くの治らない病気をもつ患者さんと接するうちにたどり着いたのは、「完全に良い状態」を「健康」とするWHOの健康概念は間違っているという発見と、ナラティブに基づいた医療こそ必要だということでした。なぜWHOの健康概念は間違っているのか、そしてナラティブとは? 驚きに満ちあふれたインタビューをお読みください。(聞き手・構成/金子昂) ―― 最初に自己紹介もかねて、先生のご専門についてお話いただけますか? 私は脳神経内科の医師として臨床をしながら、ニューロサイエンスという脳・神経・筋についての研究をしています。脳神経内科は、脳こうそくや脳出血、頭痛、脊髄や末梢神経の病気は

    治らない病気を診ることが医学の神髄だ――人はナラティブによって生きている/脳神経内科医・中島孝氏インタビュー - SYNODOS
    nebokegao
    nebokegao 2014/03/31
    「緩和ケア…大切なのは、進行性の難病でもその人がその瞬間、もう一度「普通です」と言える状態になってもらうこと/みんな生まれた瞬間に、いつかは治らない病気になり100%死ぬことだけは決まっている」