フラックアタック
【ふらっくあたっく】
ジャンル
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縦スクロールシューティング
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対応機種
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アーケード
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発売・開発元
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コナミ
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稼働開始日
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1987年8月
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配信
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Game Room 【Xbox360】2010年9月15日 アーケードアーカイブス/838円(税込) 【PS4】2016年3月25日 【Switch】2020年4月9日
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プレイ人数
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1~2人(交代プレイ)
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判定
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なし
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ポイント
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異様に熱いBGM 当時の観点から見ても地味ゲー 大自然の脅威
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概要
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コナミ発売の縦スクロールシューティング
ラフアニス国の最新鋭戦闘機「MX5000」(見た目は「F-15」戦闘機に酷似)を操り、世界制覇を目論むテザリス帝国の巨大中枢コンピュータ「Zeda-X」を破壊する事が目的となる。
全10ステージだが、ステージ6~10は少し難易度が上がった2周目という形となり、実質、ステージ5までを2周する事でエンディングとなる。
システム
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空中物を地上物を撃ち分ける『ゼビウス』タイプの縦スクロールシューティング。
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本作独自の要素として経験値のようなパラメーターが存在し、空中物を破壊すると「PLANE」が、地上物を破壊すると「TANK」のメーターが伸びていき、満タンになるとメーターのリセットと共にパワーアップアイテムが画面上部より出現する。
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あくまで出現するだけなので、アイテムを出した後、取る前にやられてしまうと経験値稼ぎをやり直すことに・・・。
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ミスをした場合はメーターは持ち越されるが、パワーアップは全て失う。また、ステージをクリアするとメーターは全てスコアに換算されて0に戻る。
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スクロールが固定されるボスシーンではメーターを満タンにしてもパワーアップは出てこないが、自機がやられた瞬間に出るという嫌がらせがある(当然メーターは0に戻る)。
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パワーアップは三段階存在し、対空ショットはアイテムを取る度に「通常のショット」→「レーザー」→「ツインレーザー」とパワーアップする。
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「レーザー」は『グラディウス(AC)』のようなレーザーではなく、貫通力のある短いレーザーを放つのでコンシューマー機版に近い。
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対地ショットも同様に、「1-WAY」→「3-WAY」→「5-WAY」と三段階にパワーアップする。
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敵を倒した際に「スピードアップ」を落とすことがあり、入手する事で自機のスピードを上げる事が出来る。
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ステージの最後のボス戦では、自機が縮小し、360度動き回れるようになり、同社の『タイムパイロット』と似た操作性に変わる。
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また、ボスは全て地上物なので対地ショットしか通用せず、対地攻撃が攻撃の要になるという変わったスタンスになっている。
問題点
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当時の観点から見ても地味
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同時期の同社のゲームの『グラディウスII』や『沙羅曼蛇』といった傑作や、本作の約4ヶ月後に出た同系統の『A-JAX』に比べると明らかにグラフィックやゲーム内容に差があり数年出遅れたゲームという印象を受ける。
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ショットや爆発などは小さく、ド肝を抜くようなボスや演出は皆無。
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前述の『A-JAX』は、本作同様の『ゼビウス』タイプのSTGだが「拡大縮小や回転面を駆使したド派手な演出」や「画面全体を覆うボンバー」といった要素がある為、本作は相対的に地味な印象を受けやすい。
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盛り上がるはずのボスシーンも突然自機が小さくなってチョコマカ動くという印象でショボく感じてしまう。
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STGとしての完成度も微妙な所がある
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敵の種類が少なく、さらにはそのほぼ全ての敵が飛行機か戦車なのでバリエーションに乏しい。
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敵のアルゴリズムも練り込みが甘く、「サインカーブを描くだけの戦闘機」や「バウンドしながら前に弾を撃つだけのヘリ」といった単調な動きばかりであり、プレイヤーを検知して動く敵は少ない。
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また、多くのシューティングで見られる「あまりにプレイヤーが近くにいる場合は敵の出現を控える」「敵が完全に出現し終わるまで当たり判定がない」といった配慮がされていない事が多く、弾や敵の発生源に近づくのは自殺行為。
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二周目にあたる6~10面もほとんど内容が同じなのでダレやすく、スクロールも遅めなので1ステージ1ステージが冗長に感じる。
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復活がしづらい
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パワーアップしていない状態の自機が弱く、さらにはメーターを溜めきらなければパワーアップ出来ない為、復活は厳しめ。
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特にボス戦でやられてしまうと対地攻撃の弱体化が響き、一気に難しくなる。
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メーターの量が引き継がれるので、ミスを続けてもいずれはパワーアップのチャンスはあるのだがコンティニュー回数は有限なのであまり猶予はない。
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一部の鬼畜なトラップ
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ステージ2(7)の火山地帯に入ると背景一面がマグマ地帯になり、溶岩弾がところ構わず現れて自機を襲ってくる仕掛けがある。
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『グラディウス』におけるザブ的なものだが、溶岩弾が背景とほぼ同色なので見辛い上に、出始めから当たり判定があり、運悪く自機の真下に出ると即死。
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ステージ3~4(8~9)では何の脈絡もなく画面全体を覆い尽くす雷があらわれ、当たると死亡。音を聞いてから避けるのは不可能なほど一瞬で画面を覆うので、ほぼ確実に殺される初見殺しの見本となっている。
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どちらもパターンは固定で、安全地帯を覚えれば容易に抜けることはできるが、前述の通り唐突に起こるため初見の際は苦労することになる。
評価点
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難易度は控えめ
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コナミのシューティングの中では難易度は易しい方。初心者でもワンコインで長時間遊べる作りとなっている。
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パターンゲームではあるが敵弾の数や速度が控えめなため、初見でもさくさく進むことが出来る。
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自機のパワーアップも強いのでパワーアップを維持できれば一方的に敵を倒す事が可能。
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ボタンに連射機能がデフォルトでついているのも珍しく、押しっぱなしだけで適度な連射が効くので指にも優しい。
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地上物も対地ショットの着弾点に合わせる必要はなく、飛んでいる弾に当たれば命中になる為、正確に狙わなくともよい点もゲームのハードルを下げている。
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上述のように難はあるものの、バグやゲームとしての破綻部分はなく、ルールもシンプルなので遊びやすい。
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BGMが神曲揃い
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当時の他のコナミのSTGと同様にBGMの質が高く、特に本作は全てのBGMが良曲揃い。その為「BGMが異様にカッコイイ凡作」という評価を受けやすい。
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火山地帯のステージ2では熱い曲が、ジャングル地帯のステージ3は軽快な曲が流れ、最終ステージボスではスクロールが固定する所でサビに入るといった、場面にマッチした上で様々な雰囲気のBGMが流れる。
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1曲あたりのループも長めであり、冗長に感じるステージもBGMを思う存分聞くことが出来るので苦にならない。
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本作と関係のない同社の『餓流禍』にもステージ5のBGMがアレンジされて使われたり、『セクシーパロディウス』のBGM「マニアック・オブ・シューティング」にもステージ1のBGMがチョイスされている。
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曲を手掛けているのは『シティボンバー』や『ホットチェイス』、『Snake's Revenge』(NES)の曲も手掛けた小倉努氏
総評
ゲームとしての完成度は高いとは言えないが、一部を除いて理不尽に難しすぎることもなくゲームとしての敷居は低め。
だが、同時期のコナミのゲームには良作が多く、その中に割って入れるほどのパンチ力がない事もたしかであり、
結局本作は「知る人ぞ知るマイナーなSTG」という立ち位置に収まってしまった。
余談
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本作はなかなか移植やサントラに恵まれず、「ゲーム内容はイマイチでもBGMは神曲揃い」という点でカプコンの『アレスの翼』と似ている。
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2010年にXbox360の「Game Room」の1タイトルとして移植されたが、肝心のBGMが著しく劣化した(音色がおかしく異様にスローテンポ)劣化移植であった。
その後、「アーケードアーカイブス」にて移植され、こちらは良好な移植である。また、海外版である「MX5000」も収録されている。プレイするにはタイトル画面でコナミコマンドを入力するとタイトルが海外版に切り替わる。
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自機「MX5000」は、『エアフォースデルタ ブルーウィングナイツ』に隠し機体として登場。本作の対地ショットをあちらのシステムに合わせアレンジした「マルチロックオンミサイル」を備える。
最終更新:2023年08月15日 22:54