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JP2006298195A - 駐車支援装置および駐車支援方法 - Google Patents

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JP2006298195A JP2005123809A JP2005123809A JP2006298195A JP 2006298195 A JP2006298195 A JP 2006298195A JP 2005123809 A JP2005123809 A JP 2005123809A JP 2005123809 A JP2005123809 A JP 2005123809A JP 2006298195 A JP2006298195 A JP 2006298195A
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Abstract

【課題】ドライバーの駐車操作を有効に支援する。
【解決手段】駐車状態判定部13cは、ナビゲーション装置12によって取得されるナビゲーション情報と、車両情報取得部11によって取得される車両情報とに基づいて、駐車を前提とする自車両の駐車状態を判定する。カメラ映像切替指令部13dは、駐車状態判定部13cによって判定された自車両の駐車状態に基づいて、表示パターンを設定し、設定された表示パターンをカメラ映像切替装置15に出力する。カメラ映像切替装置15は、表示パターンに基づいて、それぞれが車両の周囲の景色を撮像する複数のカメラ14a〜14hの中から、カメラ映像表示装置15に映像を表示するカメラの切り替えを行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両周辺の映像を表示して駐車操作を支援する駐車支援装置およびその方法に関する。
従来より、障害物と自車両との間の距離の把握、或いは障害物の認識を容易にするといった観点から、駐車時に、車両周辺の映像を表示し、ドライバーの駐車操作を支援する装置が知られている。この類の装置では、駐車開始から終了までの一連の駐車状態に応じて、必要な映像を適切に切り替えて表示する必要があるため、現在の駐車状態を有効に判定する必要がある。例えば、特許文献1では、一定時間GPS衛星を受信できない場合には、自車両が屋内駐車エリアを走行している可能性があると見なし、車両の旋回状態に基づいて、屋内駐車エリア内を走行中であるか否かを判定している。
特開2000−310542号公報
しかしながら、特許文献1に開示された手法では、屋内駐車エリアに自車両が存在している場合には、駐車開始を判定することができるものの、屋外の駐車エリアに駐車を行う場合には、駐車状態を判定することができないという不都合がある。
かかる課題を解決するために、本発明は、車両周辺の映像を表示して駐車操作を支援する駐車支援装置を提供する。この駐車支援装置において、複数の撮像手段は、それぞれが車両の周囲に取り付けられ、車両の周囲の景色を撮像し、表示手段は、撮像手段から出力される映像を表示する。また、切替手段は、所定の表示パターンに従って、複数の撮像手段の中から表示手段に映像を表示する撮像手段の切り替えを行う。ナビゲーション手段は、自車両の走行する道路情報をナビゲーション情報として取得し、車両情報取得手段は、運転操作量と車両状態量とを含む車両情報を取得する。駐車状態判定手段は、ナビゲーション手段によって取得されるナビゲーション情報と、車両情報取得手段によって取得される車両情報とに基づいて、自車両の駐車状態を判定する。パターン設定手段は、駐車状態判定手段によって判定された自車両の駐車状態に基づいて、表示パターンを設定し、設定された表示パターンを切替手段に出力する。
本発明によれば、車両の駐車状態に応じて、自動的に駐車に必要な車両周辺の景色を表示することができるので、ドライバーの駐車操作を有効に支援することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る駐車支援装置10の全体構成を示すブロック図であり、図2は、図1に示す駐車支援装置10を模式的に示す説明図である。この駐車支援装置10は、車両周辺の情報を提示して駐車操作を支援する装置であり、車両情報取得部(車両情報取得手段)11、ナビゲーション装置(ナビゲーション手段)11、駐車状態判定ユニット13、カメラユニット14、カメラ映像切替装置(切替手段)15、カメラ映像表示装置(表示手段)16、シートポジション制御装置(シートポジション制御手段)17、シートポジションアクチュエータ(シートポジション駆動手段)18を主体に構成される。
車両情報取得部11は、各種のセンサ等により構成され、運転操作量および車両状態量を車両情報として取得する。運転操作量は、ドライバーの操作に関する様々の操作量であり、例えば、操舵角、ブレーキの踏み込みの有無、ギア位置、ウィンカーの作動、ハザードの作動などがこれに該当する。車両状態量は、車両の状態に関する様々の状態量であり、例えば、車速、横加速度、ヨーレート等がこれに該当する。車両情報取得部11は、例えば、CAN等の車内LANから、車速、横加速度、ヨーレートといった車両状態量や、操舵角、アクセル開度、ブレーキスイッチ(ブレーキSW)信号、ギア位置、ウィンカースイッチ(ウィンカーSW)信号、ハザードスイッチ(ハザードSW)信号などの運転操作量に関する情報を取得する。
ナビゲーション装置12は、自車両の走行する道路情報をナビゲーション情報として取得する装置である。具体的には、ナビゲーション装置12は、自車位置検出部12a、道路情報取得部12bおよび地図データベース(地図DB)12cで構成される。自車位置検出部12aは、車輪速センサ、地磁気センサ、ジャイロといった各種センサ(図示せず)やGPS受信器(図示せず)から出力される情報に基づいて、自律航法を用いて自車両の位置を検出する。道路情報取得部12bは、検出された自車両の位置と、地図DB12cに格納されている地図情報とをマッチングさせ、自車両周辺の道路情報を取得する。地図データベース12cは、ナビゲーション用の地図情報が位置情報とともに関連付けられたデータベースであり、ナビゲーション装置12と一体化されたハードディスク装置、或いは、DVD、CD−ROM等の記録媒体に読取可能に格納されている。地図情報には、道路上の特定地点を表すノードと、特定地点間の接続を表すリンクとが含まれている。なお、自車位置検出部12aは、さらに、道路に設置されたビーコン等の狭い範囲への情報提供インフラや、FM多重放送等の広い範囲への情報提供インフラからの情報を受信するためのアンテナおよびコンバータも備えている。なお、自車位置検出部12aとしては、これ以外にも、GPSアンテナおよび受信器を備えた携帯電話を用いてもよい。
駐車状態判定ユニット13は、車両の駐車状態を判定するユニットであり、例えば、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。駐車状態判定ユニット13は、これを機能的に捉えた場合、車両情報読取部13aと、ナビ情報読取部13bと、駐車状態判定部(駐車状態判定手段)13cと、カメラ映像切替指令部(パターン設定手段)13dと、シートポジション指令部(シートポジション設定手段)13dとで構成される。
車両情報読取部13aは、車両情報取得部11によって取得された車両情報を読み込み、この車両情報を駐車状態判定部13cに対して出力する。ナビ情報読取部13bは、ナビゲーション装置12からナビゲーション情報、すなわち、自車両周辺の道路情報を読み込み、このナビゲーション情報を駐車状態判定部13cに対して出力する。駐車状態判定部13cは、車両情報およびナビゲーション情報に基づいて、駐車を前提する自車両の駐車状態を判定する。ここで、駐車状態は、駐車開始(ドライバーの駐車開始意図)から駐車終了(駐車スペースへの駐車完了)までの一連の車両の状態である。カメラ映像切替指令部13dは、駐車状態判定部13cによって判定された駐車状態に基づいて、カメラ映像表示装置16に表示すべき車両周囲の映像を指定する表示パターン(映像切替信号)をカメラ映像切替部15に対して出力する。シートポジション指令部13eは、駐車状態判定部13cによって判定された駐車状態に基づいて、ドライバーが着席するシートの位置を指定するシートポジション(シートポジション切替信号)をシートポジション制御装置17に対して出力する。
なお、駐車状態判定ユニット13は、本実施形態に示すように、これらの機能的な要素13a〜13dを独立した1つの演算ユニットで構成してもよいが、各機能を別の装置に分散して構成してもよい。例えば、車両情報読取部13aと、ナビ情報読取部13b、駐車状態判定部13cの各機能をナビゲーション装置12に組み込み、カメラ映像切替指令部13dの機能をカメラ映像切替装置15に組み込み、シートポジション指令部13eの機能をシートポジション制御装置17に組み込むといった如くである。
カメラユニット14は、車両の周囲に取り付けられ、車両の周知の景色を撮像する複数のカメラ(撮像手段)から構成されている。本実施形態では、車両の前方中央を起点として、時計回りに、前中央、右前角、右側方、右後角、後中央、左後角、左側方および左前角の計8箇所に各カメラ14a〜14hが取り付けられている。個々のカメラ14a〜14hとしては、可視光を撮像するためのCCDカメラ等を用いることができる。なお、これらのカメラ14a〜14hを総称する場合には、単に、「カメラ14」という。
カメラ映像切替装置15は、カメラ映像切替指令部13dから出力される表示パターンに従って、カメラユニット14(複数のカメラ14a〜14h)の中から、カメラ映像表示装置16に映像を表示するカメラ14を選択し、各カメラ14a〜14hから出力される映像を選択的に切り替える。例えば、表示パターンとして、右前角、左前角、後方の景色が指定された場合には、このカメラ映像切替装置15は、カメラ14b、カメラ14h、カメラ14eを表示対象カメラとして選択し、これらのカメラ14b,14h,14eから出力される映像をカメラ映像表示装置16に表示させる。また、カメラ映像切替装置15は、カメラ14から出力される映像の中から、特定の領域のみを選択的に表示させることもでできる。例えば、カメラ映像切替装置15は、車両の右側方に設けられたカメラ14cの映像をカメラ映像表示装置16に表示させる場合には、左側方の下側、左側方の前方、左側方の後方といったように、指定される表示パターンに応じて特定の画角範囲の映像のみを表示させるといった如くである。
カメラ映像表示装置16は、カメラ映像切替装置15によって選択されたカメラ14から出力される映像を表示する装置である。このカメラ映像表示装置16としては、メーターフードからセンターコンソール、クラスターパネルにかけた範囲をカバーするように、複数の液晶ディスプレイで構成されたワイドディスプレイを用いることができる。また、センターコンソール部に15インチ以上の大型ディスプレイを備えたり、インストルメントパネルから助手席左端までを一つのディスプレイとしたホリゾンタルモニタを備えたりしてもよい。
シートポジション制御装置17は、シートポジション指令部13eから出力されるシートポジションに基づいて、シート座面やシートバックなどのシート各部に備えられたシートポジションアクチュエータ(例えば、電動モータ)18を駆動させ、シート各部が所望の位置まで移動するように制御する。
図3は、第1の実施形態に係る駐車支援装置10の駐車支援処理の概念説明図である。例えば、道路沿いに存在する店舗等の駐車エリアに駐車する場合、ドライバーは、その手前で停止寸前の低速域まで減速し、その後に、駐車エリアのある路肩側(左側通行では、左側)へ大きく操舵する。この際、ドライバーが駐車エリアに進入することを前提として操舵を行っている場合には、自車両の向きと道路の向きとが大きくずれる。そこで、駐車支援装置10は、このような一連の動作を考慮し、車速が所定値以下まで減速され、かつ、その後に左右のいずれかに所定値以上の操舵角となるまで操舵が行われたか否かを判定する。そして、駐車状態判定ユニット13は、自車両の方向と道路の方向との差を算出し、その値が所定値以上である場合には、道路から外れ、駐車エリア等の何らかの敷地内に進入しようとしているみなし、自車両の駐車開始を判定する。駐車支援装置10は、駐車の開始が判定されると、駐車エリア入口の門駐や段差等といった対象物が確認できるように、例えば、左折時には、車両の左右前角および左側方下側の景色をカメラ映像表示装置16に表示させる。
図4および図5は、第1の実施形態に係る駐車支援処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、所定間隔(例えば、100ms)毎に呼び出され、駐車状態判定ユニット13によって実行される。
まず、ステップ10において、駐車状態判定部13cは、車両情報読取部13aによって読み込まれた車両情報のうちの車速を参照し、現在の車速が第1の車速しきい値Vsよりも小さいか否かを判定する。この第1の車速しきい値Vsは、車速が駐車を前提とした低速域まで減速されたか否かを判定するための値であり、実験やシミュレーションを通じて予め設定されている。本実施形態において、車速しきい値Vsは、それ以上の速度で走行している場合には駐車を行うとは見なすことができない車速の最小値(例えば、15km/h)が設定されている。
このステップ10において肯定判定された場合、すなわち、駐車を行うと見なせる程度までに車速が低下している場合には(車速<Vs)、ステップ11に進む。一方、このステップ10において否定判定された場合、すなわち、駐車を行うとは見なせないような車速である場合には(車速≧Vs)、ステップ11以降の処理をスキップし、ステップ25に進む。ステップ25において、駐車状態判定部13cは、ドライバーによってブレーキ操作がなされた場合に「ON」にセットされるブレーキ操作フラグを「OFF」にセットする。そして、ステップ26において、駐車状態判定部13cは、後述する駐車判別フラグを「0」にリセットし、本ルーチンを抜ける。なお、ステップ10の判定では、車両が第1の車速しきい値Vs近辺で走行しているケースにおいて、制御のハンチングを防止するといった観点から、車速しきい値Vsにヒステリシスを持たせてもよい(以降の説明で用いるその他のしきい値についても同様)。
ステップ11において、駐車状態判定部13cは、車両情報読取部13aによって読み込まれた車両情報のうちのブレーキSWの状態を参照し、ブレーキSWが「ON」であるか否かを判定する。ドライバーがブレーキペダルを踏み込んでいる場合には、このブレーキSWが「ON」となるため、このステップ11において肯定判定され、ステップ12に進む。そして、ステップ12において、駐車状態判定部13cは、ブレーキ操作フラグを「ON」にセットする。一方、ドライバーがブレーキペダルを踏み込んでいない場合には、ブレーキSWが「OFF」となっているため、このステップ11において否定判定され、ステップ12をスキップして、ステップ13に進む。
ステップ13において、駐車状態判定部13cは、ブレーキ操作フラグが「ON」であるか否かを判定する。ブレーキ操作フラグが「OFF」にセットされている場合には、ステップ13の否定判定に従い、本ルーチンを抜ける。一方、ブレーキ操作フラグが「OFF」から「ON」に切り替わると、このステップ13の肯定判定に従い、ステップ14に進む。
ステップ14において、駐車状態判定部13cは、車両情報読取部13aによって読み込まれた車両情報のうちの操舵角を参照し、この操舵角(絶対値)が第1の操舵しきい値STsよりも大きいか否かを判定する。この第1の操舵しきい値STsは、駐車エリアへ進入するとみなせる程に大舵角の操舵が行われたか否かを判定するための値であり、実験やシミュレーションを通じてその最適値が予め設定されている。本実施形態において、第1の操舵しきい値STsは、それ以下の値では走行車線から路肩側(駐車エリア)へ進入するとはみなせない程度の操舵角の最大値(例えば、20deg)が設定されている。ここで、車両情報取得部11によって取得される操舵角は、ハンドルの中立位置に対応する直進状態を「0」として、右操舵時の操舵角を正、左操舵時の操舵角を負とする。
このステップ14において肯定判定された場合、すなわち、駐車エリアへ進入するとみなせるような操舵操作が行われた場合には(操舵角(絶対値)>STs)、ステップ15に進む。一方、このステップ14において否定判定された場合、すなわち、駐車エリアへ進入するとみなせるような操舵操作が行われていない場合には(操舵角(絶対値)≦STs)、ステップ15〜18の処理をスキップして、後述するステップ19に進む。
図6は、自車方向VDRと道路方向LDRとを説明する説明図である。ステップ15において、駐車状態判定部13cは、自車方向、すなわち、自車両の向いている方向VDRを測定する。自車方向は、例えば、ナビ情報読取部13bによって読み込まれたナビゲーション情報を参照し、ジャイロの検出値を特定することにより測定することができる。方向の基準は、例えば、図6に示すように、真北を「0°」として、西が「90°」となるように、反時計回りにその角度が規定されている。
ステップ16において、駐車状態判定部13cは、道路方向、すなわち、自車両が走行している道路の延在する方向LDRを算出する。道路方向LDRの算出では、ナビ情報読取部13bによって読み込まれたナビゲーション情報が参照される。具体的には、駐車状態判定部13cは、自車周辺の地図情報を参照し、図6に示すように、自車両の進行方向後方のノードの座標(Xz1,Yz1)、および、前方のノードの座標(X1,Y1)に基づいて、例えば、ベクトルの内積を算出する以下の計算式から道路方向LDRを算出する。
(数式1)
(1)X1−Xz1<0のとき
LDR=COS−1{(Y1−Yz1)/((Y1−Yz1)+(X1−Xz1)−1/2
(2)X1−Xz1≧0のとき
LDR=2π−COS−1{(Y1−Yz1)/((Y1−Yz1)
+(X1−Xz1)−1/2
なお、数式1に基づいて算出される道路方向LDRは、ラジアン単位であるため、これをラジアン系から弧度法系へと変換すると、道路方向LDRは、0°〜360°の範囲の値として一義的に算出される。
ステップ17において、駐車状態判定部13cは、自車方向VDRと道路方向LDRとの差DDが、進路しきい値DRsよりも大きいか否かを判定する。このような判断を行う理由は、ドライバーの操舵操作が、道路の進行に従った操作ではなく、駐車エリアに進入するための操作であるか否かを有効に判定するためである。そのため、このステップ17では、自車方向VDRと道路方向LDRとを比較することにより、道路の進路方向を逸脱するような操舵操作、すなわち、駐車エリアへ進入するような操舵操作であるか否か判定する。この進路しきい値DRsには、駐車エリアへ進入するとは見なせないような差DDの最大値(例えば、25°)が、予め設定されている。
このステップ17において、駐車状態判定部13cは、自車方向VDRと道路方向LDRとの差DDを下式に基づいて算出する。
(数式2)
DD=|VDR−LDR|
なお、算出された値DDが181°から360°の範囲の値である場合には、算出された値を以下のように補正する(数式3参照)。
(数式3)
DD=360°−DD
ステップ17において肯定判定された場合、すなわち、駐車エリアへの進入ありと見なせる場合には(DD>DRs)、ステップ18に進む。一方、このステップ17において否定判定された場合、すなわち、駐車エリアへの進入ありと見なせない場合には(DD≦DRs)、ステップ18をスキップして、ステップ19に進む。
ステップ18において、駐車状態判定部13cは、以上の一連の判定結果に基づいて、駐車エリアへの進入を判定する判定条件が具備されると、自車両の駐車開始を判定し、駐車判別フラグを「1」にセットする。この駐車判別フラグは、その値に応じて現在の駐車状態を示す。具体的には、「0」は駐車行動外、「1」は駐車エリア内への進入、「2」は駐車エリア内の走行、「3」は駐車スペースへの駐車開始を意味する。カメラ映像切替指令部13dは、駐車判別フラグが「1」にセットされたことに応じて、現在の駐車状態に応じた景色をカメラ映像表示装置16に表示させるべく表示パターンを設定する。
図7は、駐車状態と表示パターンとの説明図である。駐車判別フラグが「1」にセットされる場合(図中(1)に示す状態に車両がある場合)、カメラ映像切替指令部13dは、例えば、右前角、左前角、および、操舵方向の車両側方下側の景色を表示パターンと設定し、この表示パターンをカメラ映像切替装置15に対して出力する。これは、駐車エリアへの門柱等への前端角への接触や、縁石等の巻き込みを確認し易くするといった観点からである。カメラ映像切替装置15は、左折時には、カメラ14b、カメラ14hおよびカメラ14gからの映像を選択し、或いは、右折時には、カメラ14b、カメラ14hおよびカメラ14cからの映像を選択し、これらのカメラ14b,14h,14g(または14c)から出力される映像をカメラ映像表示装置16に表示させる。
ステップ19〜24において、駐車状態判定部13cは、図7に示すように、自車両の駐車状態を、自車両が駐車スペースを探しながら走行する駐車エリア内走行と、駐車スペースへの駐車を開始する駐車開始とを判定して、カメラ映像表示装置16に表示される情報を切り替える。
具体的には、ステップ19において、駐車状態判定部13cは、駐車判別フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。このステップ19において肯定判定された場合、すなわち、駐車エリアへ進入している場合には、ステップ20に進む。一方、ステップ19において否定判定された場合、すなわち、駐車エリアへ進入していない場合には、本ルーチンを抜ける。
そして、駐車状態判定部13cは、車両の現在の駐車状態が、ハンドルを戻し、駐車スペースを探して低速走行している状況か否かを判定する(図7(2)に示す状態)。具体的には、ステップ20において、駐車状態判定部13cは、車速が、駐車スペースを探していると認められるような所定の範囲内の値であるか、すなわち、第2の車速しきい値Vf1(Vf1<Vs:例えば、5km/h)より大きく、かつ、第1の車速しきい値Vsよりも小さいか否かを判定する。また、ステップ21において、駐車状態判定部13cは、操舵角(絶対値)が第1の操舵しきい値STs以下か否かを判定する。このステップ20,21においてともに肯定判定された場合には(Vf1<車速<Vs,操舵角(絶対値)≦STs)、ステップ22に進む。一方、ステップ20において否定判定される場合、或いは、ステップ20において肯定判定されるも、ステップ21において否定判定される場合には、ステップ23に進む。
ステップ22において、駐車状態判定部13cは、以上の判定結果に従って、駐車エリア内での走行を判定する判定条件が具備されると、駐車エリア内での車両の走行を判定し、駐車判別フラグを「2」にセットする。そして、カメラ映像切替指令部13dは、この駐車判別フラグが「2」にセットされたことに応じて、現在の駐車状態に応じた景色をカメラ映像表示装置16に表示させる。駐車判別フラグが「2」にセットされる場合には、カメラ映像切替指令部13dは、例えば、車両側方(車両真横)からの左右前方の景色を表示パターンとして設定し、これをカメラ映像切替装置15に対して出力する。これは、他の駐車車両のかげ等に存在する歩行者などを発見し易いようにとの観点からである。カメラ映像切替装置15は、カメラ14gおよびカメラ14cからの映像を選択し、これらのカメラ14g,カメラ14gから出力される映像をカメラ映像表示装置16に表示させる。
ステップ23において、駐車状態判定部13cは、車速と、第2の車速しきい値Vf1とを比較し、駐車スペースに駐車を開始すると認められるような車速状態であるか否かを判定する(図7(3)に示す状態)。このステップ23において肯定判定された場合、すなわち、車速が第2の車速しきい値Vf1以下の場合には、ステップ24に進む。一方、ステップ23において否定判定された場合、すなわち、車速が第2のしきい値Vf1より大きい場合には、本ルーチンを抜ける。
ステップ24において、駐車状態判定部13cは、以上の判定結果に従って、駐車スペースへの駐車開始を判定する判定条件が具備されると、駐車スペースへの自車両の駐車開始を判定し、駐車判別フラグを「3」にセットする。そして、カメラ映像切替指令部13dは、駐車判別フラグが「3」にセットされたことに応じて、現在の駐車状態に応じた景色をカメラ映像表示装置16に表示させる。例えば、図7の(3)に示すように、車両が右転舵しつつ後進駐車を行う場合、カメラ映像切替指令部13dは、左後角、左前角および後方の景色を表示パターンとして設定し、これをカメラ映像切替装置15に対して出力する。これにより、カメラ映像切替装置15は、カメラ14f,14h,14eからの映像を選択し、これらのカメラ14f〜14eから出力される映像をカメラ映像表示装置16に表示させる。
図8は、駐車時の進行方向および操舵方向と、これに対応する表示パターンとの関係を説明する説明図である。カメラ映像切替指令部13dは、ドライバーへの駐車支援といった観点から、車両の進行方向(例えば、ギア位置)と操舵方向(操舵角)とに基づいて、ドライバーに注意を喚起すべき箇所の景色を表示パターンとして設定する。具体的には、左操舵しつつ前進駐車を行う場合、左側方下、前方、右前角の景色が表示パターンに設定され、操舵をほぼ中立に保ったまま前進駐車する場合には、左前角、前方、右前角の景色が表示パターンに設定される。また、右操舵しつつ前進駐車を行う場合、左前角、前方、右側方下の景色が表示パターンに設定され、左操舵しつつ後進駐車を行う場合には、後方、右後角、右前角の景色が表示パターンに設定される。さらに、操舵をほぼ中立に保ったまま後進駐車する場合には、左後角、後方、右後角の景色が表示パターンに設定される。
また、シートポジション指令部13eは、駐車判別フラグが「3」にセットされたことに応じて、駐車に適した位置にシートポジションを切り替える。例えば、シートポジションは、上述した6つの駐車パターンに対応して最適なシート位置が規定されており、シートポジション指令部13eは、駐車パターンに対応したシートポジションを選択し、これをシートポジション制御装置17に出力する。これにより、シートポジション制御装置17は、設定されたシートポジションとなるようにシートポジションアクチュエータを駆動し、ドライバーの乗車するシート各部の位置を制御する(例えば、シートを上昇させる)。なお、シートポジションの制御手法については、例えば特開2004−182150号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。
このように、本実施形態によれば、駐車状態判定部13cは、ナビゲーション装置12によって取得されるナビゲーション情報と、車両情報取得部11によって取得される車両情報とに基づいて、駐車を前提とする自車両の駐車状態を判定する。そして、カメラ映像切替指令部13dは、駐車状態判定部13cによって判定された駐車状態に基づいて、表示パターンを設定し、設定された表示パターンをカメラ映像切替装置15に出力する。これにより、カメラ映像切替装置15は、設定された表示パターンに従って、表示装置16に映像を表示させるカメラ14の切り替えを行う。その結果、車両の駐車状態に応じて、自動的に駐車に必要なカメラ映像が表示されるので、ドライバーの駐車操作を有効に支援することができる。
また、駐車状態判定部13cは、ナビゲーション情報に基づいて、自車両周辺の道路の方向と自車両の進行方向との方向差を算出し、この算出された方向差と、車速と、操舵角とが、駐車エリアへの進入を判定する判定条件(車速<Vs,|操舵角|STs,方交差(DD)>DRs)を具備した場合に、自車両の駐車開始を判定する。そして、カメラ映像切替指令部13dは、自車両の駐車開始が判定された場合には、車両の左右前角および操舵方向の車両側方下側の景色を表示パターンとして設定する。これにより、道路から右左折して駐車エリアへ進入する際に必要な車両周辺のカメラ映像を自動的に表示することができる。
また、車状態判定部13cは、自車両の駐車開始を判定した後は、操舵角と、車速とが、駐車エリア内での走行を判定する判定条件(駐車判別フラグ「1」,Vf1<車速<Vs,|操舵角|≦STs)を具備した場合に、自車両の駐車エリア内での走行を判定する。そして、カメラ映像切替指令部13dは、自車両の駐車エリア内での走行が判定された場合、車両の真横側からの左右前方の景色を表示パターンとして設定する。これにより、車状態判定部13cは、駐車スペースを見つけるための走行している状態を判定することができるとともに、この場合には、他の駐車車両の陰等に存在する歩行者などを発見し易いようなカメラ映像(車両周辺の景色)を表示することができる。
また、駐車状態判定部13cは、自車両の駐車開始を判定した後は、操舵角と、車速とが、駐車スペースへの駐車開始を判定する判定条件(駐車判別フラグ「1」,Vf1≧車速,|操舵角|>STs)を具備した場合には、自車両の駐車エリア内における駐車スペースへの駐車開始を判定する。そして、カメラ映像切替指令部13dは、自車両の駐車スペースへの駐車開始が判定された場合には、車両の進行方向と、操舵角とに基づいて表示パターンを設定する。これにより、駐車スペースに駐車する際に必要な車両周辺のカメラ映像に自動的に切り替えることができる。
また、駐車状態判定部13cは、ブレーキ操作信号と、アクセル開度とをさらに用いて駐車状態を判定している。これにより、駐車開始の判定を有効に行うことができる。
さらに、本実施形態では、駐車支援装置10は、ドライバーの着席するシート各部の位置を設定するシートポジションアクチュエータ18と、所定のシートポジションに従って、シートポジションアクチュエータ18を制御するシートポジション制御装置17と、駐車状態に基づいて、シートポジションを設定し、この設定されたシートポジションをシートポジション制御装置17に出力するシートポジション指令部13eをさらに有している。これにより、駐車時には、駐車に適したシートポジションへ自動的に切替えることができるので、ドライバーの駐車操作をより有効に支援することができる。
なお、本実施形態は、上述した手法のみに限定されるものではなく、ステップ11〜ステップ13の判定において、アクセル開度が0(全閉)という条件を用いてもよい。また、ステップ15〜ステップ17の処理をナビゲーション装置12におけるマップマッチング処理がオフであることを条件に、道路上から外れたことを検出してもよい。
さらにステップ17とステップ18との間の、図9に示すように、ナビゲーション装置の地図データに記録されたコンテンツ、例えば、POIデータ(コンビニやレストランなどの位置情報)を用いて、自車両が走行していた(マップマッチングしていた)リンクに面した最寄のPOIまでの距離が所定値(例えば、50m)以内であるという条件を要求する処理を設けてもよい。このように、ナビゲーション情報に含まれる直近のコンテンツと、自車両との間の距離をさらに判定条件に加えることにより、より精度良く駐車開始を判定することができる。
また、ステップ20からステップ22の処理を、駐車判別フラグが「1」に設定された時点から所定距離(例えば、20m)以上走行した場合に、駐車判別フラグを「2」に設定するようにしてもよい。
(第2の実施形態)
図10は、第2の実施形態に係る駐車支援装置10の駐車支援処理の概念説明図である。第2の実施形態の駐車支援装置10が第1の実施形態のそれと相違する点は、サービスエリアにおける駐車状態に応じて必要な車両周辺の映像を切り替えることである。具体的には、例えば、図10の(1)に示す状態において(サービスエリア進入)、サービスエリアへの誘導路を走行している時点では車両周辺の映像が必要とされるケースは少ないと考えられるので、映像の表示は行わない。つぎに、図10の(2)に示すように、車両がサービスエリア内に進入し、減速しつつ駐車スペースを探しながら走行する場合、車両側方(真横)から左右前方の景色を表示して、他の駐車車両の影から出て来る歩行者などを発見し易いようにする。また、図10の(3)に示すように、駐車スペースを見つけて駐車を開始してからは前進/後退や操舵方向に応じて必要な車両周辺の景色を表示する。なお、第1の実施形態と同一の構成については説明を省略し、以下、相違点について説明する。
図11は、第2の実施形態に係る駐車支援処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、所定間隔(例えば、100ms)毎に呼び出され、駐車状態判定ユニット13によって実行される。
まず、ステップ30において、駐車状態判定部13cは、ナビ情報読取部13bによって読み込まれたナビゲーション情報を参照し、車両がサービスエリアへ進入しているか否かを判定する。一般的な、ナビゲーション装置の地図データに記録されている属性には、例えば、以下のような道路種別とリンク種別がある。
道路種別:高速自動車国道、都市高速道路、一般国道、主要地方道、一般都道府県道、主要一般道、一般道、細街路
リンク種別:本線(上下線非分離)、本線(上下線分離)、ジャンクション、交差点内、ランプ、本線と同一路線の側道、サービスエリア(SA)の側線、ロータリー
そこで、駐車状態判定部13cは、ナビゲーション装置12がマップマッチングしているリンクのリンク種別を参照し、その種別が「SAの側線」であるか否かを判定する。このステップ30において肯定判定された場合、すなわち、自車両がサービスエリアに進入している場合には、ステップ31に進む。そして、ステップ31において、駐車状態判定部13cは、現在の駐車状態をサービスエリアへ進入と判定し、駐車判別フラグを自車両がサービスエリアへ進入したことを示す「4」にセットする。なお、カメラ映像切替指令部13dは、駐車判別フラグが「4」にセットされた場合には、表示パターンの設定は行わず、カメラ映像表示装置16には映像を表示させない。一方、ステップ30において肯定判定された場合、すなわち、サービスエリアへ進入していない場合には、ステップ32に進む。
ステップ32において、駐車状態判定部13cは、車両が本線へ進入したか否かを判定する。具体的には、駐車状態判定部13cは、ナビゲーション装置12のリンク種別を参照し、その種別が「本線」であるか否かを判定する。このステップ32において肯定判定された場合、すなわち、車両が本線に進入した場合には、ステップ41に進む。そして、ステップ41において、駐車状態判定部13cは、ブレーキ操作フラグを「OFF」にセットし、ステップ42において、駐車状態判定部13cは、駐車判別フラグを「0」にリセットし、本ルーチンを抜ける。一方、ステップ32において否定判定された場合には、すなわち、車両が未だサービスエリア内である場合には、ステップ33に進む。
ステップ33において、駐車状態判定部13cは、サービスエリア進入後にブレーキ操作がなされたか否かを判定すべく、ブレーキSWが「ON」であるか否かを判定する。ドライバーがブレーキ操作を行った場合には、このブレーキSWが「ON」となるため、このステップ33において肯定判定され、ステップ34に進む。そして、ステップ34において、駐車状態判定部13cは、ブレーキ操作フラグを「ON」にセットする。一方、ドライバーがブレーキ操作を行っていない場合には、ブレーキSWが「OFF」となっているため、このステップ33において否定判定され、ステップ34をスキップして、ステップ35に進む。
ステップ35において、駐車状態判定部13cは、図10の(2)の状態のように、サービスエリアの進入後に所定の車速以下まで減速し、駐車スペースを探し始めている状況か否かを判定する。具体的には、駐車状態判定部13cは、駐車判別フラグが「1」以上の値にセットされているか否かを判定する。駐車判別フラグが「0」にセットされている場合には、ステップ35の否定判定に従い、本ルーチンを抜ける。一方、駐車判別フラグが「1」以上の値にセットされている場合には、このステップ35の肯定判定に従い、ステップ36に進む。
ステップ36において、駐車状態判定部13cは、ブレーキ操作フラグが「ON」にセットされているか否かを判定する。このステップ36において肯定判定された場合、すなわち、ブレーキ操作フラグが「ON」にセットされている場合には、ステップ37に進む。一方、このステップ36において否定判定された場合、すなわち、ブレーキ操作フラグが「OFF」にセットされている場合には、本ルーチンを抜ける。
そして、ステップ37〜40において、駐車状態判定部13cは、自車両の駐車状態を、自車両が駐車スペースを探しながら走行する駐車エリア内走行と、駐車スペースへの駐車を開始する駐車開始とで判定して、カメラ映像表示装置16に表示される景色を切り替える。
具体的には、ステップ37において、駐車状態判定部13cは、駐車スペースを探していると認められるような所定の範囲内の値に車速が存在するか、すなわち、第1のしきい値Vf1(Vf1<Vs:例えば、5km/h)より大きく、かつ、第1の車速しきい値Vsよりも小さいか否かを判定する。このステップ37において肯定判定された場合には、ステップ38に進む。一方、ステップ37において否定判定された場合には、ステップ39に進む。なお、第1および第2のしきい値Vs,Vf1は、サービスエリア進入したこと条件に、例えば、Vsの設定値を25km/hにするといったように、第1実施形態に示した一般道の駐車エリアの場合よりも高い値にしてもよい。
ステップ38において、駐車状態判定部13cは、以上の判定結果に従って、駐車エリア内での走行を判定する判定条件が具備されると、現在の駐車状態を駐車エリア内の走行と判定し、駐車判別フラグを「2」にセットする。そして、カメラ映像切替指令部13dは、この駐車判別フラグが「2」にセットされたことに応じて、現在の駐車状態に応じた景色をカメラ映像表示装置16に表示させる。駐車判別フラグが「2」にセットされる場合には、カメラ映像切替指令部13dは、例えば、前方左真横および前方右真横の景色を表示パターンとして設定し、これをカメラ映像切替装置15に対して出力する。これは、大型バスなど他の駐車車両の影に存在する歩行者などを発見し易すくするとの観点からである。カメラ映像切替装置15は、カメラ14gおよびカメラ14cからの映像を選択し、これらのカメラ14g,カメラ14gから出力される映像をカメラ映像表示装置16に表示させる。
一方、ステップ39において、駐車状態判定部13cは、車速と、第2の車速しきい値Vf1とを比較し、駐車スペースに駐車を開始すると認められるような車速状態であるか否かを判定する(図10(3)に示す状態)。このステップ39において肯定判定された場合、すなわち、車速が第2の車速しきい値Vf1以下の場合には、ステップ40に進む。一方、ステップ39において否定判定された場合には、本ルーチンを抜ける。
ステップ40において、駐車状態判定部13cは、以上の判定結果に従って、駐車エリア内の駐車スペースへの駐車開始を判定する判定条件が具備されると、現在の駐車状態を駐車スペースへの駐車開始と判定し、駐車判別フラグを「3」にセットする。そして、カメラ映像切替指令部13dは、駐車判別フラグが「3」にセットされたことに応じて、駐車時の進行方向および操舵方向に基づいて、現在の駐車状態に応じた景色をカメラ映像表示装置16に表示させる。例えば、図10の(3)に示すように、車両が左転舵しつつ後進駐車を行う場合、カメラ映像切替指令部13dは、右後角、右前角および後方の景色を表示パターンに設定し、これをカメラ映像切替装置15に対して出力する。カメラ映像切替装置15は、カメラ14d,14b,14eからの映像を選択し、これらのカメラ14d,14b,14eからの出力される映像をカメラ映像表示装置16に表示させる。
また、シートポジション指令部13eは、駐車判別フラグが「3」にセットされたことに応じて、駐車に適した位置にシートポジションを切り替える。例えば、シートポジションは、上述した6つの駐車パターンに対応して最適なシート位置が規定されており、シートポジション指令部13eは、駐車パターンに対応したシートポジションを選択し、これをシートポジション制御装置17に出力する。これにより、シートポジション制御装置17は、設定されたシートポジションとなるようにシートポジションアクチュエータを駆動し、ドライバーの乗車するシート位置を制御する。
このように、本実施形態では、駐車状態判定部13cは、ナビゲーション情報に基づいて、自車両がサービスエリア内へ進入したか否かを判定する。そして、カメラ映像切替指令部13dは、自車両のサービスエリア内への進入が判定された場合、車速と、操舵角とに基づいて、表示パターンを設定する。これにより、サービスエリア内での駐車状態に応じて、必要な車両周辺のカメラ映像に自動的に切り替えることができる。その結果、第1の実施形態と同様に、車両の駐車状態に応じて、自動的に駐車に必要なカメラ映像が表示されるので、ドライバーの駐車操作を支援することができる。
また、車状態判定部13cは、自車両のサービスエリアへの進入を判定した後は、車速とが、駐車エリア内での走行を判定する判定条件(Vf1<車速<Vs)を具備した場合に、自車両の駐車エリア内での走行を判定する。そして、カメラ映像切替指令部13dは、自車両の駐車エリア内での走行が判定された場合、車両の真横側からの左右前方の景色を表示パターンとして設定する。これにより、車状態判定部13cは、駐車スペースを見つけるための走行している状態を判定することができるとともに、この場合には、他の駐車車両の陰等に存在する歩行者などを発見し易いようなカメラ映像(車両周辺の景色)を表示することができる。
また、駐車状態判定部13cは、自車両のサービスエリアへの進入を判定した後は、車速が、駐車スペースへの駐車開始を判定する判定条件(Vf1≧車速)を具備した場合には、駐車エリア内の駐車スペースへの自車両の駐車開始を判定する。そして、カメラ映像切替指令部13dは、自車両の駐車スペースへの駐車開始が判定された場合には、車両の進行方向と、操舵角とに基づいて表示パターンを設定する。これにより、駐車スペースに駐車する際に必要な車両周辺のカメラ映像に自動的に切り替えることができる。
(第3の実施形態)
図12は、第3の実施形態に係る駐車支援装置10の駐車支援処理の概念説明図である。第3の実施形態の駐車支援装置10が第1または第2の実施形態のそれと相違する点は、路肩の駐車スペースへの駐車開始を操舵、車速などの運転操作から判定し、駐車開始が判定された場合には、路肩への駐車に必要な車両周辺のカメラ映像の切替えを行うことである。
図13は、路肩の駐車スペースへ駐車する場合での、操舵角、車速およびブレーキ操作の時系列的な変化を示すタイミングチャートである。具体的には、路肩への駐車を開始する場合の運転操作および車両状態は、例えば、図12に示すように道路左端に駐車する場合、次のような流れとなる。(1)本線走行から減速を開始するとともに、(2)左側へ操舵し、(3)車両を左側へ寄せる。そして、(4)左側から右側へ操舵し、(5)操舵を中立に戻す((3)〜(5)にかけては低速まで減速している)。そこで、本実施形態では、このような特徴を抽出し、路肩への駐車の開始を判定する。
図14および図15は、第3の実施形態に係る駐車支援処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、所定間隔(例えば、100ms)毎に呼び出され、駐車状態判定ユニット13によって実行される。
まず、ステップ50において、駐車状態判定部13cは、車両情報読取部13aによって読み込まれた車両情報のうちの車速を参照し、現在の車速が、上述した第1の車速しきい値Vsよりも小さいか否かを判定する。このステップ50は、路肩駐車を開始したと判定された後に(図13におけるタイミングT33)、それがキャンセルされたか否かを判定する為の処理である。このステップ50において肯定判定された場合には(車速<Vs)、ステップ52に進む。一方、このステップ50において否定判定された場合には(車速≧Vs)、ステップ51に進む。ステップ51において、駐車状態判定部13cは、路肩への駐車が開始された場合に「ON」にセットされる路肩駐車判別フラグを「OFF」にリセットする。
ステップ52において、駐車状態判定部13cは、現在の車速が第3の車速しきい値Vt(Vt>Vs)よりも小さいか否かを判定する。この第3の車速しきい値Vtは、路肩への駐車を前提に車両が所定値よりも減速されたこと、或いは、駐車後に発進して所定値以上まで加速したことを判定するための値であり、実験やシミュレーションを通じて予め設定されている。本実施形態では、この第3の車速しきい値Vtは、概ね40km/hに設定されている。ステップ52において否定判定された場合、すなわち、車速が第3の車速しきい値Vt以上の場合には(車速≧Vt)、駐車を前提とした減速がなされていない、或いは、駐車後の発進で加速していると判定し、ステップ53に進む。一方、ステップ52において肯定判定された場合、すなわち、車速が第3の車速しきい値Vtよりも小さい場合には(車速<Vt)、路肩への駐車を前提とした減速が行われたと判定し(図13に示すタイミングT12の検出)、ステップ58に進む。
ステップ53〜57において、駐車状態判定部13cは、各種のフラグおよびパラメータをリセットし、本ルーチンを抜ける。具外的には、駐車状態判定部13cは、路肩方向への進路変更を行うための操舵が行われた場合に「ON」にセットされる操舵フラグを「OFF」にセットし、上述したブレーキ操作フラグを「OFF」にセットする。また、駐車状態判定部13cは、路肩方向への操舵から、修正舵として逆方向へ操舵(逆操舵)があった場合に「ON」に設定される逆操舵フラグを「OFF」にセットし、逆転舵から中立方向へ操舵を戻した場合に「ON」に設定される操舵戻しフラグを「OFF」にセットする。さらに、駐車状態判定部13cは、車両の道幅方向への移動量の値を「0」にリセットする。
ステップ58において、駐車状態判定部13cは、車両情報読取部13aによって読み込まれた車両情報のうちの操舵角を参照し、この操舵角(絶対値)が第2の操舵しきい値Stよりも大きいか否かを判定する。この第2の操舵しきい値Stは、路肩方向の駐車スペースへ向けて車両を寄せるような操舵が行われたか否かを判定するための値であり、実験やシミュレーションを通じてその最適値が予め設定されている。本実施形態において、第2の操舵しきい値Stには、走行車線から路肩側へ進路を変更したとは認められないケースでの操舵角の最大値(例えば、10deg)が設定されている。ここで操舵角の絶対値を用いて比較処理を行っている理由は、左側交通の場合、一方通行での右側への路肩駐車に対応するため、或いは、右側交通の場合に、路肩側への駐車にも対応するためである。
このステップ58において肯定判定された場合、すなわち、路肩への駐車スペースに向けて操舵が行われた場合には(操舵角(絶対値)>操舵しきい値St)、ステップ59に進む。そして、ステップ59において、駐車状態判定部13cは、路肩方向への進路変更と見なせる操舵があったことを前提に(図13に示すタイミングT11の検出)、操舵フラグを「ON」にセットする。一方、このステップ58において否定判定された場合、すなわち、路肩方向への進路変更が行われていない場合には(操舵角(絶対値)≦操舵しきい値St)、ステップ59の処理をスキップして、ステップ60に進む。
ステップ60において、駐車状態判定部13cは、操舵フラグが「ON」であるか否かを判定する。このステップ60にいて肯定判定された場合、すなわち、操舵フラグが「ON」である場合には、ステップ61に進む。一方、ステップ60において否定判定された場合、すなわち、操舵フラグが「OFF」である場合には、本ルーチンを抜ける。
ステップ61において、駐車状態判定部13cは、操舵フラグが「OFF」から「ON」にセットされたか否かを判定する。このステップ61において肯定判定された場合には、ステップ62に進む。一方、ステップ61において否定判定された場合には、ステップ62をスキップしてステップ63に進む。
ステップ62において、駐車状態判定部13cは、車両の道幅方向への移動量の積算を開始する。この移動量の算出方法としては、ステアリングの中立位置を基準とした操舵角と横加速度とに基づいて、或いは、操舵角と車速とに基づいて算出することができる。なお、この移動量の積算値の開始タイミングは、操舵フラグが「OFF」から「ON」へ切り替わった時を基準とするのみならず、例えば、ステップ52において車速が所定値Vtよりも小さくなった時を基準としてもよい。
ステップ63において、駐車状態判定部13cは、車両情報読取部13aによって読み込まれた車両情報のうち、ブレーキSWの状態を参照し、ブレーキSWが「ON」であるか否かを判定する。ドライバーがブレーキペダルを踏み込んでいる場合には、このブレーキSWが「ON」となるため、このステップ63において肯定判定され、ステップ64に進む。そして、ステップ64において、駐車状態判定部13cは、路肩への駐車を前提としたブレーキ操作が開始されたとして(図13に示すタイミングT13の検出)、ブレーキ操作フラグを「ON」にセットする。一方、ドライバーがブレーキペダルを踏み込んでいない場合には、ブレーキSWが「OFF」となっているため、このステップ63において否定判定され、ステップ64をスキップして、ステップ65に進む。
ステップ65において、駐車状態判定部13cは、路肩への駐車を前提としたブレーキ操作が既に行われているか否かを判定すべく、ブレーキ操作フラグが「ON」であるか否かを判定する。ブレーキ操作フラグが「OFF」にセットされている場合には、ステップ65の否定判定に従い、本ルーチンを抜ける。一方、ブレーキ操作フラグが一旦「OFF」から「ON」に切り替わると、このステップ65の肯定判定に従い、ステップ66に進む。
ステップ66において、駐車状態判定部13cは、路肩方向へ操舵した後に、修正舵として逆方向への操舵(逆操舵)があったか否かを判定する。具体的には、ステップ58において、操舵角>Stを条件として肯定判定された場合には、本ステップにおいて、操舵角<−Stを条件として肯定判定される。一方、ステップ58において、操舵角<−STを条件として肯定判定された場合には、本ステップにおいて、操舵角>Stを条件として肯定判定される。
このステップ66において肯定判定された場合には、ステップ67に進む。そして、ステップ67において、駐車状態判定部13cは、逆操舵が行われたとして(図13のタイミングT2の検出)、逆転舵フラグを「ON」にセットする。一方、このステップ66において否定判定された場合には、ステップ67をスキップして、ステップ68に進む。なお、このステップ66の処理タイミングでは、ステップ58の処理タイミングよりも車速が小さな値となっているため、操舵角がより大きくなる傾向がある。そのため、このステップ66の処理では、先のステップ58に用いた第2の操舵しきい値Stよりも大きな値(絶対値ベース)を用いてもよい。
ステップ68において、駐車状態判定部13cは、逆転舵フラグが「ON」であるか否かを判定する。ステップ68において肯定判定された場合には、ステップ69に進む。一方、このステップ68において否定判定された場合には、本ルーチンを抜ける。
ステップ69において、駐車状態判定部13cは、逆転舵から中立方向へ操舵が戻されたか否を判定する(図13に示すT13の検出)。具体的には、駐車状態判定部13cは、従前のサイクルにおける操舵角の絶対値と、現在のサイクルにおける操舵角の絶対値との差分を取り、これが負であれば操舵角がステアリングの中立位置へ戻されたと判定する。ここで、操舵角の絶対値の差分を用いて中立方向への操舵を判断する理由は、左右どちらの操舵の戻しに対しても対応するためである。このステップ69において肯定判定された場合には、ステップ70に進む。そして、ステップ70において、駐車状態判定部13cは、逆転舵から中立方向へ操舵が戻されたとして(図13のタイミングT31の検出)、操舵戻しフラグを「ON」にセットする。一方、このステップ69において否定判定された場合には、ステップ70をスキップして、ステップ71に進む。
ステップ71において、駐車状態判定部13cは、操舵戻しフラグが「ON」にセットされているか否かを判定する。このステップ71において肯定判定された場合には、ステップ72に進む。一方、ステップ71において否定判定された場合には、本ルーチンを抜ける。
ステップ72において、駐車状態判定部13cは、ステップ62において演算を開始した道幅方向の移動量が、移動量しきい値Wsよりも大きいか否かが判定される。路肩側の駐車スペースへ駐車する場合、その車両は、路肩方向にかけて所定値以上移動する(図13に示すタイミングT32の検出)。そのため、この移動量しきい値Wsには、路肩駐車とは認められない程度の移動量の最大値(例えば、3.0m)が予め設定されている。なお、移動量しきい値Wsの設定は、ナビゲーション装置12の地図情報に記録された車線数を用い、自車両がマップマッチングしているリンクの車線数Nより以下のように設定してもよい。
(数式4)
Ws=N×Wt Wtは定数(例えば、3.0m)
図16は、移動量しきい値Wsの別の設定例を説明する説明図である。移動量しきい値Wsは、ナビゲーション装置12の地図情報に記録された道幅Wdを用い、道幅Wdと比例的に設定してもよい(数式5参照)。
(数式5)
Ws=k×Wd kは定数(例えば、0.5)
ステップ72において肯定判定された場合、すなわち、車両が路肩方向にかけて移動量しきい値Wsよりも移動した場合には(移動量>Ws)、ステップ73に進む。一方、ステップ72において否定判定された場合、すなわち、車両の路肩方向への移動量が移動量しきい値以下の場合には(移動量≦Ws)、本ルーチンを抜ける。
ステップ73において、駐車状態判定部13cは、現在の車速が、第1の車速しきい値Vsよりも小さいか否かを判定し、路肩への駐車に際して駐車スペースに近づき車速を極低速まで減速したことが否かを判定する(図13に示すタイミングT33の検出)。このステップ73において肯定判定された場合、すなわち、駐車を開始したと見なせるほどに車速が低下している場合には(車速<Vs)、ステップ74に進む。一方、このステップ73において否定判定された場合、すなわち、駐車を開始したと見なせない程度の車速である場合には(車速≧Vs)、本ルーチンを抜ける。
ステップ74において、駐車状態判定部13cは、以上の一連の判定結果に基づいて、路肩の駐車スペースへの駐車開始を判定する判定条件が具備されると、路肩の駐車スペースへの自車両の駐車開始を判定し、路肩駐車判別フラグを「ON」にセットする。この路肩駐車判別フラグが「ON」となる場合には、以下に示す判定条件を具備したことを意味しており、これは、図13に示す各タイミングT11〜T13,T2,T31〜T33の流れを辿ったことを意味する。
(判定条件)
1. 操舵フラグ=ON
2. 逆操舵フラグ=ON
3. 転舵戻しフラグ=ON
4. ブレーキ操作フラグ=ON
5. 道幅方向への移動量>Ws
6. 車速<Vs
そして、ステップ74において、カメラ映像切替指令部13dは、路肩駐車判別フラグが「ON」にセットされたことに応じて、現在の駐車状態に応じた景色をカメラ映像表示装置16に表示させる。具体的には、カメラ映像切替指令部13dは、路肩に幅寄せする際に必要な車両周辺の映像、すなわち、路肩(自車両の移動方向)側に対応する車両の前角、および、路肩側に対応する車両側方の前後方向(特に、下側)の景色を表示パターンとして設定し、これをカメラ映像切替装置15に対して出力する。例えば、左側通行、或いは、右側通行であっても一方通行の左側の路肩に駐車する場合には、左前角、左前の側方および左後の側方が表示パターンとなるといった如くである。これは、車両と縁石やガードレールまでの距離を確認し易いようにといった観点からである、カメラ映像切替装置15は、カメラ14h,14gからの映像を選択し、これらのカメラ14h,14gから出力される映像をカメラ映像表示装置16に表示させる。
また、シートポジション指令部13eは、駐車判別フラグが「3」にセットされたことに応じて、駐車に適した位置にシートポジションを切り替える。例えば、シートポジションは、上述した6つの駐車パターンに対応して最適なシート位置が規定されており、シートポジション指令部13eは、駐車パターンに対応したシートポジションを選択し、これをシートポジション制御装置17に出力する。これにより、シートポジション制御装置17は、設定されたシートポジションとなるようにシートポジションアクチュエータを駆動し、ドライバーの乗車するシート位置を制御する。
このように、本実施形態において、駐車状態判定部13cは、車両情報に基づいて、自車両の路肩方向への移動量を算出するとともに、この算出された移動量と、車速と、操舵角とが、路肩の駐車スペースへの駐車開始を判定する判定条件(|操舵角|>St、逆転舵、中立方向への戻し、移動量>Ws、車速<Vs)を具備した場合に、自車両の路肩の駐車スペースへの駐車開始を判定する。そして、カメラ映像切替指令部13dは、自車両の路肩の駐車スペースへの駐車開始が判定された場合、自車両の移動方向に対応する車両の前角および車両側方下側の景色を表示パターンとして設定する。これにより、車速、操舵角および移動量を用いて路肩の駐車スペースへの駐車開始を判別することがきるとともに、路肩へ駐車する際に必要な車両周辺の景色に自動的に切り替えることができる。その結果、車両の駐車状態に応じて、自動的に駐車に必要なカメラ映像が表示されるので、ドライバーの駐車操作を支援することができる。
また、駐車状態判定部13cは、自車両の路肩方向への移動量に対応する判定条件を、ナビゲーション情報に含まれる車線数または道幅に応じて設定してもよい。これにより、道路の車線数や道幅に影響されず、路肩の駐車スペースへの駐車開始を有効に判定することができる。
なお、本実施形態は例示的に示したに過ぎず、例えば、上述した条件1〜6に加えて、自車位置が交差点から所定値(例えば、10m)以上離れていることを加えてもよい。自車位置から最寄の交差点までの距離の検出方法としては、例えば図5のように自車両がマップマッチングしているリンクの前後のノード(他の道路との分岐があるノード、すなわち、3つ以上のリンクと接続しているノード)までの距離として一義的に特定することができる。このように、ナビゲーション情報に含まれる自車位置から最寄の交差点までの距離を前記判定条件としてさらに備えることにより、交差点において停車する際に(特に、右左折時)、駐車開始と判定されてしまうことを防止することができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態の駐車支援装置10が第1の実施形態のそれと相違する点は、ナビゲーション装置の経路誘導情報を用いてカメラ映像への切替閾値を変更することで、経路誘導中に誤って経路から外れてしまい際に、必要な車両周辺の映像を切り替えることにある。
図17は、第4の実施形態に係る駐車判定手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、所定間隔(例えば、100ms)毎に呼び出され、駐車状態判定ユニット13によって実行される。この処理は、上述した第1から第3の実施形態に記載された駐車支援処理と、並列的に行われている。なお、駐車状態判定ユニット13は、ナビゲーション装置12から取得するナビゲーション情報に基づいて、現在ナビゲーション装置12がどのような機能を実行しているかについて特定することができる。
まず、ステップ80において、駐車状態判定部13cは、ナビゲーション装置12が経路誘導中であるか否かを判定する。このステップ80において否定判定された場合、すなわち、ナビゲーション装置12が経路誘導中ではない場合には、本ルーチンを抜ける。一方、ステップ80において肯定判定された場合、すなわち、ナビゲーション装置12が経路誘導中の場合には、ステップ81に進む。
ステップ81において、駐車状態判定部13cは、ナビゲーション装置12が現在リルート中であるか否かを判定する。リルートは、ナビゲーション装置12によって設定された経路上から車両が逸脱した場合に、現在の車両位置に応じて経路情報を再設定することである。このステップ81において肯定判定された場合、すなわち、現在リルート中である場合には、後述するステップ82に進む。一方、ステップ81において否定判定された場合、すなわち、現在リルート中ではない場合には、ステップ83に進む。
ステップ83において、駐車状態判定部13cは、リルート済であるか、すなわち、リルートが既に済んでいるか否かを判定する。ステップ83において肯定判定された場合、すなわち、リルート済みの場合には、ステップ84に進む。一方、このステップ83において否定判定された場合、すなわち、リルート中である場合には、本ルーチンを抜ける。
ステップ84において、駐車状態判定部13cは、目的地に対して設定された経路情報から車両がはずれ、自車両が目的地から遠ざかっているか否かを判定する。具体的には、駐車状態判定部13cは、ナビゲーション装置12から現在位置から目的地までの距離或いは時間を取得し、従前のサイクルにおいて取得された値と比較する。そして、従前のサイクルの距離(時間)よりも現在のサイクルの距離(時間)の方が長い場合には、このステップ84において肯定判定され、ステップ82に進む。一方、従前のサイクルの距離(時間)よりも現在のサイクルの距離(時間)の方が短い場合には、このステップ84において否定判定され、本ルーチンを抜ける。
ステップ82において、駐車状態判定部13cは、車両周辺のカメラ映像表示の切替に関する各種のしきい値を変更する。例えば、車速しきい値Vsを高めに(例えば、25km/h)、または、操舵角STsを小さめに(例えば、15deg)変更することで、上述した実施形態に示す判定条件のレベルを低減し、カメラ映像が表示されやすくなるように設定するといった如くである。
このように本実施形態によれば、駐車状態判定部13cは、ナビゲーション情報に基づいて、自車両がナビゲーション装置12による経路誘導中かつリルート中、或いは、目的地までの到達距離または到達時間が増加している場合には、上述した判定条件のレベルを低減させている。これにより、経路誘導中に誤って経路から外れてしまった場合には、元の経路に戻るべく駐車エリアに進入したり、路肩に一旦駐車してUターン等をする。その際に、通常の場合と比較して、車両周辺の景色が表示され易くなるという効果がある。
なお、上述した第1から第3の実施形態は、それぞれ特徴に応じてこれらを個別の実施形態で説明したが、これらのいずれの手法を組み合わせて駐車状態を判定し、表示パターンの設定を行ってもよい。例えば、サービスエリアへの進入と、路肩駐車の開始判定とを組み合わせといった如くである。
第1の実施形態に係る駐車支援装置10の全体構成を示すブロック図である。 図1に示す駐車支援装置10を模式的に示す説明図である。 第1の実施形態に係る駐車支援装置10の駐車支援処理の概念説明図である。 第1の実施形態に係る駐車支援処理の手順を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る駐車支援処理の手順を示すフローチャートである。 自車方向VDRと道路方向LDRとを説明する説明図である。 駐車状態と表示パターンとの説明図である。 駐車時の進行方向および操舵方向と、これに対応する表示パターンとの関係を説明する説明図である。 判定条件の説明図である。 第2の実施形態に係る駐車支援装置10の駐車支援処理の概念説明図である。 第2の実施形態に係る駐車支援処理の手順を示すフローチャートである。 第3の実施形態に係る駐車支援装置10の駐車支援処理の概念説明図である。 操舵角、車速およびブレーキ操作の時系列的な変化を示すタイミングチャートである。 第3の実施形態に係る駐車支援処理の手順を示すフローチャートである。 第3の実施形態に係る駐車支援処理の手順を示すフローチャートである。 移動量しきい値Wsの別の設定例を説明する説明図である。 第4の実施形態に係る駐車支援処理の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10 駐車支援装置
11 車両情報取得部
12 ナビゲーション装置
12a 自車位置検出部
12b 道路情報取得部
12c 地図データベース
13 駐車状態判定ユニット
13a 駐車情報読取部
13b ナビ情報取得部
13c 駐車状態判定部
13d カメラ映像切替指令部
13e シートポジション指令部
14 カメラユニット
14a〜14h カメラ
15 カメラ映像切替装置
16 カメラ映像表示装置
17 シートポジション制御装置
18 シートポジションアクチュエータ

Claims (15)

  1. 車両周辺の映像を表示して駐車操作を支援する駐車支援装置において、
    それぞれが車両の周囲の景色を撮像する複数の撮像手段と、
    前記撮像手段から出力される映像を表示する表示手段と、
    所定の表示パターンに従って、前記複数の撮像手段の中から前記表示手段に映像を表示する撮像手段の切り替えを行う切替手段と、
    自車両の走行する道路情報をナビゲーション情報として取得するナビゲーション手段と、
    運転操作量と車両状態量とを含む車両情報を取得する車両情報取得手段と、
    前記ナビゲーション手段によって取得されるナビゲーション情報と、前記車両情報取得手段によって取得される車両情報とに基づいて、駐車を前提とする自車両の駐車状態を判定する駐車状態判定手段と、
    前記駐車状態判定手段によって判定された自車両の駐車状態に基づいて、前記表示パターンを設定し、当該設定された表示パターンを前記切替手段に出力するパターン設定手段と
    を有することを特徴とする駐車支援装置。
  2. 前記駐車状態判定手段は、前記ナビゲーション情報に基づいて、自車両周辺の道路の方向と自車両の進行方向との方向差を算出し、当該算出された方向差と、前記車両情報である車速と、前記車両情報である操舵角とが、駐車エリアへの進入を判定する判定条件を具備した場合に、自車両の駐車開始を判定し、
    前記パターン設定手段は、前記駐車状態判定手段によって自車両の駐車開始が判定された場合には、車両の左右前角および操舵方向の車両側方下側の景色を前記表示パターンとして設定することを特徴とする請求項1に記載された駐車支援装置。
  3. 前記駐車状態判定手段は、自車両の駐車開始を判定した後に、前記車両情報である操舵角と、前記車両情報である車速とが、駐車エリア内の走行を判定する判定条件を具備した場合に、自車両の駐車エリア内の走行を判定し、
    前記パターン設定部は、前記駐車状態判定手段によって自車両の駐車エリア内の走行が判定された場合に、車両左右側方からの前方の景色を前記表示パターンとして設定することを特徴とする請求項2に記載された駐車支援装置。
  4. 前記駐車状態判定手段は、自車両の駐車開始を判定した後に、前記車両情報である操舵角と、前記車両情報である車速とが、駐車エリア内の駐車スペースへの駐車開始を判定する判定条件を具備した場合には、自車両の駐車スペースへの駐車開始を判定し、
    前記パターン設定部は、前記駐車状態判定手段によって自車両の駐車スペースへの駐車開始が判定された場合には、前記車両情報である車両の進行方向と、前記車両情報である操舵角とに基づいて前記表示パターンを設定することを特徴とする請求項2に記載された駐車支援装置。
  5. 前記駐車状態判定手段は、前記ナビゲーション情報に含まれる道路上の直近のコンテンツと、自車両との間の距離を前記判定条件としてさらに有していることを特徴とする請求項2に記載された駐車支援装置。
  6. 前記駐車状態判定手段は、前記ナビゲーション情報に基づいて、自車両がサービスエリア内へ進入したか否かを判定し、
    前記パターン設定部は、前記駐車状態判定手段によって自車両のサービスエリアへの進入が判定された場合、前記車両情報である車速に基づいて、前記表示パターンを設定することを特徴とする請求項1に記載された駐車支援装置。
  7. 前記駐車状態判定手段は、自車両のサービスエリアへの進入を判定した後に、前記車両情報である車速が、駐車エリア内の走行を判定する判定条件を具備した場合に、自車両の駐車エリア内の走行を判定し、
    前記パターン設定部は、前記駐車状態判定手段によって自車両の駐車エリア内の走行が判定された場合に、車両左右側方からの前方の景色を前記表示パターンとして設定することを特徴とする請求項6に記載された駐車支援装置。
  8. 前記駐車状態判定手段は、自車両のサービスエリアへの進入を判定した後に、前記車両情報である車速が、駐車エリア内の駐車スペースへの駐車開始を判定する判定条件を具備した場合には、自車両の駐車スペースへの駐車開始を判定し、
    前記パターン設定部は、前記駐車状態判定手段によって自車両の駐車スペースへの駐車開始が判定された場合には、前記車両情報である車両の進行方向と、前記車両情報である操舵角とに基づいて前記表示パターンを設定することを特徴とする請求項6に記載された駐車支援装置。
  9. 前記駐車状態判定手段は、前記車両情報に基づいて、自車両の路肩方向への移動量を算出し、当該算出された移動量と、前記車両情報である車速と、前記車両情報である操舵角とが、路肩の駐車スペースへの駐車開始を判定する判定条件を具備した場合に、路肩の駐車スペースへの自車両の駐車開始を判定し、
    前記パターン設定部は、前記駐車状態判定手段によって路肩の駐車スペースへの自車両の駐車開始が判定された場合、自車両の移動方向に対応する車両の前角および車両側方の前後方向の景色を前記表示パターンとして設定することを特徴とする請求項1に記載された駐車支援装置。
  10. 前記駐車状態判定手段は、自車両の路肩方向への移動量に対応する前記判定条件を、前記ナビゲーション情報に含まれる車線数または道幅に応じて可変に設定することを特徴とする請求項9に記載された駐車支援装置。
  11. 前記駐車状態判定手段は、前記ナビゲーション情報に含まれる自車位置から最寄の交差点までの距離を前記判定条件としてさらに有していることを特徴とする請求項9に記載された駐車支援装置。
  12. 前記駐車状態判定手段は、前記車両情報であるブレーキ操作信号、または、前記車両情報であるアクセル開度を前記判定条件としてさらに有していることを特徴とする請求項1に記載された駐車支援装置。
  13. 前記駐車開始判定手段は、前記ナビゲーション情報に基づいて、自車両が前記ナビゲーション手段による経路誘導中かつリルート中の場合、或いは、目的地までの到達距離または到達時間が増加している場合には、前記判定条件のレベルを低減させることを特徴とする請求項2,9のいずれか一項に記載された駐車支援装置。
  14. ドライバーの着席するシート各部の位置を設定するシートポジション駆動手段と、
    所定のシートポジションに従って、前記シートポジション駆動手段を制御するシートポジション制御手段と、
    前記駐車状態判定手段によって判定された自車両の駐車状態に基づいて、前記シートポジションを設定し、当該設定されたシートポジションを前記シートポジション制御手段に出力するシートポジション設定手段と
    をさらに有することを特徴とする請求項1に記載された駐車支援装置。
  15. 車両周辺の映像を表示して駐車操作を支援する駐車支援方法において、
    自車両の走行する道路情報を含むナビゲーション情報を取得し、運転操作量と車両状態量とを含む車両情報を取得し、前記ナビゲーション情報と前記車両情報とに基づいて、駐車を前提とする自車両の駐車状態を判定し、自車両の駐車状態に基づいて表示パターンを設定し、前記表示パターンに対応する車両の周囲の景色を表示することを特徴とする駐車支援方法。
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