暑すぎて「エアコンが効かない」という悲痛な声が、学校現場から上がっている。エアコンをつけているのに室温が30℃近いままだった教室もある。教室の「断熱」の性能が低いことで、夏の暑さがじかに伝わってきてしまうからだ。
既知の調査により、ネバダ州とオレゴン州にまたがる火山からリチウムを含む多数の金属鉱脈が発見されています。2023年8月30日に発表された論文によると、この火山には推定2000万トンから4000万トンの「世界最大規模」のリチウムが埋まっているようです。 Hydrothermal enrichment of lithium in intracaldera illite-bearing claystones | Science Advances https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.adh8183 Lithium discovery in US volcano could be biggest deposit ever found | Research | Chemistry World https://www.chemistryworld.com
1986年に発生したチョルノービリ原子力発電所事故(チェルノブイリ原子力発電所事故)は近隣諸国に放射性物質をまき散らし、チョルノービリから1000km以上離れたドイツに生息するイノシシの体も放射能汚染を受けていることが知られています。ところが、イノシシの体に蓄積された放射性物質を調査した新たな研究では、イノシシの放射能汚染はチョルノービリ原子力発電所事故だけではなく、1960年代の核兵器実験にも原因があることが判明しました。 Disproportionately High Contributions of 60 Year Old Weapons-137Cs Explain the Persistence of Radioactive Contamination in Bavarian Wild Boars | Environmental Science & Technology https
著者:ダン・イーガン翻訳:阿部 将大出版社:原書房装丁:単行本(288ページ)発売日:2023-07-19 ISBN-10:4562072962 ISBN-13:978-4562072965 内容紹介: 肥料として農業を支え、人類に不可欠な希少資源リン。そのリンの世界的な枯渇、争奪戦、海洋流出、食料ショックのリスクーーいま知っておかないと怖いリン問題について、ピューリッツァー賞ファイナリストが警鐘を鳴らす。 異常気象が連日ニュースで騒がれるなか、この気候変動よりも「リスクが高い」と評価されている地球環境問題が存在するのをご存じだろうか? いわゆる「リン問題」だ。今や肥料としても欠かせない元素のリンが、人類による濫用のせいで枯渇しかけ、いっぽうで海や川に垂れ流すことで水質汚染や健康被害の原因にもなっているという。世界は過去どのようにリンと向き合ってきたのか、近い将来、食糧危機を回避するには何
日本が福島第1原発汚染水海洋放出を開始した24日、釜山市中区チャガルチ市場は閑散としていた。 ソン・ボングン記者 日本の福島原子力発電所の汚染水(処理水)放流後、水産物忌避現象が韓国と中国で広がっている。こうした中、英国のジャーナリストが「そんな懸念は話にならない」と一蹴した。 BBCのルパート・ウィングフィールド・ヘイズ記者は25日、「X(旧ツイッター)」で「もし、福島汚染水放出のために日本の水産物を食べることが心配なら、どこの水産物も全く食べない方が良い」と指摘した。ルパート氏は2000年の北京特派員を皮切りにモスクワ・東京とフィリピン・北朝鮮・中東などでアジアのニュースを伝えてきた。現在は台湾で活動中だ。 そして、日本福島第1原発と中国原発のトリチウム放出量を比較した資料を共有した。韓国、中国、日本を示す地図上に各国の原発のトリチウム放出量を表示した資料だ。 資料によると、2020年
フライパンのコーティングやファストフードの包装紙に使われる熱や薬品に強い物質「ペルフルオロアルキル物質・ポリフルオロアルキル化合物(PFAS)」は、極めて長期にわたって環境中に残留することから「永遠の化学物質」という扱いを受けて健康への悪影響が懸念されています。新たな研究により、環境に優しいという名目で導入が促進されている紙・竹製ストローにはプラスチック製ストローよりも多くのPFASが含まれていることが分かりました。 Full article: Assessment of poly- and perfluoroalkyl substances (PFAS) in commercially available drinking straws using targeted and suspect screening approaches https://doi.org/10.1080/1944
中国浙江省の省都、杭州の郊外にある古びた小さな寺院からは、膨大な数の電気自動車(EV)が雑草やゴミの中に放置されている光景が一面に見渡せる。それはまるでEVの墓場のようだ。 中国国内の少なくとも6都市に、不要になったバッテリー駆動車の似たような集積地がある。杭州のそうした場所には、トランクから植物が生えるほど長い間放置された車もあれば、ダッシュボードの上にふわふわのおもちゃが置かれたままになっている車もある。 こうした光景は、2018年の「シェアサイクル」バブル崩壊後の状況を思い起こさせる。当時は、巨大ハイテク企業の出資を受けてシェアサイクル事業を展開するオッフォやモバイクなどの新興企業の台頭と衰退を経て、何千万台もの自転車が川や側溝、使われなくなった駐車場に放置されていた。 今回のEVの大量廃棄は、車両を所有していた配車サービス会社が経営破綻したか、より優れた機能とより長い走行距離を備え
近年、カブトムシが住宅街の庭木「シマトネリコ」に昼夜問わず大集結するという奇妙な現象が、各地で目撃されているのをご存じでしょうか。「ダーウィンが来た!」のディレクターとして、謎の解明に乗り出した私たちは、研究者の最新研究の成果から、シマトネリコの極端に少ない樹液量や、カブトムシの雄が発するフェロモンが、大集結の原因になっている可能性にたどり着きました。そして、取材には意外な結末が待っていたのです。 【前の記事を読む】『住宅街でカブトムシが「大集結」する驚きの理由…カギは謎の「足蹴り動作」だった』 【はじめから読む】『カブトムシが住宅街の「植木」に謎の大集結!徹底調査でたどり着いた「意外な原因」』 ある法改正が大量のカブトムシを生み出した!? 私たちの前に最後に残った謎。それは、住宅街の現場に、どこから大量のカブトムシがやってきたのかという、いわばストーリーの根本です。その答えは、取材した都
世界的な気温上昇の結果、南極の海氷面積が今年、観測史上最少に縮小した。南極の氷山、昨年1月撮影。(2023年 ロイター/Natalie Thomas/File Photo) [シンガポール 8日 ロイター] - 世界的な気温上昇の結果、南極の海氷面積が今年、観測史上最少に縮小した。研究者は、この損失を取り戻す即効の解決策はないとしている。 フロンティアズ・イン・エンバイロメンタル・サイエンス誌に発表された研究論文によると、南極の海氷面積は昨年、最も縮小する夏(2月)の面積が1978年の衛星観測開始後、初めて200万平方キロメートルを下回っていたが、今年はさらに減少し、過去最少を更新した。
美しい見た目のアオミノウミウシ(Glaucus atlanticus)は、空気をのみ込んで海面に浮く。(PHOTOGRAPH BY DENIS RIEK) 世界で最も多くの海洋ごみが漂う太平洋ゴミベルトが、多くの海洋生物のすみかになっていることが明らかになった。そこにはアオミノウミウシやカツオノカンムリなど、海面近くを浮遊する水表生物が大量に生息していたのだ。これまで海のごみ溜めだと思われてきた太平洋ゴミベルトは、実は知られざる生物学的ホットスポットかもしれない。 「海洋ゴミベルトは、本当に重要な海の生態系になっているのです。ところが私たちは、これについてほとんど何も知りません」と話すのは、5月4日付けで学術誌「PLOS Biology」に発表された論文の筆頭著者で、米ジョージタウン大学の海洋生物学者レベッカ・ヘルム氏だ。「これまでプラスチックごみにばかり焦点が当てられてきて、生態系は完全
(CNN) 世界でこのまま温室効果ガスの排出が続けば、大西洋の海水が表層で北上し、深層で南下する南北循環(AMOC)は今世紀半ば、早ければ2025年にも停止する恐れがあるとの研究結果が報告された。 デンマーク・コペンハーゲン大学の物理気候学者、ピーター・ディトレフセン教授らが25日、英科学誌ネイチャーに発表した。 AMOCは地球規模のベルトコンベアーのように、熱帯の暖かい海水と塩分を北大西洋に運ぶ。北大西洋で冷えた海水は深層に沈み込み、再び南下する。 この循環は世界の気象パターンを維持する重要な役割を果たしているため、停止すれば欧米の極端な異常気象や海面上昇、熱帯の季節風の変化など、各地で重大な影響が出る事態が予想される。 科学者らは何年も前から、気候危機が加速するにつれてAMOCが不安定になり、流れの強さを左右する水温と塩分濃度のバランスが崩れる恐れがあると指摘してきた。 温暖化で氷が解
世界はこの夏、観測史上最も暑い夏になる可能性があるという。世界気象機関(WMO)は6月が史上最も暑くなり、7月7日には世界の平均気温が最高値を更新したと発表した。ここ数年は北半球を中心に「熱波」が常態化し、干ばつ、豪雨など気象の「極端化」が顕著だ。WMOは7年ぶりに発生したエルニーニョ現象が世界平均気温をさらに高める可能性があるとの懸念を示した。 エルニーニョ現象は日本に涼しい夏をもたらす傾向にあったが、現在、日本の南方では既に太平洋高気圧の張り出しが強い。梅雨明け前から高温が続き、各地で熱中症リスクが高まっている。梅雨が明けて本格的な夏を迎えるにあたり、記録的猛暑に対する最大限の警戒が必要だ。
人間がいなくなった後の自然 作者:カル・フリン草思社Amazonこの『人間がいなくなった後の自然』は、作家・ジャーナリストのカル・フリンが、原子炉事故や薬物汚染、地雷原に紛争に──と、数々の理由によって人間に打ち捨てられた地を訪れ、そこでどのように自然と動物が再生、あるいは変化してきたのかをとらえた一冊である。なぜそこが放棄されたのか、という歴史・科学的なエピソードが語られた後、著者がその地に足を踏み入れ、その風景が描写されていく。 旅の本であるともいえるし、放棄された土地で、どのような生物が再度根付き、どうやって自然と動物が再生・変化していったのかの科学的な描写は正確かつ適切な分量で、多数の文学作品やSF小説からイメージを引用しながら自然を描写する筆致はとにかく美しい──と、一冊で二度も三度もおいしい名著である。カラーの写真も多数掲載されていて、それ自体が廃墟写真集のような素晴らしさがあ
まな板は毎日の料理に欠かせない道具で、特に軽くて使いやすいプラスチック製のまな板は広く普及しています。しかし、プラスチックでできたまな板で食べ物を切ると、大量のプラスチック粒子が発生してしまう可能性があることが、新しい研究により判明しました。 Cutting Boards: An Overlooked Source of Microplastics in Human Food? | Environmental Science & Technology https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.est.3c00924 Cutting boards can produce microparticles when chopping veggies, study shows - American Chemical Society https://www.acs.or
現代の植物の祖先であるコケは、熱帯雨林の樹木などのように環境保護の話題の中で注目されることがほとんどなく、美化や清掃のために剥がして捨てられることもしばしばです。世界中のコケを集めてその働きを調べた研究により、コケは栄養素や炭素を保持することで生態系や地球環境を支える縁の下の力持ちであることがわかりました。 The global contribution of soil mosses to ecosystem services | Nature Geoscience https://doi.org/10.1038/s41561-023-01170-x Why mosses are vital for the health of our soil and Earth | UNSW Newsroom https://newsroom.unsw.edu.au/news/science-tech/
気候変動など地球環境の変化が人類に絶大な影響を及ぼすことは、いまの世界で否定しがたいだろう。だが、われわれが人類史をたどるときに、自然界からの影響をどこまで考慮してきただろうか? その影響を加味すると、人類史はどう見直されるのか? 英オックスフォード大学でグローバルヒストリーを教える歴史学者のピーター・フランコパンに、米メディア「ブルームバーグ・グリーン」が聞く。 人類はずっと地球の気候に恐怖を覚え、また取りつかれてもきた。ほぼすべての文明の創世神話が、完璧な楽園の喪失、大洪水、7年におよぶ干ばつ、あるいは容赦ない天災といった巨大な気候変動に基づいているほどだ。 だが、歴史家らは伝統的に帝国や戦争、偉大な発明といった人類の仕業に注目し続け、人類に同じくらい強烈な影響をもたらしてきた火山の噴火や過酷な冬、凶作などには見向きもしなかった。 人類史と自然史を再統合することがいまわれわれを取り巻く
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