Jak 3
【じゃっくすりー】
ジャンル
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アクションアドベンチャー
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対応機種
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プレイステーション2
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メディア
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DVD-ROM 1枚
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発売元
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Sony Computer Entertainment
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開発元
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Naughty Dog
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発売日
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2004年11月9日
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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4個
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レーティング
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CERO:B(12才以上対象) |
配信
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【PS4】2017年12月21日/1,500円
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判定
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なし
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ポイント
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難易度の癖は『2』より抑えられた システム・シナリオともに荒削り
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ジャック×ダクスターシリーズ 1 / 2 / 3 / X / Daxter / エルフとイタチの大冒険
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PlayStation Studios作品
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概要
米国で人気のアクションアドベンチャー、『ジャック×ダクスター』のシリーズ第3作。
日本ではダウンロード専売でリマスター版(日本語非対応)がPS4にて発売されている。
また、『1』『2』『3』を抱き合わせてPS3用に移植した『Jak & Daxter Collection』(日本未発売)でもプレイ可能。
前作の操作性をベースに、新たな敵勢力によって一新された世界観と臨場感あふれるミッションの数々が特徴。
あらすじ
ジャックがメタル・ヘッドの親玉を撃破しヘヴン・シティに平和が訪れた。
しかしそれもつかの間、シティの有力者Vegar伯爵のたくらみによってジャックはウェイストランドに追放されてしまった。
ジャックはウェイストランドに広がる広大な砂漠でついに行き倒れてしまうが、スパーガス・シティがそこにはあった。
システム
拠点・地勢
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マップ
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前作の拠点であったヘヴン・シティは外勢力の大規模な攻撃を受けており、大半の部分が壊滅および侵食されている。作中で行ける場所は前作の半分近くに縮小している。
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ヘヴン・シティ
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ジャックがかつていた街。メタル・ヘッドの襲撃に備えた壁内都市だったが、クリムゾン・ガード兵器による暴動、混乱に乗じたメタル・ヘッドの襲撃によって半壊してしまっている。
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現在は自治部隊が街の平和のために戦っている。クリムゾン・ガードを青くしたような外見をしているが、ジャックを集団で襲うことはしない(ただし、ジャックの攻撃を受けると反撃はしてくる)。
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ジャックは地下道やワープゲートを使って、シティやその外の世界を行き来することに。
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主要人物やジャックの協力者も過去作で出入りした街の拠点で出会うことになる。
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スパーガス・シティ
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周囲には広大な砂漠が広がっている。
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スパーガス・シティとはまた別勢力のならず者たちも暮らしており、砂漠に出るとバギーに乗って砲撃&突撃してくるので、砂漠を移動するには「バギー(後述)」が必要。
アクション系統
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ジャックの体力
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残機制であり0になるとリスタート地点からやり直しとなる。
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シナリオで鎧を部分的に入手していくことで、残機数をパワーアップできる。
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モーフィングガン
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前作からの続投要素。前作は4種類の銃を所持できたが、それぞれの銃はさらに3段階のカスタマイズ可能となった。ジャックの鎧と同様、シナリオを進めることで順次開放されていく。
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4種類の銃が方向キーに対応し、もう一度同じキーを押すと別のカスタマイズにチェンジする(また長押しすることでしまうことが可能)。
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弾薬は同じ色同士で共用される。カスタマイズは後の物になるほど弾薬を一度に多く使用する。ピース・メーカーのように一発で全弾使ってしまうものも。
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色とカスタマイズの詳細
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レッド・バースト
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射程と弾数は少なく発射後の隙が大きいが、攻撃範囲と威力に優れる。
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前方への散弾銃 → 自身を中心とした円形衝撃波→高威力の投擲爆弾の順に変化する。
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イエロー・ブラスター
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射程と弾数に優れる。本来は狙撃に適した武器だが、カスタマイズすると大勢の敵をたやすく一掃できるようになる。
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ライフル→跳弾→シャワー型の弾幕に変化する。
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ブルー・バルカン
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一発の威力は少ないが長押しで連射できる特徴があり、正面の敵をひるませながら大ダメージを与えられる。
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カスタマイズはバルカン → 電撃 → 至近距離用の追尾弾と変化する。
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ピース・メーカー
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紫色の銃。
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弾数が非常に少ないが、一発の効果が強力。
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ホーミング性のある電気球 → 範囲内の敵無力化 → 弾薬を使い切って広範囲の敵に大ダメージと変化する。
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ダークジャック
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力を解放しダークモンスターに変身する能力。この間は接近戦に対して非常に強くなり、強力な必殺技が使えるようになる。ただし前作にあったパンチのホーミング性能は削除されてしまっている。
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今作では時間制限つきの解放ではなくプレイヤーの任意解放および解除ができるようになった。
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具体的には、ダークエコゲージが残っている間は好きに変身できる。ダークエコゲージはダークエコの粒を拾うことで部分的に回復し時折あるダークエコの泉は入ることでゲージを全快できる。逆にダークジャックになってなにかしらのアクションをすると減少、特に大技を使うことで大幅に減少する。
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その他
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ジェットボードは続投。タイタンスーツや砲台も一部のミッションで登場する。
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ゲーム性の変化について
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前作の時点で、ただひたすらアクションを繰り返すというゲームではなかったが、本作にもまた1作目のパズル要素に回帰したようなゲーム性がみられる。特に後述のオーブを稼ぐためには技術よりもひらめきを問われるケースが多い。
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ボス攻略も物量戦ではなく、決められた行動をとることで一定ダメージを与えて倒すという、ローテーションによるものに変化した。
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FPS型のミニゲームを行えるミッションがいくつか存在する。
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ダクスターの乗るリーパー、ミサイル、タイムマシンといったハイスピードのアクションもある。
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目を覆いたくなるような残虐表現はほとんどないが、グロテスクな敵やマップが増えた。
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特典
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オーブの数に応じて特典が解放できるシステムは続投。ただし本作はプレイヤーが好きなものから順に「購入」できるようになった。
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特典内容は高難易度モードの解放、チート解放、といったものから、マップを悪天候にしてあえて視界不良にするといった変わり種もある。
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入手手段は前作同様、隠されているものを拾うか寄り道してやりこみのミッションをクリアすること。本作は入手できるオーブの数、また入手のためのハードルの高さが若干抑えられている。
新要素
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ライトジャック
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直接の戦闘能力は強化できないが、体力回復、シールド、飛翔、時間の遅延といった特殊な能力が使えるようになる変身。
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こちらもダークジャックのようにライトエコの粒や泉によるゲージ回復、技による消耗で解放・解除が制御されている。
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リーパー
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二足歩行の恐竜と鳥の中間をとったような生物。徒歩よりも若干速く移動でき、スパーガス・シティの移動手段として使用可能。
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突進とジャンプができる(ここは『1』のフラフラ鳥と操作方法は同じだ)が、体力は非常に低く何かの攻撃に当たるとすぐに死んでしまう。
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一部、外のダンジョンで使うこともある。
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バギー
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ならず者の攻撃が激しいスパーガス・シティ外の砂漠を、無事に駆け出すのに必要な乗り物。
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搭載アクションは前進、後進、ブレーキ、ドリフト、ターボ、ジャンプ、前方への射撃(ロックオン不可)など。
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バギーは基本的にタフだが、攻撃を受け続けていると壊れてしまいリスタート地点からやり直しになる。
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耐久値は画面上のゲージで判断可能。なお、スパーガス・シティのガレージに帰投すれば瞬時に耐久値が回復する。
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スパーガス・シティのならずものが搭乗するバギーを破壊すれば、ミニターボが可能なエネルギー球をドロップする。ジャックの搭乗するバギーはこのエネルギー球を3つまで保持可能。
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バギーでこなすミッションは「一定時間内に決められた場所に移動する」「敵を撃破する」「レースをする」の3種類。例外はあるが上記のならず者たちに妨害を受けることが多い。
評価点
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理不尽な難易度ではなくなった
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前作のクリムゾン・ガードのような苛烈な包囲網に出くわす場面が若干減っている。
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ザコ敵を倒すと時折、体力回復アイテムをドロップするようになった。
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リスタート地点が大幅に増えたため、前作のように最初からやり直しというケースが格段に減っている。
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多様なミッションにより、ゲームがマンネリ化しない
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今作から、ダクスターのアクション、バギー、シューティング、ハイスピードの乗り物を制御するといった様々な種類のミッションがある。
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シューティング系のミッションでは、敵の迫力のある演出がみられる。
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ダクスターの操作に切り替わるシーンも増え、彼に明確な魅せ場が追加された。
問題点
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バギーの操作関連のストレス
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砂漠でバギーを使って行うミッションはリスタート地点が少なく、また敵のバギーの猛攻をスルーしながらこなす必要があるなど、前作を彷彿とさせる要素が多い。
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本作をプレイする場合はPS3を使うことになる。このPS3のコントローラが高感度なため、スティックは細かく動かさないとタイヤを取られてスリップしがち。
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また、正面から障害物に衝突しても受け流せるズーマーとは異なり、バギーはまさつが働いてしまい膠着状態になってしまう。タイヤをとられるなどして壁にぶつかってしまうと一度バックして体勢を立て直さなくてはならない。
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この癖の強い操作に加えて、敵のバギーは無限涌き&体当たりや物量による進路妨害を常にしてくる。正直言って運も絡んでくることも多く非常にイライラする。
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前作のズーマーでは可能だった高度(ハイとローの2段階)変化ができなくなっているため、敵機に囲まれてしまうと破壊しない限り身動きが取れなくなる。
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またスパーガス・シティの外の砂漠は砂嵐がふくこともよくあり、酷い時はほとんど何も見えない。
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出番の少ないアクションがある
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本作ではできることが増えた弊害として、ジャックのアクションにも便利なものとそうでないものの差が大きくなってしまった。
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ライトジャックのスローモーションスキルは確かに強力なのだが、連発ができないため使う機会は一部のダンジョン(使わないと先に進めないしかけがある)程度。
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「Dune hopper」が使いやすすぎるせいで、それ以外のバギーを使う意味があまりない。
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「Dune hopper」の弱点はジャンプにタメ時間がかかる程度で、名前の通り大ジャンプができるため、ならず者のバギーをスルーしたり過酷な地形を走破しやすい。
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また搭載してある銃が威力と攻撃範囲が高い爆弾なのも長所。
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イエロー・ブラスターの2つ目のカスタマイズ「跳弾」も強力。空中で回し蹴りしながら発射すれば周囲の敵を殲滅できる。
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シナリオ運びがやや強引
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ヘヴン・シティが多数の勢力衝突によって秩序が乱れていることは確かにその通りなのだが、冒頭でジャックが追放されるまでの流れが早足に描かれすぎているせいで、そこまでの紆余曲折がわからない。
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過去作の登場人物にはジャックの協力者は大勢いるはずなので、それでもジャックの追放を許してしまった彼らが薄情もしくは無能に映らなくもない。
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本作から現れる「プリカーソル人」の存在が非常に唐突。また彼らがダークエコに侵されて誕生したらしい「Dark maker」という新勢力も出てくるが、特にこれといった説明もないので世界観から浮いてしまっている。
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さらに前作の勢力として依然脅威となりうるメタル・ヘッドが、シティにグロテスクな基地を作り上げるなど表面上の脅威を演出するには一役買ってはいるが、シナリオ全体の脅威でいうと実は今作で一番影の薄い存在になってしまっている。
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とある人物がジャックの父親だと判明するが、唐突に少し前のシナリオのフラグ回収で判明するのであまり感傷に浸れない。
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マップの自由度
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ヘヴン・シティの大半は常に機械兵器やメタル・ヘッドの攻撃を受けており、砂漠ではバギーに襲われるため、気軽に探索できる範囲が非常に少ない。
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ヘヴン・シティからスパーガス・シティに来る際、エアポートが砂漠に着陸する。この時バギーが近くに置いていない時があるので、少しの距離ではあるが危険な砂漠を徒歩で進まなくてはならない。
総評
極端なクセが軒並み抑えられて遊びやすくなったが、シナリオや新要素を含んだ全体なゲーム性は荒削りであり、前作と比べて一長一短といったところ。
余談
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2009年にPSPで発売された『エルフとイタチの大冒険』以降は途絶えていた『ジャック×ダクスター』シリーズだが、2021年4月のNaughty Dogの共同社長であるEvan Wells氏へのインタビューで『ジャック×ダクスター』の新作が開発されていないことが明らかとなり、シリーズのファンを大きく落胆させた。
最終更新:2024年11月18日 06:08