……確かに建築は幾何学的な側面を持つ。しかしもっと抽象的なソフトウェアにとってこの「幾何学的特性」とは何を意味しているのだろうか? UMLモデルか? 確かにソフトウェアのアーキテクチャを何らかのダイヤグラムに表したときの幾何学的特性が意味を持つかもしれない。(本文より) 今回は少し趣を変えて、「本物のアーキテクト」、つまり建築に携わる人たちとわれわれがどのような接点を持っているのか、そこで彼我の間にどのような共通点と相違点があるのかを、彼らの著作をひもときながらざっくばらんに探ってみようと思う。 まずは磯崎新の「プロセス・プランニング論」(鹿島出版会、1997、『空間へ 根源へと遡行する思考』所収)より。建築の計画概念には3つの段階があるという。1つはクローズド・プランニング(閉ざされた建築)、もう1つはオープン・プランニング(開かれた建築)、最後はプロセス・プランニング(プロセスの建築)