JPH0524651U - 用紙反転装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】シート状の用紙を上下方向の縦搬送路上でスイ
ッチバックさせて送り出す過程で用紙を反転させる用紙
反転装置において、スキューを解消し、スペース面、コ
スト面でも有利な用紙反転装置を提供すること。 【構成】縦搬送路上に設けた一対の搬送ローラ３ａ，３
ｂと、前記縦搬送路上この搬送ローラの下方に設けられ
ていて前記搬送ローラにより下方に搬送された用紙を上
方へ戻す接離可能な一対の戻しローラ４，１１と、前記
縦搬送路上前記戻しローラの下方に設けられていて下方
へ搬送された用紙の下端部を押さえ固定する押さえ部材
８と、前記縦搬送路上前記押さえ部材と前記戻しローラ
との間にできる用紙のたるみ部分を逃すための開口部１
００を有すること。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は用紙反転装置に関し、より詳細には、複写装置、プリンター、ファク シミリ等に適用できる用紙反転装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

シート状の用紙を上下方向の縦搬送路上でスイッチバックさせて送り出す過 程で用紙を反転させる用紙反転装置として、図７に示す技術がある。

【０００３】 この用紙反転装置は、上下方向に用紙Ｓを搬送する縦搬送経路１０００に用紙 Ｓを下方へ搬送する一対の搬送ローラ２０００、３０００と、その下方に逆転可 能な戻しローラユニット５０００とを設け、その搬送ローラ２０００、３０００ と戻しローラユニット５０００の戻しローラ９０００、１５００とによって用紙 Ｓを縦搬送経路１０００内で下方に搬送し、その用紙の上端が分岐部４０００を 通過した後で戻しローラ９０００を矢印Ａ方向に逆回転させてそれを上方へ反転 搬送し、その用紙Ｓを分岐部４０００に設けられて２点鎖線で示す回動位置に切 り換えられている分岐爪によって分岐経路７０００へ案内して搬送ローラ２００ ０と８０００とによる搬送力によってそれを排出している。

【０００４】 また、カットされたシート状の用紙を上下方向の縦搬送路上でスイッチバッ クさせて送り出す過程で用紙を反転させる用紙反転装置として、図８に示す技術 がある。この用紙反転装置では、分岐爪６０００と接離ローラ１７００とが予め 実線で示すように搬送路より退避した状態で、用紙Ｓが入路１８００より送り込 まれる。

【０００５】 用紙の上端が搬送ローラ２０００、３０００のニップ部を抜けた時から、所定 の時間経過後に接離ローラ１７００が常回転している戻しローラ１５００に接し 、これにより自重落下する用紙Ｓを捉えると共に、分岐爪６０００が２点鎖線で 示す位置に切り換えられる。このため、用紙Ｓは反転されつつ出路１９００より 出て行く。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

前記従来技術については、正逆回転可能なローラを使用するため、スペース を要し、また、高コスト面になるとの問題がある。

【０００７】 前記従来技術については、操作中におけるローラの回転方向の切り換えはな いため、前記従来技術における問題は解消されるが、用紙を一瞬、自由落下さ せる工程を含むため、この自由落下の際に用紙がガイド部材表面等の抵抗の違い などによりスキューした状態となり、この状態が反転排紙のときまで矯正されず 、ジャムやスタック不揃いなどの原因となるとの問題がある。

【０００８】 従って、本考案の目的は、スキューを解消し、スペース面、コスト面でも有利 な用紙反転装置を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するため、本考案においては、縦搬送路上に設けた一対の搬送 ローラと、縦搬送路上この搬送ローラの下方に設けられていて搬送ローラにより 下方に搬送された用紙を上方へ戻す接離可能な一対の戻しローラと、縦搬送路上 戻しローラの下方に設けられていて下方へ搬送された用紙の下端部を押さえ固定 する押さえ部材と、縦搬送路上前記押さえ部材と前記戻しローラとの間にできる 用紙のたるみ部分を逃すための開口部を有することとした。

【００１０】 また、縦搬送路上に設けた一対の搬送ローラと、縦搬送路上この搬送ローラの 下方に設けられていて搬送ローラにより下方に搬送された用紙を上方へ戻す接離 可能な一対の戻しローラと、縦搬送路上前記戻しローラの下方で設けられ用紙下 端と当接する水平な底部と、縦搬送路上前記底部と前記戻しローラととの間にで きる用紙のたるみ部分を逃すための開口部を有する構成とすることもできる。

【００１１】

【作用】

押さえ部材により用紙後端は押さえられ、用紙が自由落下する瞬間はないし、 ローラーを正逆回転切り換えをさせる必要はない。

【００１２】

【実施例】

１．請求項１に対応する実施例（図１ないし図５参照） 先ず構成について説明する。 図１において、符号３ａ、３ｂは、用紙入路側のガイド１ａ、１ｂの下端部に設 けた一対の搬送ローラを示し、用紙を下方に送り込む向きに常時回転している。

【００１３】 これら一対の搬送ローラの下方には用紙Ｓを上方に戻すための一対の戻しロー ラ４、１１が設けられている。

【００１４】 これら、搬送ローラ３ａ、３ｂと戻しローラ４、１１間からは用紙出路側のガ イド１２ａ、１２ｂが設けられている。戻しローラ４は位置不変の戻しローラ４ に対して接離自在であり、支点２を中心に揺動するレバー５の上端に回転自在に 設けられている。このレバー５の他端側はソレノイド９と結ばれていて、このソ レノイド９がオンにされると、戻しローラ４が戻しローラ１１に接し、オフにさ れると、離間して搬送路を開く。

【００１５】 これら、戻しローラ４、１１の下方にはガイド６ａ、６ｂがあり、ガイド６ｂ 一部には窓部６ｂ１が形成されていて、この窓部を介して縦搬送路に出入りする 押さえ部材８がある。この押さえ部材８は、支点２０で支持されたレバー２１の 下端に枢着されたもので、具体的には図５に示すように、押さえ部材８の先端部 には、用紙を固定しやすいようにゴムなどの高摩擦弾性部材からなる先端部材８ ａが設けられている。

【００１６】 ソレノイド１９がオンにされると、レバー２１が回動して、この先端部材１８ ａがガイド６ａに密着させられ用紙があればこれを固定する。オフならば、押さ え部材８は、ばねにより引かれてガイド６ｂの外側に退避する。

【００１７】 戻しローラ１１と押さえ部材８との間には開口部１００が形成されている。こ の開口部１００は後述するように用紙のたるみ部分を逃すためのものである。

【００１８】 また、搬送ローラ３ｂの直前位置にはソレノイド９のオンの時点、つまり、戻 しローラ４を戻しローラ１１に接触させる時機を制御するための信号を発するセ ンサ１０が配置されている。押さえ部材８の対向部にもセンサ７が設けられてい るが、このセンサは、ソレノイド１９の作動時機、つまり、押さえ部材８の押圧 時機を制御するためのものである。これらのセンサはいずれも用紙の先端ないし 後端の通過を検知するものであり、センサ７による検知信号と同等の検知信号を センサ１０の検知信号及び用紙の速度から得ることも可能である。その場合はセ ンサ７は不要であり、センサ１０がその機能を兼用する。

【００１９】 以上において、ガイド１ａ、１ｂ、６ａ、６ｂ、１２ａ、１２ｂ等はいずれも 縦方向を向いており、いずれも縦搬送路を構成する。

【００２０】 次に用紙反転時の作動について説明する。 図１に示すように、ガイド１ａ、1ｂ間より送られてきた用紙Ｓが搬送ローラ ３ａ，３ｂにより下方に送られ、レバー５の部分にガイドされてさらに下方に送 られ、ガイド６ａ，６ｂ間へ進む。

【００２１】 用紙Ｓの先端がセンサ７を通過してからＴ₁パルス後、用紙Ｓの下端が十分に 押さえ部材８を通過してから、図２に示すように押さえ部材８が用紙Ｓの先端を ガイド６ａに押し立てて用紙の先端より内側を固定する。これに伴い、搬送ロー ラ３ａ，３ｂにより送り出された用紙の中央部及び後端部は開口部１００へ膨ら んで逃げる。

【００２２】 そして、図３に示すように用紙Ｓの後端がセンサ１０を抜けた時から、Ｔ₂パ ルス後、用紙の後端が搬送ローラ３ａ３のニップ部を抜けた時、ソレノイド９が オンにされ、戻しローラ４は送り出し方向に常回転している戻しローラ１１に圧 接され、用紙Ｓの上端は出路側のガイド板１２ａ，１２ｂ間に位置させられる。

【００２３】 これにより、戻しローラ４、１１が用紙をガイド板１２ａ，１２ｂ間に送り出 すようになるので、図２で生じた用紙中央のたるみによる膨らみは除々に減り、 この過程でソレノイド８がオフされて、図４に示すように、用紙Ｓの下端部は自 由となり、反転されつつ送り出されていく。

【００２４】 本例では、押さえ部材８により用紙を固定するので、スキューすることはなく 、ジャムやスタック不揃いが解消される。また、戻しローラ１１は一方向に常回 転であり、正逆転機構は不要なのでスペースをとらず、コスト的にも有利である 。

【００２５】 ２．請求項２に対応する実施例（図６参照） 本例は図６に示すように、前記例１における押さえ部材８及びセンサ７を省略 し、ガイド６ａ，６ｂに水平な底部１０１を設けたものである。

【００２６】 本例では、用紙Ｓの下端は、前記例では押さえ部材８により押さえられたので あるが、その替わり、底部１０１に下端部が当接される。これに伴う用紙のたる みは開口部１００より逃がされる。他のことは、前記例１に準ずる。

【００２７】 本例では、用紙の搬送を確保するため、戻しローラ１１と４の当接部から底部 １０１までの距離ｌは、当該用紙反転装置において使用される各種サイズの用紙 のうち、最小サイズの用紙における搬送方向の長さよりも小さく設定すべきもの とする。

【００２８】 なお、同様のことは前記例１においてもいえることで、前記例１において、戻 しローラ１１と４の当接部から押さえ部材８までの距離は、当該用紙反転装置に おいて使用される最小サイズの用紙における搬送方向の長さよりも小さく設定さ れるべきものとする。

【００２９】

【考案の効果】

本考案によれば、スキューを解消し、スペース面、コスト面でも有利な用紙反 転装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る用紙反転装置の反転プロセスを説
明した図である。

【図２】本考案に係る用紙反転装置の反転プロセスを説
明した図である。

【図３】本考案に係る用紙反転装置の反転プロセスを説
明した図である。

【図４】本考案に係る用紙反転装置の反転プロセスを説
明した図である。

【図５】本考案に係る用紙反転装置の押さえ部材の斜視
図である。

【図６】本考案に係る用紙反転装置の他の構成例を説明
した図である。

【図７】従来の用紙反転装置の構成を説明した図であ
る。

【図８】従来の他の用紙反転装置の構成を説明した図で
ある。

【符号の説明】

３ａ 搬送ローラ ３ｂ 搬送ローラ ４ 戻しローラ ８ 押さえ部材 １１ 戻しローラ １００ 開口部 １０１ 底部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シート状の用紙を上下方向の縦搬送路上で
   スイッチバックさせて送り出す過程で用紙を反転させる
   用紙反転装置において、 縦搬送路上に設けた一対の搬送ローラと、前記縦搬送路
   上この搬送ローラの下方に設けられていて前記搬送ロー
   ラにより下方に搬送された用紙を上方へ戻す接離可能な
   一対の戻しローラと、前記縦搬送路上前記戻しローラの
   下方に設けられていて下方へ搬送された用紙の下端部を
   押さえ固定する押さえ部材と、前記縦搬送路上前記押さ
   え部材と前記戻しローラとの間にできる用紙のたるみ部
   分を逃すための開口部を有することを特徴とする用紙反
   転装置。
2. 【請求項２】シート状の用紙を上下方向の縦搬送路上で
   スイッチバックさせて送り出す過程で該用紙を反転させ
   る用紙反転装置において、 縦搬送路上に設けた一対の搬送ローラと、前記縦搬送路
   上この搬送ローラの下方に設けられていて前記搬送ロー
   ラにより下方に搬送された用紙を上方へ戻す接離可能な
   一対の戻しローラと、前記縦搬送路上前記戻しローラの
   下方に設けられ用紙下端と当接する水平な底部と、前記
   縦搬送路上前記底部と前記戻しローラととの間にできる
   用紙のたるみ部分を逃すための開口部を有することを特
   徴とする用紙反転装置。