JP3508649B2 - 電子部品の保持治具、保持方法および電子部品の製造方法 - Google Patents
電子部品の保持治具、保持方法および電子部品の製造方法Info
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Description
等の電子部品を製造する際に、電子部品を保持する保持
治具、保持方法およびそれによる電子部品の製造方法に
関するものである。
子部品またはその構成部品の取扱方法には、複数個の部
品が一体となった状態で扱う方法と、各部品が分離され
た状態で扱う方法とがある。後者の方法によって電子部
品を製造する場合、従来、個々の部品を一括して扱うた
めに、例えば図7に示すような、電子部品やその構成部
品を保持する保持治具が用いられていた。図7において
11は金属性トレーであり、複数の部品を配置するため
のキャビテイ12をプレス成形などによって予め形成し
ている。このような保持治具を用いて、半導体チップ等
をワイヤーボンドするような場合、トレー11に基板を
配置し、各基板上に半導体チップをダイボンドし、さら
にワイヤボンドすることになるが、これらの工程で基板
3をトレー11に固定しておく必要があるため、トレー
11の上面に、基板の配置位置に対応して設けた孔14
および個々の基板を固定するための押さえ爪15を形成
した押さえ治具13を被せるようにしていた。
成した凹形状のキャビテイ内に基板を配置する場合、基
板の出し入れの容易性や寸法交差を考慮すれば、キャビ
テイと基板との間にクリアランスが必要となる。そのた
め、キャビテイ内部における基板の位置にバラツキが生
じ、しかもトレーを工程間で移動させる際に基板が変位
するため、キャビテイ内部における基板の座標位置が工
程ごとに異なってしまう。その結果、各工程における自
動化に際して位置認識のエラーが生じやすく、エラー修
正などのための新たな工程が必要となる。
よって基板を押さえる場合には、基板に押さえ代(し
ろ)が必要となる。そのため、押さえ代分の余分なスペ
ースが必要となって、電子部品の小型化が困難となる。
特に、押さえ爪を必要以上に小型化すると基板を確実に
押さえることができなくなるため、基板サイズが小型に
なるほど、基板サイズに対する押さえ代の占める面積比
が高くなって小型化が阻まれる。
複数の基板の配置パターンなどによって定められるた
め、一品種の電子部品に対して専用のトレーが必要とな
り、汎用性に欠けている。そのためトレー作成のための
加工費・材料費および金型費などのコストが非常に嵩む
ことになる。
7号にて、上述の各種問題を解消することのできる、小
型部品の保持治具およびその保持方法について出願して
いる。
性を有するゴム弾性材を用い、その表面に小型部品を密
着保持するようにしたものである。
ば、部品の位置固定能力、汎用性および小型化への対応
が可能であるなどの優れた効果を奏する。
体積抵抗率が極めて高く、絶縁性を示すため、電子部品
またはその構成部品の着脱、搬送および製造工程におい
て静電気が発生し易く、静電気が帯電し易いという性質
がある。そのため、次のような問題が懸念される。
すると、製造中に電子部品が静電破壊されるおそれがあ
る。
構成部品を扱う場合に、上記静電気によって吸着力また
は反発力が生じると、保持不良が生じやすく、電子部品
の破損や紛失および保持治具の破損を招くおそれがあ
る。
適用する場合でも、保持治具の使用前または使用中に静
電気を除去しなければ、電子部品に静電気によるダメー
ジを与えるおそれがある。そのため静電気除去のための
専用設備を設ける必要が生じる。
して、生産性および電子部品の信頼性を高め、製造コス
トを削減できるようにした、電子部品の保持治具、保持
方法および電子部品の製造方法を提供することにある。
表面部が粘着性と導電性を有する弾性材を備え、該弾性
材表面の粘着力により電子部品または電子部品の構成部
品を保持する。これにより、弾性材による静電気の発生
を防止し、他からの静電気を速やかに放出するので、電
子部品またはその構成部品に対する高電圧の印加または
放電時の通電が生じない。
料を添加して弾性材の表面部に導電性をもたせる。これ
により、弾性材全体に一定の導電性をもたせて、極微小
なチップ状の部品であっても、弾性材との電気的導通を
確保する。
電性材料による配線を施して前記弾性材の表面部に導電
性をもたせる。これにより、弾性材表面に対する導電性
の付与を容易とする。
出する導電性材料による配線を前記弾性材の内部に施し
て前記弾性材の表面部に導電性をもたせる。これによ
り、導電率をより高め、電流経路長の短縮化を図る。
着性と導電性を示す弾性材を有する保持治具の表面に、
該表面の粘着力により基板を保持した状態で、その基板
上に素子を取り付けて電気的接続する。これにより、素
子を静電破壊させることなく、基板上に取り付ける。
保持治具を図1を参照して説明する。図1は、製造すべ
き電子部品またはその構成部品を保持する保持治具の斜
視図である。図1において、1は金属製の硬質のプレー
ト、2はプレート1の上面に積層した弾性材である。こ
の弾性材としては、JIS K 6253「加硫ゴムの
硬さ試験方法」に規定されているタイプAデュロメータ
硬さ試験で、ゴム硬度が30度以上であることが望まし
い。なお、弾性材2の厚みによっては、下地であるプレ
ート1の影響を受けるが、実質上のゴム硬度を30度以
上とする。例えば、シリコーン系樹脂を主材料とする高
耐熱性のゴムを用いる。
リコン系樹脂にカーボン粉体などの導電性粒子を添加
し、分散させることによって、全体に導電性をもたせた
ものである。
の低いゴム材料を用いた場合、反発弾性が低くなると同
時に粘性を備える。この粘性によって、弾性材表面に基
板3を粘着させる。例えば軟質シリコーンゴムの場合、
1〜10g/mm2 程度の粘着力を示す。この粘着力は
上記導電性粒子の粒径および分散濃度によって変化する
ので、粘着力と導電率がそれぞれ所定範囲内に入るよう
に弾性材の製造条件を定める。
により、弾性材の表面に保持されている電子部品やその
構成部品が静電破壊されることがなく、静電気による吸
着または反発が生じることもなく、静電気を除去するた
めの工程や設備が不要となる。
成を図2を参照して説明する。図2において、1は金属
製の硬質のプレート、2はプレート1の上面に積層した
弾性材である。この弾性材2の表面に、導電体膜9によ
るパターンを形成するとともに、その端部をプレート1
に導通させている。この導電体膜9は、弾性材表面に複
数の電子部品またはそれらの構成部品が保持される状態
で、各部品が導電体膜の一部に接して電気的に導通する
ようにパターン化している。この例では、格子状とし
て、縦横のピッチを保持すべき部品の幅より狭くしてい
る。このようなパターンは格子状に限らず、例えば同心
円状のパターンと放射状のパターンを組み合わせたり、
任意である。但し、弾性材2の周囲(端面)からプレー
ト1などの外部への通電経路が複数となるように配置す
ることによって面積抵抗を小さくし、また配線の一部が
断線しても、他の経路によって導通が確保されるように
したパターンが望ましい。
脂材料(導電性ペースト)を印刷する方法、メッキによ
り成膜する方法、真空蒸着やスパッタリングなどのドラ
イプロセスにより成膜する方法、さらには金属線や金属
箔を張り付ける方法等により形成する。
成を図3を参照して説明する。図3において、1は金属
製の硬質のプレート、2はプレート1の上面に積層した
弾性材である。この例では、弾性材2の内部に導電体1
0による配線を施して、その上部を弾性材2の表面に露
出させ、下部をプレート1に導通させている。この導電
体10による配線は、弾性材2の成型時に同時に成型す
る方法や、弾性材2を成型した後に導電体10を埋め込
む方法などにより配置する。
の製造方法を図4〜図6を参照して説明する。図4は基
板を保持する保持治具の構成を示す斜視図であり、図5
は基板上に素子をダイボンドおよびワイヤボンドにより
取り付ける電子部品の製造手順を示している。
ト、2はプレート1の上面に積層した弾性材である。こ
の弾性材は、第2の実施形態で示した構造により導電性
を備えている。後述するように、基板マウント工程で、
弾性材2の表面に、それぞれ電子部品の構成部品である
複数の基板3を配置する。基板3としては、例えばガラ
スエポキシ系等の樹脂基板、アルミナ等のセラミック基
板またはそれらを積層したものなど任意の基板を用いる
ことができる。また、基板3の所定位置に予め受動素子
などの任意の電子部品を搭載しておいてもよい。
工程では、マウンタを用いて弾性材2の表面の所定位置
に複数の基板3を配置する。このマウンタは、基板など
のワークを所定位置で吸着し、移動させ、必要に応じて
回転させ、所定位置に載置する機能を備えた汎用のマシ
ンである。図中5はマウンタの真空吸着用のノズルを示
している。すなわちマウンタは、複数の基板を収納した
カートリッジから基板を1枚ずつ真空吸着し、その基板
を弾性材2の所定位置に載置する作業を繰り返し行う。
これにより図4に示したように、弾性材2の表面に複数
の基板3を配置する。弾性材2の表面は粘着性を有して
いるため、マウンタが弾性材2の表面に基板を順次載置
するだけで、複数の基板を固定配置することができる。
示すように、基板3の上に半導体チップなどの素子4を
ダイボンドする。図中の17は、素子4を所定位置から
ピックアップして基板上に載置するためのマウンタのノ
ズルである。このダイボンド工程には、素子4を基板3
の所定位置に接着する接着剤を硬化させるための加熱工
程を含む。
ように、素子4の上面に露出しているボンディングパッ
ドと基板3上に形成している電極との間をボンディング
ワイヤ5で接続する。図中の18はワイヤボンダーのキ
ャピラリイを示している。
誘電体素子、またはガラス素子などであり、基板上に取
り付けて電気的に接続する素子であれば任意の素子に適
用できる。
ばボールボンディング法やウェッジボンディング法等の
各種ワイヤボンディング法が適用できる。これらのワイ
ヤボンディング工程には、ワイヤーの接合部に対して超
音波を印加する工程を含む。
取り付ける電子部品の製造方法の手順を示している。ま
ず、基板マウント工程では、図6の(a)に示すよう
に、マウンタを用いて弾性材2の表面の所定位置に複数
の基板3を配置する。図中4はマウンタの真空吸着用の
ノズルを示している。
を設けた素子4を基板3上の所定位置にバンプ接合す
る。すなわちフリップチップボンディングする。図中の
19は素子4を位置決めするとともに、超音波を印加す
るコレットである。
半田バンプ、または樹脂バンプなど任意のものを用いる
ことができる。
ヤボンド以外に、半導体チップにバンプを取り付ける工
程や、電子部品にキヤップを接着するなどの実装工程に
適用することもできる。また半製品または完成品の特性
測定工程やトリミングなどの調整工程、さらには単なる
保存工程や運搬工程などの種々の工程に適用できる。
面の粘着力により保持するようにしたため、基板3の位
置バラツキや工程間における移動が防止され、特に基板
マウント工程においてマウンタを利用することにより、
その整列性(ピッチ間隔や回転位置等の安定性)が良好
となり、各工程の自動化における認識エラーが抑制され
る。しかも、弾性材2は導電性を有するため、弾性材2
および基板3が静電気によって帯電したり、基板上に取
り付ける素子に静電気の放電電流が流れたりしない。
るための押さえ代を必要としないため、無駄なスペース
がなくなり、電子部品の小型化が容易となる。
っても、共通の保持治具を用いることができるため、製
造コストが削減できる。
質のプレート1を配置したが、このプレートは必ずしも
設ける必要はない。
性材による静電気の発生がなく、他からの静電気を速や
かに放出するので、電子部品またはその構成部品に対す
る高電圧の印加または放電時の通電が生じない。そのた
め、生産性および電子部品の信頼性が高まり、製造コス
トも削減できる。
チップ状の部品であっても、弾性材との電気的導通を確
保することができる。
面に対する導電性の付与が容易となる。
導電率が高まり、電流経路長も短縮化されるため、静電
気に対する信頼性がより高まる。
電破壊させることなく、基板上に取り付けることがで
き、信頼性の高い電子部品を製造することができる。
いる保持治具の構成を示す斜視図
いる保持治具の構成を示す斜視図
いる保持治具の構成を示す斜視図
す図
を示す図
構成を示す斜視図
Claims (6)
- 【請求項1】 少なくとも表面部が粘着性と導電性を有
する弾性材を備え、該弾性材表面の粘着力により電子部
品または電子部品の構成部品を保持する保持治具。 - 【請求項2】 前記弾性材に導電性材料を添加して前記
導電性をもたせた請求項1に記載の保持治具。 - 【請求項3】 前記弾性材の表面に導電性材料による配
線を施して前記導電性をもたせた請求項1に記載の保持
治具。 - 【請求項4】 前記弾性材の表面に露出する導電性材料
による配線を前記弾性材の内部に施して前記導電性をも
たせた請求項1に記載の保持治具。 - 【請求項5】 少なくとも表面部が粘着性と導電性を示
す弾性材を有する保持治具を用い、前記弾性材の表面
に、該表面の粘着力により電子部品または電子部品の構
成部品を保持する保持治具の保持方法。 - 【請求項6】 基板上に素子を取り付けて電気的接続す
る取付工程を含む電子部品の製造方法であって、 少なくとも表面部が粘着性と導電性を示す弾性材を有す
る保持治具を用い、前記弾性材の表面に、該表面の粘着
力により前記基板を保持した状態で前記取付工程を実行
する電子部品の製造方法。
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