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JP7278564B2 - ヒアルロン酸産生促進剤、コラーゲン産生促進剤、mmp阻害剤、シワ改善剤、医薬品又は食品組成物 - Google Patents

ヒアルロン酸産生促進剤、コラーゲン産生促進剤、mmp阻害剤、シワ改善剤、医薬品又は食品組成物 Download PDF

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JP7278564B2 JP2018104312A JP2018104312A JP7278564B2 JP 7278564 B2 JP7278564 B2 JP 7278564B2 JP 2018104312 A JP2018104312 A JP 2018104312A JP 2018104312 A JP2018104312 A JP 2018104312A JP 7278564 B2 JP7278564 B2 JP 7278564B2
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Description

本発明は、ヒアルロン酸産生促進剤、コラーゲン産生促進剤、MMP阻害剤、シワ改善剤、医薬品又は食品組成物に関する。
皮膚は、紫外線、乾燥、寒冷、熱、薬物等の様々な物理的及び化学的ストレスに日々さらされている。その結果、皮膚の機能低下が引き起こされ、様々な皮膚の老化現象が顕在化する。皮膚の老化現象の一つにシワがある。シワには、表皮性のシワと、真皮性のシワの二種類が存在することが知られている。表皮性のシワは小ジワと呼ばれ、皮膚の乾燥により、表皮角質中の水分量が低下することによって一時的に生じるシワである。一方、真皮性のシワは、太陽光線に含まれる紫外線や加齢によって形成されるシワである。その形成メカニズムとしては、紫外線や加齢による真皮線維芽細胞におけるコラーゲン合成能の低下や、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の増加によるコラーゲンの分解促進が挙げられる。
乾燥に起因する表皮性のシワと真皮性のシワでは、組織学的形態、発症メカニズム、治療方法が異なり、紫外線や加齢により生じる真皮性のシワは、保湿効果を有する化粧品の使用によって改善することは困難である。
これまでに、紫外線によって生じる真皮性のシワを改善することを目的として、加水分解アーモンドを有効成分とする皮膚のシワ形成防止・改善剤(特許文献1)、ジョチョウケイ、テンキシ及びキセンウの抽出物を有効成分とする紫外線照射に起因するシワの改善剤(特許文献2)が報告されている。
また、コラーゲンは、哺乳動物組織の約1/3を占める主要な構造タンパク質であり、軟骨、骨、腱、および皮膚等の、多くのマトリックス組織の必須な成分である。MMPに属するコラゲナーゼ(MMP-1)により一箇所を切断されると、通常の組織内では安定なコラーゲン分子は、変性して一本鎖のゼラチンとなり、他の様々なプロテアーゼにより分解されるようになる。その結果、マトリックス組織の構造の完全性が失われてしまう。
MMPに属するゼラチナーゼ(MMP-2)は、線維芽細胞や内皮細胞、ガン細胞等が産生する酵素であり、コラーゲン、ゼラチン、エラスチン(動脈、腱、皮膚等の弾性組織の特殊成分をなす構造タンパク質)等の基質を分解する。従って、ゼラチナーゼに対して阻害活性を有する物質は、ガン組織における血管新生やガンの転移を抑制する効果が期待され、ガン疾患の予防、治療に有用であると考えられる。さらにMMPの阻害はガン疾患のみならず、漬瘍形成、慢性関節リウマチ、骨粗鬆症、歯周炎等、MMPの亢進が原因で起こる各種疾患の予防、治療及び改善に有用である。
コラゲナーゼの阻害活性を有する素材として、例えば、カカオ豆皮であるカカオハスク抽出物(特許文献3)、バラ科オニイチゴ抽出物(特許文献4)、ラクトフェリン(特許文献5)等が提案されている。皮膚老化や口腔衛生にますます関心が高まっている状況下で、副作用がなく、安全性が高い、コラゲナーゼ活性阻害作用の優れた素材を見出すことが求められている。
また、線維芽細胞はコラーゲン等のタンパク質およびヒアルロン酸等のグリコサミノグリカンを産生して真皮結合組織を形成し、皮膚のハリを保っている。この結合組織が収縮力を失い、さらに弾力性を失う結果として皮膚のシワやたるみが発生すると考えられている。
特にヒアルロン酸は結合組織に広く分布する高分子多糖体として知られており、真皮中でゲル状の形態を呈し、肌の弾力を維持している。従って、ヒアルロン酸の変質や減少が皮膚老化において重要であると考えられている。また、ヒアルロン酸は高分子であるため、それを含有した化粧料を皮膚に直接塗布しても吸収されにくいという問題があった。そこで、これまで、線維芽細胞を活性化することで、細胞自らのコラーゲンやヒアルロン酸の産生を促進させることができる皮膚外用剤が模索されてきた(特許文献6)。また、ヒアルロン酸は、関節にも存在しており、関節の荷重の衝撃を和らげたり、関節の動きを滑らかにしたりする機能を果たしていることが知られている。変形性関節炎、慢性関節リウマチ、化膿性関節炎、痛風性関節炎、外傷性関節炎及び骨関節炎等の関節疾患の場合は、関節液中のヒアルロン酸量が低下したり、加齢によって低下したりすることが知られている。このような関節疾患において、潤滑機能の改善、関節軟骨の被覆や保護、痛みの抑制及び病的関節液の改善もしくは正常化のために、関節液中のヒアルロン酸量を増加させることが有効であると考えられる。例えば、慢性関節リウマチ、外傷性関節炎、骨関節炎及び変形性関節炎の患者にヒアルロン酸ナトリウムの関節注入法を行うと上記症状の改善が認められることが知られている。しかし、これらの治療は長期にわたる。従って、日常生活の中で手軽に予防や治療などができるように、ヒアルロン酸産生促進剤を含有させた食品や医薬品が望まれている。
飛蚊症とは、視界内に糸くずや蚊のように見える薄い影が現れる症状で、目の内部を満たす硝子体内の混濁が網膜上に影を落とすことで発生する。飛蚊症は大きく2種類に分けることができ、加齢や紫外線、活性酸素等の影響で発症する生理的飛蚊症と網膜剥離、網膜裂孔、硝子体出血、ぶどう膜炎等の疾患の一症状として現れる病的飛蚊症がある。生理的飛蚊症は、硝子体の主要成分であるヒアルロン酸の減少による液状化と、それに伴うコラーゲン線維の分解で硝子体内が混濁することで生じる。治療法として、硝子体切除手術やレーザー治療があるが、これらの施術は安全性の観点から日本ではあまり行われていないという実情があり、外国で治療を行うには多額の費用が必要となる。そのため、生理的飛蚊症を予防改善するためには日常的に利用可能なヒアルロン酸産生促進剤を含有させた食品や医薬品が望まれている。
コンブ目レッソニア科(コンブ科)カジメ属のクロメ(Ecklonia kurome)の抽出物は、テストステロン-5α-レダクターゼ活性阻害作用を有し、育毛剤に適用されることが知られている(特許文献7)。また、ヒバマタ目ホンダワラ科ホンダワラ属のホンダワラ(Sargassum fulvellum)の抽出物は、チロシナーゼ活性阻害作用を有することが知られており、美白剤として用いることが提案されている(特許文献8)。しかしながら、これらのクロメ及びホンダワラが、ヒアルロン酸産生促進、コラーゲン産生促進及びMMP阻害効果を有することは知られていなかった。
特開2000-119125号公報 特開2006-199611号公報 特開平3-44331号公報 特開2003-137801号公報 特開平5-186368号公報 特開2007-1924号公報 特開2012-229167号公報 特開2015-86187号公報
安全で安定性に優れ、ヒアルロン酸産生促進、コラーゲン産生促進及びMMP阻害効果に優れた素材が望まれているが、未だ十分満足し得るものが提供されていないのが現状である。
このような事情により、本発明者らは鋭意検討した結果、クロメ及びホンダワラの抽出物が優れたヒアルロン酸産生促進、コラーゲン産生促進及びMMP阻害効果を持ち、安定性においても優れていることを見出した。さらに、その抽出物を含有する外用剤又は内用剤が、安全で安定であり、ヒアルロン酸産生促進、コラーゲン産生促進及びMMP阻害効果に優れており、多機能性美容・健康用素材・医薬品と成り得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
本発明に用いるクロメ(Ecklonia kurome)は、コンブ目レッソニア科(コンブ科)カジメ属の海藻で、主に本州太平洋岸の中南部から九州にかけて、及び瀬戸内海、日本海側は新潟県以南に分布している。藻体の大きさは40~50cmで、大きいものは1mにもなり、主に食用として用いられている。
本発明に用いるホンダワラ(Sargassum fulvellum)は、ヒバマタ目ホンダワラ科ホンダワラ属の海藻で、主に九州から本州の太平洋沿岸の全面、日本海では越後付近まで分布している。藻体は披針形をしており、切れ込みがあるのが特徴である。
クロメ及びホンダワラは、それぞれ上記の生育地域から入手することができる。本発明において、上記海藻の抽出原料としては、海藻全体(全藻)を使用することが好ましいが、その一部、例えば、葉部(葉体・成葉)、茎部(中芯・中肋)、胞子葉部、根部等であってもよい。また、抽出には、海藻本体をそのまま使用してもよく、乾燥、粉砕、細切等の処理を行ってもよい。
抽出方法は、特に限定されないが、水もしくは熱水、または水と有機溶媒の混合溶媒を用い、撹拌またはカラム抽出する方法等により行うことができる。抽出溶媒としては、例えば、水、低級アルコール類(メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール等)、液状多価アルコール類(1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、流動パラフィン等)、エーテル類(エチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル等)が挙げられる。好ましくは、水、低級アルコール及び液状多価アルコール等の極性溶媒が良く、特に好ましくは、水、エタノール、1,3-ブチレングリコール及びプロピレングリコールが良い。これらの溶媒は一種でも二種以上を混合して用いても良い。特に好ましい抽出溶媒としては、水、または水-エタノール系の混合極性溶媒が挙げられる。溶媒の使用量については、特に限定はなく、例えば上記海藻(乾燥重量)に対し、10倍以上、好ましくは20倍以上であればよいが、抽出後に濃縮を行ったり、単離したりする場合の操作の便宜上100倍以下であることが好ましい。また、抽出温度や時間は、用いる溶媒の種類や抽出時の圧力等によって適宜選択できる。
上記抽出物は、抽出した溶液のまま用いてもよいが、必要に応じて、本発明の効果を奏する範囲で、濃縮(減圧濃縮、膜濃縮等による濃縮)、希釈、濾過、活性炭等による脱色、脱臭、エタノール沈殿等の処理を行ってから用いてもよい。さらには、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥等の処理を行い、乾燥物として用いてもよい。クロメ及びホンダワラの抽出物は、単独で用いてもよいが、2種を併用してもよい。クロメ及びホンダワラの抽出物を併用する場合、その混合比率は限定されない。
本発明は、上記抽出物をそのまま使用しても良く、抽出物の効果を損なわない範囲内で、化粧品、医薬部外品、医薬品又は食品等に用いられる成分である油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、金属石鹸、pH調整剤、防腐剤、香料、保湿剤、粉体、紫外線吸収剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、美白剤、キレート剤、賦形剤、皮膜剤、甘味料、酸味料等の成分が含有されていても良い。
本発明は、化粧品、医薬部外品、医薬品、食品のいずれにも用いることができ、その剤形としては、例えば、化粧水、クリーム、乳液、ゲル剤、エアゾール剤、エッセンス、パック、洗浄剤、浴用剤、ファンデーション、打粉、口紅、軟膏、パップ剤、錠菓、カプセル剤、チョコレート、ガム、飴、飲料、散剤、顆粒剤、錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤、シロップ剤、丸剤、懸濁剤、液剤、乳剤、坐剤、注射用溶液等が挙げられる。
外用の場合、本発明に用いる上記抽出物の含有量は、固形物に換算して0.0001重量%以上が好ましく、0.001~10重量%がより好ましい。さらに、0.01~5重量%が最も好ましい。0.0001重量%未満では十分な効果は望みにくい。10重量%を越えると、効果の増強は認められにくく不経済である。
内用の場合、摂取量は年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なる。通常、成人1人当たりの1日の摂取量としては、5mg以上が好ましく、10mg~5gがより好ましい。さらに、20mg~2gが最も好ましい。
次に本発明を詳細に説明するため、実施例として本発明に用いる抽出物の製造例、実験例及び処方例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。製造例に示す%とは重量%を、処方例に示す含有量の部とは重量部を示す。
クロメ及びホンダワラの抽出物の製造例
クロメ及びホンダワラの各海藻の抽出物を以下のとおり製造した。製造例1~8において抽出材料には海藻の全藻を用いた。
(製造例1)クロメの熱水抽出物の調製
クロメの乾燥物10gに200mLの水を加え、95~100℃で2時間抽出した。得られた抽出液を濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してクロメの熱水抽出物を2.1g得た。
(製造例2)クロメの50%エタノール抽出物の調製
クロメの乾燥物10gを200mLの50%エタノール水溶液に室温で7日間浸漬し抽出を行った。得られた抽出液を濾過した後、エバポレーターで濃縮乾固してクロメの50%エタノール抽出物を1.1g得た。
(製造例3)クロメのエタノール抽出物の調製
クロメの乾燥物10gを200mLのエタノールに室温で7日間浸漬し抽出を行った。得られた抽出液を濾過した後、エバポレーターで濃縮乾固してクロメのエタノール抽出物を0.2g得た。
(製造例4)クロメの1,3-ブチレングリコール抽出物の調製
クロメの乾燥物10gを200mLの1,3-ブチレングリコールに室温で7日間浸漬し抽出を行った。得られた抽出液を濾過してクロメの1,3-ブチレングリコール抽出物を192g得た。
(製造例5)ホンダワラの熱水抽出物の調製
ホンダワラの乾燥物10gに200mLの水を加え、95~100℃で2時間抽出した。得られた抽出液を濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してホンダワラの熱水抽出物を2.0g得た。
(製造例6)ホンダワラの50%エタノール抽出物の調製
ホンダワラの乾燥物10gを200mLの50%エタノール水溶液に室温で7日間浸漬し抽出を行った。得られた抽出液を濾過した後、エバポレーターで濃縮乾固してホンダワラの50%エタノール抽出物を1.0g得た。
(製造例7)ホンダワラのエタノール抽出物の調製
ホンダワラの乾燥物10gを200mLのエタノールに室温で7日間浸漬し抽出を行った。得られた抽出液を濾過した後、エバポレーターで濃縮乾固してホンダワラのエタノール抽出物を0.2g得た。
(製造例8)ホンダワラの1,3-ブチレングリコール抽出物の調製
ホンダワラの乾燥物10gを200mLの1,3-ブチレングリコールに室温で7日間浸漬し抽出を行った。得られた抽出液を濾過してホンダワラの1,3-ブチレングリコール抽出物を185g得た。
(処方例1) 化粧水1
処方 含有量(部)
1.クロメの熱水抽出物(製造例1) 2.0
2.1,3-ブチレングリコール 8.0
3.グリセリン 2.0
4.キサンタンガム 0.02
5.クエン酸 0.01
6.クエン酸ナトリウム 0.1
7.エタノール 5.0
8.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.1
10.香料 適量
11.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1~6及び11と、成分7~10をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合し濾過して製品とする。
(処方例2) 化粧水2
処方例1において、クロメの熱水抽出物をホンダワラの熱水抽出物(製造例5)に置き換えたものを処方例2とした。
(比較処方例1) 従来の化粧水
処方例1において、クロメの熱水抽出物を精製水に置き換えたものを、従来の化粧水とした。
(処方例3) クリーム1
処方 含有量(部)
1.クロメの50%エタノール抽出物(製造例2) 1.0
2.スクワラン 5.5
3.オリーブ油 3.0
4.ステアリン酸 2.0
5.ミツロウ 2.0
6.ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ベヘニルアルコール 1.5
9.モノステアリン酸グリセリン 2.5
10.香料 0.1
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
12.1,3-ブチレングリコール 8.5
13.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2~9を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び11~13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。
(処方例4) クリーム2
処方例3において、クロメの50%エタノール抽出物をホンダワラの50%エタノール抽出物(製造例6)に置き換えたものを処方例4とした。
(比較処方例2) 従来のクリーム
処方例3において、クロメの50%エタノール抽出物を精製水に置き換えたものを、従来のクリームとした。
(処方例5) 乳液1
処方 含有量(部)
1.クロメのエタノール抽出物(製造例3) 0.01
2.スクワラン 5.0
3.オリーブ油 5.0
4.ホホバ油 5.0
5.セタノール 1.5
6.モノステアリン酸グリセリン 2.0
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(20E.O.) 2.0
9.香料 0.1
10.プロピレングリコール 1.0
11.グリセリン 2.0
12.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
13.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1~8を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分10~13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分9を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。
(処方例6) 乳液2
処方例5において、クロメのエタノール抽出物をホンダワラのエタノール抽出物(製造例7)に置き換えたものを処方例6とした。
(処方例7) ゲル剤
処方 含有量(部)
1.クロメの1,3-ブチレングリコール抽出物(製造例4) 1.0
2.エタノール 5.0
3.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
4.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.1
5.香料 適量
6.1,3-ブチレングリコール 5.0
7.グリセリン 5.0
8.キサンタンガム 0.1
9.カルボキシビニルポリマー 0.2
10.水酸化カリウム 0.2
11.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2~5と、成分1及び6~11をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合して製品とする。
(処方例8)ゲル剤
処方例7において、クロメの1,3-ブチレングリコール抽出物をホンダワラの1,3-ブチレングリコール抽出物(製造例8)に置き換えたものを処方例8とした。
(処方例9) パック
処方 含有量(部)
1.クロメの熱水抽出物(製造例1) 1.0
2.ホンダワラの1,3-ブチレングリコール抽出物(製造例8) 5.0
3.ポリビニルアルコール 12.0
4.エタノール 5.0
5.1,3-ブチレングリコール 8.0
6.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
7.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 0.5
8.クエン酸 0.1
9.クエン酸ナトリウム 0.3
10.香料 適量
11.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1~11を均一に溶解し製品とする。
(処方例10) ファンデーション
処方 含有量(部)
1.ホンダワラの50%エタノール抽出物(製造例6) 1.0
2.ステアリン酸 2.4
3.ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(20E.O.) 1.0
4.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.0
5.セタノール 1.0
6.液状ラノリン 2.0
7.流動パラフィン 3.0
8.ミリスチン酸イソプロピル 6.5
9.カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
10.ベントナイト 0.5
11.プロピレングリコール 4.0
12.トリエタノールアミン 1.1
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
14.二酸化チタン 8.0
15.タルク 4.0
16.ベンガラ 1.0
17.黄酸化鉄 2.0
18.香料 適量
19.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2~8を加熱溶解し、80℃に保ち油相とする。成分19に成分9をよく膨潤させ、続いて、成分1及び10~13を加えて均一に混合する。これに粉砕機で粉砕混合した成分14~17を加え、ホモミキサーで撹拌し75℃に保ち水相とする。この油相に水相をかき混ぜながら加え、乳化する。その後、冷却し、45℃で成分18を加え、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
(処方例11) 浴用剤
処方 含有量(部)
1.クロメのエタノール抽出物(製造例3) 1.0
2.炭酸水素ナトリウム 50.0
3.黄色202号(1) 適量
4.香料 適量
5.硫酸ナトリウムにて全量を100とする
[製造方法]成分1~5を均一に混合し製品とする。
(処方例12) 軟膏
処方 含有量(部)
1.クロメの1,3-ブチレングリコール抽出物(製造例4) 1.0
2.ホンダワラの熱水抽出物(製造例5) 5.0
3.ポリオキシエチレンセチルエーテル(30E.O.) 2.0
4.モノステアリン酸グリセリン 10.0
5.流動パラフィン 5.0
6.セタノール 6.0
7.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
8.プロピレングリコール 10.0
9.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分3~6を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1、2及び7~9を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
(処方例13) 散剤1
処方 含有量(部)
1.クロメの熱水抽出物(製造例1) 1.0
2.乾燥コーンスターチ 39.0
3.微結晶セルロース 60.0
[製造方法]成分1~3を混合し、散剤とする。
(処方例14) 散剤2
処方例13において、クロメの熱水抽出物をホンダワラの熱水抽出物(製造例5)に置き換えたものを散剤2とした。
(処方例15) 錠剤
処方 含有量(部)
1.ホンダワラのエタノール抽出物(製造例7) 5.0
2.乾燥コーンスターチ 25.0
3.カルボキシメチルセルロースカルシウム 20.0
4.微結晶セルロース 40.0
5.ポリビニルピロリドン 7.0
6.タルク 3.0
[製造方法]成分1~4を混合し、次いで成分5の水溶液を結合剤として加えて顆粒成型する。成型した顆粒に成分6を加えて打錠する。1錠0.52gとする。
(処方例16) 錠菓
処方 含有量(部)
1.クロメのエタノール抽出物(製造例3) 2.0
2.乾燥コーンスターチ 49.8
3.エリスリトール 40.0
4.クエン酸 5.0
5.ショ糖脂肪酸エステル 3.0
6.香料 0.1
7.精製水 0.1
[製造方法]成分1~4及び7を混合し、顆粒成型する。成型した顆粒に成分5及び6を加えて打錠する。1粒1.0gとする。
(処方例17) 飲料
処方 含有量(部)
1.ホンダワラの熱水抽出物(製造例5) 0.05
2.ステビア 0.05
3.リンゴ酸 5.0
4.香料 0.1
5.精製水 94.8
[製造方法]成分2及び3を少量の水に溶解する。次いで、成分1、4及び5を加えて混合する。
次に、本発明の効果を詳細に説明するため、実験例を挙げる。
実験例1 ヒアルロン酸合成酵素2(HAS2)、I型コラーゲン(COL1A)、MMP-1及びMMP-2 mRNA発現量の測定
ヒト線維芽細胞NB1RGBを60mm dishに1×10個播種し、コンフルエントになった時点で、終濃度が10μg/mLになるように試料を添加した。コントロールには、試料を希釈した溶媒を添加した。24時間培養後、総RNAの抽出を行った。細胞からの総RNAの抽出はTRIZOL Reagent(Invitrogen)を用いて行い、総RNA量は分光光度計(NanoDrop)を用いて260nmにおける吸光度により求めた。mRNA発現量の測定は、細胞から抽出した総RNAを基にしてリアルタイムRT-PCR法により行った。リアルタイムRT-PCR法には、SuperScriptIII Platinum Two-Step qRT-PCR Kit with SYBR Green(Invitrogen)を用いた。すなわち、500ngの総RNAを逆転写反応後、PCR反応(95℃:15秒間、60℃:30秒間、40cycles)を行った。その他の操作は定められた方法に従い、HAS2、COL1A、MMP-1及びMMP-2 mRNAの発現量を、内部標準であるβ-actin mRNAの発現量に対する割合として求めた。HAS2発現率は、コントロールのHAS2 mRNAの発現量に対する試料添加群のHAS2 mRNAの発現量の比率として算出した。COL1A発現率及びMMP発現率についても、同様に算出した。尚、各遺伝子の発現量の測定に使用したプライマーは次の通りである。
HAS2用のプライマーセット
TGGATGACCTACGAAGCGATTA(配列番号1)
GCTGGATTACTGTGGCAATGAG(配列番号2)
COL1A用のプライマーセット
AGGACAAGAGGCATGTCTGGTT(配列番号3)
TTGCAGTGGTAGGTGATGTTCTG(配列番号4)
MMP-1用のプライマーセット
GGGAGATCATCGGGACAACTC(配列番号5)
TGAGCATCCCCTCCAATACC(配列番号6)
MMP-2用のプライマーセット
CCGTCGCCCATCATCAA(配列番号7)
CTTCTGCATCTTCTTTAGTGTGTCCTT(配列番号8)
β―Actin用のプライマーセット
CACTCTTCCAGCCTTCCTTCC(配列番号9)
GTGTTGGCGTACAGGTCTTTG(配列番号10)
これらの実験結果を表1~4に示した。その結果、本発明のクロメの抽出物及びホンダワラの抽出物には、優れたHAS2発現促進効果(ヒアルロン酸産生促進効果)、COL1A発現促進効果(コラーゲン産生促進効果)及びMMP発現抑制効果(MMP阻害効果)が認められた。特に、クロメの熱水抽出物(製造例1)のHAS2発現促進やMMP-2発現抑制、ホンダワラの50%エタノール抽出物(製造例6)のMMP-1発現抑制において顕著に効果が高かった。
Figure 0007278564000001
Figure 0007278564000002
Figure 0007278564000003
Figure 0007278564000004
実験例2 使用試験
処方例1の化粧水及び比較処方例1の従来の化粧水を用いて、シワ、たるみがある5人(26~64才)を対象に1ヶ月間の使用試験を行った。使用後、シワ、たるみの程度をアンケートにより判定した。
その結果、本発明の抽出物を含有する皮膚外用剤により、シワ、たるみが軽減した。なお、試験期間中、皮膚トラブルは一人もなく、安全性においても問題なかった。また、処方成分の劣化についても問題なかった。
以上のことから、本発明のクロメ及びホンダワラの抽出物は、優れたヒアルロン酸産生促進作用、コラーゲン産生促進作用及びMMP阻害効果を有し、安定性にも優れていた。よって、本発明のクロメ及びホンダワラの抽出物は、皮膚の老化といった美容分野だけでなく、老化による機能低下の抑制、ガンの予防、治療等といった医療分野にも利用でき、食品、化粧品、医薬部外品及び医薬品等への応用が期待される。

Claims (3)

  1. クロメの50%エタノール抽出物を有効成分として含有することを特徴とするコラーゲン産生促進剤。
  2. ホンダワラの水抽出物を有効成分として含有することを特徴とする潰瘍形成及び骨粗鬆症の予防、治療及び改善用のMMP-2阻害剤
  3. ホンダワラの水抽出物を有効成分として0.001~10重量%含有することを特徴とする潰瘍形成及び骨粗鬆症の予防、治療及び改善用のMMP-2阻害剤
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