悪政に立ち向かう自警団組織はいかにして生まれるか 黒澤明監督の「七人の侍」では、野武士の襲撃に苦しむ村人たちは町に出かけ、7人の浪人を雇って村の防衛を委託しました。 何で浪人を雇わなくてはいけなかったかというと、あの時代は行政機能が麻痺していて、政府が無法者を取り締まる力がなかったからです。自分たちの力で自分たちの身を守るしかなかった。 農民たちも武器を持って野武士に立ち向かいますが、戦闘の指揮を執っていたのは浪人たちでした。指揮官が上につくとキビキビと戦うのはいかにも日本人らしいです。 所変わって中国。 辛亥革命で清王朝が崩壊した後、中国は各地の軍閥が群雄割拠する戦国時代に突入します。同じく政府が民衆を守ってくれなくなった時代、中国の民衆は独自に自警団を組織し、自分たちの身を自分たちで守ろうとしました。 華北に出現した「紅槍運動」を例に、中国民衆の自警団組織の発生と展開についてまとめてい