【ているず おぶ べるせりあ】
ジャンル |
ロールプレイングゲーム (シリーズ内ジャンル名:君が君らしく生きるためのRPG) |
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対応機種 |
プレイステーション4 プレイステーション3 Windows(Steam)(*1) |
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発売元 | バンダイナムコエンターテインメント | |
開発元 | バンダイナムコスタジオ | |
発売日 | 2016年8月18日 | |
定価 | 8,070円(税別) | |
プレイ人数 | 1人(戦闘のみ1~4人) | |
レーティング | CERO:B(12才以上対象) | |
廉価版 | Welcome Price!!:2017年6月1日/3800円(税別)(*2) | |
コンテンツアイコン | セクシャル、暴力 | |
通信機能 | PlayStation Network対応(DLC配信) | |
判定 | 良作 | |
ポイント |
(CS機では)シリーズ初となる単独女性主人公 シリーズの中でも上位といえる高いストーリー性 |
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テイルズ オブ シリーズ |
これが、私の"生き方"だ。
テイルズ オブシリーズの1作。略称はTOB。PS3最後のシリーズ作品で、PS4とPS3のマルチプラットフォームで発売された。
『ゼスティリア』(以下前作)の前日譚であるが、メインヒロインな筈のアリーシャの扱いを始めとした前作の評価があまりに低く、加えて本作が前作の過去の物語である情報が発売前より流れていたことで、本作もまた惨憺たる出来となることを危惧していたプレイヤーも少なくなかった。
しかし、蓋を開けて見れば前作の評判を払拭できる内容であり、前作で説明不足だった設定や伏線が丁寧に回収されているためシナリオの評価は高い。システム面も非常に洗練されている。
内容も前作の続編というよりは、本作の発売と同時期に放送されたアニメ版『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』(以下ザ クロス)との関わりが深い。
アニメ版のザ クロスはゲーム版『ゼスティリア』を単純にアニメ化したものではなく、内容を一部改変し『ベルセリア』の設定を取り入れている。
そのため、『ベルセリア』で迎えたエンディングの続きと言った方が正しい、どちらの作品の世界観から見ても無理のないシナリオに仕上がっている。
メインキャラクターデザインは、いのまた氏(主人公)・藤島氏・奥村氏・岩本氏の4名が担当。
シナリオはこちらも前作を担当した山本尚基氏、『リバース』のシナリオライターを務めた平松正樹氏(*3)、そして前作ディレクターの長谷雄太氏が担当。
主題歌はFLOWを起用。『ザ クロス』でも主題歌を担当している。
本作は過去にマザーシップタイトル(*4)として扱われており、本作はこの分類において初の単独女性主人公作品とされていた(*5)。
まとめると、術技の連携によって敵を攻撃し、スタンさせることによってソウルを奪い連携数とソウルゲージを増加させてより強力な連携数増加のメリットを得て、「ブレイクソウル」によってさらなる連携につなげ、場合によってスイッチブラストや秘奥義などにつなげてフィニッシュするというのが本作のバトルフローとなる。
独自要素が多いが、やることはゲージ管理の割合が大きい。
+ | 本編のネタバレ注意! |
Win用移植版が2017年1月27日に配信されている。
が、これがジオブロッキングによって日本除外仕様(通称「おま国」)であり、日本製のゲームなのに日本人はプレイできないという酷い売り方になっている。
海外市場でも日本同様評価そのものは高く、ゲームメディアによる批評でも80%の評価を得ており上々。
微細なグリッチは存在するが移植精度も高く1080p60fpsでプレイできる。
日本市場に流通させないようインターフェース・テキストの日本語が存在しない仕様だったが、日本語プレイしたさに韓国人のプレイヤーがバイナリエディタなどを使った日本語可の方法を調べるなどしており、売り方そのものに疑問符が付かざるを得ない。
前情報では操作方法の大幅な変更など戸惑う部分もあった上、なによりシリーズの中でも歴代最悪とも言われる前作の前日譚ということも相まって、発売前より地雷として購入を見送ろうとしたプレイヤーも少なくなかった。
…が、いざ蓋を開けてみれば、前作の悪評を完全に払拭するほどの良作であった。
売上も初週こそ前作をやや下回った計25万本程だが、3週ほどで30万本を突破するなど歴代作と肩を並べる売り上げを残している。
前作の設定を引き継いではいるものの、この1作で物語が完結しているため新規のプレイヤーでも問題なく遊べる。
キャラやシナリオは高い完成度であり、手に取って損は無い逸品である。
この作品に興味があれば、是非ともプレイして、主人公「ベルベット」の生き様を見届けて欲しい。
*1 Win版は日本ではプレイ不可能。
*2 PS3版はダウンロード版のみ。
*3 平松氏はチャットのテキストも担当している。
*4 シリーズ内におけるメインタイトル。
*5 マザーシップタイトル以外も含めると、携帯電話用ゲーム『テイルズ オブ ブレイカー』のミカが初の女性主人公である。また、『テイルズ オブ エクシリア』のミラもマザーシップタイトルの女性主人公だが、ジュードとの「W主人公」であるため「単独」ではない。
*6 ただし、本作よりも前の主人公である『シンフォニア』のロイドや『ヴェスペリア』のユーリは、相手が悪人だとはいえ何の躊躇いもなく人を殺める描写が存在するので彼女だけに限ったことではない上、前者2人とは異なり『ジアビス』のルーク同様、人を殺めてしまった罪悪感を抱くなど一般人としての感性を持ち合わせているので、プレイヤーたちからの非難の声は一切存在しない。
*7 ステップ動作で敵の攻撃を回避するのに成功した際に発動するモーション。
*8 例を挙げるなら、『テイルズオブジアビス』に登場したローレライの鍵に類似する「ローレライの鍵のレプリカ」。ジアビスの主人公の出生を知ってる人からすれば、由来が余り笑えないが...。
*9 プレイヤーが攻撃中に味方が別角度から攻撃を加えても、次の攻撃で空振りしない。
*10 具体的には体力低下効果によってHP1になった後、敵の攻撃を受けて気絶してしまう等。自動操作時は使わないように設定しておくのが安定かつ安全である。またこれはAIよりシステム側の問題になるが、本作では後述の通り高難易度にすると極端に回復術の効果が落ちるため、誰かのHPが減るとAIがひたすら効かない回復術を唱え続けるパターンに陥ることが少なくない。適宜技の自動使用設定を管理する必要がある。
*11 この点ではグレイセスが本作と同じ仕様だったため、正しくはエクシリア、同2、ゼスティリアを経て4作品ぶりに仕様が復刻したと言うべきではある。
*12 一応、TLコインをある程度集めるトロフィーがいるが稼ぐ手段は限られてない。
*13 入手できるアイテムは料理の材料やアタッチメント、水着など。
*14 正確には「○○××」と男性キャラ名を2つ繋げた「BL二次創作のカップリング名」のような名称であるため、それを遠回しにいじったネタであると思われる。
*15 シリーズ全体で最後にキャラクターデザインを担当したのは、スマートフォンでリリースされた『テイルズ オブ クレストリア』となる。