間抜けな官僚の種は、つきないようだ。またしても経産省の北畑隆生次官が、「原油高の原因はゴールドマンサックスやモルガンスタンレーの相場予測だ」と非難した。彼がバカで無責任であることは、当ブログでも何度も指摘してきたが、今度の発言は罪深い。所管官庁の最高責任者が特定の企業を犯人扱いするのは、ほとんど名誉毀損である。 投資銀行の予測したのは今年下半期の価格、つまり先物相場である。先物というのは、ペーパーバレルを売買する証券市場だから供給は無限にあり、いくら投機筋が買い上げても現物の需給には影響しない。たとえば今年12月に原油がバレル100ドルに下がると思う投機筋は、150ドルで空売りをかけ、200ドルになると思う投機筋は150ドルで先物を買うだろう。つまり先物相場は投機筋によるギャンブルであり、それによって現物のガソリン価格が上がることはありえない。もし北畑氏が「ファンダメンタルズは60ドルだ
本書の原著は昨年、サブプライムローン問題が表面化する直前に出版されたが、ある意味でそれを予告し、従来のリスク管理の手法が通用しないことを警告している点で、"Black Swan"に似ている。著者もMITからウォール街に転じた「ロケット・サイエンティスト」だ。 従来は証券化によってリスクは分散されると考えられていたが、逆にレバレッジを通じて金融機関の密結合が生じ、複雑性が大きくなっている。普通の株式のリスクは株式市場を見ていればわかるが、オプションのリスクは原資産の価格を見てもわからない。地球の裏側で、何らかの事情で投資銀行が資金繰りに詰まってオプションを清算すると、そのオプション価格が暴落し、それがさらに他の銀行の清算をまねく・・・といった連鎖反応で、大きな損失がグローバルに生じることがある。 こうした問題は、経済学でもO-Ring理論として知られており、システムを疎結合=モジュール化
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン ロシア株が異常に強い。代表的な株式指数であるRTS指数はメドベージェフ氏が大統領に就任した5月7日に2.4%、プーチン氏が首相に就任した翌8日に3.8%の大幅上昇となった。さらに5月14日には昨年11月に付けた高値を抜いて史上最高値を記録。その後も上昇基調を続け、19日には11日連続の上昇を遂げた。 世界の株式市場がまだ、国際的な金融不安や景気後退への懸念で不安定な中、記録ずくめのロシア株の動き。不思議なことに1年ほど前から政権交代が順調に進めば、大相場が来ると予言する地元機関投資家が何人かいた。 ロシアでは1年前から「プーチンの後はプーチン」と言われていた。任期を全うしても、その絶大な影響力は残るというならば、「相場上昇の新材料はどこにある
ニューカレドニアは南太平洋に浮かぶ島。日本人観光客の人気リゾートである。その東側に位置するウベアという島を舞台にした『天国にいちばん近い島』という小説(森村桂、1966年、角川書店)がベストセラーになり映画化もされてすっかり有名になった。 このニューカレドニアの本島は細長い島で、その形が鯨に似ているので先住民たちの間には先祖が鯨であったという伝説が残っている。フランスの統治国でメラネシア系の先住民が約40%を占める。島を取り囲む珊瑚礁は、オーストラリアのグレートバリアリーフに次ぐ世界第2位の海洋生態系に恵まれていると言われていた。 ところが、このニューカレドニアには豊富なニッケル鉱が産するため、150年前からフランスの植民地の主要産業としてニッケルの採掘が続けられ、現在までずっと世界に輸出されてきた。 その結果、陸地と周辺の珊瑚礁の生物多様性とその生態系は、ニッケル採掘の影響で大きなダメー
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン Peter Coy (BusinessWeek誌、経済担当エディター) 米国時間2008年5月13日更新 「Oil's Murky Math」 原油価格は1バレル=125ドル前後と、2006年末時点の価格の倍以上に高騰している。しかし、原油市場の動向を追っているにもかかわらず、政府の予測担当者、株式アナリスト、エコノミスト、トレーダー、ジャーナリストといった専門家の大半がこの事態を予見できなかったのはなぜだろうか。現在でも原油市場の強気筋と弱気筋の見方はかけ離れており、先行きだけでなく現況についてさえ意見がまちまちなのはなぜなのか。 その答えは単純だ。原油の需給要因を十分に把握しなければ、短中期的に原油価格動向を予測することすら不可能なのに、
今学期から「ベンチャービジネス」という授業をもつことになったので、「ベンチャーの何ちゃら」という本をいろいろ読んだが、日本人の書いたもので参考になるのは1冊もない。そもそもベンチャービジネスというのは和製英語で、正しくはstartup、起業家という意味ならentrepreneurである。この言葉だけでなく、起業家について一般にひろく信じられている迷信は多い。本書は、それを具体的なデータで反証する。たとえばアメリカは他の国より起業家が多く、その数は増えている 起業家の多くはハイテク産業で企業を立ち上げ、その収益率は高い 起業家は若く、新しい技術をもち、夢を実現するために独立する 資金はベンチャー・キャピタルから潤沢に供給される ベンチャーが経済成長の最大の原動力だから、政府が起業を支援すれば成長率が高まる以上は、すべて誤りである。米政府などのデータによれば、OECD諸国で自営業の比率
前回から業界別のお勧めブログをご紹介していますが、今回は、金融・経済系のお勧めブログをご紹介したいと思います。 金融・経済系というと、多様な専門知識が必要な業界が多く、さまざまな専門家が存在している一方で、素人には分かりづらいことがたくさんある業界です。 ただ、一方で、私たちの生活に非常に密接に関係している分野でもあります。 そういう意味でも、複雑で専門的な事象を分かりやすい言葉で解説してくれるブログの存在は非常に意義があると言えるでしょう。 ■isologue まず最初にご紹介するのは、金融・経済系ブログの代表的存在と言える「isologue」というブログです。 このブログは、公認会計士でもある執筆者の磯崎哲也氏が、特に経済とITビジネスが交差する話題に対して、冷静な分析を展開していることで知られています。 何といっても代表的なのはライブドア事件に関する多くの詳細な
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く