JP5304045B2 - 吸音パネル - Google Patents
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Description
この明細書に記載の第1の吸音パネルは第1,第2の平板の間に波板をサンドイッチ状に挟み込んだ吸音パネルであって、前記第1の平板と前記波板とが互いに離隔する各部分で、該第1の平板に、該第1の平板と前記波板との間に形成される第1の空洞に連通する第1の開口部をそれぞれ形成し、前記第2の平板と前記波板とが互いに離隔する各部分で、該第2の平板に、該第2の平板と前記波板との間に形成される第2の空洞に連通する第2の開口部をそれぞれ形成してなるものである。
第1の吸音パネルの実施の形態を説明する。図1は1台の吸音パネル50の構造を示す。図1において(a)は正面図、(b)は各空洞をそれぞれ開口部の位置で切断した断面図を示す。この吸音パネル50は全体が矩形(図示の例では正方形)の正面形状をなす所定厚さのパネル体として構成されている。吸音パネル50は2枚の平板52,54と、これら平板52,54の間にサンドイッチ状に挟み込まれた1枚の波板56と、この波板56のうねり方向の両端部で平板52,54間に挟み込まれた2本のハシバメ58,60とを具えて構成されている。吸音パネル50の波板56のうねりに直角な方向の両端面は通気性のない閉塞部材62,64が装着されて塞がれている。吸音パネル50はこれら各部材52,54,56,58,60,62,64を相互の当接面(平板52,54と波板56との各当接面、平板52,54とハシバメ58,60との各当接面、閉塞部材62,64と平板52,54および波板56との各当接面)で接着剤、ねじ等の接合部材により接合固定して一体化されている。平板52,54は例えばOSB合板(オリエンテッド・ストランド・ボード)等の木質板あるいはプラスチック板、板紙等で構成される。波板56は木質繊維板あるいはプラスチック板、板紙等で構成され、図1の例では台形の波形断面形状に形成されている。ハシバメ58,60は例えば木あるいはプラスチック等の角材で構成される。閉塞部材62,64は木あるいはプラスチック等の板材で構成される。
第2の吸音パネルの実施の形態1を図4に示す。この吸音パネル94は全体が矩形(図示の例では正方形)の正面形状をなす所定厚さのパネル体として構成されている。吸音パネル94は互いに平行に対向配置された2枚の平板96,98を具えている。平板96,98間には複数枚の仕切り板100が互いに一定の間隔で互いに平行に挟み込まれている。これにより仕切り板100の延在方向から見た平板96,98と仕切り板100の組み合わせによる端面形状が全体として格子状に形成されている。複数枚の仕切り板100により平板96,98間の空間は複数本の空洞102(102a,102b)に仕切られている。吸音パネル94の仕切り板100の延在方向の両端面には通気性のない閉塞部材104,106が装着されている。これら閉塞部材104,106により各空洞102の両開口端は塞がれている。吸音パネル94を構成する平板96,98、仕切り板100、閉塞部材104,106はOSB合板等の木質板あるいはプラスチック板、板紙等でそれぞれ構成され、相互の当接面で接着剤、ねじ等の接合部材により接合固定して一体化されている。あるいは平板96,98と仕切り板100をプラスチック等による一体成型品として製造することもできる。
第2の吸音パネルの実施の形態2を図5に示す。この吸音パネル111は図4の吸音パネル94の仕切り板100の間隔が均一であったのに対し、仕切り板100の間隔を不均一にしたものである。他の構成は図4の吸音パネル94と同じである。図4と対応する部分には同一の符号を用いる。
第2の吸音パネルの実施の形態3を図6に示す。この吸音パネル113は図4の吸音パネル94の開口部108a,108bが矩形の穴で構成されていたのに対し、開口部115a,115bを複数条のスリット状の穴で構成したものである。他の構成は図4の吸音パネル94と同じである。図4と対応する部分には同一の符号を用いる。
第2の吸音パネルの実施の形態4を図7に示す。この吸音パネル117は図4の吸音パネル94の2枚の平板96,98が互いに平行に配置されているのに対し、2枚の平板96,98を非平行に配置したものである。この吸音パネル117は平板96,98を非平行に配置するのに合わせて仕切り板100の高さを順次異ならせている。また閉塞部材104,106は吸音パネル117の閉塞部材104,106が装着される端面の形状に合わせて該端面の形状(台形状)に形成されている。他の構成は図4の吸音パネル94と同じである。図4と対応する部分には同一の符号を用いる。この吸音パネル117を室の天井に配置する場合は例えば図7(b)に示すように、傾斜方向に隣接する吸音パネルどうし向きを反転させて配列する。これにより吸音パネル117の表面(平板96)は音響拡散板として機能し、室内側76の音に対して散乱効果が得られる。
第2の吸音パネルの実施の形態5を図8に示す。この吸音パネル119は空洞の一部を途中で屈曲させたものである。図4と対応する部分には同一の符号を用いる。各仕切り板100は互いに均一の間隔を保ちながら途中で直角に屈曲している。これにより仕切り板100で仕切られた相互に長さが異なる空洞102(102a,102b)が形成される。図8(a)の右下隅に位置する最短の空洞102a以外は途中で屈曲している。空洞102の両端が開口する吸音パネル119の隣接する2辺(図8(a)の下辺と右辺)の端面には通気性のない閉塞部材104,106が装着されている。これら閉塞部材104,106により各空洞102の両開口端は塞がれている。平板96,98に開口する開口部115a,115bは前出の図6と同様にスリット状の穴で構成されている。平板96に開口する開口部115aは空洞102aに連通し、平板98に開口する開口部115bは空洞102bに連通する。なおスリット状の穴115で開口部を構成するのに代えて、図4等と同様に矩形状の穴108で開口部を構成することもできる
第3の吸音パネルの実施の形態1を図9に示す。この吸音パネル121は全体が矩形(図示の例では正方形)の正面形状をなす所定厚さのパネル体として構成されている。吸音パネル121は互いに対向配置された2枚の平板123,125を具えている。平板123,125間には同一径の複数本の円筒127が隙間なく(隙間があってもよい)一方向に配列され、平板123,125間に挟み込まれている。円筒127によりその内部に空洞129(129a,129b)が形成されている。吸音パネル121の円筒127の延在方向の両端面には通気性のない閉塞部材131,133が装着されている。これら閉塞部材131,133により各空洞129の両開口端は塞がれている。平板123,125、閉塞部材131,133はOSB合板等の木質板あるいはプラスチック板、板紙等でそれぞれ構成され、また円筒127は紙筒、プラスチック筒等で構成されている。吸音パネル121を構成するこれら平板123,125、閉塞部材131,133、円筒127は、相互の当接面で接着剤、ねじ等の接合部材により接合固定して一体化されている。
第3の吸音パネルの実施の形態2を図10に示す。この吸音パネル122は図9の吸音パネル121が筒127としての軸直角方向の断面外形を均一(同一径の円形)にしていたのに対し、筒124の軸直角方向の断面外形を不均一にしたものである。筒124は短径と長径の比が様々な楕円筒で構成されている。ただし各楕円筒124の高さ(厚さ)は均一にされており、互いに平行に配置された平板123,125間に丁度接した状態に挟み込まれて固定されている。他の構成は図9の吸音パネル121と同じである。図9と対応する部分には同一の符号を用いる。吸音パネル122は楕円筒124によりその内部に空洞126(126a,126b)が形成されている。吸音パネル122には、空洞126(126a,126b)ごとに、平板123,125と楕円筒124とが接する箇所で、平板123,125のいずれか一方と楕円筒124の面を貫通する開口部135(135a,135b)が1個または複数個ずつ形成されている。これにより平板123側に開口部135aが形成された空洞126aと平板125側に開口部135bが形成された空洞126bが混在して(図10の例では交互に配置して)設けられている。この吸音パネル122によれば、両面側で吸音効果が得られる。
第4の吸音パネルの実施の形態を図11に示す。この吸音パネル137は図9の吸音パネル121が平板123,125で円筒127を挟み込んでいたのに対し、波板139,141で円筒127を挟み込むようにしたものである。閉塞部材131,133は吸音パネル137の閉塞部材131,133が装着される端面の形状に合わせて該端面の形状(図11(b)の姿勢で上下辺が互いに上下対称の波状の輪郭を有する形状)に形成されている。他の構成は図9の吸音パネル121と同じである。図9と対応する部分には同一の符号を用いる。波板139,141間には同一径の複数本の円筒127が隙間なく(隙間があってもよい)一方向に配列され、波板139,141間に挟み込まれている。波板139,141は円筒127の配列のうねりに倣ってうねる表面形状を有する。波板139,141はその山、谷を互いに反転させた状態に対向して配置されている。円筒127は波板139,141の間の波板139,141が互いに離隔する位置に挟み込まれている。波板139,141はOSB合板等の木質板あるいはプラスチック板、板紙等で構成することができる。吸音パネル137を構成する波板139,141、閉塞部材131,133、円筒127は、相互の当接面で接着剤、ねじ等の接合部材により接合固定して一体化されている。
第5の吸音パネルの実施の形態を図12に示す。この吸音パネル143は図9の吸音パネル121が平板123,125で円筒127を挟み込み、図11の吸音パネル137が波板139,141で円筒127を挟み込んでいたのに対し、波板139と平板125で円筒127を挟み込むようにしたものである。閉塞部材131,133は吸音パネル143の閉塞部材131,133が装着される端面の形状に合わせて該端面の形状(図12(b)の姿勢で上辺が直線状、下辺が波状の輪郭を有する形状)に形成されている。他の構成は図9の吸音パネル121、図11の吸音パネル137と同じである。図9、図11と対応する部分には同一の符号を用いる。この吸音パネル143は図12(b)に示すように波板139側を室内側76に向けて室に設置する。これによれば両面側で吸音効果が得られるほか、非平面である波板139の表面により波板139側で拡散効果が得られる。
吸音パネルのその他の実施の形態1を図13に示す。この吸音パネル145は図4の吸音パネル94の両面が平面であったのに対し、一方の面を山形の非平面に構成したものである。すなわち吸音パネル145の室内側76に臨む側の板147は2枚の平板を山形に組み合わせた形状に構成されている。平板98と山形板147間の距離の変動に合わせて仕切り板100の高さを順次異ならせている。また閉塞部材104,106は吸音パネル145の閉塞部材104,106が装着される端面の形状に合わせて該端面の形状(山形五角形状)に形成されている。他の構成は図4の吸音パネル94と同じである。図4と対応する部分には同一の符号を用いる。この吸音パネル145によれば両面側で吸音効果が得られるほか、非平面である山形板147の表面により山形板147側で拡散効果が得られる。平板98を山形板に代えて、両面とも山形板による非平面とすることもできる。このようにすれば両面側で拡散効果が得られる。
吸音パネルのその他の実施の形態2を図14に示す。この吸音パネル149は図4の吸音パネル94の両面が平面であったのに対し、一方の面を湾曲した非平面に構成したものである。すなわち吸音パネル149の室内側76に臨む側の板151は平板を一方向に弓形に湾曲させた形状に構成されている。平板98と湾曲板151間の距離の変動に合わせて仕切り板100の高さを順次異ならせている。また閉塞部材104,106は吸音パネル149の閉塞部材104,106が装着される端面の形状に合わせて該端面の形状(蒲鉾形)に形成されている。他の構成は図4の吸音パネル94と同じである。図4と対応する部分には同一の符号を用いる。この吸音パネル149によれば両面側で吸音効果が得られるほか、非平面である湾曲板151の表面により湾曲板151側で拡散効果が得られる。平板98を湾曲板に代えて、両面とも湾曲板による非平面とすることもできる。このようにすれば両面側で拡散効果が得られる。
吸音パネルのその他の実施の形態3を図15に示す。この吸音パネル153は図9の吸音パネル121の両面が平面であったのに対し、一方の面を谷形の非平面に構成したものである。すなわち吸音パネル153の室内側76に臨む側の板154は2枚の平板を谷形に組み合わせた形状に構成されている。平板125と谷形板154間の距離の変動に合わせて円筒155の外径を順次異ならせている。すなわち円筒155は吸音パネル153の幅方向中央部に位置するものが最小径でそこから両外側に行くに従い徐々に大径になっていく。閉塞部材131,133は吸音パネル153の閉塞部材131,133が装着される端面の形状に合わせて該端面の形状(谷形五角形状)に形成されている。他の構成は図9の吸音パネル121と同じである。図9と対応する部分には同一の符号を用いる。この吸音パネル153によれば両面側で吸音効果が得られるほか、非平面である谷形板154の表面により谷形板154側で拡散効果が得られる。平板125を谷形板に代えて、両面とも谷形板による非平面とすることもできる。このようにすれば両面側で拡散効果が得られる。
Claims (7)
- 前面および背面を有し、該前面と該背面との間に複数本の空洞が配列された吸音パネルであって、
前記前面に前記複数本の空洞のうちいずれか1本または複数本に連通する1個または複数個の開口部を形成し、前記背面に前記複数本の空洞のうち他のいずれか1本または複数本に連通する1個または複数個の開口部を形成し、
もって前記前面側に前記開口部を有する空洞と前記背面側に前記開口部を有する空洞を形成してなり、
前記複数本の空洞の一部または全部が途中で屈曲している吸音パネル。 - 前記前面および前記背面をそれぞれ構成する第1,第2の平板の間に波板をサンドイッチ状に挟み込んで、前記第1の平板と前記波板との間および前記第2の平板と前記波板との間に前記複数本の空洞を形成する請求項1に記載の吸音パネルであって、
前記第1の平板と前記波板とが互いに離隔する各部分で、該第1の平板に、該第1の平板と前記波板との間に形成される第1の空洞に連通する第1の開口部をそれぞれ形成し、
前記第2の平板と前記波板とが互いに離隔する各部分で、該第2の平板に、該第2の平板と前記波板との間に形成される第2の空洞に連通する第2の開口部をそれぞれ形成してなり、
前記第1の空洞および前記第2の空洞が前記複数本の空洞を構成し、前記第1の開口部が前記前面に形成された開口部を構成し、前記第2の開口部が前記背面に形成された開口部を構成する吸音パネル。 - 前記第1,第2の平板と前記波板とが予め一体化され、ねじを前記第1の開口部から差し入れて前記波板および前記第2の平板を介して室の内装面の支持部材にねじ込んで該支持部材に固定される請求項2に記載の吸音パネル。
- 前記前面および前記背面をそれぞれ構成する第1,第2の平板の間に複数枚の仕切り板を配置し、該第1,第2の平板間の空間を該仕切り板で仕切って前記複数本の空洞を形成し、
該空洞ごとに、該空洞に面する前記第1,第2の平板のいずれか一方の箇所に択一的に前記開口部を形成し、
もって第1の平板側に前記開口部を有する空洞と第2の平板側に前記開口部を有する空洞を形成してなる請求項1に記載の吸音パネル。 - 前記第1,第2の平板の間に複数枚の仕切り板を配置した構造が予め一体化され、ねじを前記開口部から差し入れて前記第2の平板を介して室の内装面の支持部材にねじ込んで該支持部材に固定される請求項4に記載の吸音パネル。
- 前記屈曲の形が直角に屈曲した形である請求項1から5のいずれか1つに記載の吸音パネル。
- 前記吸音パネルの正面形状が全体として矩形であり、前記直角に屈曲した空洞が該矩形の隣接する2辺に沿って直角に屈曲している請求項6に記載の吸音パネル。
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