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JP2023077751A - コラーゲン産生促進剤、mmp阻害剤、細胞増殖促進剤及び内用剤 - Google Patents

コラーゲン産生促進剤、mmp阻害剤、細胞増殖促進剤及び内用剤 Download PDF

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JP2023077751A
JP2023077751A JP2021191160A JP2021191160A JP2023077751A JP 2023077751 A JP2023077751 A JP 2023077751A JP 2021191160 A JP2021191160 A JP 2021191160A JP 2021191160 A JP2021191160 A JP 2021191160A JP 2023077751 A JP2023077751 A JP 2023077751A
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Japan
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prunus
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japonicum
mmp
cell proliferation
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JP2021191160A
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翔太 野場
Shota Noba
宏行 山羽
Hiroyuki Yamaha
勉 坂井田
Tsutomu Sakaida
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Nippon Menard Cosmetic Co Ltd
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Nippon Menard Cosmetic Co Ltd
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Abstract

【課題】コラーゲン産生促進作用、MMP阻害作用及び細胞増殖促進作用に優れた新規な外用剤または内用剤を提供する。【解決手段】ニワウメの抽出物は、優れたコラーゲン産生促進作用、MMP阻害作用及び細胞増殖促進作用を有し、安定性にも優れていた。ニワウメの抽出物は、皮膚の老化予防といった美容分野だけでなく、老化による機能低下の抑制、ガンの予防、治療等といった医療分野にも利用でき、化粧品、食品、医薬部外品及び医薬品等への応用が期待される。【選択図】なし

Description

本発明は、コラーゲン産生促進剤、MMP阻害剤、細胞増殖促進剤及び内用剤に関する。
真皮には線維芽細胞やコラーゲンが存在し、I型コラーゲンが全体の80%を占める。I型コラーゲンの他には、III、V、XII及びXIV型コラーゲン等の存在が知られている。シワやたるみの原因の一つとして、I型コラーゲンの減少が挙げられる。従って、I型コラーゲンの産生を促進させることがシワ・たるみの予防・改善に有効であると考えられる。また、I型コラーゲンの産生促進は皮膚の創傷治癒の改善にも有効である。
また、皮膚は紫外線の他、乾燥、寒冷、熱、薬物等の様々な物理的及び化学的ストレスに日々曝されている。その結果、皮膚の機能低下が引き起こされ、様々な皮膚の老化現象が顕在化する。皮膚の老化現象の一つにシワがある。シワには、表皮性のシワと、真皮性のシワの二種類が存在することが知られている。表皮性のシワは小ジワと呼ばれ、皮膚の乾燥により、表皮角質中の水分量が低下することによって一時的に生じるシワである。一方、真皮性のシワは、太陽光線に含まれる紫外線や加齢によって形成されるシワである。その形成メカニズムとしては、紫外線や加齢による真皮線維芽細胞におけるコラーゲン合成能の低下や、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の増加によるコラーゲンの分解促進が挙げられる。
乾燥に起因する表皮性のシワと真皮性のシワでは、組織学的形態、発症メカニズム、治療方法が異なり、紫外線や加齢により生じる真皮性のシワは、保湿効果を有する化粧品の使用によって改善することは困難である。
これまでに、紫外線によって生じる真皮性のシワを改善することを目的として、加水分解アーモンドを有効成分とする皮膚のシワ形成防止・改善剤(特許文献1)、ジョチョウケイ、テンキシ及びキセンソウの抽出物を有効成分とする紫外線照射に起因するシワの改善剤(特許文献2)が報告されている。
MMPはガン細胞の間質内湿潤、血管内への侵入及び血管新生に大きな役割を担っている。間質はI型コラーゲンを主体としており、ガン細胞の移動には間質コラゲナーゼ等による基質の破壊が必要となる。転移完成には血管内皮基底膜を破壊し間質内を移動することが必要で、この段階においてもMMPが関与している(非特許文献1)。従って、MMPに対して阻害活性を有する物質は、ガン組織における血管新生やガンの転移を抑制する効果が期待され、ガン疾患の予防、治療に有用であると考えられる。このようにMMPの阻害はガン疾患、潰瘍形成、動脈硬化、慢性関節リウマチ、骨粗鬆症、歯周炎等、MMPの亢進が原因で起こる各種疾患の予防、治療及び改善に有用である。
MMPに属するコラゲナーゼ(MMP-1)は、線維芽細胞や軟骨細胞等が産生する酵素であり、コラーゲンの分解促進に大きく関与している。コラーゲンは、哺乳動物組織の約1/3を占める主要な構造タンパク質であり、軟骨、骨、腱、歯茎、及び皮膚等の、多くのマトリックス組織の必須な成分である。コラゲナーゼにより一箇所を切断されると、通常の組織内では安定なコラーゲン分子は、変性して一本鎖のゼラチンとなり、他の様々なプロテアーゼにより分解されるようになる。その結果、マトリックス組織の構造の完全性が失われ、シワ、ガン疾患、潰瘍形成、骨粗鬆症、歯周炎等の原因となる。
コラゲナーゼの阻害活性を有する素材として、例えば、カカオ豆皮であるカカオハスク抽出物(特許文献3)、バラ科オニイチゴ抽出物(特許文献4)、ラクトフェリン(特許文献5)等が提案されている。皮膚老化や口腔衛生にますます関心が高まっている状況下で、副作用がなく、安全性が高い、コラゲナーゼ活性阻害作用の優れた素材を見出すことが求められている。
一般に、加齢と共に表皮角化細胞の増殖・分裂能は低下し、表皮層自体は薄くなる(非特許文献2)。生体因子であるEpidermal Growth Factor(EGF/上皮細胞成長因子)や女性ホルモン(エストロゲン)は皮膚の表皮角化細胞増殖に働きかけるが、加齢と共にその分泌は低下する。このような加齢による表皮角化細胞代謝機能の低下は皮膚のターンオーバー速度を遅らせ、肌荒れや皮膚の老化の原因となる。また、角層表面から剥がれ落ちる角層細胞が滞留することで、表皮内のメラニンの排泄がスムーズに行われなくなり、色素沈着や肌のくすみの原因となる。さらに表皮の創傷治癒が遅くなること等も知られている。これらの現象の進行を防止あるいは改善するために、表皮角化細胞の増殖を促進させる成分の探索や、皮膚外用剤の提案が多くなされてきた。
ニワウメ(学名:Prunus japonica)は、バラ目バラ科スモモ属に属する落葉低木である。生薬の郁李仁(イクリニン)はニワウメの種子を乾燥させたもので、緩下、利尿に効用があるとして用いられている。これまでニワウメの抽出物は、メラニン生成抑制効果(特許文献6)、自然保湿因子(NMF)成分産生促進効果(特許文献7)及びペルオキシソーム増殖剤応答性受容体活性化効果(特許文献8)を有すること等が知られている。しかしながら、ニワウメの抽出物がコラーゲン産生促進作用、MMP阻害作用及び細胞増殖促進作用を有することは知られていなかった。
特開2000-119125号公報 特開2006-199611号公報 特開平3-44331号公報 特開2003-137801号公報 特開平5-186368号公報 特開平7-126149号公報 特開2002-20225号公報 特開2007-119432号公報
「消化器癌のおけるマトリックスメタロプロテアーゼ」、日本消化器病学会、100巻、152項、2003年 Varani J et al., J Invest Dermatol, Vol.3,pp 57-60,1998
安全で安定性に優れ、コラーゲン産生促進作用、MMP阻害作用及び細胞増殖促進作用に優れた素材が望まれているが、未だ十分満足し得るものが提供されていないのが現状である。
このような事情により、本発明者らは鋭意検討した結果、ニワウメの抽出物が優れたコラーゲン産生促進作用、MMP阻害作用及び細胞増殖促進作用を持ち、安定性においても優れていることを見出した。さらに、その抽出物を含有する外用剤または内用剤が、安全で安定であり、コラーゲン産生促進作用、MMP阻害作用及び細胞増殖促進作用に優れており、多機能性美容・健康用素材、医薬品と成り得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)ニワウメの抽出物を含有することを特徴とするコラーゲン産生促進剤。
(2)ニワウメの抽出物を含有することを特徴とするMMP阻害剤。
(3)ニワウメの抽出物を含有することを特徴とする細胞増殖促進剤。
(4)ニワウメの抽出物を含有することを特徴とするシワ改善剤。
(5)ニワウメの抽出物を含有することを特徴とするMMPの亢進が原因で起こる各種疾患の予防改善用食品組成物。
本発明によれば、ニワウメの抽出物を有効成分として含有するコラーゲン産生促進剤、MMP阻害剤及び細胞増殖促進剤が提供される。
本発明に用いるニワウメ(学名:Prunus japonica、別名:コニワザクラ、チョウコウイクリ、リンショウバイ)は、バラ目バラ科スモモ属に属する落葉低木である。中国北部原産で、ニワウメの多くは日本各地で観賞用に栽培されている。主として、樹高は1~2mで枝葉が株元から分岐しており、5~7センチで卵形の葉をつけ、夏季にできる果実は直径8~12mmの球形で、熟すと光沢のある赤色になり、生で食べることができる。中には淡い褐色の種子が入っており、漢方ではこれを「郁李仁(イクリニン)、郁李子(イクリシ)」と呼び、薬用とされている。
本発明において、ニワウメの抽出物はその花、果実、種子、葉、茎、根等の植物体の一部または植物体全体(全草)、あるいはそれらの混合物の抽出物をいうが、本発明において抽出原料として使用する部位は、種子が好ましい。また、抽出には、植物体をそのまま使用しても良く、乾燥、粉砕、細切等の処理を行っても良い。
溶媒による抽出方法は特に限定されず、例えば、加熱抽出、常温抽出、低温抽出、撹拌抽出またはカラム抽出する方法等により行うことができる。抽出溶媒としては、例えば、水、低級アルコール類(メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール等)、液状多価アルコール類(1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、流動パラフィン等)、エーテル類(エチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル等)が挙げられる。好ましくは、水、低級アルコール及び液状多価アルコール等の極性溶媒が良く、特に好ましくは、水、エタノール、1,3-ブチレングリコール及びプロピレングリコールが良い。これらの溶媒は一種でも二種以上を混合して用いても良い。特に好ましい抽出溶媒としては、水、水-エタノールの混合極性溶媒または水-1,3-ブチレングリコールの混合極性溶媒が挙げられる。中でも、エタノールまたは1,3-ブチレングリコールを20~100重量%含有するのが好ましく、50~100重量%含有するのが最も好ましい。また、上記抽出溶媒に酸やアルカリを添加して、pH調整した溶媒を使用することもできる。
溶媒の使用量については、特に限定はなく、例えばニワウメの種子(乾燥重量)に対し、5倍以上、好ましくは10倍以上であれば良いが、抽出後に濃縮を行ったり、単離したりする場合の操作の便宜上100倍以下であることが好ましい。また、抽出温度や時間は、用いる溶媒の種類や抽出時の圧力等によって適宜選択できる。
上記抽出物は、抽出した溶液のまま用いても良いが、必要に応じて、本発明の効果を奏する範囲で、濃縮(減圧濃縮、膜濃縮等による濃縮)、希釈、濾過、活性炭等による脱色、脱臭、エタノール沈殿等の処理を行ってから用いても良い。さらには、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥等の処理を行い、乾燥物として用いても良い。
本発明は、上記抽出物をそのまま使用しても良く、抽出物の効果を損なわない範囲で、化粧品、医薬部外品、医薬品または食品等に用いられる成分である油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、金属石鹸、pH調整剤、防腐剤、香料、保湿剤、粉体、紫外線吸収剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、美白剤、キレート剤、賦形剤、皮膜剤、甘味料、酸味料等の成分が含有されていても良い。
本発明は、化粧品、医薬部外品、医薬品、食品のいずれにも用いることができ、その剤形としては、例えば、化粧水、クリーム、乳液、ゲル剤、エアゾール剤、エッセンス、パック、洗浄剤、浴用剤、ファンデーション、打粉、口紅、軟膏、パップ剤、錠菓、チョコレート、ガム、飴、飲料、散剤、顆粒剤、錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤、シロップ剤、丸剤、懸濁剤、液剤、乳剤、坐剤、注射用溶液等が挙げられる。
外用の場合、本発明に用いる上記抽出物の含有量は、固形物に換算して0.0001重量%以上が好ましく、0.001~10重量%がより好ましい。さらに、0.01~5重量%が最も好ましい。0.0001重量%未満では十分な効果は望みにくい。10重量%を超えると、効果の増強は認められにくく不経済である。
内用の場合、摂取量は年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なる。通常、成人1人当たりの1日の摂取量としては、5mg以上が好ましく、10mg~5gがより好ましい。さらに、20mg~2gが最も好ましい。
次に本発明を詳細に説明するため、実施例として本発明に用いる抽出物の製造例、実験例及び処方例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特に指定のない場合は、実施例に示す%とは重量%を示す。
ニワウメの抽出物の製造例
ニワウメの抽出物を以下の通り製造した。
(製造例1)ニワウメの熱水抽出物1の調製
ニワウメの種子の乾燥物10gに200mLの水を加え、95~100℃で2時間抽出を行った。得られた抽出液を濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してニワウメの熱水抽出物1を2.6g得た。
(製造例2)ニワウメの50%エタノール抽出物の調製
ニワウメの種子の乾燥物10gを200mLの50%エタノール水溶液に室温で7日間浸漬し、抽出を行った。得られた抽出液を濾過した後、エバポレーターで濃縮乾固してニワウメの50%エタノール抽出物を1.7g得た。
(製造例3)ニワウメのエタノール抽出物の調製
ニワウメの種子の乾燥物10gを200mLのエタノールに室温で7日間浸漬し、抽出を行った。得られた抽出液を濾過した後、エバポレーターで濃縮乾固してニワウメのエタノール抽出物を0.2g得た。
(製造例4)ニワウメの1,3-ブチレングリコール抽出物の調製
ニワウメの種子の乾燥物10gを200mLの1,3-ブチレングリコールに室温で7日間浸漬し、抽出を行った。得られた抽出液を濾過して、ニワウメの1,3-ブチレングリコール抽出物を190g得た。
(製造例5)ニワウメの熱水抽出物2の調製
ニワウメの植物体全体の乾燥物10gに200mLの水を加え、95~100℃で2時間抽出を行った。得られた抽出液を濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してニワウメの熱水抽出物2を3.0g得た。
(処方例1) 化粧水1
処方 含有量(%)
1.ニワウメの熱水抽出物1(製造例1) 2.0
2.1,3-ブチレングリコール 8.0
3.グリセリン 2.0
4.キサンタンガム 0.02
5.クエン酸 0.01
6.クエン酸ナトリウム 0.1
7.エタノール 5.0
8.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.1
10.香料 適量
11.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1~6及び11と、成分7~10をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合し濾過して製品とする。
(比較処方例1) 従来の化粧水
処方例1において、ニワウメの熱水抽出物1を精製水に置き換えたものを、従来の化粧水とした。
(処方例2) 化粧水2
処方例1において、ニワウメの熱水抽出物1(製造例1)をニワウメの熱水抽出物2(製造例5)に置き換えたものを、化粧水2とした。
(処方例3) クリーム
処方 含有量(%)
1.ニワウメの50%エタノール抽出物(製造例2) 1.0
2.スクワラン 5.5
3.オリーブ油 3.0
4.ステアリン酸 2.0
5.ミツロウ 2.0
6.ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ベヘニルアルコール 1.5
9.モノステアリン酸グリセリン 2.5
10.香料 0.1
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
12.1,3-ブチレングリコール 8.5
13.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2~9を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び11~13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、さらに30℃まで冷却して製品とする。
(比較処方例2) 従来のクリーム
処方例3において、ニワウメの50%エタノール抽出物を精製水に置き換えたものを、従来のクリームとした。
(処方例4) 乳液
処方 含有量(%)
1.ニワウメのエタノール抽出物(製造例3) 0.01
2.スクワラン 5.0
3.オリーブ油 5.0
4.ホホバ油 5.0
5.セタノール 1.5
6.モノステアリン酸グリセリン 2.0
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(20E.O.) 2.0
9.香料 0.1
10.プロピレングリコール 1.0
11.グリセリン 2.0
12.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
13.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1~8を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分10~13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分9を加え、さらに30℃まで冷却して製品とする。
(処方例5) ゲル剤
処方 含有量(%)
1.ニワウメの1,3-ブチレングリコール抽出物(製造例4) 1.0
2.エタノール 5.0
3.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
4.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.1
5.香料 適量
6.1,3-ブチレングリコール 5.0
7.グリセリン 5.0
8.キサンタンガム 0.1
9.カルボキシビニルポリマー 0.2
10.水酸化カリウム 0.2
11.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2~5と、成分1及び6~11をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合して製品とする。
(処方例6) パック
処方 含有量(%)
1.ニワウメの熱水抽出物1(製造例1) 1.0
2.ニワウメの1,3-ブチレングリコール抽出物(製造例4) 5.0
3.ポリビニルアルコール 12.0
4.エタノール 5.0
5.1,3-ブチレングリコール 8.0
6.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
7.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 0.5
8.クエン酸 0.1
9.クエン酸ナトリウム 0.3
10.香料 適量
11.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1~11を均一に溶解し製品とする。
(処方例7) ファンデーション
処方 含有量(%)
1.ニワウメの50%エタノール抽出物(製造例2) 1.0
2.ステアリン酸 2.4
3.ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(20E.O.) 1.0
4.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.0
5.セタノール 1.0
6.液状ラノリン 2.0
7.流動パラフィン 3.0
8.ミリスチン酸イソプロピル 6.5
9.カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
10.ベントナイト 0.5
11.プロピレングリコール 4.0
12.トリエタノールアミン 1.1
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
14.二酸化チタン 8.0
15.タルク 4.0
16.ベンガラ 1.0
17.黄酸化鉄 2.0
18.香料 適量
19.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2~8を加熱溶解し、80℃に保ち油相とする。成分19に成分9をよく膨潤させ、続いて、成分1及び10~13を加えて均一に混合する。これに粉砕機で粉砕混合した成分14~17を加え、ホモミキサーで撹拌し75℃に保ち水相とする。油相に水相をかき混ぜながら加え、乳化する。その後、冷却し、45℃で成分18を加え、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
(処方例8) 浴用剤
処方 含有量(%)
1.ニワウメのエタノール抽出物(製造例3) 1.0
2.炭酸水素ナトリウム 50.0
3.黄色202号(1) 適量
4.香料 適量
5.硫酸ナトリウムにて全量を100とする
[製造方法]成分1~5を均一に混合し製品とする。
(処方例9) 軟膏1
処方 含有量(%)
1.ニワウメの熱水抽出物1(製造例1) 5.0
2.ニワウメの1,3-ブチレングリコール抽出物(製造例4) 1.0
3.ポリオキシエチレンセチルエーテル(30E.O.) 2.0
4.モノステアリン酸グリセリン 10.0
5.流動パラフィン 5.0
6.セタノール 6.0
7.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
8.プロピレングリコール 10.0
9.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分3~6を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1、2及び7~9を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
(処方例10) 軟膏2
処方例9において、ニワウメの熱水抽出物1(製造例1)をニワウメの熱水抽出物2(製造例5)に置き換えたものを、軟膏2とした。
(処方例11) 散剤1
処方 含有量(%)
1.ニワウメの熱水抽出物1(製造例1) 1.0
2.乾燥コーンスターチ 39.0
3.微結晶セルロース 60.0
[製造方法]成分1~3を混合し、散剤とする。
(処方例12) 散剤2
処方例11において、ニワウメの熱水抽出物1(製造例1)をニワウメの熱水抽出物2(製造例5)に置き換えたものを、散剤2とした。
(処方例13) 錠剤
処方 含有量(%)
1.ニワウメのエタノール抽出物(製造例3) 5.0
2.乾燥コーンスターチ 25.0
3.カルボキシメチルセルロースカルシウム 20.0
4.微結晶セルロース 40.0
5.ポリビニルピロリドン 7.0
6.タルク 3.0
[製造方法]成分1~4を混合し、次いで成分5の水溶液を結合剤として加えて顆粒成型する。成型した顆粒に成分6を加えて打錠する。1錠0.52gとする。
(処方例14) 錠菓
処方 含有量(%)
1.ニワウメのエタノール抽出物(製造例3) 2.0
2.乾燥コーンスターチ 49.8
3.エリスリトール 40.0
4.クエン酸 5.0
5.ショ糖脂肪酸エステル 3.0
6.香料 0.1
7.精製水 0.1
[製造方法]成分1~4及び7を混合し、顆粒成型する。成型した顆粒に成分5及び6を加えて打錠する。1粒1.0gとする。
(処方例15) 飲料1
処方 含有量(%)
1.ニワウメの熱水抽出物1(製造例1) 0.05
2.ステビア 0.05
3.リンゴ酸 5.0
4.香料 0.1
5.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1~3を少量の水に溶解する。次いで、成分4及び5を加えて混合する。
(処方例16) 飲料2
処方例15において、ニワウメの熱水抽出物1(製造例1)をニワウメの熱水抽出物2(製造例5)に置き換えたものを、飲料2とした。
次に、本発明の効果を詳細に説明するため、実験例を挙げる。
実験例1 I型コラーゲン(COL1A1)及びMMP-1 mRNA発現量の測定
COL1A1及びMMP-1 mRNA発現量の測定を行った。ヒト皮膚線維芽細胞をφ60mm dishに1×10個播種し、10%FBSを含むDMEM培養液にて、37℃、5%CO条件下で培養した。コンフルエントな状態になったところで、各試料を最終濃度1、10μg/mLとなるように添加したDMEM(-)培養液にて24時間培養した後、総RNAの抽出を行った。細胞からの総RNAの抽出はRNAiso Plus(タカラバイオ)を用いて行い、総RNA量は分光光度計(Nanodrop)を用いて260nmにおける吸光度により求めた。mRNA発現量の測定は、細胞から抽出した総RNAを基にしてリアルタイムRT-PCR法により行った。リアルタイムRT-PCR法には、High Capacity RNA-to-cDNA Kit(Applied Biosystems)及びSYBR Select Master Mix(Applied Biosystems)を用いた。即ち、500ngの総RNAを逆転写反応後、PCR反応(95℃:15秒間、60℃:60秒間、40cycles)を行った。その他の操作は定められた方法に従い、COL1A1及びMMP-1 mRNAの発現量を、内部標準であるGAPDH mRNAの発現量に対する割合として求めた。COL1A1発現促進率は、コントロール(試料未添加)群のCOL1A1 mRNAの発現量に対する試料添加群のCOL1A1 mRNAの発現量の比率として算出した。MMP-1発現抑制率についても、同様に算出した。尚、各遺伝子の発現量の測定に使用したプライマーは次の通りである。
COL1A1用のプライマーセット
AGGACAAGAGGCATGTCTGGTT(配列番号1)
TTGCAGTGGTAGGTGATGTTCTG(配列番号2)
MMP-1用のプライマーセット
GGGAGATCATCGGGACAACTC(配列番号3)
TGAGCATCCCCTCCAATACC(配列番号4)
GAPDH用のプライマーセット
TGCACCACCAACTGCTTAGC(配列番号5)
TCTTCTGGGTGGCAGTGATG(配列番号6)
これらの実験結果を表1~2に示した。その結果、本発明のニワウメの抽出物には、優れたCOL1A1発現促進効果(コラーゲン産生促進作用)及びMMP-1発現抑制効果(MMP-1阻害作用)が認められた。特にニワウメの50%エタノール抽出物(製造例2)のCOL1A1発現促進効果及びMMP-1発現抑制効果、ニワウメのエタノール抽出物(製造例3)のMMP-1発現抑制効果において、顕著に効果が高かった。
Figure 2023077751000001
Figure 2023077751000002
実験例2 細胞増殖促進試験
ヒト由来ケラチノサイトを、0.2%FBSを含むDMEM培養液にて、96wellプレートに1well当たり1×10個播種し、各試料を最終濃度が1、10、100μg/mLとなるように添加した後、37℃、5%CO条件下にて5日間培養した。細胞数の測定は、染色法により行った。即ち、培養終了後、培養液を除き、メタノールを用いて細胞を固定した。続いて、0.1%メチレンブルーを加え、1時間細胞の染色を行った。乾燥させた後、0.1N HClを各wellに100μLずつ加えてよく撹拌させ、マイクロプレートリーダーを用いて650nmにおける吸光度を測定した。細胞増殖率は、コントロール(試料未添加)群の細胞量に対する試料添加群の細胞量の比率として算出した。
これらの実験結果を表3に示した。その結果、本発明のニワウメの抽出物は優れた細胞増殖促進作用を示した。特にニワウメの50%エタノール抽出物(製造例2)及びニワウメのエタノール抽出物(製造例3)の細胞増殖促進効果が顕著に高かった。
Figure 2023077751000003
実験例3 使用試験
処方例3のクリーム及び比較処方例2の従来のクリームを用いて、シワ、たるみがある5人(25~65歳)を対象に1ヶ月間の使用試験を行った。使用後、シワ、たるみの程度をアンケートにより判定した。
その結果、本発明の抽出物を含有するクリームにより、シワ、たるみが軽減した。尚、試験期間中、皮膚トラブルは1人もなく、安全性においても問題なかった。また、処方成分の劣化についても問題なかった。
また、処方例1の化粧水1及び比較処方例1の従来の化粧水を用い、同様に使用試験を行った。その結果、本発明の抽出物を含有する化粧水により、シワ、たるみの軽減が認められた。
以上のことから、本発明のニワウメの抽出物は、優れたコラーゲン産生促進作用、MMP阻害作用及び細胞増殖促進作用を有し、安定性にも優れていた。よって、本発明のニワウメの抽出物は、皮膚の老化といった美容分野だけではなく、老化による機能低下の抑制、ガンの予防、治療等といった医療分野にも利用でき、化粧品、食品、医薬部外品及び医薬品への応用が期待される。

Claims (5)

  1. ニワウメの抽出物を含有することを特徴とするコラーゲン産生促進剤。
  2. ニワウメの抽出物を含有することを特徴とするMMP阻害剤。
  3. ニワウメの抽出物を含有することを特徴とする細胞増殖促進剤。
  4. ニワウメの抽出物を含有することを特徴とするシワ改善剤。
  5. ニワウメの抽出物を含有することを特徴とするMMPの亢進が原因で起こる各種疾患の予防改善用食品組成物。

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