JP3778935B2 - 4分の1波長吸音装置 - Google Patents
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Description
本発明は、請求項1のプレアンブル(前提部分)に記載された吸音装置に係り、特に、異なる長さを有するのが好適である複数の管状共鳴器を有して構成される乗り物(vehicle)用吸音装置に関する。
現在、自動車産業界においては、乗り物から発生する騒音(ノイズ)を低減あるいは完全に除去することを目的として開発が進められている。今日、繊維状絶縁材料から形成されたマットあるいは開放孔部を有する発泡体が、吸音を目的として使用され、騒音源の周辺部または近傍部に取り付けられている。しかし、例えばドイツ特許DE-34,28,157号明細書に記載されるように、上記の開放孔部を有する吸音装置をエンジンスペース内で使用すると、吸音装置が、オイル、水、塵埃、および他の不純物により汚染されて、その音響的効果が急速に低下するという問題があることが判明している。
例えば、ドイツ特許DE-40,11,705号、DE-42,41,518号、またはDE-43,05,281号明細書には、多数のヘルムホルツ共鳴器を有して構成され、オイルおよび水に対する耐久性を備えた構造が、既に提案されている。これらの周知の構造は、ホールまたはネック(くびれ)を備えたボックス状の中空体から構成されている。中空体の容積、およびホールまたはネックの大きさにより、吸音装置の共鳴周波数が決定される。これら周知の構造は、実質的に1kHzから2kHzの周波数領域に対応するように設計され、ボンネット裏、車輪ケース内、またはフロア上に取り付けることが可能である。
さらに、望ましくないことに、上記の構造は大きなスペースを占有するので、設置スペースを確保できない場合には、上記の構造を使用することができない。
上記の種類の吸音装置を実際に使用する際には、ボックス状の中空体が軽量であること、すなわち中空体の壁部が非常に薄く形成される必要がある。しかし、上記の薄い壁部を備えた中空体は、音圧変動の結果として変形し、これにより、共鳴器のクオリティ・ファクタ(quality factor)が制限される。吸音装置の効率を決定する上で、クオリティ・ファクタは重要な要素となるので、上記の軽量構造が使用される場合には、吸音装置の音響的効率に低下が生じることを常に許容する必要がある。また、それぞれの中空体の幾何的大きさにより、音を拾う開口部の数が制限されるから、上記の吸音装置の音響的効率は、根本的に制限を受ける。通常、上記の中空体は、15×15mm2から60×60mm2のベースエリアおよび5mmから25mmの全体的高さを有しており、ホールは、4mmから11mmの直径を有している。このようなヘルムホルツ共鳴器が使用される際には、クオリティ・ファクタQに比例して音を拾う開口部エリアは、音波に対して露出される全エリアの多くても2.5%から4%にしかならないので、干渉する音場(sound field)に対して、限られた面積にしか上記のヘルムホルツ共鳴器を連結することができない。さらに、上記のヘルムホルツ吸音装置が乗り物のフロア上に設置される場合には、開口部が上方を向くので、水分または塵埃により孔部が容易に充填され、吸音効果が低下される。
ドイツ特許DE-39,13,347号明細書には、多数のセル状孔部を有する絶縁部品が開示されている。これらの孔部は、互いに近接して配置され、一方が開放されている。この絶縁部品を用いることで、乱反射、材料内への吸収、および干渉効果により、入射する音場のエネルギが実質的に消滅させられる。しかし、これらの絶縁部品は、容易に汚れ、また固有の安定性を欠くことで急速に損耗するから、これらの絶縁部品も、同様に、自動車等の構造内の限定した範囲でのみの使用に適している。
英国特許GB-2,090,334号明細書には、ターボファン・エンジン(turbofan engine)内の空力学的振動を減衰させるための減衰構造が開示されており、この減衰構造内においては、多数の管状の共鳴器が使用されている。これら管状の共鳴器の長さは、この長さが振動波長の4分の1の長さとなるように設定される。この方法により、これらの共鳴器の開口領域内の圧力変動の部分的削減が実現される。しかし、この特許明細書に記載された減衰構造では、それぞれの共鳴器の開口部に対応する相互作用領域が、互いに影響を及ぼし合うことが考慮に入れられておらず、この構造においては、意図された効果を上げることができない。
それゆえ、本発明は、公知の吸音装置における上記の欠点を解消する吸音装置を提供すること、特に、軽量の構造を有して、ひどく汚される環境下においても吸音効果が維持され、良好な吸音効率を有するコンパクトな吸音装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、上記の目的は、請求項1に記載された特徴を備えた吸音装置、すなわち、好ましくは異なる長さの複数の管状共鳴器を有して構成される吸音装置により達成される。これらの管状共鳴器には、音反射面に隣接する(包含される)少なくとも1つの音開口部が設けられている。管状共鳴器は、音反射面に対して任意の位置をとることができる。特に、共鳴器を音反射面上に載せることが可能である。
波面が音反射面に入射した場合には、音圧最大部が、波面の前側に形成される。この音圧最大部は、その部位において、入射波と反射波とが重ね合わせられることで生成される。本発明による構造では、管の開口部は、音反射面上に設けられる。これにより、入射音波は、管内部へ侵入し、管端部で反射され、そして開口部まで戻る。この際、管の長さの4倍の波長を有する音波は、開口部において、半波長の位相ずれを生じる。これにより、管内の波と、管の開口部領域で反射する同波長の波との間で弱め合う干渉が生じる。この際、管内に生じる定常波は、開口部において音圧最小部を有し、一方開口部領域で反射される波は開口部領域において音圧最大部を有する。これにより、開口部領域において急峻な音圧勾配が形成されて、局所的に高速の気流が発生し、音響エネルギが消散される。
上記の技術的知識から、4分の1波長管を任意の望ましい方向に配置可能であるとともに、必ずしも直線的に形成する必要のないことは明らかである。さらに、これらの管の断面は、任意の望ましい形状に形成することが可能である。当業者には、管の長さを、選択された管形状および共鳴周波数に適応させ得ることが明らかである。しかし、ここでは説明の簡単のために、当業者は、実質的に一定の断面積を有する形状を選択するものと想定する。
本発明を効果的に機能させるためには、弱め合う干渉が生じる領域の編成が重要な事項となる。このような領域は、相互作用領域AWと称され、相互作用領域の大きさは、対応する音開口領域(sound orifice area)AOおよびクオリティ・ファクタQに関連付けられる。実際、音開口領域AOに対する相互作用領域AWの面積比は、クオリティ・ファクタQに比例する。
Q=k・AW/AO
それゆえ、本発明の実施の形態は、それぞれの相互作用領域ができる限り表面全体を覆うように配分されると同時に、それぞれの相互作用領域が実質的に重ならないようにすることを目的とする。相互作用領域に重なりが生じると、上記の音圧勾配が減少し、これにより、吸音効果を生じさせる局所的気流が低減する。相互作用領域によりできる限り表面全体を覆うように、相互作用領域AWの音響的に効果的な配置を実現するためには、管状共鳴器の開口部は、二等辺三角形からなる仮想ネットの頂点上にそれぞれ配置されるのが好適である。広い周波数帯域にわたっての吸音が望まれる場合には、異なる周波数に対応するように調整された複数の管状吸音器からなるグループを、互いに複雑に組み合わせることが可能である。また、特定の適用対象に関しては、本発明による4分の1波長吸音装置を従来式の吸音装置と組み合わせることで、非常に効果的となる場合がある。
好適な適用分野においては、それぞれの管状共鳴器は、1kHzから2kHzの範囲の音場に対応するように設定される。この周波数帯域は、4分の1波長を基準にすると、80mmから40mmの長さとなる。開口部領域内で反射する波面に対して半波長の位相ずれを有するとともに同じ波長を有し、反射する波面と弱め合う干渉を生じさせる定常波が、上記の4分の1波長共鳴器内で生成される。乗り物に特有の騒音スペクトラムの効果的な吸音を可能とするためには、本発明による4分の1波長吸音装置は、異なる長さの管状共鳴器からなる少なくとも1つの管状共鳴器のグループを有している必要がある。この際、音開口部が、管状共鳴器の端面部に形成されるか、あるいは側面部に形成されるかは、重要な問題ではない。
好適な実施の形態においては、それぞれの共鳴器が、面の上側に配置される。また、上記の構造の効率は、実質的に、共鳴器の空洞部を形成する材料の音反射特性にも基づいて決定される。ソフトで柔軟性を有する材料は、反射の際の損失を導くので、上記の吸音構造に対しては悪影響を及ぼす。それゆえ、本発明による共鳴器の形成に関しては、気密で、滑らかで、音響的に固い(ハードな)材料のみ、すなわち良好な音反射特性を有する材料が好適であることが明らかである。
本発明の特別の実施の形態においては、4分の1波長共鳴器が、金属製プレートあるいはプラスチック製シートから形成される。共鳴器を集合的に配置するのに際して、共鳴器をタイル状に乗り物に張り付けることが可能である。さらに、これらの共鳴器は、汚れた水またはオイルが、内部に溜まらないように、すなわち再び直接的に流出可能となるように、方向付けられて配置される。本発明による上記の吸音装置は、周知の方法で組み付けることが可能である。また、音響的に固い吸音装置を取り付けることで、付加的に、振動する傾向がある乗り物の部品が補強(剛性化)されるとともに、その振動が減衰される。
本発明の他の実施の形態においては、共鳴器の空洞部が、音響的に固い母材、好ましくはプラスチック、金属、またはセラミックからなる軽量の母材から直接的に形成される。
当業者には明らかであるように、本発明により、全体的な高さが低く、特定の周波数に対して正確に設定できる軽量の吸音装置が提供されるという利点が生じる。また、本発明による吸音装置は、ひどい汚れに晒される環境下においても使用可能であるとともに、水分による影響を受けにくく、さらに経済的に(安価に)製造することが可能である。このような特性は、乗り物の構造内において特に有効であることが判明している。これらの吸音装置は、乗り物のシャーシとともに塗料バス(paint bath)内に浸すことが可能である。この際、吸音装置は、汚されることもなければ損傷されることもない。
次の図面を参照して、以下に、幾つかの実施の形態を基にして、本発明が詳細に説明される。
図1aから図1dは、本発明における管状吸音器(共鳴器)と音反射面との配置関係を示す図である。
図2は、本発明による吸音装置のハニカム状の実施の形態を示す図である。
図3a,図3bは、本発明による装置の平坦な実施の形態を示す図である。
図4a,図4bは、本発明による装置のタイル状(ブロック状)の実施の形態を示す図である。
図5は、異なる長さの共鳴器の好適な配置を示す図である。
図1aから図1dには、音反射面Aに対する共鳴器の基本的配置が示されている。図1aにおいては、4分の1波長共鳴器が、音反射面Aに対して垂直に配置されている。共鳴器の開口部AOは、面A上に位置している。音反射面Aから開口部AOが突出する量に応じて、吸音効率が低下することを、実験的に示すことが可能である。しかし、本発明においては、共鳴器3を音反射面Aに対して、傾けるか、あるいは平行に配置することが可能である。これにより、共鳴器全体の設計厚さを減少させることが可能となる。このような構造を用いることで、製造方法が簡単になり、さらに、このような構造は、モジュール式構造部品として使用するのに好適である。また、それぞれの共鳴器3の長さおよび直径は、望ましい吸音特性に対して、簡単な方法で変更することが可能である。好適な実施の形態が、図1cに示されている。この実施の形態では、共鳴器3が音反射面Aに対して平行に配置されている。このような構造は、本発明に基づいて機能して、相互作用領域AWに強い気流を生じさせる。図1dに示される構造は、図1cに示された構造に類似するが、実際的には製造するのがより容易である。共鳴器3の音開口部AOは、図1cに示されるように、共鳴器の端面部に配置されることもあれば、図1dに示されるように、管状の共鳴器3の側面部に配置されることもある。
共鳴器3の断面は、勿論、任意の望ましい形状をとることが可能である。さらに、共鳴器3は、必ずしも直線的である必要はなく、湾曲するように形成することも可能である。
図2は、本発明による吸音器の単純な実施の形態を示す平面図である。グループをなす複数の共鳴器10は、端面部13または基底部15のいずれかに音開口部を備えた直線的な中空の形態を有している。ハニカム状の基本面12は、面を覆うようにコーティングすることが可能である。約100mmの幅を有するこの実施の形態においては、それぞれの共鳴器10は、約43mmから約84mmの長さを有する。すなわち、それぞれの共鳴器は、1kHzから2kHzの周波数に対応するように形成される。このような4分の1波長吸音器は、例えば固くて滑らかなプラスチックシートまたは金属製プレートから製造可能である。
図3aには、押出成形により形成されたプラスチック部材16からなるボックス状の実施の形態が示されている。この実施の形態においては、それぞれの共鳴器10の断面形状は、おおよそ長方形となる。音響的に有効な開口部17は、側面部に形成されている。この実施の形態においては、共鳴器10の端壁部18は、望ましい方法により移動可能となっている。これにより、吸音効率の最適化が可能となる。勿論、図3aに示された4分の1波長吸音装置を複数層に積み重ねることも可能である。
図3bには、実質的に2つの構造部材7,9から構成される複数の共鳴器からなる実施の形態が示されている。第1の構造部材7は、好ましくはアルミニウムから形成され、互いに平行な複数のリブ8を有して構成されている。この構造部材7は、アルミニウム発泡体またはアルミニウムプレートから直接的に形成することが可能である。第1の構造部材7のリブ8は、アルミニウムが好適であるシートまたはプレートからなる第2の構造部材9によりカバーされ、これにより、本発明に基づいた中空体6が形成される。開口部5は、第2の構造部材9に穿設することが可能である。簡単な製造方法においては、構造部材7および9が接合された後に、第2の構造部材9の一部が、中空体6内へ押し込まれ、これにより、共鳴器の開口部5が形成されると同時に、それぞれの共鳴器6間に端壁部4が形成される。しかし、端壁部4は、第1の構造部材7内に直接的に形成することも可能である。このような実施の形態は、特定の望ましい外形(輪郭)に容易に適応させることができるの、経済的である。さらに、第1の構造部材7内にリブおよび端壁部を形成することで、高い機械的剛性が得られるので、比較的薄い材料により、望ましい音響的固さを実現することが可能となる。
図4aには、本発明による4分の1波長吸音装置のさらにモジュール化された実施の形態が示されている。この実施の形態は、管状の共鳴器27がその内部に形成されたブロック状コンポーネント25から構成されている。管状の共鳴器は、ドリルにより逐次的に穿設することもできれば、適切な射出成形プロセスを用いて一体的に形成することも可能である。好適な実施の形態においては、共鳴器27の空洞部はブロック体に平行に形成され、これらのブロック25は、組み立ての際に屋根瓦を積み重ねるのと同様の方法で積み重ねられ、互いに固定される。管状の共鳴器27の大きさ等の最適な設定は、当業者の設計作業の範囲内のものである。これらの4分の1波長吸音装置のブロックを製造するために、種々の音響的に固い材料を使用することが可能である。それゆえ、硬質プラスチック、アルミニウム発泡体が好適である開放孔部または閉塞孔部を備えた発泡体、アルミニウムシートが好適であるコーティングされた紙またはシート等の軽量材料を、乗り物の構造に対して用いることが好適である。また、ビルディングあるいは道路等の他の適用分野に関しては、共鳴器内に滑らかで音響的に固い面が形成されている限りにおいて、従来から使用されている材料を使用することは勿論可能である。
図4bで示される、上記の実施の形態の変形例においては、共鳴器27は、ブロック体に対して傾いて形成されている。また、それぞれの共鳴器の方向は、勿論お互いに異なるように設定することが可能である。
図5には、長さの異なる複数の共鳴器の分布が、概略的に示されている。それぞれの共鳴器の音開口部21,22,23,24は、二等辺三角形を基礎とした仮想ネットの節点上に配置されている。図5に示されるように、このような形態を有することで、特定の波長に対応するように設計された4分の1波長吸音装置の相互作用領域AWは実質的に重ならず、特定の波長に対応する相互作用領域AWが面全体にわたって配置されることが実現される。
上記の作用効果に関する説明を基にして、当業者であれば、多くの異なる実施の形態および異なる適用分野を考察できるのは明らかである。外部への乗り物の騒音の低減は重要な問題であり、この騒音の低減のために、当業者により、騒音発生ユニットの近傍、特にエンジンおよびギヤ周りに、吸音装置が直接的に配置される。最も高く、それゆえ最も問題となる1kHzから2kHzの周波数範囲の音圧が、これらのユニットから発生される。音伝搬速度として340m/sの数値を用いるとすれば、吸音装置における4分の1波長の共鳴器は、85mm−42.5mmの長さを有する。この長さの範囲を有し、0.25cm2から2cm2の断面積を有する共鳴器のグループは、プラスチック製または金属製のシートに半円柱状の凹部が形成されるようにこれらのシートを変形(成形)し、この変形されたシートを、支持層または支持プレートに、取り付けるかまたは接着剤を用いて接合することで、経済的に製造することが可能である。このように形成された共鳴器は、湾曲した表面が固有の剛性を有することで、薄いシートが使用された場合でも、音響的な固さを有し、共鳴器として高いクオリティ・ファクタを備える。
乗り物における音響効果に関連して、別の重要な問題として、乗り物の部品から発生される内部騒音の低減が上げられる。内部騒音を低減させるために、本発明による共鳴器または管状の凹部を備えた上記のシートを、パネルまたは例えばトラックの屋根の内面部に接着剤を用いて接合することが可能である。さらに、4分の1波長共鳴器シートは、補強(剛性化)効果を有するとともに、接着剤を適切に選択することで、振動減衰効果をも有する。
乗り物の構造の特別の技術的問題として、シャーシの特定の構造に起因する空洞部に関するものが上げられる。特に、ドアにおける金属パネルとクラッディング(cladding)との間の空洞部が着目される。この領域においては、本発明による4分の1波長吸音シートを、ドアパネルおよびドアクラッディングの両方に取り付けることが可能である。吸音シートが接着剤によりドアパネルに接合されると、この場合においても補強効果および振動減衰効果を得ることが可能となる。
本発明による吸音装置は上記のような構造を有するので、本発明による吸音装置は、吸収されるべき問題となる騒音が限定された周波数範囲内で生じる場合に使用するのが特に好適である。特に、定速度で駆動されるギヤおよび歯付きベルト、ファンの送風機、電動機、または航空機のプロペラエンジン等は、狭い周波数範囲に限定された騒音源となっている。
高速道路の側部に沿って立設されている音絶縁壁(sound-insulating wall)に対して、本発明による吸音装置を使用することに関し、ここで簡単に説明する。この目的のためには、押出成形されたプレートまたはモジュール状のブロックを用いた実施の形態が特に好適である。また、トンネル内の吸音ライニング(sound-absorbing lining)に対しても、本発明による吸音装置を同様に使用することが可能である。また、本発明による吸音装置の使用に関しては、乗り物の分野での使用に限定することが意図されるものではないことが、明らかであろう。それゆえ、本発明による吸音装置は、室内水泳プール、スポーツホール、工場等の内部において、壁部あるいは天井のクラッディングとして使用することが可能である。
現在、自動車産業界においては、乗り物から発生する騒音(ノイズ)を低減あるいは完全に除去することを目的として開発が進められている。今日、繊維状絶縁材料から形成されたマットあるいは開放孔部を有する発泡体が、吸音を目的として使用され、騒音源の周辺部または近傍部に取り付けられている。しかし、例えばドイツ特許DE-34,28,157号明細書に記載されるように、上記の開放孔部を有する吸音装置をエンジンスペース内で使用すると、吸音装置が、オイル、水、塵埃、および他の不純物により汚染されて、その音響的効果が急速に低下するという問題があることが判明している。
例えば、ドイツ特許DE-40,11,705号、DE-42,41,518号、またはDE-43,05,281号明細書には、多数のヘルムホルツ共鳴器を有して構成され、オイルおよび水に対する耐久性を備えた構造が、既に提案されている。これらの周知の構造は、ホールまたはネック(くびれ)を備えたボックス状の中空体から構成されている。中空体の容積、およびホールまたはネックの大きさにより、吸音装置の共鳴周波数が決定される。これら周知の構造は、実質的に1kHzから2kHzの周波数領域に対応するように設計され、ボンネット裏、車輪ケース内、またはフロア上に取り付けることが可能である。
さらに、望ましくないことに、上記の構造は大きなスペースを占有するので、設置スペースを確保できない場合には、上記の構造を使用することができない。
上記の種類の吸音装置を実際に使用する際には、ボックス状の中空体が軽量であること、すなわち中空体の壁部が非常に薄く形成される必要がある。しかし、上記の薄い壁部を備えた中空体は、音圧変動の結果として変形し、これにより、共鳴器のクオリティ・ファクタ(quality factor)が制限される。吸音装置の効率を決定する上で、クオリティ・ファクタは重要な要素となるので、上記の軽量構造が使用される場合には、吸音装置の音響的効率に低下が生じることを常に許容する必要がある。また、それぞれの中空体の幾何的大きさにより、音を拾う開口部の数が制限されるから、上記の吸音装置の音響的効率は、根本的に制限を受ける。通常、上記の中空体は、15×15mm2から60×60mm2のベースエリアおよび5mmから25mmの全体的高さを有しており、ホールは、4mmから11mmの直径を有している。このようなヘルムホルツ共鳴器が使用される際には、クオリティ・ファクタQに比例して音を拾う開口部エリアは、音波に対して露出される全エリアの多くても2.5%から4%にしかならないので、干渉する音場(sound field)に対して、限られた面積にしか上記のヘルムホルツ共鳴器を連結することができない。さらに、上記のヘルムホルツ吸音装置が乗り物のフロア上に設置される場合には、開口部が上方を向くので、水分または塵埃により孔部が容易に充填され、吸音効果が低下される。
ドイツ特許DE-39,13,347号明細書には、多数のセル状孔部を有する絶縁部品が開示されている。これらの孔部は、互いに近接して配置され、一方が開放されている。この絶縁部品を用いることで、乱反射、材料内への吸収、および干渉効果により、入射する音場のエネルギが実質的に消滅させられる。しかし、これらの絶縁部品は、容易に汚れ、また固有の安定性を欠くことで急速に損耗するから、これらの絶縁部品も、同様に、自動車等の構造内の限定した範囲でのみの使用に適している。
英国特許GB-2,090,334号明細書には、ターボファン・エンジン(turbofan engine)内の空力学的振動を減衰させるための減衰構造が開示されており、この減衰構造内においては、多数の管状の共鳴器が使用されている。これら管状の共鳴器の長さは、この長さが振動波長の4分の1の長さとなるように設定される。この方法により、これらの共鳴器の開口領域内の圧力変動の部分的削減が実現される。しかし、この特許明細書に記載された減衰構造では、それぞれの共鳴器の開口部に対応する相互作用領域が、互いに影響を及ぼし合うことが考慮に入れられておらず、この構造においては、意図された効果を上げることができない。
それゆえ、本発明は、公知の吸音装置における上記の欠点を解消する吸音装置を提供すること、特に、軽量の構造を有して、ひどく汚される環境下においても吸音効果が維持され、良好な吸音効率を有するコンパクトな吸音装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、上記の目的は、請求項1に記載された特徴を備えた吸音装置、すなわち、好ましくは異なる長さの複数の管状共鳴器を有して構成される吸音装置により達成される。これらの管状共鳴器には、音反射面に隣接する(包含される)少なくとも1つの音開口部が設けられている。管状共鳴器は、音反射面に対して任意の位置をとることができる。特に、共鳴器を音反射面上に載せることが可能である。
波面が音反射面に入射した場合には、音圧最大部が、波面の前側に形成される。この音圧最大部は、その部位において、入射波と反射波とが重ね合わせられることで生成される。本発明による構造では、管の開口部は、音反射面上に設けられる。これにより、入射音波は、管内部へ侵入し、管端部で反射され、そして開口部まで戻る。この際、管の長さの4倍の波長を有する音波は、開口部において、半波長の位相ずれを生じる。これにより、管内の波と、管の開口部領域で反射する同波長の波との間で弱め合う干渉が生じる。この際、管内に生じる定常波は、開口部において音圧最小部を有し、一方開口部領域で反射される波は開口部領域において音圧最大部を有する。これにより、開口部領域において急峻な音圧勾配が形成されて、局所的に高速の気流が発生し、音響エネルギが消散される。
上記の技術的知識から、4分の1波長管を任意の望ましい方向に配置可能であるとともに、必ずしも直線的に形成する必要のないことは明らかである。さらに、これらの管の断面は、任意の望ましい形状に形成することが可能である。当業者には、管の長さを、選択された管形状および共鳴周波数に適応させ得ることが明らかである。しかし、ここでは説明の簡単のために、当業者は、実質的に一定の断面積を有する形状を選択するものと想定する。
本発明を効果的に機能させるためには、弱め合う干渉が生じる領域の編成が重要な事項となる。このような領域は、相互作用領域AWと称され、相互作用領域の大きさは、対応する音開口領域(sound orifice area)AOおよびクオリティ・ファクタQに関連付けられる。実際、音開口領域AOに対する相互作用領域AWの面積比は、クオリティ・ファクタQに比例する。
Q=k・AW/AO
それゆえ、本発明の実施の形態は、それぞれの相互作用領域ができる限り表面全体を覆うように配分されると同時に、それぞれの相互作用領域が実質的に重ならないようにすることを目的とする。相互作用領域に重なりが生じると、上記の音圧勾配が減少し、これにより、吸音効果を生じさせる局所的気流が低減する。相互作用領域によりできる限り表面全体を覆うように、相互作用領域AWの音響的に効果的な配置を実現するためには、管状共鳴器の開口部は、二等辺三角形からなる仮想ネットの頂点上にそれぞれ配置されるのが好適である。広い周波数帯域にわたっての吸音が望まれる場合には、異なる周波数に対応するように調整された複数の管状吸音器からなるグループを、互いに複雑に組み合わせることが可能である。また、特定の適用対象に関しては、本発明による4分の1波長吸音装置を従来式の吸音装置と組み合わせることで、非常に効果的となる場合がある。
好適な適用分野においては、それぞれの管状共鳴器は、1kHzから2kHzの範囲の音場に対応するように設定される。この周波数帯域は、4分の1波長を基準にすると、80mmから40mmの長さとなる。開口部領域内で反射する波面に対して半波長の位相ずれを有するとともに同じ波長を有し、反射する波面と弱め合う干渉を生じさせる定常波が、上記の4分の1波長共鳴器内で生成される。乗り物に特有の騒音スペクトラムの効果的な吸音を可能とするためには、本発明による4分の1波長吸音装置は、異なる長さの管状共鳴器からなる少なくとも1つの管状共鳴器のグループを有している必要がある。この際、音開口部が、管状共鳴器の端面部に形成されるか、あるいは側面部に形成されるかは、重要な問題ではない。
好適な実施の形態においては、それぞれの共鳴器が、面の上側に配置される。また、上記の構造の効率は、実質的に、共鳴器の空洞部を形成する材料の音反射特性にも基づいて決定される。ソフトで柔軟性を有する材料は、反射の際の損失を導くので、上記の吸音構造に対しては悪影響を及ぼす。それゆえ、本発明による共鳴器の形成に関しては、気密で、滑らかで、音響的に固い(ハードな)材料のみ、すなわち良好な音反射特性を有する材料が好適であることが明らかである。
本発明の特別の実施の形態においては、4分の1波長共鳴器が、金属製プレートあるいはプラスチック製シートから形成される。共鳴器を集合的に配置するのに際して、共鳴器をタイル状に乗り物に張り付けることが可能である。さらに、これらの共鳴器は、汚れた水またはオイルが、内部に溜まらないように、すなわち再び直接的に流出可能となるように、方向付けられて配置される。本発明による上記の吸音装置は、周知の方法で組み付けることが可能である。また、音響的に固い吸音装置を取り付けることで、付加的に、振動する傾向がある乗り物の部品が補強(剛性化)されるとともに、その振動が減衰される。
本発明の他の実施の形態においては、共鳴器の空洞部が、音響的に固い母材、好ましくはプラスチック、金属、またはセラミックからなる軽量の母材から直接的に形成される。
当業者には明らかであるように、本発明により、全体的な高さが低く、特定の周波数に対して正確に設定できる軽量の吸音装置が提供されるという利点が生じる。また、本発明による吸音装置は、ひどい汚れに晒される環境下においても使用可能であるとともに、水分による影響を受けにくく、さらに経済的に(安価に)製造することが可能である。このような特性は、乗り物の構造内において特に有効であることが判明している。これらの吸音装置は、乗り物のシャーシとともに塗料バス(paint bath)内に浸すことが可能である。この際、吸音装置は、汚されることもなければ損傷されることもない。
次の図面を参照して、以下に、幾つかの実施の形態を基にして、本発明が詳細に説明される。
図1aから図1dは、本発明における管状吸音器(共鳴器)と音反射面との配置関係を示す図である。
図2は、本発明による吸音装置のハニカム状の実施の形態を示す図である。
図3a,図3bは、本発明による装置の平坦な実施の形態を示す図である。
図4a,図4bは、本発明による装置のタイル状(ブロック状)の実施の形態を示す図である。
図5は、異なる長さの共鳴器の好適な配置を示す図である。
図1aから図1dには、音反射面Aに対する共鳴器の基本的配置が示されている。図1aにおいては、4分の1波長共鳴器が、音反射面Aに対して垂直に配置されている。共鳴器の開口部AOは、面A上に位置している。音反射面Aから開口部AOが突出する量に応じて、吸音効率が低下することを、実験的に示すことが可能である。しかし、本発明においては、共鳴器3を音反射面Aに対して、傾けるか、あるいは平行に配置することが可能である。これにより、共鳴器全体の設計厚さを減少させることが可能となる。このような構造を用いることで、製造方法が簡単になり、さらに、このような構造は、モジュール式構造部品として使用するのに好適である。また、それぞれの共鳴器3の長さおよび直径は、望ましい吸音特性に対して、簡単な方法で変更することが可能である。好適な実施の形態が、図1cに示されている。この実施の形態では、共鳴器3が音反射面Aに対して平行に配置されている。このような構造は、本発明に基づいて機能して、相互作用領域AWに強い気流を生じさせる。図1dに示される構造は、図1cに示された構造に類似するが、実際的には製造するのがより容易である。共鳴器3の音開口部AOは、図1cに示されるように、共鳴器の端面部に配置されることもあれば、図1dに示されるように、管状の共鳴器3の側面部に配置されることもある。
共鳴器3の断面は、勿論、任意の望ましい形状をとることが可能である。さらに、共鳴器3は、必ずしも直線的である必要はなく、湾曲するように形成することも可能である。
図2は、本発明による吸音器の単純な実施の形態を示す平面図である。グループをなす複数の共鳴器10は、端面部13または基底部15のいずれかに音開口部を備えた直線的な中空の形態を有している。ハニカム状の基本面12は、面を覆うようにコーティングすることが可能である。約100mmの幅を有するこの実施の形態においては、それぞれの共鳴器10は、約43mmから約84mmの長さを有する。すなわち、それぞれの共鳴器は、1kHzから2kHzの周波数に対応するように形成される。このような4分の1波長吸音器は、例えば固くて滑らかなプラスチックシートまたは金属製プレートから製造可能である。
図3aには、押出成形により形成されたプラスチック部材16からなるボックス状の実施の形態が示されている。この実施の形態においては、それぞれの共鳴器10の断面形状は、おおよそ長方形となる。音響的に有効な開口部17は、側面部に形成されている。この実施の形態においては、共鳴器10の端壁部18は、望ましい方法により移動可能となっている。これにより、吸音効率の最適化が可能となる。勿論、図3aに示された4分の1波長吸音装置を複数層に積み重ねることも可能である。
図3bには、実質的に2つの構造部材7,9から構成される複数の共鳴器からなる実施の形態が示されている。第1の構造部材7は、好ましくはアルミニウムから形成され、互いに平行な複数のリブ8を有して構成されている。この構造部材7は、アルミニウム発泡体またはアルミニウムプレートから直接的に形成することが可能である。第1の構造部材7のリブ8は、アルミニウムが好適であるシートまたはプレートからなる第2の構造部材9によりカバーされ、これにより、本発明に基づいた中空体6が形成される。開口部5は、第2の構造部材9に穿設することが可能である。簡単な製造方法においては、構造部材7および9が接合された後に、第2の構造部材9の一部が、中空体6内へ押し込まれ、これにより、共鳴器の開口部5が形成されると同時に、それぞれの共鳴器6間に端壁部4が形成される。しかし、端壁部4は、第1の構造部材7内に直接的に形成することも可能である。このような実施の形態は、特定の望ましい外形(輪郭)に容易に適応させることができるの、経済的である。さらに、第1の構造部材7内にリブおよび端壁部を形成することで、高い機械的剛性が得られるので、比較的薄い材料により、望ましい音響的固さを実現することが可能となる。
図4aには、本発明による4分の1波長吸音装置のさらにモジュール化された実施の形態が示されている。この実施の形態は、管状の共鳴器27がその内部に形成されたブロック状コンポーネント25から構成されている。管状の共鳴器は、ドリルにより逐次的に穿設することもできれば、適切な射出成形プロセスを用いて一体的に形成することも可能である。好適な実施の形態においては、共鳴器27の空洞部はブロック体に平行に形成され、これらのブロック25は、組み立ての際に屋根瓦を積み重ねるのと同様の方法で積み重ねられ、互いに固定される。管状の共鳴器27の大きさ等の最適な設定は、当業者の設計作業の範囲内のものである。これらの4分の1波長吸音装置のブロックを製造するために、種々の音響的に固い材料を使用することが可能である。それゆえ、硬質プラスチック、アルミニウム発泡体が好適である開放孔部または閉塞孔部を備えた発泡体、アルミニウムシートが好適であるコーティングされた紙またはシート等の軽量材料を、乗り物の構造に対して用いることが好適である。また、ビルディングあるいは道路等の他の適用分野に関しては、共鳴器内に滑らかで音響的に固い面が形成されている限りにおいて、従来から使用されている材料を使用することは勿論可能である。
図4bで示される、上記の実施の形態の変形例においては、共鳴器27は、ブロック体に対して傾いて形成されている。また、それぞれの共鳴器の方向は、勿論お互いに異なるように設定することが可能である。
図5には、長さの異なる複数の共鳴器の分布が、概略的に示されている。それぞれの共鳴器の音開口部21,22,23,24は、二等辺三角形を基礎とした仮想ネットの節点上に配置されている。図5に示されるように、このような形態を有することで、特定の波長に対応するように設計された4分の1波長吸音装置の相互作用領域AWは実質的に重ならず、特定の波長に対応する相互作用領域AWが面全体にわたって配置されることが実現される。
上記の作用効果に関する説明を基にして、当業者であれば、多くの異なる実施の形態および異なる適用分野を考察できるのは明らかである。外部への乗り物の騒音の低減は重要な問題であり、この騒音の低減のために、当業者により、騒音発生ユニットの近傍、特にエンジンおよびギヤ周りに、吸音装置が直接的に配置される。最も高く、それゆえ最も問題となる1kHzから2kHzの周波数範囲の音圧が、これらのユニットから発生される。音伝搬速度として340m/sの数値を用いるとすれば、吸音装置における4分の1波長の共鳴器は、85mm−42.5mmの長さを有する。この長さの範囲を有し、0.25cm2から2cm2の断面積を有する共鳴器のグループは、プラスチック製または金属製のシートに半円柱状の凹部が形成されるようにこれらのシートを変形(成形)し、この変形されたシートを、支持層または支持プレートに、取り付けるかまたは接着剤を用いて接合することで、経済的に製造することが可能である。このように形成された共鳴器は、湾曲した表面が固有の剛性を有することで、薄いシートが使用された場合でも、音響的な固さを有し、共鳴器として高いクオリティ・ファクタを備える。
乗り物における音響効果に関連して、別の重要な問題として、乗り物の部品から発生される内部騒音の低減が上げられる。内部騒音を低減させるために、本発明による共鳴器または管状の凹部を備えた上記のシートを、パネルまたは例えばトラックの屋根の内面部に接着剤を用いて接合することが可能である。さらに、4分の1波長共鳴器シートは、補強(剛性化)効果を有するとともに、接着剤を適切に選択することで、振動減衰効果をも有する。
乗り物の構造の特別の技術的問題として、シャーシの特定の構造に起因する空洞部に関するものが上げられる。特に、ドアにおける金属パネルとクラッディング(cladding)との間の空洞部が着目される。この領域においては、本発明による4分の1波長吸音シートを、ドアパネルおよびドアクラッディングの両方に取り付けることが可能である。吸音シートが接着剤によりドアパネルに接合されると、この場合においても補強効果および振動減衰効果を得ることが可能となる。
本発明による吸音装置は上記のような構造を有するので、本発明による吸音装置は、吸収されるべき問題となる騒音が限定された周波数範囲内で生じる場合に使用するのが特に好適である。特に、定速度で駆動されるギヤおよび歯付きベルト、ファンの送風機、電動機、または航空機のプロペラエンジン等は、狭い周波数範囲に限定された騒音源となっている。
高速道路の側部に沿って立設されている音絶縁壁(sound-insulating wall)に対して、本発明による吸音装置を使用することに関し、ここで簡単に説明する。この目的のためには、押出成形されたプレートまたはモジュール状のブロックを用いた実施の形態が特に好適である。また、トンネル内の吸音ライニング(sound-absorbing lining)に対しても、本発明による吸音装置を同様に使用することが可能である。また、本発明による吸音装置の使用に関しては、乗り物の分野での使用に限定することが意図されるものではないことが、明らかであろう。それゆえ、本発明による吸音装置は、室内水泳プール、スポーツホール、工場等の内部において、壁部あるいは天井のクラッディングとして使用することが可能である。
Claims (10)
- 複数の管状の共鳴器(10)を有して構成され、該共鳴器の音開口部(13)が音反射面(A)に隣接している、乗り物の騒音低減用の吸音装置において、
前記音反射面(A)で反射される音波と、前記管状の共鳴器(10)内で位相がずらされた音波との間で弱め合う干渉を生じさせる領域を形成するために、それぞれの前記音開口部(13)が、少なくとも対応する相互作用領域(A W )の半径の距離だけ互いに離間され、
前記相互作用領域(A W )が、実質的に重ならず、
複数の前記相互作用領域(A W )が、前記音反射面(A)上を可能な限り大きく覆うように、配分されていることを特徴とする吸音装置。 - 請求項1記載の吸音装置において、
前記複数の管状の共鳴器(10)が、異なる長さを有していることを特徴とする吸音装置。 - 請求項1または請求項2記載の吸音装置において、
前記音開口部が、前記管状の共鳴器の端面部に配置されていることを特徴とする吸音装置。 - 請求項1または請求項2記載の吸音装置において、
前記音開口部が、前記管状の共鳴器の側面部に配置されていることを特徴とする吸音装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の吸音装置において、
前記音開口部が、異なる大きさを有することを特徴とする吸音装置。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の吸音装置において、
前記共鳴器(10)が、取り付けられた状態において下方に開放されていることを特徴とする吸音装置。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の吸音装置において、
前記共鳴器が、前記音反射面(A)に対して平行に配置されていることを特徴とする吸音装置。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載の吸音装置において、
前記共鳴器が、音響的に固い母材(16,25)内または音響的に固い構造部材(7,9)内に形成されていることを特徴とする吸音装置。 - 請求項8記載の吸音装置において、
音響的に固い前記母材またはそれぞれの前記構造部材が、プラスチックまたは軽金属から形成されていることを特徴とする吸音装置。 - 請求項1から請求項9のいずれかに記載の吸音装置において、
前記管状の共鳴器(10)の少なくとも内側には、滑らかな面が形成されていることを特徴とする吸音装置。
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