JPH11220726A - 車両周囲モニター装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】運転者の死角を充分にカバーし、走行状況及び
周囲状況に応じた最適なカメラに切り換えて画像を選択
しかつカメラの名称及び障害物検知の情報を合成するこ
とのできる車両周囲モニター装置を提供することであ
る。 【解決手段】６台のビデオカメラ１ａ〜１ｆが切換手段
２によって切り換えられ、選択された１つの映像が表示
装置３に表示される。検知手段５〜７の車両状況信号は
制御手段４のマイクロコンピュータに入力され、車両の
走行状況及び周囲状況に応じて最適な映像が選択される
ように切換手段２を制御する。この場合、切り換えられ
たカメラの名称及び障害物情報が上記映像に合成されて
表示される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオカメラのよ
うな複数の車載撮像装置を車両周囲の状況に応じて選択
的に切り換えて車両周囲の映像をモニターすることによ
り運転者の視界を補助するための車両周囲モニター装置
の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】運転者の視界補助のため車載ビデオカメ
ラを用いた従来の車両周囲モニター装置には下記の構成
のものがある。 （ｉ）１台又は２台のビデオカメラを車両に取り付け、
その出力映像をモニター画面に表示する。 （ｉｉ）２台のビデオカメラを用いて、モニター画面に
表示するビデオカメラを手動スイッチの操作で切り換え
る、或いはバックギヤの切り換えと連動して後方カメラ
を切り換える。 （ｉｉｉ）特開昭６３−５４６９９号公報に開示された
ように、車両の前後左右に取り付けた４台のビデオカメ
ラを切り換えて表示する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記（ｉ）又は（ｉ
ｉ）の構成によると、運転者の死角をカバーするために
は、ビデオカメラの台数が不十分である。また映像の切
り換えは、手動又は運転操作と連動して行われるだけ
で、車両周囲の状況に応じて映像を切り換えることは行
われていない。

【０００４】これに対し前記（ｉｉｉ）の構成では、上
述の従来装置よりは改善されているが、運転者の死角を
カバーする点では不十分なものがある。またビデオカメ
ラの映像の切り換えには、手動又はマイクロコンピュー
タで行われているが、マイクロコンピュータによる場合
でも車速を入力する程度で、周囲状況の判断が不十分に
しかなされていない。

【０００５】本発明の目的は上述した従来技術の問題点
を解決するため、運転者の死角を完全にカバーしかつ周
囲状況を充分考慮して自動的に最適な映像をモニターす
ることができる車両周囲モニター装置を提供することに
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の車両周囲モニター装置は、車両周囲の映像
を出力する複数の撮像装置と、上記撮像装置の少なくと
も１つの映像を選択する切換手段と、上記映像を表示す
る表示手段と、車両に関する状況を検知する検知手段
と、上記検知手段によって検知された車両状況信号に基
づいて前記撮像装置から最適な撮像装置を決定し、上記
切換手段を制御する制御手段と、を備えたことを要旨と
する。

【０００７】上記発明において、前記制御手段は、選択
された映像の撮像装置の名称及び検知された状況をあら
わす情報を、上記映像に合成する手段を備えてもよい。

【０００８】また上記各発明において、前記複数の撮像
装置が、車両の前面左右に設けた２台のビデオカメラ、
車両の左右側面に設けた２台のビデオカメラ、車両の後
面に設けた１台のビデオカメラ及び車両の床下をモニタ
ーするように設けた１台のビデオカメラから成るように
してもよい。

【０００９】更に上記各発明において、前記検知手段
は、車両の走行状況を検知する検知器、車両周囲の障害
物を検知する検知器及び先行車両の接近を検知する検知
器を含むようにしてもよい。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１は本発明の実施の形態を示
す。同図において、１は車両に取り付けられた複数の撮
像装置、例えば、６台のビデオカメラで、１ａは左サイ
ドカメラ、１ｂは右サイドカメラ、１ｃは左フロントカ
メラ、１ｄは右フロントカメラ、１ｅはリアカメラ、１
ｆはアンダーカメラである。

【００１１】２はビデオスイッチ部のような切換手段、
３はモニター（ＣＲＡ）のような表示装置、４はマイク
ロコンピュータ及びＯＳＤ部等から構成される制御手
段、５〜７は車両に関する状況を検知する検知手段で、
５は車両の走行状況を検知する検知器で、例えば、車速
センサー（タコメータ）、ターンシグナル・スイッチ、
バック・ギヤ・スイッチ等である。６は車両周囲の障害
物を検知する検知器で、例えば、前後左右のソナーセン
サーである。７は先行車両の接近を検知する検知器で、
例えば、前車発進警報装置である。

【００１２】検知手段５〜７の車両状況信号は制御手段
４のマイクロコンピュータに入力され、例えば、検知器
５のバック・ギヤ・スイッチをオンにすると、制御手段
７は切換手段７を制御してリアカメラ１ｅを選択し、車
両のリア側の映像を表示装置３の画面に表示させる。こ
の場合、リア側左のソナーセンサーがオンすると、障害
物検知を画面中央に表示する。また、この時、リアカメ
ラ１ｅの名称「ＲＥＡＲ」を画面に表示する。

【００１３】

【実施例】以下図面に示す本発明の実施例を説明する。
図２は本発明の車両周囲モニター装置の概略構成を示
す。同図において、２０は車両、２２はフロントＲカメ
ラ、２３はフロントＬカメラで、車両２０の前面右及び
左側に取り付けられ、夫々図示した範囲２２’，２３’
の撮像可能領域を有する。２４はフロントＲコーナーセ
ンサー、２５はフロントＬコーナーセンサーで、上記カ
メラの近傍に設置され、夫々図示した範囲２４’，２
５’の障害物を検知するソナーセンサーを用いる。

【００１４】２６はサイドＲカメラ、２７はサイドＬカ
メラで、車両２０の前方の左右側面に取り付けられ、夫
々図示した範囲２６’，２７’の撮像可能領域を有す
る。２８はアンダーカメラで、車両２０に対し垂直下面
を撮像するように取り付けられている。２９はリアカメ
ラで、車両２０の後面のほぼ中央に取り付けられ、図示
した範囲２９’の撮像可能領域を有する。

【００１５】３０はリアＲコーナーセンサー、３１はリ
アＬコーナーセンサーで、夫々車両２０の後面の左、右
角度に設置され、図示した範囲３０’，３１’の障害物
を検知するソナーセンサーを用いる。

【００１６】３２は車速センサー、３３は前車発進警報
装置、３４はバックギヤ・スイッチ、３５はマニュアル
・スイッチ、３６及び３７はハンドルの切る方向（舵
角）を検知する左右のターンシグナルスイッチ、３８は
４個のコーナーセンサーに対応したセンサーユニット、
３９はフロントカメラの信号を処理する処理ユニット、
４０はモニターテレビ、４１は画像制御ユニットであ
る。

【００１７】図３は画像制御ユニット４１の概略構成を
示す。同図において、画像制御ユニット４１は、マイク
ロコンピュータ４１ａ、ビデオスイッチ部４１ｂ及びＯ
ＳＤ部４１ｃから成る。

【００１８】４２〜４４はサイドカメラ２６，２７、ア
ンダーカメラ２８、リアカメラ２９の信号を処理する処
理ユニットで、夫々ビデオスイッチ部４１ｂに接続され
ている。各コーナーセンサー２４，２５，３０，３１、
車速センサー３２、前車発進警報装置３３、バックギヤ
・スイッチ３４、マニュアル・スイッチ３５、ターンシ
グナル（Ｔ／Ｓ）スイッチ３６，３７の各出力信号はマ
イクロコンピュータ４１ａに入力されるようになってい
る。

【００１９】ビデオスイッチ部４１ｂは前記各カメラを
切り換えてその１つの出力映像を選択する。ＯＳＤ部４
１ｃは選択された映像に文字情報等を合成してモニター
テレビ４０に送って表示する。マイクロコンピュータ４
１ａは前記各センサー及びスイッチからの検知信号に基
づいてビデオスイッチ部４１ｂ及びＯＳＤ部４１ｃを制
御する。

【００２０】図２に示す車両２０の各位置に取り付けら
れた６台のビデオカメラ２２，２３，２６，２７，２
８，２９はエンジンオンの間の常時映像信号を画像制御
ユニット４１に出力する。画像制御ユニット４１は前記
各センサー及びスイッチからの検知信号に基づいて車両
の周囲状況を判断し、その状況判断に応じて運転者の視
界補助のため最適なビデオカメラを決定する。上記状況
判断によるビデオカメラの切り換え基準は予め表１のよ
うに設定しておくのがよい。

【００２１】

【表１】

【００２２】また表１の切り換え基準に基づくマイクロ
コンピュータ４１ａの動作フローを図４に示す。同図に
おいて、まずステップＳ１でバックギヤ・スイッチ３４
のオン／オフが判定され、オフであれば、ステップＳ２
で車速センサー３２の検知信号に基づく速度判定が行わ
れ、高速であればステップＳ３で右ターンシグナルスイ
ッチ３６のオン／オフが判定されて、オンであると、ス
テップＳ１０でサイドＲカメラ２６が選択される。ステ
ップＳ３でオフと判定されれば、ステップＳ４で左ター
ンシグナルスイッチ３７のオン／オフが判定されオンで
あると、ステップＳ１１でサイドＬカメラ２７が選択さ
れる。しかしオフであると、ステップＳ５で前車発進警
報装置３３のオン／オフが判定され、オンであるとステ
ップＳ１２でフロントＲカメラ２２とフロントＬカメラ
２３を選択し夫々の出力映像を合成する。しかしオフで
あると、ステップＳ１６で、リアカメラ２９を選択す
る。

【００２３】また、ステップＳ１で、バックギヤ・スイ
ッチ３４がオンと判定されると、ステップＳ９でフロン
トＬコーナーセンサー２５のオン／オフが判定され、オ
ンであると、ステップＳ１５でリアカメラ２９とアンダ
ーカメラ２８を、例えば、１秒おきに切り換えるが、オ
フであると、ステップＳ１６でリアカメラ２９を選択す
る。

【００２４】更にステップＳ２で、低速と判定される
と、ステップＳ６で前車発進警報装置３３のオン／オフ
が判定され、オンであれば、ステップＳ１２で前記カメ
ラの切り換えを行うがオフであると、フロントＲコーナ
ーセンサー２４のオン／オフを判定する。その結果、オ
ンであれば、ステップＳ１３でフロントＲカメラ２２を
選択するが、オフであると、ステップＳ８でフロントＬ
コーナーセンサー２５のオン／オフを判定し、オンであ
ると、ステップＳ１４でアンダーカメラ２８を選択する
が、オフであると、ステップＳ１２で前記カメラの切り
換えを行う。

【００２５】上述のようにして画像制御ユニット４１内
のマイクロコンピュータ４１ａから決定したビデオカメ
ラを選択するようにビデオスイッチ部４１ｂへ制御信号
が送られ、モニターテレビ４０へ選択したカメラ映像が
出力される。

【００２６】更に、この場合、画像制御ユニット４１は
上記映像にこの映像を出力しているカメラの名称を示す
文字情報及び前記コーナーセンサーによる障害物検知情
報を合成してモニターテレビ４０に出力する。表示され
る上記情報の内容はマイクロコンピュータ４１ａで決定
され、ＯＳＤ制御部４１ｃによりカメラの映像と合成さ
れる。

【００２７】上述した表示例として、例えば、図５に示
すように、車両５０がバックで駐車スペース５１に入る
場合を考える。ギヤがバックに入ると、リアカメラ２９
が選択され、モニターテレビ４０の画面にはリアカメラ
２９の映像が表示されると共に例えば、図６に示すよう
に画面左上に「ＲＥＡＲ」とカメラの名称が表示され
る。また、この車両５０のバック中に左後のリアコーナ
ーセンサー３１がオンすると、画像中央に障害物検知情
報が図６に示すように表示され、運転者に危険を知らせ
る。また前進の場合であると、前述したようにフロント
Ｒカメラ２２とフロントＬカメラ２３の映像の合成画面
（左右２分割画面）が表示される。

【００２８】図７は画像制御ユニット４１の構成の詳細
を示す。同図から明らかなように、マイクロコンピュー
タ４１ａはカウンタ部４１ａ−１、切換制御部４１ａ−
２、ＯＳＤ制御部４１ａ−３、判断制御部４１ａ−４か
ら成る。カウンタ部４１ａ−１は車速センサ３２からの
車速パルスをカウントして車速を検知し、他のセンサー
及びスイッチからの検知信号と共に判断制御部４１ａ−
４に加えられる。判断制御部４１ａ−４は上記各検知信
号に基づいて切換制御部４１ａ−２を制御してビデオス
イッチ切換信号をビデオスイッチ部４１ｂに与えると共
にＯＳＤ制御部４１ａ−３を制御してＯＳＤ表示データ
（前記文字情報等）をＯＳＤ制御部４１ｃに与える。

【００２９】ビデオスイッチ部４１ｂは、例えば、ビデ
オスイッチＳＷ０〜ＳＷ５から成り、各ビデオカメラを
ビデオスイッチ切換信号に応答して切り換えて、１つの
映像を選択する。ＯＳＤ制御部４１ｃは同期分離ＩＣ回
路４１ｃ−１及びＯＳＤＩＣ回路４１ｃ−２等から成
る。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、１
つのモニター画面の映像を確認するだけで、運転者の視
界補助に必要な視覚情報が全て得られ、車両運転時の安
全性の向上が図られるが、特に下記の効果が得られる点
が実用上有利である。 （１）必要台数（６台）のビデオカメラを車載すること
により運転者の死角を全て補助できる。 （２）走行状況及び周囲状況に応じて最適な映像を得ら
れるカメラに自動的に切り換えるので、マニュアルな切
り換え操作は全く不要である。 （３）選択されたカメラの映像に、そのカメラの名称等
の文字情報及び障害物検知情報を合成してモニターテレ
ビに出力し表示させているので、運転者の視覚補助機能
が格段に向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態を示すブロック図である。

【図２】本発明の一実施例の概略構成図である。

【図３】画像制御ユニットの概略構成図である。

【図４】マイクロコンピュータの動作フローを示すフロ
ーチャートである。

【図５】本発明の動作例の説明図である。

【図６】モニターテレビの合成画面を例示する図であ
る。

【図７】画像制御ユニットの構成の詳細を示す図であ
る。

【符号の説明】

１ 撮像装置（ビデオカメラ） ２ 切換手段（ビデオスイッチ） ３ 表示装置（モニターテレビ） ４ 制御手段（マイクロコンピュータ） ５ 車速センサー ６ ソナーセンサー ７ 前車発進警報装置

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両周囲の映像を出力する複数の撮像装
   置と、上記撮像装置の少なくとも１つの映像を選択する
   切換手段と、 上記映像を表示する表示手段と、 車両に関する状況を検知する検知手段と、 上記検知手段によって検知された車両状況信号に基づい
   て前記撮像装置から最適な撮像装置を決定し、上記切換
   手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする
   車両周囲モニター装置。
2. 【請求項２】 前記制御手段は、選択された映像の撮像
   装置の名称及び検知された状況をあらわす情報を、上記
   映像に合成する手段を備えていることを特徴とする請求
   項１に記載の車両周囲モニター装置。
3. 【請求項３】 前記複数の撮像装置が、車両の前面左右
   に設けた２台のビデオカメラ、車両の左右側面に設けた
   ２台のビデオカメラ、車両の後面に設けた１台のビデオ
   カメラ及び車両の床下をモニターするように設けた１台
   のビデオカメラから成ることを特徴とする請求項１又は
   ２に記載の車両周囲モニター装置。
4. 【請求項４】 前記検知手段は、車両の走行状況を検知
   する検知器、車両周囲の障害物を検知する検知器及び先
   行車両の接近を検知する検知器を含むことを特徴とする
   請求項１〜３のいずれか１項に記載された車両周囲モニ
   ター装置。