JP4650376B2 - 車両用差動装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の実施の形態に係る車両用差動装置を説明するために示す分解斜視図である。図2は、本発明の実施の形態に係る車両用差動装置を説明するために示す縦断面図である。図3は、本発明の実施の形態に係る車両用差動装置を説明するために示す横断面図である。図4は、本発明の実施の形態に係る車両用差動装置のピニオンギヤの組付状態を示す斜視図である。図5は、本発明の実施の形態に係る車両用差動装置のピニオンギヤの組付状態をデフケースの回転軸線と直角に切断して示す断面図である。図6は、本発明の実施の形態に係る車両用差動装置のピニオンギヤの組付状態をデフケースの回転軸線と平行に切断して示す断面図である。図6(a)は全体を、図6(b)は一部をそれぞれ示す。図7は、本発明の実施の形態に係る車両用差動装置のデフケースを示す斜視図である。図8は、本発明の実施の形態に係る車両用差動装置のデフケースの潤滑油導入部を説明するために示す断面図である。図9は、本発明の実施の形態に係る車両用差動装置のデフケースの潤滑油貯溜部を説明するために示す断面図である。図10は、本発明の実施の形態に係る車両用差動装置のピニオンギヤを説明するために示す斜視図である。図10(a)はピニオンギヤを斜め上方から見た状態を、また図10(b)はピニオンギヤを斜め下方から見た状態をそれぞれ示す。図11は、本発明の実施の形態に係る車両用差動装置のサイドギヤと車軸の連結状態を示す断面図である。図12は、本発明の実施の形態に係る車両用差動装置の車軸移動規制部材を説明するために示す斜視図である。図13は、本発明の実施の形態に係る車両用差動装置の潤滑油供給動作を説明するために示す断面図である。
図1〜図3において、符号1で示す車両用差動装置は、エンジントルクを受けて回転するデフケース2と、このデフケース2の回転軸線Oと直角な軸線方向に沿って互いに並列する上下2つのピニオンギヤ3,4と、これら上下2つのピニオンギヤ3,4に噛合する左右2つのサイドギヤ5L,5Rと、これら左右2つのサイドギヤ5L,5Rの背面側に位置するスラストワッシャ6L,6Rとから大略構成されている。
デフケース2は、図2及び図5・図6に示すように、ピニオンギヤ3,4及びサイドギヤ5L,5R・スラストワッシャ6L,6Rを収容するための空間部2Aと、この空間部2Aに連通する膨出部2Bと、ピニオンギヤ3,4の摺動面(後述する基端部Bの第1被支持部3a,4a及びギヤ部Cの第2被支持部3b,4b)とピニオンギヤ支持部10,11のピニオンギヤ支持面(後述するピニオンギヤ背面孔10A,11Aのピニオンギヤ支持面10a,11a及び延出部10B,11Bのピニオンギヤ支持面10b,11b)との間に潤滑油を導入する潤滑油導入部7,8と、ピニオンギア3,4の摺動面に潤滑油を供給する潤滑油貯溜部30とを内部に有し、全体が1ピースの部材によって形成されている。
ピニオンギヤ3,4は、略同一の構成であるため、例えばピニオンギヤ3のみについて説明すると、ピニオンギヤ3は、図10(a)及び(b)に示すように所定の外径をもつ周面を有する基端部B及び円周方向に交互に並列する凸歯C1と歯溝C2を有するギヤ部Cがその外周部に形成された略円柱状のシャフトレス型の歯車からなり、図5に示すようにピニオンギヤ背面孔10Aのピニオンギヤ支持面10a及び延出部10B,11Bのピニオンギヤ支持面10b,11bに回転自在に支持されている。
サイドギヤ5L,5Rは、図2に示すように、各外径が互いに異なるボス部5La,5Ra及びギヤ部5Lb,5Rbを有する略環状の歯車(ピニオンギヤ3,4の外径より大きい外径を有し、単一の歯先円錐角をもつ傘歯車)からなり、デフケース2内に回転自在に支持され、ピニオンギヤ3,4に噛合するように構成されている。サイドギヤ5L,5Rの歯数は、ピニオンギヤ3,4の歯数の2.1倍以上の歯数(例えばピニオンギヤ3,4の歯数7に対しサイドギヤ5L,5Rの歯数15)に設定されている。サイドギヤ5L,5Rの外径は、ピニオンギヤ3,4の外径及び延出部10B,11B間の寸法より大きい寸法に設定されている。
スラストワッシャ6L,6Rは、図1〜図3に示すように、サイドギヤ5L,5Rのスラスト力を受けるワッシャ本体6La,6Raを有する環状のワッシャからなり、サイドギヤ5L,5Rの背面とスラストワッシャ受部9Lc,9Rcとの間に介装されている。そして、サイドギヤ5L,5Rとピニオンギヤ3,4との噛み合いを調整するように構成されている。スラストワッシャ6L,6Rの外周縁には、円周方向に等間隔をもって並列する塑性変形可能な略杓文字状の係止片26,27が一体に設けられている。
先ず、車両のエンジン側からのトルクがドライブピニオン及びリングギヤを介してデフケース2に入力されると、デフケース2が回転軸線Oの回りに回転される。次に、デフケース2が回転されると、この回転力がピニオンギヤ3,4に伝達され、さらにピニオンギヤ3,4からサイドギヤ5L,5Rに伝達される。この場合、左右のサイドギヤ5L,5Rにはそれぞれ車軸29がスプライン嵌合されているため、エンジン側からのトルクがドライブピニオン及びリングギヤ・デフケース2・ピニオンギヤ3,4・サイドギヤ5L,5Rを介して左右の車軸29に伝達される。また、デフケース2が回転されると、次の(1)〜(4)に示すようにピニオンギヤ3,4及びピニオンギヤ支持部10,11が潤滑される。
サイドギヤ通過孔12L,12Rからピニオンギヤ3,4をデフケース2内に挿入した後、その摺動部3B,4Bがピニオンギヤ受部m,nに当接するまでピニオンギヤ支持部10,11に支持する。この場合、ピニオンギヤ3,4はピニオンギヤ支持部10,11内に支持されると、デフケース2内の所定の位置に組み込まれる。
サイドギヤ5L,5Rをスラストワッシャ受部9Lc,9Rcに沿って互いに異なる方向からそれぞれ摺動させながらサイドギヤ通過孔12L,12Rからデフケース2内に挿入し、そのギヤ軸線を回転軸線Oに合致させる。この場合、サイドギヤ5L,5Rは、回転軸線Oに合致すると、デフケース2内に組み込まれる。
スラストワッシャ受部9Lc,9Rcとサイドギヤ5L,5Rとの間の軸線方向寸法を調整しながら、サイドギヤ5L,5Rの摺動部5La,5Raと車軸挿入孔9L,9Rのスラストワッシャ受部9Lc,9Rcとの間にスラストワッシャ6L,6Rを介装した後、係止片26,27を塑性変形させてサイドギヤ5L,5Rの外周部に係止する。この場合、スラストワッシャ6L,6Rがサイドギヤ5L,5Rとスラストワッシャ受部9Lc,9Rcとの間に介装されると、サイドギヤ5L,5Rとピニオンギヤ3,4とが噛み合わされる。また、サイドギヤ5L,5Rと車軸29との連結(スプライン嵌合)を円滑かつ確実に実行するために、ピニオンギヤ3,4とサイドギヤ5L,5Rとの噛み合わせにあたり、左右両サイドギヤ5L,5R間にアクスルスペーサ23を介装する。
以上説明した実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
Claims (5)
- 複数のピニオンギヤ支持部を内部に有するデフケースと、
前記複数のピニオンギヤ支持部に摺動自在に支持された複数のピニオンギヤと、
車軸が挿通される車軸挿入孔を有し、前記複数のピニオンギヤに噛合する1対のサイドギヤと、
前記1対のサイドギヤ間に介装され、前記1対のサイドギヤの車軸挿入孔から前記複数のピニオンギヤへ潤滑油を導入する切り欠きを有する略円柱状の車軸移動規制部材と
を備え、
前記車軸移動規制部材は、
その軸線に平行となるように形成された切り欠き面を有し、前記1対のサイドギヤの車軸挿入孔に連通する切り欠きと、
前記車軸の先端面が係合する係合面を底面として有し、周方向の一部が前記切り欠きに開口した凹部とを備え、
前記車軸挿入孔と前記車軸との間に流入した潤滑油が前記車軸移動規制部材の前記凹部及び前記切り欠きを介して前記ピニオンギヤ支持部に供給されるように構成されたことを特徴とする車両用差動装置。 - 前記1対のサイドギヤは、前記車軸挿入孔の内面に左右の車軸をそれぞれスプライン嵌合するスプライン嵌合部を有し、
前記スプライン嵌合部は、前記左右の車軸との間に前記切り欠きの内部に連通する潤滑油供給路を有する請求項1に記載の車両用差動装置。 - 前記潤滑油供給路は、前記スプライン嵌合部に欠歯による空間を形成することにより前記1対のサイドギヤと前記左右の車軸との間に設けられている請求項2に記載の車両用差動装置。
- 前記複数のピニオンギヤは、それぞれシャフトレス型のピニオンギヤである請求項1に記載の車両用差動装置。
- 前記複数のピニオンギヤ支持部は、前記複数のピニオンギヤの少なくともギヤ噛み合い部の一部を摺動自在に支持する部位が前記デフケースの内面にその回転軸線側に延出して設けられている請求項1に記載の車両用差動装置。
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