JP6499466B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
図1(A)に示すように、当該実施例に係る吸収性物品1は、装着時に装着者の肌(図示せず)と当接する側(図では上側、以下、内側又は上層側とも称する)に配置される液透過性の表面シート(トップシート)11と、表面シート11における装着者の肌と当接する側とは反対側(図では下側、以下、外側又は下層側とも称する)に配置される液不透過性の裏面シート(バックシート)12とを有し、この表面シート11及び裏面シート12間に排泄物を吸収可能な吸収体13が介装され、表面シート11及び吸収体13間に排泄物中の水分を吸収可能な吸収シート(トップ下シート)14が介装され、すなわち吸収性物品1の内側から外側へかけて、表面シート11、吸水シート14、吸収体13及び裏面シート12がこの順に積層され、また、表面シート11における装着者の肌と当接する側の面に排泄物のいわゆる横漏れを抑制するための幅方向一対の立体ギャザー15が取り付けられている。各シート11,12,14,15及び吸収体13は、図1(A)に示した状態で重ねられ積層され、互いに対向し接触する部分で接合される。接合は例えばホットメルト系の接着剤による。
5リットルのテドラーバックを用い、試料を1g入れ、次いで空気3リットル、アンモニアガスを100ppm入れ、バック内のアンモニアガス濃度を経時的に測定する。
<試料>
a.パルプ100%紙
b.茶葉10%・パルプ90%配合紙
c.茶葉10%・合成ゼオライト5%・パルプ85%配合紙
d.茶葉10%・合成ゼオライト10%・パルプ80%配合紙
e.茶葉20%・パルプ80%配合紙
<試験結果>
試験結果は、図2の表図に示すとおりとなり、茶葉を含有することによる消臭効果を確認することができ、特に、c及びdの茶葉と合成ゼオライトを合わせて配合した吸収シート14が、アンモニア濃度の低下が顕著に見られ、消臭効果が高いことを確認した。
(1)各試料の冷水抽出PHをJISP8113(紙及び板紙のPH試験方法)にもとづいて測定する。
(2)300ml容ビーカーにアンモニア溶液(pH9)を100ml入れ、次いで、試料を絶乾で2g入れ、30分間吸着させる。
(3)吸着後のアンモニア溶液のPHを測定する。
<試料>
a.パルプ100%紙
b.茶葉10%配合紙
<試験結果>
試験結果は、図3の表図に示すとおりとなり、茶葉を配合した吸収シート14は、pH9のアンモニア水に試料投入後(吸着後)のpH低下がパルプ100%紙に比べ顕著に見られ、同吸収シートがpH調整機能が高いことを確認した。
当該第2実施例において、吸収シート14,17は2枚使いとされることによりその抗菌性及び脱臭性が一層発揮されるとともに、吸収シート14,17は茶葉の配合、又は染料などにより着色されることにより吸収性物品1を表面シート11側から視たときに表面シート11を透かして視認可能とされ、この吸収シート14,17による視認可能な着色領域Bは、吸収性物品1の平面中央に設定した吸収体13による白色領域Cの周りを囲む平面長方形の枠状に設定されている。以下、その構造の詳細について説明する。
尚、上記第2実施例において、第2吸収シート17は2分割されておらず1枚ものとされているが、これを分割タイプとすることも考えられる。すなわち第3実施例として示す図7では、第2吸収シート17が当該吸収性物品の長さ方向に2分割され、分割シート17A,17Bがそれぞれ第1吸収体13の長手方向端部よりも当該吸収性物品の長さ方向にはみ出した位置に配置され、これにより第1吸収シート14及び第2吸収シート17の組み合わせによる視認可能な着色領域Bが、当該吸収性物品の平面中央に設定した第1吸収体13による白色領域Cの周りを囲む平面長方形の枠状に設定されている。第3実施例のその他の構成は第2実施例と同じであるため、同一の符号を付して説明を省略する。
(1)トップシートは一般的な親水性不織布で、その下に、茶葉を配合した8〜30g/m2の吸収シートを配置することにより、吸収シートが尿に触れる迄の時間が短くなり、早く消臭効果が得られる。吸収シートは不織布と比べ吸収速度が速い。トップシートはエアースルーやスパンボンド等を使えるが、スパンボンドの方がウェットバックに関する効果が高く、より吸収シートとの相性がいい。吸収シートは坪量が厚いと効果が更に高くなる。
(2)紙の中に茶葉+ゼオライトの組み合わせで配合する。茶殻ではなく茶葉を使うことで、含有するカテキンの量を増やすことができる。ゼオライトを使うことで、より消臭効果が高められる。茶殻は(濡れた状態であることが多く、)保管しにくい(腐る、発酵する)が、茶葉は一般的に乾燥状態であり、使用・保管が容易である。
(3)合成ゼオライトを使用する。合成ゼオライトは通常の天然ゼオライトと比べ、化学吸着性能が高く、おむつの使用時、廃棄時等に熱による臭気の再放出が少ない。
(4)茶葉を配合した吸収シートの抄紙条件について、茶葉を粉砕し、茶葉粉体の粒子径を規定することで、抄紙性を改善する。抄紙時のフリーネス(叩解度)、パルプ配合を規定する。ゼオライトの大きさ(粒子径)と灰分設定(紙中配合量)を規定することで、より抄紙性と消臭効果が高まる。ゼオライトを使うことで、抄紙中の茶葉由来のカテキンも吸着し、カテキンの流出を防ぐことができる。
(5)合成ゼオライトの種類を変える。合成ゼオライトによって消臭対象物を変更することができ、アンモニア(アルカリ吸着)以外にも硫化物(便の臭い:酸化物)等に対しても消臭機能を付与できる。
(6)茶葉配合の吸収シートの透気度を規定することにより、一般的なティシューより数値が低く通気性が高いため、おむつ自体の通気性が高まり、液体の吸収速度が速い。
(7)茶殻を用いる吸収シートに対し、茶殻の代わりにカテキンの含有量が多い茶葉を利用し、かつ吸収シートの抄紙時にカテキン成分の紙中での歩留りを高め、より消臭機能を高めるために紛体状の合成ゼオライトを配合することで、より消臭効果が高い吸収シートとして、大人用おむつ等に使用する。
11 表面シート
12 裏面シート
13,18 吸収体
14,17 吸収シート
14A,14B 分割シート
14C 間隔領域
17a,17b はみ出し領域
15 立体ギャザー
Claims (6)
- 装着者の肌と当接する表面シートと、
前記表面シートにおける前記装着者の肌と当接する側とは反対側に配置された裏面シートと、
前記表面シート及び前記裏面シート間に設けられた1枚又は複数枚の吸収体と、
前記表面シート及び前記吸収体間、又は、前記裏面シート及び前記吸収体間、又は前記複数枚の吸収体間に設けられた吸収シートと、
を有し、
前記吸収シートは、パルプ繊維と、粉砕し所定の大きさとした茶葉と、所定の粒子径を備え吸着性能を備える無機材料とを所定量含有し、抗菌・脱臭性能を有し、
前記吸収シートは、茶葉の配合、又は染料などにより着色されることにより当該吸収性物品を表面シート側から視たときに表面シートを透かして視認可能とされ、前記吸収シートによる視認可能な着色領域は、当該吸収性物品の幅方向に2分割されて分割シート同士間に間隔が設定され、当該吸収性物品の平面中央に設定した吸収体による白色領域の幅方向両端部に設定されている、
ことを特徴とする、吸収性物品。 - 前記茶葉として0.18〜1.0mmのメッシュのスクリーンを通過したものが70%以上となるように粉砕したものを使用し、前記吸収シートの生産時における前記茶葉の配合量が、吸収シートを構成する原料の5%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記無機材料の平均粒子径は5〜20μmであり、前記吸収シートに含まれる前記無機材料の含有量は灰分で2〜15%であり、前記無機材料はゼオライトであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
- 前記吸収シートは、ガステック検知管を用いるアンモニア吸着性試験において、5リットルのポリフッ化ビニル樹脂フィルム(PVF)製試験容器に対し、アンモニアガス100ppm、空気量3リットル、吸収シート1gを封入し、検知管による測定を行った場合の、1時間後のアンモニア減少率が70%以上であることを特徴とする、請求項1ないし3の何れか1項に記載の吸収性物品。
- 前記表面シート及び前記裏面シート間に前記吸収体を配置し、前記表面シート及び前記吸収体間に着色した第1吸収シートを配置するとともに、前記裏面シート及び前記吸収体間、又は前記複数枚の吸収体間に設けられた第2吸収シートを配置し、前記着色した第1吸収シートは当該吸収性物品の幅方向に2分割されて分割シート同士間に間隔が設定されること、及び前記着色した第2吸収シートはその長さ寸法を前記吸収体の長さ寸法より大きく設定されて長さ方向端部が前記吸収体の端部よりもはみ出していることにより、前記第1吸収シート及び前記第2吸収シートの組み合わせによる視認可能な着色領域は、当該吸収性物品の平面中央に設定した吸収体による白色領域の周りを囲む枠状に設定されていることを特徴とする、請求項1ないし4の何れか1項に記載の吸収性物品。
- 前記表面シート及び前記裏面シート間に前記吸収体を配置し、前記表面シート及び前記吸収体間に着色した第1吸収シートを配置するとともに、前記裏面シート及び前記吸収体間、又は前記複数枚の吸収体間に設けられた第2吸収シートを配置し、前記着色した第1吸収シートは当該吸収性物品の幅方向に2分割されて分割シート同士間に間隔が設定されること、及び前記着色した第2吸収シートは当該吸収性物品の長さ方向に2分割されて分割シートがそれぞれ前記吸収体の長手方向端部よりもはみ出した位置に配置されていることにより、前記第1吸収シート及び前記第2吸収シートの組み合わせによる視認可能な着色領域は、当該吸収性物品の平面中央に設定した吸収体による白色領域の周りを囲む枠状に設定されていることを特徴とする、請求項1ないし4の何れか1項に記載の吸収性物品。
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