[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2004248859A - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品 Download PDF

Info

Publication number
JP2004248859A
JP2004248859A JP2003042001A JP2003042001A JP2004248859A JP 2004248859 A JP2004248859 A JP 2004248859A JP 2003042001 A JP2003042001 A JP 2003042001A JP 2003042001 A JP2003042001 A JP 2003042001A JP 2004248859 A JP2004248859 A JP 2004248859A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulp
water
absorbent article
absorbing paper
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003042001A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshikazu Tsunekawa
義和 恒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Paper Co Ltd
Priority to JP2003042001A priority Critical patent/JP2004248859A/ja
Publication of JP2004248859A publication Critical patent/JP2004248859A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)
  • Orthopedics, Nursing, And Contraception (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】柔らかくて着用感に優れ、使用時に型崩れやポリマー漏れを生じることのない吸収性物品の提供。
【解決手段】液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、これら両シートの間に配置され、且つその少なくとも一部が吸水紙で覆われた吸収体とからなる吸収性物品において、前記吸水紙は、蒸解後に元素状塩素を使用しないで漂白処理したセルロースパルプを主体として形成されており、さらに前記セルロースパルプは、針葉樹パルプを80〜97質量%及び広葉樹パルプを20〜3質量%含むことを特徴とする吸収性物品。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使いすておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品に関する。さらに詳しくは、本発明は、柔らかくて着用感に優れ、使用時に型崩れやポリマー漏れ等の不具合を生じることのない吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、使いすておむつ等の吸収性物品は、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、これら表裏面シートの間に配置された吸収体とから基本的に構成されており、また、吸収体は主として綿状パルプと高吸収性ポリマー(以下SAPと言う場合がある)とから形成されており、さらに、着用時の型崩れを防止しすると共にSAPが漏れ出す所謂ポリマー漏れを防止するために、吸収体をティシュペーパーなどの吸水紙で被覆することは、特開昭61−119260号公報(湿潤強度ティシュペーパ)、特開昭52−86482号公報(湿潤強力薄用紙)、特公昭59−5681号公報(薄用紙)、特公昭57−35281号公報(水浸透性シート)、特開昭58−87301号公報(耐湿吸水紙)、特開昭57−82502号公報(ティシュペーパー)等で周知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一般に、吸収体を被覆するための吸水紙は、尿などで濡れた場合でも破れることのない強度を維持する必要があるため、繊維長の長い針葉樹パルプからなるセルロースパルプで形成したものが使用されている。しかしながら、針葉樹パルプは繊維が剛直であるため、形成された吸水紙の湿潤強度は十分であるが、これで吸収体を被覆すると、時として吸収体が硬くなり、着用感が悪くなるという問題を有している。この場合、吸水紙を薄くすれば、吸収体は柔らかくなり着用感は改善されるが、吸水紙の湿潤強度が低下して破れ易くなり、吸収体の型崩れやポリマー漏れが起こり易くなる。このように、吸収体を被覆する吸水紙には、良好な着用感を有すると共に型崩れやポリマー漏れを防止するという両方の特性を維持することが求められている。
【0004】
また、ポリマー漏れ防止に関しては、特定の透気度、強度及び坪量を有する紙で吸収体を被覆した吸収性物品が開示されており(例えば、特許文献2参照)、さらに、着用感の改善に関しては、吸収性芯材とこれを被覆する吸収性シートとの間を特定パターンで塗布した接着剤により接着した使い捨ておむつが開示されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、これらの方法でも、着用感の改善と型崩れやポリマー漏れの防止とうい両方の特性を維持することに関しては、必ずしも十分な効果は得られないものであり、吸収紙のパルプ特性に関しては考慮されてこなかった。
【0005】
【特許文献1】特開昭61−119260号公報(請求項1、第2図)
【特許文献2】特開2001−314444号公報(請求項1、図2)
【特許文献3】特開平10−24060号公報(請求項1、図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の吸収性物品の有する問題点を改善し、柔らかくて着用感に優れると共に使用時に型崩れやポリマー漏れ等の不具合を生じることのない吸収性物品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の従来の吸収性物品の有する問題点を解決するための本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、これら両シートの間に配置され、且つその少なくとも一部が吸水紙で覆われた吸収体とからなる吸収性物品において、
前記吸水紙が、蒸解後に元素状塩素を使用しないで漂白処理したセルロースパルプを主体として形成されていることを特徴とする吸収性物品。
【0008】
(2)前記吸水紙のJIS P 8133で規定する冷水抽出法で測定した抽出pHが6.6〜7.4であることを特徴とする(1)項記載の吸収性物品。
【0009】
(3)前記セルロースパルプが、針葉樹パルプを80〜97質量%及び広葉樹パルプを20〜3質量%含有することを特徴とする前項(1)たは(2)項記載の吸収性物品。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の吸収性物品は、吸収体を被覆する吸水紙が、蒸解後に元素状塩素を使用しないで漂白処理したセルロースパルプ、すなわち、酸素系漂白剤により漂白処理したセルロースパルプを主体として形成されている。
酸素系漂白剤により漂白処理したパルプは、塩素系漂白剤で漂白処理したパルプに比較して、カルボニル基等の活性基が多く存在しており、形成される吸水紙は繊維間接着力が大きくなり、湿潤強度が向上するため、坪量を低くすることが可能となり、柔らかさを改善することができる。
さらに、吸水紙は、その抽出pHが6.6〜7.4になるように抄紙系のpHを調整して抄紙することにより、ドライヤー面からのペーパーウエブの剥離性が適正な範囲となり、その結果、良好なクレープが付与されるため、柔らかくて肌触り感の良い吸水紙が得られる。
また、吸水紙中に遊離塩素が含まれないため、皮膚の弱い着用者にとって衛生上好ましく、さらに環境面からも好ましい。
【0011】
また、吸水紙が、針葉樹パルプを80〜97質量%及び広葉樹パルプを20〜3質量%含むセルロースパルプを主体として形成されることが好ましい。針葉樹パルプと広葉樹パルプをこのような割合で含有する吸水紙は、針葉樹パルプのみからなる吸水紙に比較して柔らかくなると共に湿潤強度の低下も僅かであり、吸収体を被覆した場合、吸収体が硬くなることがなく柔らかくて優れた着用感が得られ、また、着用中に吸水紙が破れることがなく、型崩れやポリマー漏れを生じることがない。セルロースパルプに占める針葉樹パルプの割合が80質量%未満になると吸水紙の湿潤強度が低下し、吸収性物品の着用時に吸水紙が破れ易くなり、吸収体の型崩れやポリマー漏れが生じ易くなる。一方、針葉樹パルプの割合が97質量%を越えて多くなると吸水紙の柔らかさが損なわれ易くなる。
【0012】
本発明の吸収性物品は、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、これら両シートの間に配置された吸収体とから基本的に構成され、これらの材料は公知のものを特に制限無く用いることができるが、以下に、本発明において使用される材料について具体的に説明する。
【0013】
液透過性表面シート
本発明において使用される表面シートは、坪量が10〜40g/mで、構成繊維の繊度が4デニール以下の親水性繊維からなる、液透過性の不織布、織布等が用いられ、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル繊維等からなる不織布、織布が用いられる。または、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の2成分以上からなる複合繊維等でも良く、特には、低融点ポリエステル/ポリエステル、ポリエステル/ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリエチレン等の複合繊維が強度の面から好ましいが、特に制限をうけるものではない。
【0014】
液不透過性裏面シート
本発明において使用される液不透過性裏面シートは、薄く、液不透過性のプラスティックフィルムのウェブまたはシートからなる。プラスティックは、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルクロライド、またはこれらと同様の材料や、ポリビニルアルコールをベースとするフィルムのウェブまたはシートなどの材料から形成することができる。バックシート材料は透明でも不透明でも良く、またエンボス加工した表面を有するようにすることもできる。また、ほぼ液不透過性になるようにつくられた不織布の繊維ウェブからつくることもできる。
さらに、前記液不透過性のプラスティックのウェブまたはシートに、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂からなる不織布、織布、伸縮性不織布、或いは、ポリエチレン、ポリウレタン等のフィルムを貼合せても良い。
【0015】
吸収体
本発明において使用される吸収体は、綿状パルプと高吸水性材料である高吸収性ポリマーを主体としてなり、さらに少なくとも一部が吸水紙により覆われている。また、綿状パルプに対して3〜60質量%の熱融着性物質を混合して熱圧着してもよい。前記吸収体の構成は特に制限されるものではないが、例えば、綿状パルプを主成分とする単独層でも良く、綿状パルプに高吸収性ポリマーを均一に混合した層状のものでも良く、或いは綿状パルプを主成分とする2つの層の間に高吸収性ポリマーからなる均一な層を挟み込んだ構成であっても良い。
綿状パルプとしては、化学パルプシートもしくは、機械パルプシートを粉砕機で解繊することにより得られる繊維長5mm以下のものが用いられる。パルプ原料としては、針葉樹及び広葉樹が有利に用いられるが、その他にも、わら、竹およびケフナ等を用いることができる。
さらに、綿状パルプを形成するパルプとして、後述する吸水紙に用いられるセルロースパルプと同様にして製造した、蒸解後に元素状塩素を使用しないで漂白処理したパルプ、すなわち、酸素系漂白剤により漂白処理したパルプを用いることが好ましい。酸素系漂白剤で漂白処理したパルプで綿状パルプを形成すると、パルプ中に遊離塩素が含まれていないので、併用する高吸収性ポリマーの吸収性能が向上し、吸収体の吸収量が増加する。また、吸収体中に遊離塩素が含まれないため、皮膚の弱い着用者にとって衛生上好ましく、また、環境面からも好ましい。
また、パルプの使用量は、目的とする吸収体により、例えば、単独で用いかる、複数積層して用いるか、他の吸収材を併用するかなどにより異なるが、一般的には、50〜400g/mである。
【0016】
高吸収性ポリマーとしては、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系のもの等が挙げられる。すなわち、デンプンーアクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプンーアクリル酸エチルグラフト共重合体のケン化物、デンプンーメタクル酸メチルグラフト共重合体のケン化物、デンプンーアクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デンプンーアクリルアミドグラフト共重合体のケン化物、アクリル酸(塩)重合体、アクリル酸で架橋されたポリエチレンオキシド、ナトリウムカルボキシメチルセルローズの架橋物、ポリビニールアルコールー無水マレイン酸反応物の架橋物などが使用できるが、この中で自重の20倍以上の尿、体液及び水を吸収するもので、ポリアクリル酸ナトリウム系のものが吸収性能の点から最も適当である。高吸収性ポリマーの配合量は、綿状パルプ量に対して10〜500質量%、好ましくは15〜300質量%であり、かかる量の高吸収性ポリマーが綿状パルプ中に実質的に均一に分布していると、高吸収性ポリマーが液体を吸収して膨潤したとき、その粒子は相互の干渉が最小にとどめられ、連続的に接触して透過障壁を形成することが少なく、尿や体液を3次元方向に良好に透過、吸収することができる。
【0017】
また、熱融着性物質としては、綿状パルプと混合することを考えると繊維状のものが好ましい。熱融着性物質は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリビニリデン、アクリル樹脂、ナイロン樹脂等があげられる。または、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の2成分以上からなる複合繊維等でも良く、特には、ポリエステル/ポリエステル、ポリエステル/ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリエチレンの複合繊維が強度の面から好ましい。繊度は1〜5デニール程度が好ましく、繊維長は3〜30mmのものが綿状パルプと混合するのに好適であるが、特に制限をうけるものではない。これらを綿状パルプと混合し、一定の圧力で熱圧着することによって、熱融着性物質による骨格構造が形成され、湿潤時においても綿状パルプ層自体の強度を持つことが可能となる。熱圧着の方法は、熱プレスロール、熱風乾燥機、マイクロ波加熱機、赤外線ヒーター等により行うことができるが、特に制限されるものではなく、マット層に均一に熱が伝わり、熱融着性物質が融けて骨格構造を形成することが出来るものであれば良い。
【0018】
吸収体の圧縮方法としては、周面が平滑なロールなどにより、吸収体の密度がその全体にわたり実質的に均等になるように連続する面状であってもよいし、周面が凹凸状であるロールなどにより、吸収体の密度が部分的に異なり、尿や体液を縦方向及び斜め方向に導く模様配列のエンボスであってもよい。エンボスの場合、圧縮部、非圧縮部は、連続、非連続のいずれであってもよい。
【0019】
本発明において、吸収体は、その少なくとも一部が吸水紙で覆われている。吸水紙は、広葉樹及び針葉樹からなる木材チップ等のリグノセルロース材料を蒸解後に元素状塩素を使用しないで漂白処理して得られる化学パルプからなるセルロースパルプを主体として形成され、スラリー状態のままのスラッシュパルプ、あるいは、このスラッシュパルプを脱水、乾燥して得られるドライパルプが用いられる。また、吸水紙を形成するセルロースパルプは、針葉樹パルプを80〜97質量%及び広葉樹パルプを20〜3質量%の割合で含有することが好ましく、さらに、必要に応じて古紙を脱墨処理して得られる脱墨古紙パルプ等を使用することができる。
また、吸水紙は、その坪量が10〜25g/m であり、厚さが0.05〜0.13mmであることが好ましい。吸水紙の坪量及び厚さをこの範囲にすることにより、前述の特性を有する吸収性物品を容易に得ることが可能となる。
さらに、吸水紙は、JIS P 8113に準じて測定した引張り強度が、乾燥状態ではマシン方向(縦方向)が3.0N/15mm以上、クロス方向(横方向)が1.0N/15mm以上であることが好ましく、湿潤状態ではマシン方向が1.0N/15mm以上、クロス方向が0.3N/15mm以上であることが好ましい。引張り強度がこの数値以上であると、吸収性物品着用時に吸収紙が破れることがなく、型崩れやポリマー漏れが防止される。
【0020】
本発明において使用されるセルロースパルプは、木材を蒸解して得ることができる。蒸解法としてはクラフト蒸解、ポリサルファイド蒸解、ソーダ蒸解、アルカリサルファイト蒸解等の公知の蒸解法を用いることができるが、パルプ品質、エネルギー効率等を考慮すると、クラフト蒸解法、または、ポリサルファイド蒸解が好適に用いられる。
例えば、木材をクラフト蒸解する場合、クラフト蒸解液の硫化度は5〜75%、好ましくは15〜45%、有効アルカリ添加率は絶乾木材重量当たり5〜30質量%、好ましくは10〜25質量%、蒸解温度は130〜170℃であり、蒸解方式は、連続蒸解法あるいはバッチ蒸解法のどちらでもよく、連続蒸解釜を用いる場合は、蒸解液を多点で添加する修正蒸解法でもよく、その方式は特に問わない。
【0021】
本発明においては、蒸解後に一般的に用いられている、アルカリ酸素脱リグニン工程を設けることが可能であり、さらに、酵素処理工程を設けることが可能である。前記酵素処理工程で使用される酵素は、パルプと反応させることにより、JIS P 8206で測定されるパルプの過マンガン酸カリウム価が低下するものであれば、いかなる酵素でも良い。たとえば、キシラナーゼ、リグニンパーオキシダーゼ、マンガンパーオキシダーゼ、ラッカーゼ等が知られいるが、勿論これらの酵素でも良く、未だ知られていない酵素でも該当する酵素であれば良いことは言うまでもない。また、これらの酵素は単独で用いてもよく、あるいは複合、混合して、さらには複数回に分けて使用することもできる。これらの酵素のうち、キシラナーゼと呼ばれるキシラン分解酵素は、漂白促進効果も同時に有しており、好適に用いられる。
【0022】
本発明において、酸処理は、反応初期pH1.5〜4.5が良い。更に好ましくは、反応初期pH2.0〜4.0が良い。反応初期pHが1.5未満では、パルプ強度への悪影響が大きく、一方、pHが4.5を越えて高くなると、ヘキセンウロン酸の除去効果が少なくなると同時に工程内の蓚酸カルシウムのスケーリングが激しくなる。
また、酸処理の温度は、60〜120℃、好ましくは65〜105℃であり、温度が60℃未満ではヘキセンウロン酸の除去効果が少なく、一方、120℃を越えて高くなるとパルプ強度への悪影響が大きくなる。
更に、酸処理のリテンションは、その効果とパルプ繊維へのダメージを考えると、30〜300分が良く、処理濃度は、一般的な工程内濃度であれば特に制限は無いが、8〜15%の中濃度法、または25〜40%の高濃度法が好ましい。
一方、酸処理においては、過酸化水素を同時に添加しても良いが、添加率は、絶乾パルプ当たり、0.05〜5%が良く、効果やパルプ繊維へのダメージを考えると0.1〜2%がより好ましい。
【0023】
本発明の酸処理に用いられる酸としては、酸処理時のpHを2〜4に調整できるものであれば無機酸、有機酸のいずれも用いることができるが、硫酸、硝酸、塩酸、亜硫酸、亜硝酸等の無機酸、中でも硫酸が入手と取り扱いが容易であるため好適に用いられる。その他、酸処理については、一般的な処方が用いられる。
【0024】
本発明において、多段漂白処理工程は、初段には二酸化塩素漂白段(D)、あるいは、オゾン漂白段(Z)、あるいは、オゾン漂白と二酸化塩素漂白を連続して組み合わせた漂白段(Z/D)等が好適に用いられ、二段目にはアルカリ抽出段(E)が用いられ、三段目以降には、二酸化塩素、アルカリ過酸化水素等の組み合わせが好適に用いられる。
初段の二酸化塩素漂白段に用いられる二酸化塩素は、当業者にとって公知の多くの二酸化塩素発生法より得られる二酸化塩素から選ぶことができるが、好適には、塩素を副生しない発生法から得られる二酸化塩素が用いられる。また、初段の二酸化塩素段でのpHは2〜6、好ましくは2.5〜4であり、pHを調整するために任意の酸またはアルカリを補助的に添加することも可能である。また、二酸化塩素処理時間、処理温度、パルプ濃度等のその他の二酸化塩素漂白条件は、全て公知の条件を使用することができる。
【0025】
二酸化塩素漂白段に続くアルカリ抽出段では、当業者にとって公知の多くのアルカリ化合物から選ぶことができるが、苛性ソーダが最も使用しやすく、好適に使用される。また、アルカリ抽出段では、酸素および/または過酸化水素を併用することもできる。その他、アルカリ抽出段は、公知の条件により行うことができる。
【0026】
多段漂白工程で用いられる、二酸化塩素漂白段、アルカリ抽出段に続く三段目以降の漂白段では、塩素および次亜塩素酸塩以外の漂白薬品であれば如何なる漂白薬品を用いても良いが、二酸化塩素、アルカリ過酸化水素、オゾン、過酸、等の一般的な漂白薬品が好適に用いられる。三段目以降の段数も特に限定されるわけではないが、エネルギー効率、生産性等を考慮すると、合計で三段あるいは四段で終了するのが好適である。
【0027】
本発明において使用される薬品としては、塩素および次亜塩素酸塩を除く、酸処理(A)、酸性領域での過酸化水素(A/P)、二酸化塩素(D)、アルカリ(E)、酸素(O)、過酸化水素(P)、オゾン(Z)、有機過酸等の公知の漂白剤と漂白助剤を挙げることができる。漂白シーケンスとしては、A−D−E/O−D、A−D−E/O−P−D、 A−D−E/O−D−D、A−D−E/O−D−P、A−D−E/OP−D、A−D−E/O−Z−D、A−Z−E/O−D、A−Z−E/OP−D、A−Z−E/OP−D−P、A−Z−E/OP−P−D、A−Z−D−E/O−D、A−Z−D−E/OP−D、A−Z/D−E/O−D、A−Z/D−E/OP−D等を挙げることができる。また、酸処理(A)を酸性領域の過酸化水素処理(A/P)に置換しても良い。
一方、多段漂白工程中にエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)等によるキレート剤処理段を挿入しても良い。
【0028】
【実施例】
以下、使いすておむつを例にして、本発明の吸収性物品を図面を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0029】
図1は、本発明の使いすておむつを展開した状態を示す一部切り欠き平面図である。
図1において、使いすておむつ1は、液透過性の表面シート2と、液不透過性の裏面シート3と、これら両シートの間に配置された吸収体4とから基本的に構成されており、脚周り開口部の位置に脚周り弾性部材5が配置され、さらに、後身頃の両側縁部にファスニングテープ6が配置されている。
【0030】
図2は、図1に示す使いすておむつ1をX−X’線に沿って切断した状態を示す断面図である。
図2において、使いすておむつ1は、表面シート2と裏面シート3の間に吸収体4を配置して形成されており、吸収体4は、その表面から側面にかけて配置された吸水性シート7と、裏面側に配置された吸水シート7の2枚の吸水シートにより全体が覆われている。
【0031】
図3は、図2とは異なる例を示す、図1に示す使いすておむつ1をX−X’線に沿って切断した状態を示す断面図である。
図3において、吸収体4は、1枚の吸水シート7により全体が覆われている。
【0032】
【発明の効果】
本発明の吸収性物品は、吸収体が、蒸解後に元素状塩素を使用しないで漂白処理したセルロースパルプを主体として形成された吸水紙で覆われているため、柔らかくて着用感に優れ、使用時に型崩れやポリマー漏れ等の不具合を生じることのないものであり、さらに、衛生面及び環境面からも好ましいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収性物品の展開状態を示す一部切り欠き平面図。
【図2】図1に示す吸収性物品をX−X’線に沿って切断した状態を示す断面図。
【図3】図2とは異なる例を示す、図1に示す吸収性物品をX−X’線に沿って切断した状態を示す断面図。
【符号の説明】
1:吸収性物品
2:液透過性の表面シート
3:液不透過性の裏面シート
4:吸収体
5:脚周り弾性部材
6:ファスニングテープ
7:吸水紙

Claims (3)

  1. 液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、これら両シートの間に配置され、且つその少なくとも一部が吸水紙で覆われた吸収体とからなる吸収性物品において、
    前記吸水紙が、蒸解後に元素状塩素を使用しないで漂白処理したセルロースパルプを主体として形成されていることを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記吸水紙のJIS P 8133で規定する冷水抽出法で測定した抽出pHが6.6〜7.4であることを特徴とする請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記セルロースパルプが、針葉樹パルプを80〜97質量%及び広葉樹パルプを20〜3質量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の吸収性物品。
JP2003042001A 2003-02-20 2003-02-20 吸収性物品 Pending JP2004248859A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003042001A JP2004248859A (ja) 2003-02-20 2003-02-20 吸収性物品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003042001A JP2004248859A (ja) 2003-02-20 2003-02-20 吸収性物品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004248859A true JP2004248859A (ja) 2004-09-09

Family

ID=33025396

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003042001A Pending JP2004248859A (ja) 2003-02-20 2003-02-20 吸収性物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004248859A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014097221A (ja) * 2012-11-15 2014-05-29 Nippon Paper Crecia Co Ltd 吸収性物品
JP2015043940A (ja) * 2013-08-29 2015-03-12 日本製紙株式会社 吸収性物品
JP2016146986A (ja) * 2015-02-13 2016-08-18 カミ商事株式会社 吸収性物品
JP2017014679A (ja) * 2005-05-02 2017-01-19 インターナショナル・ペーパー・カンパニー リグノセルロース系材料及びこれから製造した生成物
WO2021107025A1 (ja) * 2019-11-26 2021-06-03 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品
US11332886B2 (en) 2017-03-21 2022-05-17 International Paper Company Odor control pulp composition
CN115326786A (zh) * 2022-07-12 2022-11-11 合肥国轩高科动力能源有限公司 一种快速测定电池级羧甲基纤维素钠取代度的方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017014679A (ja) * 2005-05-02 2017-01-19 インターナショナル・ペーパー・カンパニー リグノセルロース系材料及びこれから製造した生成物
US10907304B2 (en) 2005-05-02 2021-02-02 International Paper Company Ligno cellulosic materials and the products made therefrom
JP2014097221A (ja) * 2012-11-15 2014-05-29 Nippon Paper Crecia Co Ltd 吸収性物品
JP2015043940A (ja) * 2013-08-29 2015-03-12 日本製紙株式会社 吸収性物品
JP2016146986A (ja) * 2015-02-13 2016-08-18 カミ商事株式会社 吸収性物品
US11332886B2 (en) 2017-03-21 2022-05-17 International Paper Company Odor control pulp composition
US11613849B2 (en) 2017-03-21 2023-03-28 International Paper Company Odor control pulp composition
WO2021107025A1 (ja) * 2019-11-26 2021-06-03 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品
CN114746057A (zh) * 2019-11-26 2022-07-12 尤妮佳股份有限公司 吸收性物品
CN114746057B (zh) * 2019-11-26 2024-02-06 尤妮佳股份有限公司 吸收性物品
CN115326786A (zh) * 2022-07-12 2022-11-11 合肥国轩高科动力能源有限公司 一种快速测定电池级羧甲基纤维素钠取代度的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6485667B1 (en) Process for making a soft, strong, absorbent material for use in absorbent articles
CA2027777C (en) Absorbent articles containing mechanical pulp and polymeric gelling material
JP3793228B2 (ja) 高吸収性材料の層を有する吸収構造体の製造方法
JP3315115B2 (ja) 柔軟性吸収性シート
JP3319603B2 (ja) 高吸引及び高容量を示す吸収性製品用液体分配部材
CN104068968B (zh) 柔韧防变形芯体预混料纸尿垫的制造方法
EP0458657B1 (en) Absorbent perf-embossed debonded pulp board
KR102341361B1 (ko) 천연섬유를 함유하는 일회용 흡수용품
JP2004248859A (ja) 吸収性物品
JP7293479B1 (ja) 吸収性物品用吸収体、及び吸収性物品
JPH08308873A (ja) 吸収性物品
CA2316618C (en) Absorptive article
JP2005211135A (ja) 吸収性物品
JPH0584262A (ja) 高吸収性・可撓性セルロースパルプ毛羽立ちシート
JPH11216163A (ja) パンツ型使いすておむつ
JP4031425B2 (ja) 吸収性物品
JPH0690978A (ja) 使いすておむつ
JP2005312601A (ja) 吸収性物品
WO2024185413A1 (ja) フラッフパルプ用パルプシート、フラッフマット及び吸収性物品
JP2002017781A (ja) 吸収性物品
KR100207225B1 (ko) 쑥 패드의 제조방법
JP2002315781A (ja) 吸収性物品
JP2020137764A (ja) 吸収性物品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050801

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060627

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060822

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060919