天外魔境 ZERO
【てんがいまきょう ぜろ】
ジャンル
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ロールプレイングゲーム
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対応機種
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スーパーファミコン
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メディア
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40MbitROMカートリッジ
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発売元
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ハドソン
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開発元
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ハドソン、レッドカンパニー
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発売日
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1995年12月22日
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定価
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9,980円
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プレイ人数
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1人
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判定
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良作
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天外魔境シリーズリンク
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概要
PCエンジン(以下、「PCE」と表記)で展開されていた天外魔境シリーズの外伝作品の中で唯一、スーパーファミコン(以下、「SFC」と表記)用ソフトとして発売された作品である。
スタッフの間に、自分の子供が(PCEを持っていない等の理由で)天外魔境シリーズをプレイしたことがない、という声が上ったという経緯で製作された。
ストーリー
太古のジパングは火熊国・孔雀国・鶴国・亀国・犬神国・竜王国の6つの国に分かれており、それぞれの国は神獣によって守られていた。古代の習わしにより、永遠の火の意志によって選ばれた火の勇者が竜王国の王となり、ジパングを代々束ねていた。
永遠の火によって弟王が竜王国の王に選ばれるが、兄の兄王はそれに反発。600年前に火の一族と戦い地獄門に封印されていたニニギによってそそのかされた兄王は弟王を殺害。地獄門の封印を解き、ニニギを復活させてしまう。復活したニニギは地獄の軍団を従えて瞬く間に神獣を封印し、ジパング全土を支配してしまう。
100日後、火影村の少年、ヒガンは永遠の火の意志によって新たな火の勇者として選ばれ、ニニギを倒しジパングを治めるべく旅立つ。
(Wikipediaより転載)
システム関連
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PLGS(パーソナル・ライブ・ゲーム・システム)
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本作最大の売りであるシステム。
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簡単に言えばゲーム内の時間と現実の時間とがリンクするシステムである。
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一般的なRPGでは時間の概念がない、もしくはゲーム内だけの変化であるが、本作では現実の時間とリンクした様々な効果が得られる。
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例を挙げると、朝4時半から5時半の間は戦闘で得られる経験値が1.5倍になり、もらえるお金が0.5倍となる。逆に深夜2時半から3時半の時間帯では、経験値が0.5倍となりお金が1.5倍となる。一日の間の変化の他にも曜日ごとの変化もあり、日によってお店が開いていたり、開いていなかったりする。などなど時々刻々とゲーム内の状況に変化があるシステムである。
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他にもカレンダーとリンクしたイベントも毎月決まった日に行われる為、本作を極めるには現実に365日(閏年なら366日)間という期間が必要である。
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なお、このシステムはハドソンの後発のRPGのほか、ポケモンシリーズでもこれを模したシステムが導入されている。
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ハードの仕様上、本作の日付設定はソフトに依存する為、バーチャルコンソールでの配信はないと思われる。
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出会い茶屋
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これもある意味ではPLGSの一部ではあるが、特徴的であるので別途記載する。
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本作では、各地に「出会い茶屋」と呼ばれる施設が存在する。
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要するに、男性が通って女性と友達になる場所であるが、本作では会って話すだけでなく、何人かは時間とお金をかけることによって最終的には家を買ってやり、そこへ女性を住まわせることができてしまう。
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しかもそれは一人で終わることはなく、何人もの女性を口説くことが可能。
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家を買ってあげた女性たちに対しては、会いに行くとアイテムがもらえるなど様々なイベントが起こるが、いずれのイベントの後も本当に子ども向けのゲームなのかと訝りたくなる様な描写と効果音が入る。
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しばらく会いに行かなかった場合、次々と手紙を送り続け最終的には失踪してしまう者や、会いに行くたびに貢物を用意しなければならない高飛車な性格の者など、必ずしも交際しやすい女性ばかりではない。
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一連のイベントを進めるためには多量のお金が必要となるが、本作には簡単にお金が稼げるポイントが幾つもあるのでハードルはそんなに高くはない。
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また、これらと関連して本作には「イカす度」と呼ばれるパラメータが存在する。アイテムや主人公の行動によって度合いが上下し、技を使用した際のカットインや出会い茶屋での女性との会話に変化が生じる。
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その他
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一般のRPGにおける魔法に相当する「巻物」がある。この巻物は人からもらうのが基本なので、主人公たちが例えばレベルアップにより自ら術を覚えることはない。
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巻物には1個だけで使用出来るもの、2個を組み合わせて使用出来るもの、の2種類がある。前者は様々な効果を持つものがあるが、効果が低めとなっている。後者は攻撃のみで高コストだが、威力も相応に高い。
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巻物のほかに、必殺技に相当する「奥義」が用意されている。習得方法はそれぞれ違い、中には自分で卵をかえして育てるというものもある。
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ボス(一部除く)に敗北すると、敗北イベントが見られる。ボスによってはかなりエグいイベントもあり、ある種の見所にもなっている。
評価点
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3分間ほどのオープニングムービーが2種類用意されている。また、これに合わさる音楽も好評。
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1つ目のムービーが終わった後、表示されるタイトル画面で曲がループするまで待つと2つ目のムービーが流れる。
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オープニングムービーが複数あるゲームは多いが、それはゲームの進行とともに変化するものがほとんどであり、初めから2種類用意されているゲームはそれほど多くはない。
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ストーリーは王道的でよくまとまっている。
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『II』のようなインパクトにこそ乏しいが、一つ一つのイベントが時に切なく時にギャグテイストで丁寧に描かれており、本作独自の味を引き出している。かつイベントに合わせる音楽も粒揃い。
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音楽の出来も全体に良好。
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本作のサウンドトラックが今でもプレミアム価格で取引されているあたり、根強い人気が窺える。
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中でもシラヌイというボスとの戦闘BGM「剣に生き剣に死す」は、プレイヤーの間でも非常に人気の高い曲として有名である。
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戦闘バランスも難しすぎず簡単すぎず、ちょうど良いくらいである。
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装備を相応にしっかり整え、レベル上げや巻物回収を怠らなければ基本的に詰まる事は無いだろう。
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ただ同じ地域でもエリアごとの雑魚敵の強さに大きなバラツキがあり、新たな地域に進出して間もなくうっかり奥地に出向くと相応の苦戦を強いられてしまうなど、単調という訳でもない。
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雑魚敵も非常にバリエーションに富んでおり、個性的な専用グラフィックと特殊能力を持つ敵が多くプレイヤーを飽きさせない。色替えの所謂“コンパチキャラクター”や、ただ物理攻撃をしてくるだけの脳筋キャラクターは少ない。
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シリーズの伝統なのか、敵キャラクターがなかなかに印象的である。
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王道的な悪役ポジションの絶対レイドや闇の剣士シラヌイ、行く先々でチャラけた言動や意図の読めない手助けをしつつ醜悪なまでの腹黒さをのぞかせるジュリ、科学と富で人々の生活を発展させた反面人情を廃れさせるキンギン等、一筋縄ではいかない背景や個性を持っており、ストーリー進行を飽きさせない。
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特に赤丸は敵ながらちゃっかり本作のマスコットキャラクターにまでなっており、専用の戦闘BGMや彼等をモチーフとした町があったりとかなり優遇されている。
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問題点ともなりうるが、ゲーム内の時間と現実の時間とをリンクさせようとした試みは当時としては斬新だった。
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ROM容量が他のSFC作品より大きいためか、グラフィック面もかなり上質。
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前述した巻物のエフェクト、後半でのロボット同士の対戦等、迫力あるものも多い。
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本編は結構シリアスだが、遊びの部分も大きくそれらも含めて作品の魅力といえる。
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本作のPLGSと出会い茶屋のシステムは、完全にお遊び要素である。ある意味、力の入れどころを間違っている気がしないでもない。とはいえ、そのせいで本編がおろそかになっているということもない。
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所謂“強くてニューゲーム”である「ふたたび」モード。
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主人公達のパラメータや所持金を引き継いでプレイ出来るというもので、2周目以降を無双プレイしたり、やりこみ派には歓迎されている。
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戦闘不能状態の仕様改善
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体力(HP)0による戦闘不能状態の仕様が戦闘後に体力(HP)1で回復するように変更された。
賛否両論点
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最終盤でのイベントをこなすと竜王国以外のフィールド上で雑魚敵とのエンカウントが発生しなくなるという仕様がある。
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フィールドを移動する際に敵との遭遇を気にしなくてよくなるという大きな利点はあるものの、本作の雑魚敵は他のRPG作品によく見られる「色違い」が殆ど無く、個性的なものばかりでフィールド上でしか出現しないものも多い。その為、それらの敵を再び拝めなくなるのは寂しいところである。また、特定の敵しか落とさないアイテム(ドーピングアイテムや装備品)もある為、やりこみ派にとっては純粋に手痛い所でもある。
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ゲームバランス崩壊級のギャンブル
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とある国の町に、999,999両まで賭けることが出来、当たれば2倍になるという、文字通りケタ外れのシャッフル当てギャンブルゲームがある。当たる確率が3分の1である為、賭ける直前にセーブしておけば、もし外れてもリセットしてやり直せばいいだけなので、わりと簡単に所持金を増やすことが出来る。
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こうなると強力な装備品や回復アイテムが買い放題となり、ゲームバランスがかなり崩れる。日時が合えば、各神社の縁日で全員を完全回復する「きせきのさけ」、敵全体に大ダメージを与える「ツウコンのこな」などの強力なアイテムも大量にストック出来てしまう為、尚更である。
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直後に所持金が1,000両未満でないと通過できないイベントがあるが、店屋で適当なアイテムを購入し、所持金を抑えておけばいいだけなので無意味である。一度通過してしまえば、先ほど購入したアイテムを売却し、それを元手にまたこのギャンブルゲームで大量にお金稼ぎが出来る。
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この国には、ほかにも「金(きん)」や「砂金」を換金するなどの稼ぎ手段もあるが、このギャンブルゲームの爆発的な効率の前では影を潜めてしまう。
問題点
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ゲームオーバーの概念導入
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「敗走」に留まっていた今までと違い、戦闘で味方全員が戦闘不能あるいは石化状態になるとゲームオーバーとなり、最後にセーブした場所からやり直すことになった。
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これにより、前3作とは異なり経験値がそのままの状態でゲームを続けることができなくなった。
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天外魔境のRPGでゲームオーバーが採用されたのは本作が初で、『天外魔境III NAMIDA』も同様である。
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PLGSがあまり本編と絡まず、お遊びで終わってしまっている点。
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下手に本編に絡めすぎるとプレイの幅を狭めることになり問題であるが、本作においてはただクリアを目指すだけではほとんど無視してしまっても差し支えない。
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特定の日付でのみ入手出来るアイテムがあるのだが、その日を逃すと数か月待たされることもある。親の目が厳しい低年齢層や、時間に乏しい社会人プレイヤーにとっては辛いところ。
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セーブデータは3つ保存可能だがPLGSは最初に設定した時間と誕生日が共有される仕様のためソフトを借りてプレイする場合、自分の誕生日で遊べない。
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一応セーブデータ全てを消して最初からゲームを始めればPLGSの再設定自体は可能。
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主人公の移動手段は基本的に徒歩であるため、本編を進めながらサブイベントをこなしていく場合、移動が面倒である。
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一部地域には「飛行船」や「船」といった移動手段が用意されているが、その地域を越えて使用することは出来ない。
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特に序盤から中盤にかけては、マップ全体が複雑な迷路になっている『孔雀国』、マップ大半の移動速度が大幅に落ちる砂漠で覆われた『鶴国』、マップ全体が樹木で覆われており視界が遮られる『亀国』が続く為、そういった印象を持ちやすい。
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一応、一度行った場所に移動できる「天駆」の巻物や「ひこう石」というアイテムがある為、スバル加入後は移動に困ることはない。
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通常の会話メッセージの表示速度に比べると、イベントメッセージの表示速度がなぜかやたら遅い為、苛立ちを感じやすい。
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また、メッセージのカギカッコの前にキャラクターの名前が出てこない為、誰が話しているのか分かりにくい事がある。一応、話し手のドット絵が動くので、視覚的に全く区別がつかないということはない。
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ちなみに主人公・ヒガンは、典型的なドラゴンクエストタイプの主人公であり、台詞がない。
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テンジンの扱いについて
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本作の3人目のパーティキャラクター・テンジンは、恋人である4人目のパーティキャラクター・みずきと1つの肉体を共有しており、中盤以降に自由に入れ替えが出来るようになるのだが…
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典型的な器用貧乏で使える巻物も少ないテンジンと比較して、みずきは全体的にステータスが高く奥義も強力なものが多く使える巻物も多い為、みずき加入後にお払い箱になってしまうケースが多い。
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強力なキャラクターの“交換券”扱いと言う事で某RPGの青い剣士を彷彿とさせるが、その交換される相手が、自分の恋人であるが為に余計に哀愁が漂っている。
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終盤のアクション対戦モード
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終盤に巨大な魔人を操り、敵の巨大ロボットと格闘ゲームで対戦し倒すイベントがあるのだが、一度対戦に入ると勝利するまで先に進めず、敗北しても再戦するかゲームオーバーになるかの選択しか無く、後戻りも出来なくなってしまう。難易度はそれほど高くはないのだが、格闘ゲームが苦手な人にとってはやや厳しい。一定回数敗北した際の救済処置等も無く、自力で勝たなければならない。
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下手な技は使わずパンチ主体で攻め、敵が必殺技を使う合図(画面下部に鳴き声がテロップとして表示される)を見たらガードをすれば格闘ゲームが苦手でもまず確実に勝てるように出来てはいる。
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後に犬神神社の縁日で、このゲームを自由にプレイ出来る。敵のロボットを操作したり2Pプレイも可能であったり豪華な仕様なのだが、反面こちらもPLGSイベントの1つであり、その日が過ぎると暫くプレイ出来なくなるのも寂しいところである(こちらは、いつでもプレイ出来るようにしても良かったのでは…?)。
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厄介な状態異常追加
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本作から戦闘後も回復しない行動不能の状態異常「石化」が追加され、味方全員が石化するとゲームオーバーになるようになってしまった。
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この仕様のせいで、難易度が高くなってしまったが、本作のみで次回作以降から撤廃された。
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全体的にエンカウント率が高め。
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フィールドや一般的なダンジョンでも他のRPGと比べるとややエンカウント率が高く、一部ダンジョンではかなり高い設定になっており全体的に複雑な構造になってるのもあって結構ストレスになる。
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一定時間エンカウント率を下げる消費アイテムに「たいあんのタイコ」があるが3,600両と値段が高く気軽に買えない上、効果時間も短めで使いにくい。
総評
全体的に丁寧に作られた良作である。本作の評価点としていろいろ挙げることはできるが、総合的に見て完成度の高い作品といえる。
しかし、本作ならではの特色に乏しく、全体的に模範的な良点が散りばめられている作風は「雰囲気ゲーム」と言えるかもしれない。
プレイしているうちは楽しいのだが、終わった後で何が良かったのかと聞かれるとちょっと答えにくい…そんな作品である。
その雰囲気にどっぷりと浸かってしまえた人にとっては名作ともなり得るが、逆に雰囲気が合わなかった人にとっては至って普通のゲームと言われるかもしれない。
ある意味で後年に出た『オリエンタルブルー 青の天外』と似た作品といえる。
スタッフの「子どもが『ドラクエ』や『FF』はプレイしても『天外魔境』はプレイしていない」という声に押されて作られた本作であるが、なんと13日前発売の『ドラクエVI』や21日前発売の『風来のシレン』と発売月が被った為に悲しいほど隠れてしまった。
それでもおよそ20万本と本シリーズの中では上位の売り上げを達成したものの、PCEの『風雲カブキ伝』と同じ売り上げであり、普及ハード移行による新規顧客獲得までは至らなかった。
しかし、現在でもリメイクや移植、VCでの配信(時計機能がある為、難しいと思われるが)を求める声が少なからず存在することから、シリーズでは一定以上の地位を確実に築いたことには間違いなく、同年代のRPGでは『天地創造』と共に隠れた名作としてよく取り上げられている。
余談
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本作は時計機能を搭載しているため、他のSFCソフトよりもセーブデータ保持用の内蔵電池の消耗が早い。そのため現在では電池交換の必要なものがほとんどである。
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幸い(当時の事情もあるが)出荷台数が多く、現在でも中古ショップや通販等で新品が数百円で売られている事が多いので、電池交換済みのソフトを購入するとある程度安心。
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ゲーム開始時に設定する現在時刻が西暦2014年までしか入力出来ない為、これから始めた場合どうしても日付にズレが生じてしまう。
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誕生日に関しては1999年までしか設定出来ないが、例えば2000年に誕生した人なら1900年というように、100年差し引いて設定すれば2000年以降の誕生日でも正常な年齢でカウントされる。
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また本作が発売された当時は、まだハッピーマンデー制度が施行されておらず、一部の祝日設定が現在とは異なっている。その他、閏年(2月29日)の有無など、プレイするならこれらの点に注意されたし。
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「週刊少年ジャンプ」の抽選プレゼントで、「少年ジャンプの章」という特別版が配布された。
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毎週火曜日に各神社で「ジャンプ」が購入出来る等、いくつかの追加要素がある。
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ある条件を満たすと、タレントの今田耕司氏が登場する。
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当時放送されていた深夜番組とのタイアップによるもの。
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出会い茶屋について、主人公の設定年齢を考えると様々な意味で子ども向けではない。
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出会い茶屋絡みのイベントも、突き詰めると「12歳の少年が出会い茶屋に通い詰め、次々と女性を口説き、果ては二股三股な状態で家に住まわせる」という、かなりの女たらしな主人公と化す(12歳の少年相手に真剣に関わろうとする女性達も大概であるが)。
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女性達のやり取りの中で画面が暗転する事があるのだが、その際どう見ても接吻したとしか思えない効果音が鳴る為、余計にアブない。
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本ゲームの容量は40Mbitだが特殊チップを搭載しておりデータ自体は72Mbitである。
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この年第11回となる夏恒例の全国キャラバンは本作の予告を主眼に据え「劇場空間天外ごっこ 誰がハドソン夢まつり'95」と題して行われた。
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内容もゲーム大会ではなくミュージカル仕立てのイベントという、いろいろな意味で異例な開催となった。
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とはいえその中身は非常に濃く、座長には元ザ・ドリフターズの荒井注氏を起用し、ハドソンタイトルではボンバーマンの声でお馴染みの大物女性声優杉山佳寿子氏なども出演する豪華キャスティングで、見るからに力の入ったイベントに間違いなかった。
最終更新:2023年07月15日 23:59