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JP5641680B2 - ズームレンズ、これを有する光学機器 - Google Patents

ズームレンズ、これを有する光学機器 Download PDF

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JP5641680B2
JP5641680B2 JP2008193616A JP2008193616A JP5641680B2 JP 5641680 B2 JP5641680 B2 JP 5641680B2 JP 2008193616 A JP2008193616 A JP 2008193616A JP 2008193616 A JP2008193616 A JP 2008193616A JP 5641680 B2 JP5641680 B2 JP 5641680B2
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Description

本発明は、ズームレンズ、これを有する光学機器に関する。
従来、写真用カメラ、電子スチルカメラ、ビデオカメラ等に適した、手ぶれ補正機能を有するズームレンズが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2006−227526号公報
しかしながら、従来のズームレンズでは、鏡筒内に手ぶれ補正を行う機構を組み込まなければならず、レンズ鏡筒の全長や外径においてコンパクト性が損なわれる傾向にあった。また、手ぶれ補正機能を有するズームレンズでは、高変倍化を図ると光学性能の劣化が著しいという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、光軸と直交方向の成分を持つように移動可能な光学系により像シフトを行い、手ぶれ補正を可能とし、高変倍化を図りながら性能の劣化が少なくなるよう、適切なレンズ群の屈折力を設定したズームレンズ、これを有する光学機器を提供することを目的とする。
このような目的を達成するため、本発明のズームレンズは、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、負の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群とにより実質的に5個のレンズ群からなり、前記第4レンズ群の少なくとも一部のレンズ群を光軸と直交方向の成分を持つように移動させることにより手ぶれ発生時の像面補正を行う手振れ補正機構を有し、広角端状態から望遠端状態への変倍に際して各レンズ群の間隔が変化し、前記第4レンズ群の焦点距離をf4とし、レンズ全系の望遠端状態における焦点距離をftとし、前記第5レンズ群の焦点距離をf5としたとき、次式0.01<(−f4)/ft≦0.07及び1.49≦f5/(−f4)<3.50の条件を満足する。
また、本発明のズームレンズは、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、負の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群とにより実質的に5個のレンズ群からなり、前記第4レンズ群の少なくとも一部のレンズ群を光軸と直交方向の成分を持つように移動させることにより手ぶれ発生時の像面補正を行う手振れ補正機構を有し、広角端状態から望遠端状態への変倍に際して各レンズ群の間隔が変化し、前記第3レンズ群は、少なくとも3つの正の屈折力を有するレンズ群を含み、前記第4レンズ群の焦点距離をf4とし、レンズ全系の望遠端状態における焦点距離をftとし、前記第2レンズ群の焦点距離をf2としたとき、次式0.01<(−f4)/ft<0.20及び0.45<(−f2)/(−f4)≦0.78の条件を満足する。
なお、前記第2レンズ群の焦点距離をf2とし、前記第4レンズ群の焦点距離をf4としたとき、次式0.45<(−f2)/(−f4)<1.25の条件を満足することが好ましい。
また、前記第5レンズ群の焦点距離をf5とし、前記第4レンズ群の焦点距離をf4としたとき、次式0.80<f5/(−f4)<3.50の条件を満足することが好ましい。
また、前記第3レンズ群は、少なくとも3つの正の屈折力を有するレンズ群を含むことが好ましい。
また、前記第1レンズ群の焦点距離をf1とし、前記第4レンズ群の焦点距離をf4としたとき、次式3.45<f1/(−f4)<6.00の条件を満足することが好ましい。
また、前記第4レンズ群は、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有するレンズ群GAと、負の屈折力を有するレンズ群GBとを有することが好ましい。
また、前記レンズ群GBは、少なくとも1つの非球面を有することが好ましい。
また、前記第4レンズ群は、接合レンズを有することが好ましい。
また、広角端状態から望遠端状態への変倍に際し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔は増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔は減少し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔は増大し、前記第4レンズ群と前記第5レンズ群との間隔は減少することが好ましい。
また、前記第5レンズ群の焦点距離をf5とし、レンズ全系の望遠端状態における焦点距離をftとしたとき、次式0.05<f5/ft<0.35の条件を満足することが好ましい。
また、前記第5レンズ群は、少なくとも正屈折力の2つのレンズ群と、負屈折力のレンズ群とを有することが好ましい。
また、前記第5レンズ群は、少なくとも1つの接合レンズを含むことが好ましい。
また、望遠端状態におけるバックフォーカスをBftとし、広角端状態におけるバックフォーカスをBfwとし、前記第3レンズ群の焦点距離をf3としたとき、次式1.35<(Bft−Bfw)/f3<1.80の条件を満足することが好ましい。
また、前記第2レンズ群は、少なくとも1つの非球面を有することが好ましい。
また、本発明の光学機器は、上記ズームレンズを有する。
本発明によれば、光軸と直交方向の成分を持つように移動可能な光学系により像シフトを行い、手ぶれ補正を可能とし、高変倍化を図りながら性能の劣化が少なくなるよう、適切なレンズ群の屈折力を設定したズームレンズ、これを有する光学機器を提供することができる。
以下、好ましい実施形態について、図面を用いて説明する。図1に示すように、本実施形態におけるズームレンズは、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とを有し、前記第4レンズ群G4の少なくとも一部のレンズ群を光軸と直交方向の成分を持つように移動させることにより手ぶれ発生時の像面補正を行う。
本実施形態において、第4レンズ群G4は、他のレンズ群に比べて構成レンズ枚数が少なく、レンズ径の小型化が可能であるため、手ぶれ補正機構を組み込むことに適している。この構成により、レンズ鏡筒の小型化を達成することができるとともに、手ぶれ補正に伴う収差変動を良好に補正することができる。
そして、上記構成の基で、第4レンズ群G4の焦点距離をf4とし、レンズ全系の望遠端状態における焦点距離をftとしたとき、次式(1)の条件を満足する。
0.01<(−f4)/ft<0.20 …(1)
上記条件式(1)は、第4レンズ群G4の焦点距離f4に対する、望遠端状態における焦点距離ftを規定するものである。本ズームレンズは、この条件式(1)を満足することで良好な光学性能を実現し、かつ、所定の変倍比を確保することができる。なお、条件式(1)の下限値を下回ると、第4レンズ群G4の屈折力が強くなり、望遠端状態における球面収差の補正が困難となる。一方、条件式(1)の上限値を上回ると、第4レンズ群G4の屈折力が弱くなり、第4レンズ群G4のシフト量が大きくなり、手ぶれ補正時の非点収差の変動を補正することが困難となる。
なお、本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(1)の下限値を0.07とすることが好ましい。また、本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(1)の上限値を0.13とすることが好ましい。
また、本実施形態において、第5レンズ群G5の焦点距離をf5とし、第4レンズ群G4の焦点距離をf4としたとき、次式(2)の条件を満足することが好ましい。
0.80<f5/(−f4)<3.50 …(2)
上記条件式(2)は、第5レンズ群G5の焦点距離f5に対する、第4レンズ群G4の焦点距離f4を規定するものである。本ズームレンズは、この条件式(2)を満足することで、良好な光学性能を実現し、かつ、所定の変倍比を確保することができる。なお、条件式(2)の上限値を上回ると、第4レンズ群G4の屈折力が強くなり、望遠端状態における球面収差の補正が困難となる。一方、条件式(2)の下限値を下回ると、第5レンズ群G5の屈折力が強くなり、広角端状態におけるコマ収差の補正が困難になる。
なお、本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(2)の下限値を1.10とすることが好ましい。また、本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(2)の上限値を2.90とすることが好ましい。
さらに、本実施形態の効果をより確実なものとするために、条件式(2)の下限値を1.40とすることが好ましい。また、本実施形態の効果をより確実なものとするために、条件式(2)の上限値を1.70とすることが好ましい。
また、本実施形態において、第2レンズ群G2の焦点距離をf2とし、第4レンズ群G4の焦点距離f4としたとき、次式(3)の条件を満足することが好ましい。
0.45<(−f2)/(−f4)<1.25 …(3)
上記条件式(3)は、第2レンズ群G2の焦点距離f2に対する、第4レンズ群G4の焦点距離f4を規定するものである。本ズームレンズは、この条件式(3)を満足することで良好な光学性能を実現することができる。なお、条件式(3)の上限値を上回ると、第4レンズ群G4の屈折力が強くなり、手振れ補正時の像面湾曲の変動と、偏芯コマ収差の変動とを同時に補正することが困難になる。一方、条件式(3)の下限値を下回ると、第2レンズ群G2の屈折力が強くなり、広角端状態における軸外収差、特に像面湾曲と非点収差の補正が困難となる。
なお、本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(3)の下限値を0.53とすることが好ましい。また、本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(3)の上限値を1.00とすることが好ましい。
また、本実施形態おいて、第1レンズ群G1の焦点距離をf1とし、第4レンズ群G4の焦点距離をf4としたとき、次式(4)の条件を満足することが好ましい。
3.45<f1/(−f4)<6.00 …(4)
上記条件式(4)は、第1レンズ群G1の焦点距離f1に対する、第4レンズ群G4の焦点距離f4を規定するものである。本ズームレンズは、この条件式(4)を満足することで手ぶれ補正時の光学性能の確保しつつ、所定の変倍比を確保することができる。なお、条件式(4)の上限値を上回ると、第4レンズ群G4の屈折力が強くなり、手振れ補正時の像面湾曲の変動と、偏芯コマ収差の変動とを同時に補正することが困難になる。一方、条件式(4)の下限値を下回ると、第1レンズ群G1の屈折力が強くなり、望遠端状態における球面収差の補正が困難となる。また、広角端状態における倍率色収差の劣化も顕著となるため好ましくない。
なお、本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(4)の下限値を3.55とすることが好ましい。また、本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(1)の上限値を5.54とすることが好ましい。
また、本実施形態において、第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有するレンズ群GAと、負の屈折力を有するレンズ群GBとを有することが好ましい。さらに、(レンズ群GAの像側に隣接して配置される)前記レンズ群GBは、少なくとも1つの非球面を有することが好ましい。これにより、望遠端状態における手ぶれ補正時の像面湾曲の変動と、偏芯コマ収差の変動とを同時に補正することができる。
また、本実施形態において、第4レンズ群G4は、接合レンズを有することが好ましい。この構成により、軸上色収差及び倍率色収差をともに良好に補正することができる。
また、本実施形態において、広角端状態から望遠端状態への変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔は増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔は減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔は増大し、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔は減少することが好ましい。これにより、球面収差と像面湾曲の変動を効果的に補正しつつ、所定の変倍比を確保することができる。
また、本実施形態において、広角端状態から望遠端状態への変倍に際し、第3レンズ群G3と第5レンズ群G5とが一体で移動することが好ましい。これにより、所定の変倍比を確保しつつ、製造時に第5レンズ群G5の偏芯による性能の劣化を小さくすることができる。
また、本実施形態において、第5レンズ群G5の焦点距離をf5とし、レンズ全系の望遠端状態における焦点距離をftとしたとき、次式(5)の条件を満足することが好ましい。
0.05<f5/ft<0.35 …(5)
上記条件式(5)は、第5レンズ群G5の焦点距離f5に対する、望遠端状態における焦点距離ftを規定するものである。本ズームレンズは、この条件式(5)を満足することで良好な光学性能を実現し、かつ、所定の変倍比を確保することができる。なお、条件式(5)の上限値を上回ると、第5レンズ群G5の屈折力が弱くなり、変倍比を確保するために第3レンズ群G3の屈折力が強くなり、望遠端状態における球面収差の補正が困難となる。一方、条件式(5)の下限値を下回ると、第5レンズ群G5の屈折力が強くなり、広角端状態においてコマ収差の補正が困難となる。
なお、本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(5)の下限値を0.10とすることが好ましい。また、本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(5)の上限値を0.21とすることが好ましい。
また、本実施形態において、第5レンズ群G5は、少なくとも正屈折力の2つのレンズ群と、負屈折力のレンズ群とを有することが好ましい。また、第5レンズ群G5は、少なくとも1つの接合レンズを含むことが好ましい。これにより、広角端状態における像面湾曲と、製造時の偏芯による収差の変動とを同時に補正することができる。
また、本実施形態において、望遠端状態におけるバックフォーカスをBftとし、広角端状態におけるバックフォーカスをBfwとし、第3レンズ群G3の焦点距離をf3としたとき、次式(6)の条件を満足することが好ましい。
1.35<(Bft−Bfw)/f3<1.80 …(6)
上記条件式(6)は、望遠端状態におけるバックフォーカスBftと広角端状態におけるバックフォーカスBfwとの差分に対する、第3レンズ群G3の焦点距離f3を規定するものである。本ズームレンズは、この条件式(6)を満足することで良好な光学性能を実現し、かつ、所定の変倍比を確保することができる。なお、条件式(6)の上限値を上回ると、第3レンズ群G3の屈折力が強くなり、望遠端状態における球面収差の補正が困難になる。一方、条件式(6)の下限値を下回ると、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の屈折力が強くなり、広角端状態から望遠端状態において発生する高次のコマ収差変動の補正が困難となる。
なお、本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(6)の下限値を1.40とすることが好ましい。また、本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(6)の上限値を1.65とすることが好ましい。
また、本実施形態において、第3レンズ群G3は、少なくとも3つの正の屈折力を有するレンズ群を含むことが好ましい。さらに好ましくは、第3レンズ群G3は、少なくとも1つの接合レンズを含むことが好ましい。これにより、広角端状態における像面湾曲と、望遠端状態における球面収差とを同時に補正することができる。
また、本実施形態において、第2レンズ群G2は、少なくとも1つの非球面を有することが好ましい。これにより、広角端状態における像面湾曲及び歪曲収差を良好に補正することができる。
図13に、上記構成のズームレンズを撮影レンズ1として備えたデジタル一眼レフカメラCAM(光学機器)の略断面図を示す。図13に示すデジタル一眼レフカメラCAMにおいて、不図示の物体(被写体)からの光は、撮影レンズ1で集光されて、クイックリターンミラー3を介して焦点板4に結像される。そして、焦点板4に結像された光は、ペンタプリズム5中で複数回反射されて接眼レンズ6へと導かれる。これにより、撮影者は、物体(被写体)像を接眼レンズ6を介して正立像として観察することができる。
また、撮影者によって不図示のレリーズボタンが押されると、クイックリターンミラー3が光路外へ退避し、撮影レンズ1で集光された不図示の物体(被写体)の光は撮像素子7上に被写体像を形成する。これにより、物体(被写体)からの光は、当該撮像素子7により撮像され、物体(被写体)画像として不図示のメモリに記録される。このようにして、撮影者は本カメラCAMによる物体(被写体)の撮影を行うことができる。なお、図13に記載のカメラCAMは、撮影レンズ1を着脱可能に保持するものでもよく、撮影レンズ1と一体に成形されるものでもよい。また、カメラCAMは、いわゆる一眼レフカメラでもよく、クイックリターンミラー等を有さないコンパクトカメラでもよい。
以下、本実施形態に係る各実施例について、図面に基づいて説明する。以下に、表1〜表3を示すが、これらは第1〜第3実施例における各諸元の表である。[全体諸元]において、fはレンズ全系の焦点距離を、FNOはFナンバーを、ωは半画角を、Yは像高を、TLはレンズ系全長を、Bfはバックフォーカスを示す。[レンズデータ]においては、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序を、rは各レンズ面の曲率半径を、dは各光学面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離である面間隔を、ndはd線(波長587.6nm)に対する屈折率を、νdはd線に対するアッベ数を示す。また、レンズ面が非球面である場合には、面番号に*印を付し、曲率半径rの欄には近軸曲率半径を示す。なお、曲率半径の「0.0000」は平面又は開口を示している。[可変間隔データ]において、fはレンズ全系の焦点距離を、Di(但し、iは整数)は第i面の可変の面間隔を示す。[レンズ群データ]において、各群の初面及び焦点距離を示す。[条件式対応値]において、上記の条件式(1)〜(6)に対応する値を示す。
[非球面データ]には、[レンズデータ]に示した非球面について、その形状を次式(a)で示す。すなわち、光軸に垂直な方向の高さをyとし、非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(サグ量)をS(y)とし、基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)をrとし、円錐係数をκとし、n次の非球面係数をAnとしたとき、以下の式(a)で示している。なお、各実施例において、2次の非球面係数A2は0であり、その記載を省略している。また、Enは、×10nを表す。例えば、1.234E-05=1.234×10-5である。
S(y)=(y2/r)/{1+(1−κ・y2/r21/2}+A3×|y3
+A4×y4+A6×y6+A8×y8+A10×y10+A12×y12 …(a)
なお、表中において、焦点距離f、曲率半径r、面間隔d、その他の長さの単位は、一般に「mm」が使われている。但し、光学系は、比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、単位は「mm」に限定されることなく、他の適当な単位を用いることが可能である。
以上の表の説明は、他の実施例においても同様とし、その説明を省略する。
(第1実施例)
第1実施例について、図1〜図4及び表1を用いて説明する。図1は、第1実施例のレンズ構成図及びズーム軌跡を示したものである。図1に示すように、第1実施例に係るズームレンズは、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5と有する。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸正レンズL12との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とを有する。
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凹負レンズL22と、両凸正レンズL23と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL24とを有する。なお、第2レンズ群G2の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL21は、物体側のガラスレンズ面(図1では物体側から数えて6番目の面)に非球面を形成した、非球面レンズである。
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、両凸正レンズL31と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL32と両凸正レンズL33との接合レンズと、両凸正レンズL34と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL35との接合レンズとを有する。
第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、両凹負レンズL41と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL42との接合レンズからなる第4Aレンズ群GAと、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL43からなる第4Bレンズ群GBとを有する。なお、第4レンズ群G4の最も像側に位置する負メニスカスレンズL43は物体側のガラスレンズ面(図1では物体側から数えて27番目の面)に非球面を形成した、非球面レンズである。
第5レンズ群G5は、物体側から順に並んだ、両凸正レンズL51と、両凸正レンズL52と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL53との接合レンズと、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL54とを有する。第5レンズ群G5の最も像側に位置する負メニスカスレンズL54は、物体側のガラスレンズ面(図1では物体側から数えて34番目の面)に非球面を形成した、非球面レンズである。
上記構成である本実施例に係るズームレンズでは、広角端状態から望遠端状態への変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群との間隔は増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔は減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔は増大し、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔は減少するように、各レンズ群の間隔が変化する。このとき、第3レンズ群G3と第5レンズ群G5は一体で移動する。
絞りSは、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間に配置され、広角端状態から望遠端状態への変倍に際して第3レンズ群G3とともに移動する。
また、本実施例に係るズームレンズでは、遠距離から近距離への合焦は、第2レンズ群G2を物体方向に繰り出すことによって行う。
また、手ぶれ補正(防振)は、第4Aレンズ群GAの接合レンズを光軸と直交方向の成分を持つように移動させることにより行う。
なお、第1実施例において、レンズ全系の焦点距離がfで、ぶれ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量の比、すなわち防振係数がKであるレンズにおいて、角度θの回転ぶれを補正するには、ぶれ補正用の移動レンズ群を(f・tanθ)/Kだけ光軸と直交方向の成分を持つように移動させればよい。第1実施例の広角端状態において、防振係数が1.012であり、焦点距離が28.80(mm)であるため、0.58°の回転ぶれを補正するための第4レンズ群G4の移動量は0.30(mm)となる。また、第1実施例の望遠端状態において、防振係数が1.700であり、焦点距離が292.00(mm)であるため、0.18°の回転ぶれを補正するための第4レンズ群G4の移動量は0.57(mm)となる。
以下の表1に第1実施例に係るズームレンズの各諸元の値を掲げる。なお、表1における面番号1〜35は、図1に示す面1〜35に対応している。
(表1)
[全体諸元]
f 28.7 96.6 291.9
Fno 3.6 5.5 5.9
2ω 76.5 24.1 8.2
Y 21.6 21.6 21.6
TL 162.728 207.565 235.927
BF 38.462 63.688 76.6097
[レンズデータ]
面番号 r d nd νd
1 141.1761 1.0000 1.8503 32.3500
2 69.4853 10.0765 1.4978 82.5200
3 -889.6155 0.1000 1.0000
4 66.6674 6.5001 1.6030 65.4700
5 381.0871 D5 1.0000
6 79.9451 0.1006 1.5539 38.0900
7 74.7011 1.0028 1.8040 46.5800
8 17.8520 7.3031 1.0000
9 -48.6373 1.0000 1.8160 46.6300
10 58.7199 0.1492 1.0000
11 33.7080 4.5990 1.8467 23.7700
12 -45.7479 1.1779 1.0000
13 -26.8650 1.0000 1.8160 46.6300
14 -8904.0687 D14 1.0000
15 0.0000 0.5000 1.0000 (絞りS)
16 30.7323 3.5000 1.6030 65.4700
17 -107.2786 0.1000 1.0000
18 48.7571 1.0000 1.8348 42.7200
19 15.4106 5.5000 1.6030 65.4700
20 -217.8297 0.3000 1.0000
21 49.0547 3.5679 1.6030 65.4700
22 -29.6706 1.4591 1.8503 32.3500
23 -160.3002 D23 1.0000
24 -142.1433 1.0000 1.7725 49.6100
25 16.3170 2.9126 1.8503 32.3500
26 48.2164 6.0283 1.0000
27 -14.4254 1.0000 1.8040 46.5800
28 -17.2680 D28 1.0000
29 -1093.1368 4.7467 1.5186 69.8900
30 -22.8468 0.1000 1.0000
31 42.0285 6.9126 1.5174 52.3200
32 -19.2157 1.0000 1.8348 42.7200
33 -34.6022 1.5145 1.0000
34 -23.6619 1.0000 1.8160 46.6200
35 -311.6038 BF 1.0000
[非球面データ]
第6面
κ=4.8810E+00,A4=1.3626E-06,A6=-3.8149E-09,A8=-1.7705E-11,
A10=1.1444E-13,A12=0.0000E+00
第27面
κ=7.7650E-01,A4=3.1469E-06,A6=2.0215E-09,A8=0.0000E+00,
A10=0.0000E+00,A12=0.0000E+00
第34面
κ=1.0000E+00,A4=-2.9251E-06,A6=3.3679E-08,A8=-1.3515E-11,
A10=7.4135E-15,A12=0.0000E+00
[可変間隔データ]
広角端状態 中間焦点距離状態 望遠端状態
D5 2.025 37.999 65.478
D14 29.610 13.247 1.208
D23 2.732 7.325 8.459
D28 7.026 2.433 1.300
[レンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
G1 1 111.40
G2 6 -17.34
G3 15 26.70
G4 24 -37.72
G5 29 61.85
[条件式対応値]
条件式(1)(−f4)/ft=0.13
条件式(2)f5/(−f4)=1.64
条件式(3)(−f2)/(−f4)=0.46
条件式(4)f1/(−f4)=2.95
条件式(5)f5/ft=0.21
条件式(6)(Bft−Bfw)/f3=1.43
表1に示す諸元の表から、第1実施例に係るズームレンズでは、上記条件式(1)〜(6)を全て満たすことが分かる。
図2(a),(b)は、それぞれ第1実施例に係るズームレンズの広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図及び0.58°の回転ぶれに対してぶれ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。図3は、第1実施例に係るズームレンズの中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。図4(a),(b)は、それぞれ第1実施例に係るズームレンズの望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図及び0.18°の回転ぶれに対してぶれ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。
各収差図において、FNOはFナンバーを、Yは像高(単位:mm)を示す。なお、球面収差図では最大口径に対応するFナンバーの値を示し、非点収差図及び歪曲収差図では像高の最大値をそれぞれ示し、コマ収差図では各像高の値を示す。また、dはd線(波長587.6nm)、gはg線(波長435.8nm)に対する諸収差を、記載のないものはd線に対する諸収差をそれぞれ示す。また、非点収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示す。以上の収差図の説明は、他の実施例においても同様とし、その説明を省略する。
各収差図から明らかなように、第1実施例では、広角端状態から望遠端状態までの各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することが分かる。
(第2実施例)
第2実施例について、図5〜図8及び表2を用いて説明する。図5は、第2実施例のレンズ構成図及びズーム軌跡を示したものである。図5に示すように、第2実施例に係るズームレンズは、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5と有する。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸正レンズL12との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とを有する。
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凹負レンズL22と、両凸正レンズL23と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL24とを有する。なお、第2レンズ群の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL21は、物体側のガラスレンズ面(図5では物体側から数えて6番目の面)に非球面を形成した、非球面レンズである。
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、両凸正レンズL31と、両凸正レンズL32と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL33との接合レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL34と両凸正レンズL35との接合レンズとを有する。
第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、両凹負レンズL41と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL42との接合レンズからなる第4Aレンズ群GAと、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL43からなる第4Bレンズ群GBとを有する。なお、第4レンズ群G4の最も像側に位置する負メニスカスレンズL43は物体側のガラスレンズ面(図1では物体側から数えて26番目の面)に非球面を形成した、非球面レンズである。
第5レンズ群G5は、物体側から順に並んだ、両凸正レンズL51と、両凸正レンズL52と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL53との接合レンズと、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL54とを有する。なお、第5レンズ群G5の最も像側に位置する負メニスカスレンズL54は、物体側のガラスレンズ面(図5では物体側から数えて33番目の面)に非球面を形成した、非球面レンズである。
上記構成である本実施例に係るズームレンズでは、広角端状態から望遠端状態への変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群との間隔は増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔は減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔は増大し、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔は減少するように、各レンズ群の間隔が変化する。このとき、第3レンズ群G3と第5レンズ群G5は一体で移動する。
絞りSは、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間に配置され、広角端状態から望遠端状態への変倍に際して第3レンズ群G3とともに移動する。
また、本実施例に係るズームレンズでは、遠距離から近距離への合焦は、第2レンズ群G2を物体方向に繰り出すことによって行う。
また、手ぶれ補正(防振)は、第4Aレンズ群GAの接合レンズを光軸と直交方向の成分を持つように移動させることにより行う。
なお、第2実施例において、レンズ全系の焦点距離がfで、ぶれ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量の比、すなわち防振係数がKであるレンズにおいて、角度θの回転ぶれを補正するには、ぶれ補正用の移動レンズ群を(f・tanθ)/Kだけ光軸と直交方向の成分を持つように移動させればよい。第2実施例の広角端状態において、防振係数が0.98であり、焦点距離が28.80(mm)であるため、0.58°の回転ぶれを補正するための第4レンズ群G4の移動量は0.30(mm)となる。また、第2実施例の望遠端状態において、防振係数が1.70であり、焦点距離が292.00(mm)であるため、0.18°の回転ぶれを補正するための第4レンズ群G4の移動量は0.57(mm)となる。
以下の表2に第2実施例に係るズームレンズの各諸元の値を掲げる。なお、表2における面番号1〜34は、図5に示す面1〜34に対応している。
(表2)
[全体諸元]
f 28.8 100.0 291.9
Fno 3.6 5.4 5.9
2ω 76.3 23.4 8.2
Y 21.6 21.6 21.6
TL 164.6 210.8 237.6
BF 38.668 65.898 78.377
[レンズデータ]
面番号 r d nd νd
1 124.2669 1.000 1.85026 32.35
2 65.6300 10.060 1.49782 82.56
3 -11797.766 0.100 1.00000
4 69.1189 6.568 1.59319 67.87
5 585.6642 D5 1.00000
*6 112.8410 1.000 1.76684 46.82
7 17.9479 7.242 1.00000
8 -46.5542 1.000 1.81600 46.63
9 66.1042 0.100 1.00000
10 34.8030 4.801 1.84666 23.77
11 -39.9905 1.014 1.00000
12 -27.6099 1.000 1.83481 42.72
13 1177.0768 D13 1.00000
14 0.0000 0.500 1.00000 (絞りS)
15 45.9090 3.500 1.75500 52.29
16 -58.7912 0.100 1.00000
17 35.0034 4.500 1.49782 82.56
18 -35.3849 1.000 1.79504 28.69
19 65.2580 0.100 1.00000
20 28.8329 1.871 1.81600 46.63
21 15.4357 6.462 1.51742 52.32
22 -87.3182 D22 1.00000
23 -117.6399 1.000 1.77250 49.61
24 16.7518 3.000 1.85026 32.35
25 51.4655 4.628 1.00000
*26 -24.4461 1.200 1.71300 53.89
27 -58.2076 D27 1.00000
28 73.1770 5.500 1.60311 60.68
29 -24.7896 0.166 1.00000
30 91.8843 6.791 1.51823 58.89
31 -18.6935 1.000 1.81600 46.63
32 -48.9134 1.917 1.00000
*33 -24.2966 1.000 1.82080 42.71
34 -56.3780 BF 1.00000
[非球面データ]
第6面
κ=-1.0000E+00,A4=1.2946E-06,A6=6.9345E-09,A8=-7.3236E-11,
A10=2.8299E-13,A12=-2.9971E-16
第26面
κ=0.1763E+00,A4=-1.5504E-06,A6=1.8584E-08,A8=0.0000E+00,
A10=0.0000E+00,A12=0.0000E+00
第33面
κ=1.0000E+00,A4=-4.8013E-06,A6=-2.8757E-09,A8=8.0066E-11,
A10=-2.4817E-13,A12=0.0000E+00
[可変間隔データ]
広角端状態 中間焦点距離状態 望遠端状態
D5 2.226 38.148 64.584
D13 31.000 14.096 1.917
D22 1.523 5.269 6.049
D27 6.332 2.586 1.806
[レンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
G1 1 110.62
G2 6 -17.76
G3 14 26.64
G4 23 -27.33
G5 28 41.87
[条件式対応値]
条件式(1)(−f4)/ft=0.09
条件式(2)f5/(−f4)=1.53
条件式(3)(−f2)/(−f4)=0.65
条件式(4)f1/(−f4)=4.05
条件式(5)f5/ft=0.14
条件式(6)(Bft−Bfw)/f3=1.49
表2に示す諸元の表から、第2実施例に係るズームレンズでは、上記条件式(1)〜(6)を全て満たすことが分かる。
図6(a),(b)は、それぞれ第2実施例に係るズームレンズの広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図及び0.58°の回転ぶれに対してぶれ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。図7は、第2実施例に係るズームレンズの中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。図8(a),(b)は、それぞれ第2実施例に係るズームレンズの望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図及び0.18°の回転ぶれに対してぶれ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。
各収差図から明らかなように、第2実施例では、広角端状態から望遠端状態までの各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することが分かる。
(第3実施例)
第3実施例について、図9〜図12及び表3を用いて説明する。図9は、第3実施例のレンズ構成図及びズーム軌跡を示したものである。図9に示すように、第3実施例に係るズームレンズは、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5と有する。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸正レンズL12との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とを有する。
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凹負レンズL22と、両凸正レンズL23と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL24とを有する。なお、第2レンズ群G2の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL21は、物体側のガラスレンズ面(図9では物体側から数えて6番目の面)に非球面を形成した、非球面レンズである。
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、両凸正レンズL31と、両凸正レンズL32と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL33と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL34との接合レンズとを有する。
第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、両凹負レンズL41と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL42との接合レンズからなる第4Aレンズ群GAと、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL43からなる第4Bレンズ群GBとを有する。なお、第4レンズ群GBを構成する負メニスカスレンズL43は、像側のガラスレンズ面(図9では物体側から数えて27番目の面)に非球面を形成した、非球面レンズである。
第5レンズ群G5は、物体側から順に並んだ、両凸正レンズL51と、両凸正レンズL52と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL53との接合レンズと、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL54とを有する。第5レンズ群G5の最も側に位置する両凸正レンズL54は、像側のガラスレンズ面(図9では物体側から数えて34番目の面)に非球面を形成した非球面レンズである。
上記構成である本実施例に係るズームレンズでは、広角端状態から望遠端状態への変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群との間隔は増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔は減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔は増大し、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔は減少するように、各レンズ群の間隔が変化する。
絞りSは、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間に配置され、広角端状態から望遠端状態への変倍に際して第3レンズ群G3とともに移動する。
また、本実施例に係るズームレンズでは、遠距離から近距離への合焦は、第2レンズ群G2を物体方向に繰り出すことによって行う。
また、手ぶれ補正(防振)は、第4Aレンズ群GAを光軸と直交方向の成分を持つように移動させることにより行う。
なお、第3実施例において、レンズ全系の焦点距離がfで、ぶれ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量の比、すなわち防振係数がKであるレンズにおいて、角度θの回転ぶれを補正するには、ぶれ補正用の移動レンズ群を(f・tanθ)/Kだけ光軸と直交方向の成分を持つように移動させればよい。第3実施例の広角端状態において、防振係数が1.06であり、焦点距離が28.80(mm)であるため、0.58°の回転ぶれを補正するための第4レンズ群G4の移動量は0.27(mm)となる。また、第3実施例の望遠端状態において、防振係数が1.70であり、焦点距離が291.80(mm)であるため、0.18°の回転ぶれを補正するための第4レンズ群G4の移動量は0.48(mm)となる。
以下の表3に第3実施例に係るズームレンズの各諸元の値を掲げる。なお、表3における面番号1〜34は、図9に示す面1〜34に対応している。
(表3)
[全体諸元]
f 28.8 97.8 291.8
Fno 3.6 5.4 5.9
2ω 76.3 24.0 8.2
Y 21.6 21.6 21.6
TL 155.259 200.892 230.440
Bf 38.296 61.715 79.010
[レンズデータ]
面番号 r d nd νd
1 131.9600 1.000 1.85026 32.35
2 64.7763 10.026 1.49782 82.52
3 -1939.8917 0.100 1.00000
4 64.6003 6.329 1.61800 63.38
5 410.2657 D5 1.00000
*6 89.4836 0.100 1.55389 38.09
7 89.4836 1.000 1.81600 46.63
8 17.9244 7.340 1.00000
9 -42.0840 1.000 1.81600 46.63
10 73.2932 0.100 1.00000
11 36.7795 4.691 1.84666 23.78
12 -39.1344 1.214 1.00000
13 -26.1074 1.000 1.81600 46.63
14 -3773.9951 D14 1.00000
15 0.0000 0.500 1.00000 (絞りS)
16 224.1127 2.598 1.69680 55.52
17 -66.2510 0.100 1.00000
18 30.7404 3.300 1.49782 82.56
19 -2017.6973 0.100 1.00000
20 27.5622 1.000 1.84666 23.78
21 16.0865 5.531 1.51680 64.12
22 1640.3102 D22 1.00000
23 -254.1339 1.000 1.81600 46.63
24 15.9374 3.355 1.85026 32.35
25 45.3566 5.500 1.00000
26 -20.8777 1.000 1.81600 46.63
*27 -53.9758 D27 1.00000
28 67.5729 6.000 1.51860 69.89
29 -20.5166 4.000 1.00000
30 47.4864 7.500 1.51742 52.32
31 -20.4408 1.500 1.81600 46.63
32 -56.8501 1.619 1.00000
33 -33.4116 1.000 1.81600 46.63
*34 -130.4172 Bf 1.00000
[非球面データ]
第6面
κ=8.332,A4=1.1402E-06,A6=5.3964E-10,A8=-2.3261E-11,
A10=1.0349E-13,A12=0.0000E+00
第27面
κ=-3.0393,A4=4.0455E-06,A6=-5.4765E-09,A8=2.7129E-11,
A10=0.0000E+00,A12=0.0000E+00
第34面
κ=0.181,A4=-1.3072E-06,A6=5.5840E-09,A8=-8.7610E-11,
A10=2.5603E-13,A12=0.0000E+00
[可変間隔データ]
広角端状態 中間焦点距離状態 望遠端状態
D5 2.325 38.632 62.363
D14 26.770 12.676 1.198
D22 2.836 6.232 7.367
D27 5.530 2.134 1.000
[レンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
G1 1 107.36
G2 6 -16.98
G3 16 25.15
G4 23 -21.73
G5 28 32.44
[条件式対応値]
条件式(1)(−f4)/ft=0.07
条件式(2)f5/(−f4)=1.49
条件式(3)(−f2)/(−f4)=0.78
条件式(4)f1/(−f4)=4.94
条件式(5)f5/ft=0.11
条件式(6)(Bft−Bfw)/f3=1.62
表3に示す諸元の表から、第3実施例に係るズームレンズでは、上記条件式(1)〜(6)を全て満たすことが分かる。
図10(a),(b)は、それぞれ第3実施例に係るズームレンズの広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図及び0.58°の回転ぶれに対してぶれ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。図11は、第3実施例に係るズームレンズの中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。図12(a),(b)は、それぞれ第3実施例に係るズームレンズの望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図及び0.18°の回転ぶれに対してぶれ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。
各収差図から明らかなように、第3実施例では、広角端状態から望遠端状態までの各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することが分かる。
なお、上述の実施形態において、以下に記載の内容は、光学性能を損なわない範囲で適宜採用可能である。
上記実施例では、5群構成を示したが、6群、7群等の他の群構成にも適用可能である。また、最も物体側にレンズまたはレンズ群を追加した構成や、最も像側にレンズまたはレンズ群を追加した構成でも構わない。なお、レンズ群とは、変倍時に変化する空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズを有する部分である。
また、単独又は複数のレンズ群、又は部分レンズ群を光軸方向に移動させて、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群としてもよい。前記合焦レンズ群は、オートフォーカスにも適用でき、オートフォーカス用の(超音波モーター等の)モーター駆動にも適している。特に、第2レンズ群G2の少なくとも一部を合焦レンズ群とするのが好ましい。
また、レンズ群または部分レンズ群を光軸に垂直な方向の成分を持つように移動させ、または、光軸を含む面内方向に回転移動(揺動)させて、手ブレによって生じる像ブレを補正する防振レンズ群としてもよい。なお、移動としては、光軸上のある点を回転中心とした回転移動(揺動)でもよい。特に、第3レンズ群G3又は第4レンズ群G4の少なくとも一部を防振レンズ群とするのが好ましい。
また、レンズ面は、球面または平面で形成されても、非球面で形成されても構わない。レンズ面が球面または平面の場合、レンズ加工及び組立調整が容易になり、加工及び組立調整の誤差による光学性能の劣化を防げるので好ましい。また、像面がずれた場合でも、描写性能の劣化が少ないので好ましい。また、レンズが非球面の場合、非球面は研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に形成したガラスモールド非球面、ガラスの表面に樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれの非球面でも構わない。また、レンズ面は回折面としてもよく、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)あるいはプラスチックレンズとしてもよい。
また、開口絞りSは、第3レンズ群G3又は第4レンズ群G4の近傍に配置されるのが好ましいが、開口絞りとしての部材を設けずに、レンズ枠でその役割を代用してもよい。特に、開口絞りSは、第3レンズ群G3の物体側がより好ましい。
また、各レンズ面に、フレアやゴーストを軽減し、高コントラストの高い光学性能を達成するために、広い波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施してもよい。
なお、本実施形態のズームレンズ(変倍光学系)は、変倍比が5〜18倍であり、より好ましくは8〜12倍である。
また、本実施形態のズームレンズ(変倍光学系)は、第1レンズ群G1が、正のレンズを2つと、負のレンズを1つ有するのが好ましい。第1レンズ群G1は、物体側から順に、負正正の順番にレンズを配置するのが好ましい。
また、本実施形態のズームレンズ(変倍光学系)は、第2レンズ群G2が、正のレンズを1つと、負のレンズを3つ有するのが好ましい。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、負負正負の順番にレンズ成分を空気間隔を介在させて配置するのが好ましい。
また、本実施形態のズームレンズ(変倍光学系)は、第3レンズ群G3が、正のレンズを3つと、負のレンズを1つ有するのが好ましい。また、第3レンズ群G3は、物体側から順に、正正正の順番にレンズ成分を空気間隔を介在させて配置するのが好ましい。
また、本実施形態のズームレンズ(変倍光学系)は、第4レンズ群G4が、正のレンズを1つと、負のレンズを2つ有するのが好ましい。また、第4レンズ群G4は、物体側から順に、負負の順番にレンズ成分を空気間隔を介在させて配置するのが好ましい。
また、本実施形態のズームレンズ(変倍光学系)は、第5レンズ群G5が、正のレンズを2つと、負のレンズを1つ有するのが好ましい。また、第5レンズ群G5は、物体側から順に、正正負の順番にレンズ成分を空気間隔を介在させて配置するのが好ましい。
なお、本発明を分かりやすくするために、実施形態の構成要件を付して説明したが、本発明がこれに限定されるものではないことは言うまでもない。
第1実施例に係るレンズ系の構成及びズーム軌跡を示す図である。 (a),(b)は、それぞれ第1実施例に係るズームレンズの広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図及び0.58°の回転ぶれに対してぶれ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。 第1実施例に係るズームレンズの中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。 (a)(b)は、それぞれ第1実施例に係るズームレンズの望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図,0.18°の回転ぶれに対してぶれ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。 第2実施例に係るレンズ系の構成及びズーム軌跡を示す図である。 (a),(b)は、それぞれ第2実施例に係るズームレンズの広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図及び0.58°の回転ぶれに対してぶれ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。 第2実施例に係るズームレンズの中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。 (a),(b)は、それぞれ第2実施例に係るズームレンズの望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図,0.18°の回転ぶれに対してぶれ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。 第3実施例に係るレンズ系の構成及びズーム軌跡を示す図である。 (a),(b)は、それぞれ第3実施例に係るズームレンズの広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図及び0.58°の回転ぶれに対してぶれ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。 第3実施例に係るズームレンズの中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。 (a),(b)は、それぞれ第3実施例に係るズームレンズの望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図,0.18°の回転ぶれに対してぶれ補正を行った際のメリディオナル横収差図である。 上記構成のズームレンズを撮影レンズとして備えたデジタル一眼レフカメラCAM(光学機器)の略断面図である。
符号の説明
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
GA 第4Aレンズ群
GB 第4Bレンズ群
G5 第5レンズ群
S 開口絞り
I 像面
CAM デジタル一眼レフカメラ

Claims (16)

  1. 物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、負の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群とにより実質的に5個のレンズ群からなり、
    前記第4レンズ群の少なくとも一部のレンズ群を光軸と直交方向の成分を持つように移動させることにより手ぶれ発生時の像面補正を行う手振れ補正機構を有し
    広角端状態から望遠端状態への変倍に際して各レンズ群の間隔が変化し、
    前記第4レンズ群の焦点距離をf4とし、レンズ全系の望遠端状態における焦点距離をftとし、前記第5レンズ群の焦点距離をf5としたとき、次式
    0.01<(−f4)/ft≦0.07
    1.49≦f5/(−f4)<3.50
    の条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
  2. 物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、負の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群とにより実質的に5個のレンズ群からなり、
    前記第4レンズ群の少なくとも一部のレンズ群を光軸と直交方向の成分を持つように移動させることにより手ぶれ発生時の像面補正を行う手振れ補正機構を有し
    広角端状態から望遠端状態への変倍に際して各レンズ群の間隔が変化し、
    前記第3レンズ群は、少なくとも3つの正の屈折力を有するレンズ群を含み、
    前記第4レンズ群の焦点距離をf4とし、レンズ全系の望遠端状態における焦点距離をftとし、前記第2レンズ群の焦点距離をf2としたとき、次式
    0.01<(−f4)/ft<0.20
    0.45<(−f2)/(−f4)≦0.78
    の条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
  3. 前記第2レンズ群の焦点距離をf2とし、前記第4レンズ群の焦点距離をf4としたとき、次式
    0.45<(−f2)/(−f4)<1.25
    の条件を満足することを特徴とする請求項に記載のズームレンズ。
  4. 前記第5レンズ群の焦点距離をf5とし、前記第4レンズ群の焦点距離をf4としたとき、次式
    0.80<f5/(−f4)<3.50
    の条件を満足することを特徴とする請求項に記載のズームレンズ。
  5. 前記第3レンズ群は、少なくとも3つの正の屈折力を有するレンズ群を含むことを特徴とする請求項に記載のズームレンズ。
  6. 前記第1レンズ群の焦点距離をf1とし、前記第4レンズ群の焦点距離をf4としたとき、次式
    3.45<f1/(−f4)<6.00
    の条件を満足することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のズームレンズ。
  7. 前記第4レンズ群は、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有するレンズ群GAと、負の屈折力を有するレンズ群GBとを有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のズームレンズ。
  8. 前記レンズ群GBは、少なくとも1つの非球面を有することを特徴とする請求項に記載のズームレンズ。
  9. 前記第4レンズ群は、接合レンズを有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のズームレンズ。
  10. 広角端状態から望遠端状態への変倍に際し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔は増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔は減少し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔は増大し、前記第4レンズ群と前記第5レンズ群との間隔は減少することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のズームレンズ。
  11. 前記第5レンズ群の焦点距離をf5とし、レンズ全系の望遠端状態における焦点距離をftとしたとき、次式
    0.05<f5/ft<0.35
    の条件を満足することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のズームレンズ。
  12. 前記第5レンズ群は、少なくとも正屈折力の2つのレンズ群と、負屈折力のレンズ群とを有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のズームレンズ。
  13. 前記第5レンズ群は、少なくとも1つの接合レンズを含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のズームレンズ。
  14. 望遠端状態におけるバックフォーカスをBftとし、広角端状態におけるバックフォーカスをBfwとし、前記第3レンズ群の焦点距離をf3としたとき、次式
    1.35<(Bft−Bfw)/f3<1.80
    の条件を満足することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載のズームレンズ。
  15. 前記第2レンズ群は、少なくとも非球面を有することを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載のズームレンズ。
  16. 請求項1〜15のいずれか一項に記載のズームレンズを有することを特徴とする光学機器。
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