東京大空襲から80年となる10日、東京・台東区では戦時中に戦意高揚のために作られた「国策落語」を落語家の林家三平さんが演じ、平和の大切さを訴えました。 東京・台東区出身の落語家、林家三平さんは、東京大空襲で家族6人を亡くしたエッセイスト、海老名香葉子さんの息子で、10日地元で開かれた「平和のつどい」に招かれました。 そこで披露されたのが祖父の七代目林家正蔵が作った「出征祝」という国策落語です。 国策落語は、戦時中に戦意高揚のため、当時の人気落語家によって作られました。 「出征祝」は、息子が兵隊に召集された父親が、国に貢献できることを祝って、うたげを開くという内容で、最後に「一升瓶を2本買った」というせりふを「日本勝った」にかけたオチで締めくくられます。 演じ終えた三平さんは「聞いていて気持ちのいい話ではないが、これでしか笑うことができなかった戦時中の状況を感じてほしい」と呼びかけました。