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JP2009120048A - 自動車用ガラスラン - Google Patents

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JP2009120048A
JP2009120048A JP2007296672A JP2007296672A JP2009120048A JP 2009120048 A JP2009120048 A JP 2009120048A JP 2007296672 A JP2007296672 A JP 2007296672A JP 2007296672 A JP2007296672 A JP 2007296672A JP 2009120048 A JP2009120048 A JP 2009120048A
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智宏 高瀬
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Abstract

【課題】軽量化の効果が大きく、充分なシール性を発揮できるガラスランを提供する。
【解決手段】ガラスラン10の本体は、車外側側壁20と、車内側側壁30と、底壁40とからなる断面略コ字形をなし、車外側側壁20と車内側側壁30には、車外側シールリップ21と車内側シールリップ32を設けた。ガラスラン10の本体と車外側シールリップ21と車内側シールリップ31は、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)で形成されるとともに、化学発泡剤を2重量部〜5重量部配合し発泡させ、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)のソリッド材よりも8%〜12%比重を低下させた微発泡ソリッド材で形成されたことを特徴とする自動車用ガラスランである。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車ドアのドアフレームの内周に取付け、ドアガラスの昇降を案内するガラスランに関するものである。
図4に示すように、自動車のドア1のドアフレーム2の内周にドアガラス5の昇降を案内するガラスラン110が取付けられている。その従来のガラスラン110の全体を図3に示し、従来のガラスラン110がドアフレーム2の直線部に取付けた状態の断面図を図5と図6に示す。
従来、ガラスラン110は、図4に示すように、ドアフレーム2のチャンネル内に取付けられて、ドアガラス5の昇降を案内するとともにドアガラス5とドアフレーム2との間をシールしている。さらに、ガラスラン110は、図3に示すように、押出成形により成形された直線部111からなるドアフレーム2の上辺部と、同じく押出成形されたフロント側縦辺部及びリヤ側縦辺部を、型成形によってドアフレーム2のコーナー部2bの形状に合わせて形成されたコーナー部112で接続している。
なお、ドア1と車体との間のシールは、ドアパネルおよびドアフレーム2の外周に取付けられたドアウエザストリップ(図示せず)および/または車体の開口部のフランジに取付けられたオープニングトリムウエザストリップ(図示せず)によりなされている。
ガラスラン110の本体の直線部111は、図5に示すように、車外側側壁120と、車内側側壁130と、底壁140からなる断面略コ字状をなしている。車外側側壁120の先端付近から車外側シールリップ121が本体の断面略コ字状の内側に向けて延出するように設けられている。また、車内側側壁130にもその先端付近から車内側シールリップ131が断面略コ字状の内側に向けて延出するように設けられている。
ガラスラン110の本体の車外側側壁120、車内側側壁130と底壁140はドアフレーム2に設けられたチャンネル103内に挿入され、各壁の外面の少なくとも一部がチャンネル103の内面に圧接され、ガラスラン110を保持している。なお、図5に示すように、チャンネル103は、ドアフレーム2を折り曲げて形成される場合や、別部材で形成されたチャンネルを嵌め込む場合がある。
ドアガラス5は、このガラスラン110の本体の断面略コ字状の内側を摺動するとともに、上記車外側シールリップ121と車内側シールリップ131によってドアガラス5の端部の両側面がシールされて保持されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、チャンネル103内にガラスラン110を装着したときに、チャンネル103内にガラスラン110を係止して保持するために、ガラスラン110の直線部では、車内側側壁130と車外側側壁120にそれぞれ車内側保持リップ134と車外側保持リップ124が設けられている。
このガラスラン110の本体の車外側側壁120、車内側側壁130と底壁140は、通常のゴムのソリッド材で形成されており比重が1.1〜1.3程度と大きく、また、微発泡させても比重が0.9〜1.0程度にしかならず、このため、ガラスラン110の全体の重量が大きくなり、近年の車輌の軽量化の要請に反することとなっている。
そのため、図6に示すように、車外側側壁220、車内側側壁230、及び底壁240を押出成形時に超臨界流体で発泡させた発泡ゴムで形成し、車外側シールリップ221と車内側シールリップ231をソリッドゴムで形成したものがある(例えば、特許文献2及び3参照。)。
しかしながら、このガラスラン210は、発泡ゴムの部分の剛性が不足し、非発泡の部分を有し、軽量化が不充分であるとともに、2種類の材料を押出成形する必要があり、生産性がよくなかった。
また、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)のソリッドで形成されたガラスラン210もあるが、均質な発泡セルが得られないため、ガラスラン210全体を微発泡させたものは無かった。
特開2005−349869号公報 特開2005−88718号公報 特開2005−88328号公報
そこで、本発明は、軽量化の効果が大きく、ドアガラスの昇降時においても、充分なシール性を発揮できるガラスランを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために請求項1の本発明は、自動車ドアのドアフレームの上辺内周に取付け、ドアガラスの昇降を案内する自動車用ガラスランにおいて、
ガラスランの本体は、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形をなし、車外側側壁と車内側側壁には、それぞれ本体の断面略コ字状の本体の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップを設け、車外側シールリップと車内側シールリップによりドアガラスの端部の車外側面及び車内側面をシールし、
ガラスランの本体と車外側シールリップと車内側シールリップは、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)で形成されるとともに、化学発泡剤を2重量部〜5重量部配合し発泡させ、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)のソリッド材よりも8%〜12%比重を低下させた微発泡ソリッド材で形成されたことを特徴とする自動車用ガラスランである。
請求項1の本発明では、直線部のガラスランの本体は、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形をなし、車外側側壁と車内側側壁には、それぞれ断面略コ字状の本体の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップを設け、車外側シールリップと車内側シールリップによりドアガラスの両側端部の車外側面及び車内側面をシールしている。
このため、ドア閉時に、ドアフレームの上辺部及び縦辺部において車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる本体の断面略コ字状のガラスランの内側に、ドアガラスの先端を収納することができ、ドアガラスを確実に保持することができる。また、直線部の上辺部及び縦辺部において、車外側シールリップと車内側シールリップにより、ドアガラスの昇降に応じて、両方のシールリップがドアガラスに当接し、車外側シールリップと車内側シールリップによりドアフレームとドアガラスとの間のシールをすることができる。
ガラスランの本体と車外側シールリップと車内側シールリップは、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)で形成されている。このため、ゴム弾性に優れて、ドアガラスが上昇して、ガラスランの本体内に進入したときに、ドアガラスの先端によりガラスランの本体が異常変形することがなく、確実にシール性を確保することができるとともに、耐久性に優れている。
ガラスランの本体と車外側シールリップと車内側シールリップは、化学発泡剤を2重量部〜5重量部配合し発泡させ、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)のソリッド材よりも8%〜12%比重を低下させた微発泡ソリッド材で形成されている。このため、ガラスランの全体の重量を低減することができ、車輌の軽量化に貢献できるとともに、均一な微発泡体を得ることができるため、ガラスランの剛性を維持することができる。さらに、ガラスラン全体が同一の材料で形成することができ、押出成形が容易であり、生産性がよい。
請求項2の本発明は、化学発泡剤は、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)系発泡剤と無機粉体が配合された自動車用ガラスランである。
請求項2の本発明では、化学発泡剤は、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)系発泡剤と無機粉体が配合されたため、発泡の制御が容易であり、発泡が均一なガラスランを得ることができる。
請求項3の本発明は、化学発泡剤は、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)系発泡剤が無機粉体に吸着担持されたものである自動車用ガラスランである。
請求項3の本発明では、化学発泡剤は、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)系発泡剤が無機粉体に吸着担持されたものであるため、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)のソリッド材中に、発泡剤の分散を均一にさせることができ、発泡倍率の制御が容易である。したがって、ガラスランの表面が滑らかであり、外観が優れているとともに、ガラスランが均一な剛性を有することができる。
請求項4の本発明は、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)は、ポリプロピレンからなる樹脂分が25%〜35%であり、EPDMゴムを主材とするゴム分が75%〜65%である自動車用ガラスランである。
請求項4の本発明では、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)は、ポリプロピレンからなる樹脂分が25%〜35%であり、EPDMゴムを主材とするゴム分が75%〜65%である。このため、剛性を有するとともに、弾性に優れているので、ガラスランがドアガラスの昇降に応じて、ドアガラスを保持して、シールすることができる。
請求項5の本発明は、車内側側壁と車内側シールリップは、それぞれ車外側側壁と車外側シールリップよりも大きく、肉厚に形成された自動車用ガラスランである。
請求項5の本発明では、ガラスランの車内側側壁と車内側シールリップは、それぞれ車外側側壁と車外側シールリップよりも大きく、肉厚に形成されたため、ドアガラスを確実に保持できるとともに、ドアガラスを車外方向に位置させることができ、ドアガラスとドアフレームとの間の段差を小さくすることができ、風切り音を小さくして、見栄えを良くすることができる。また、ドアフレーム又はドアモールの車外側の面積を小さくすることができ、デザイン的にも好ましい。
請求項6の本発明は、車外側シールリップと車内側シールリップの表面及び底壁の表面に、低摺動部材層が形成された自動車用ガラスランである。
請求項6の本発明では、車外側シールリップと車内側シールリップの表面及び底壁の表面に、低摺動部材層が形成されたため、ドアガラスがガラスランの本体内に進入し、摺動しても、車外側シールリップ及び車内側シールリップの表面との摺動抵抗を減少させることができ、ドアガラスのスムースな昇降を維持することができる。底壁の表面に、低摺動部材層が形成されたため、ドアガラスが上昇し、ガラスランの本体内に進入し底壁に当接しても、ドアガラスと底壁の密着を防止し、異音の発生を防止することができる。
請求項7の本発明は、車内側側壁と車外側側壁の先端にカバーリップを形成し、カバーリップは、ドアフレームの先端をカバーするとともに、表面装飾部材層が形成された自動車用ガラスランである。
請求項7の本発明では、車内側側壁と車外側側壁の先端にカバーリップを形成し、カバーリップは、ドアフレームの先端をカバーするとともに、表面装飾部材層が形成されたため、カバーリップの見栄えを良くすることができる。
本発明は、ガラスランの本体と車外側シールリップと車内側シールリップは、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)で形成されているため、ゴム弾性に優れて、ドアガラスの先端によりガラスランの本体が異常変形することがなく、確実にシール性を確保することができるとともに、耐久性に優れている。
ガラスランの本体と車外側シールリップと車内側シールリップは、化学発泡剤を2重量部〜5重量部配合し発泡させ、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)のソリッド材よりも8%〜12%比重を低下させた微発泡ソリッド材で形成されているため、ガラスランの全体の重量を低減することができ、車輌の軽量化に貢献できる。さらに、均一な微発泡を得ることができるため、ガラスランの剛性を維持することができる。
本発明の実施の形態を、図1〜図4に基づき説明する。
図4は、自動車のフロントのドア1の正面図であり、図3は、ドア1のドアフレーム2に取付けるフロントドアのガラスラン10の正面図である。図4に示すように、ドア1の上部にはドアフレーム2が設けられ、ドアガラス5が昇降自在に取付けられる。すなわち、ドアフレーム2の内周には、ガラスラン10が取付けられ、ドアガラス5の昇降を案内するとともに、ドアガラス5とドアフレーム2との間をシールしている。
ガラスラン10は、図3に示すように、全体として押出成形で形成された直線部11と、ドアフレーム2のコーナー部2bに取付けられ、上記の直線部11を接続し、型成形で形成されるコーナー部12からなる。
直線部11は、ドアフレーム2の上辺部に取付けられる部分と、ドアフレーム2のリヤ側縦辺部に取付けられる部分と、ドアフレーム2のフロント側縦辺部をなすディビジョンサッシュに取付けられる部分とからなる。
これらの押出成形部分をドアフレーム2に対応した形状となるように、フロント側とリヤ側のそれぞれのコーナー部分において、型成形により成形して直線部11を接続してコーナー部12が形成されている。なお、ガラスラン10のコーナー部12は、ドアフレーム2のコーナー部2bの部分に装着される。
以下に、フロント側のドア1の縦辺部に装着されるガラスラン10を例に取り説明する。
図1は、サッシュタイプのドアフレーム2の縦辺に取付けられたガラスラン10の図4のA−A線に沿った断面図であり、図2は、プレスタイプのドアフレーム2の縦辺に取付けられたガラスラン10の図4のA−A線に沿った断面図である。
まず、サッシュタイプのドアフレーム2の縦辺に取付けられたガラスラン10について説明し、プレスタイプのドアフレーム2の縦辺に取付けられたガラスラン10については後述する。
ドアフレーム2の縦辺部に取付けられるガラスラン10の直線部11の断面形状は、図1に示すように、ガラスラン10の本体が車外側側壁20と、車内側側壁30と、底壁40とから断面略コ字状に形成されている。
ガラスラン10の本体は、ドアフレーム2の上辺部に取付けられる部分も縦辺部に取付けられる部分も基本的には、ほぼ同様な断面略コ字形の断面形状を有している。
本発明のガラスラン10は、ドアフレーム2の縦辺に取付けられている。ドアフレーム2は、内部にチャンネル3を有し、チャンネル3は、断面略U字形に形成され、その断面略U字形の内部にガラスラン10の本体が嵌挿されて、車外側側壁20と、車内側側壁30と、底壁40がチャンネル3の内面に当接している。
車外側側壁20と車内側側壁30の外面には、それぞれ車外側保持リップ24、24と車内側保持リップ34、34が上下の2箇所に形成され、チャンネル3内でガラスラン10本体を保持している。上側の車外側保持リップ24と車内側保持リップ34は、チャンネル3の側壁の屈曲部分に係止されて、ガラスラン10本体がチャンネル3から外れることを防止している。
車外側側壁20と車内側側壁30のそれぞれの先端の内側から車外側シールリップ21と車内側シールリップ31が、ガラスラン10本体の断面略コ字状の内側に向けて延設されている。車外側シールリップ21と車内側シールリップ31により、ドアガラス5の先端部の両側面を保持する。ドアガラス5の昇降に応じて、車外側シールリップ21と車内側シールリップ31がドアガラス5の側面に当接し、ドアフレーム2とドアガラス5との間のシールをすることができる。
車内側側壁30の内面には、車内側シールリップ31の内面に当接する車内側突起リップ33が形成されている。車内側突起リップ33により、ドアガラス5が本体内に進入したときに、車内側シールリップ31が車内側側壁30に密着することを防止して、異音の発生防止と、ドアガラス5の側端部を保持することができる。
車外側側壁20と車内側側壁30のそれぞれの先端の外側から、それぞれ車外側カバーリップ22と車内側カバーリップ32が外側横方向に延設されている。車外側カバーリップ22と車内側カバーリップ32が、チャンネル3の車外側と社内側の側壁のそれぞれの先端をカバーしている。
車外側側壁20は車外側連結部26で、車内側側壁30は車内側連結部36とそれぞれ底壁40と連結されている。車外側連結部26と車内側連結部36は、内面に溝部が形成され、製造時に、車外側側壁20と車内側側壁30が底壁40とハ字形に開いていても、チャンネル3のガラスラン10を取付けるときに、車外側側壁20及び車内側側壁30と底壁40の間が撓みやすくなり、取付けが容易になる。
ガラスラン10の本体である車外側側壁20、車内側側壁30及び底壁40と、車外側シールリップ21と車内側シールリップ31、車外側カバーリップ22と車内側カバーリップ32は、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)で形成されている。このため、ゴム弾性に優れて、ドアガラス5が上昇して、ガラスラン10の本体内に進入したときに、ドアガラス5の先端との摺動によりガラスラン10の本体が異常変形することがなく、車内側シールリップ31、車外側シールリップ21が確実にシール性を確保することができる。また、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)は剛性も高く、耐久性に優れている。
動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)は、ポリプロピレンからなる樹脂分が25%〜35%であり、EPDMゴムを主材とするゴム分が75%〜65%であるものを使用することが好ましい。この場合には、ガラスラン10の本体が剛性を有するとともに、弾性に優れているので、ガラスラン10がドアガラス5の昇降に応じて、ドアガラス5を保持して、シールすることができる。
ガラスラン10のコーナー部12も、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)で形成することが好ましい。同種の材料であり、ガラスラン10の直線部11とコーナー部12の接着性がよい。また、いずれも同じ材料であり、耐候性がよく、同時に粉砕処理ができ、リサイクル容易な製品を得ることができる。
ガラスラン10の本体と車外側シールリップ21と車内側シールリップ31は、化学発泡剤を2重量部〜5重量部配合し発泡させ、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)のソリッド材よりも8%〜12%比重を低下させた微発泡ソリッド材で形成されている。このため、ガラスラン10の全体の重量を低減することができ、車輌の軽量化に貢献できる。さらに、均一な微発泡を得ることができるため、ガラスラン10の剛性を維持することができる。また、ガラスラン10全体が同一の材料で形成することができ、押出成形が容易であり、生産性がよい。
ガラスラン10の本体と車外側シールリップ21と車内側シールリップ31は、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)に化学発泡剤を2重量部〜5重量部配合し発泡させている。このため、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)のソリッド材よりも8%〜12%比重を低下させた微発泡ソリッド材で形成することができる。従って、ガラスラン10の全体の重量を低減することができ、車輌の軽量化に貢献できるとともに、均一な微発泡体を得ることができるため、ガラスラン10の剛性を維持することができる。さらに、ガラスラン10全体が同一の材料で押出形成することができ、成形工程が容易であり、生産性がよい。
ここで、発泡剤としては、次のものを使用することができる。
即ち、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、アゾジカルボンアミド(ADCA)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、p−トルエンスルホニルヒドラジド(TSH)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等の有機発泡剤又は重曹等の無機系発泡剤、及びそれらの化学発泡剤を2種類以上組み合わせた複合化学発泡剤、ならびにそれらに発泡助剤を併用したものを挙げることができる。
また、無機担体としては、カーボンブラック等の補強材や、ケイソウ土、炭酸カルシウム(炭カル)、炭酸マグネシウム、亜鉛華、ケイ灰土、シリカ、クレー、タルク等の無機フィラー、及びそれらをシランカップリング剤等で表面処理したものを挙げることができる。特に、表面外観の見地から、ケイソウ土が望ましい。
この化学発泡剤は、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)系発泡剤が無機粉体に吸着担持されたものであることが好ましい。4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)系発泡剤を無機粉体に吸着担持させたものを使用すると、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)のソリッド材中に、発泡剤を均一に分散させることができ、発泡倍率の制御が容易であり、製造が容易であるとともに、発泡したセルが均一に分散することができる。したがって、ガラスラン10の表面が滑らかであり、外観が優れているとともに、ガラスラン10が、部分的に剛性が低下することがない
車外側シールリップ21及び車内側シールリップ31の表面に、低摺動部材層を形成することができる。この場合は、ドアガラス5がガラスラン10の本体内に進入し、摺動しても、車外側シールリップ21及び車内側シールリップ31とドアガラス5との摺動抵抗を減少させることができ、ドアガラス5のスムースな昇降を維持することができる。
低摺動部材層は、熱可塑性エラストマーのオレフィン部分の比率が多い摺動抵抗の少ない材料を、車外側シールリップ21及び車内側シールリップ31の表面に0.1mm程度の厚さで同時押出して形成したり、シリコン樹脂やウレタン樹脂を塗布したりして形成することができる。
なお、車外側シールリップ21の内面、又は車外側側壁20の内面に低摺動部材層や突条を形成することもできる。この場合には、ドアガラス5がガラスラン10の本体内部に侵入したときに、車外側側壁20と車外側シールリップ21が密着することを防止でき、異音の発生の防止とシール性の確保ができる。
底壁40は、略板状に形成され、車内側側壁30および車外側側壁20との連続部では屈曲が容易にできるように溝部が形成されている。底壁40の外面の両端部には凸部が形成され、チャンネル3の内面に当接して、ドアフレーム2とガラスラン10の間をシールしている。
底壁40のガラスラン10の本体の断面略コ字形の内面には、車外側シールリップ21と車内側シールリップ31と同様に底壁低摺動部材層が形成することが好ましい。このため、ドアガラス5との摺動抵抗を減少させることができる。底壁低摺動部材層は、短繊維の植毛で形成することができる。
次に、図2に基づき、プレスタイプのドアフレーム2の縦辺に取付けられたガラスラン10について説明する。図1のサッシュタイプのガラスラン10と同様の部分については説明を省略する。
図2のガラスラン10では、車内側側壁30が車外側側壁20よりも大きく、厚肉に形成され、断面略コ字形は、車内側が大きな非対称形に形成されている。
車内側側壁30は、車外側側壁20よりも肉厚で大きく形成されている。このため、ガラスラン10を強固にドアフレーム2のインナーパネル2dとチャンネル3の先端に保持できる。
さらに、車内側側壁30は、車外側側壁20よりも大きく、肉厚に形成されたため、がガラスラン10の本体内で、ドアガラス5を車外方向に位置させることができ、ドアガラス5とドアフレーム2との間の段差を小さくすることができ、風切り音を小さくして、見栄えを良くすることができる。
ガラスラン10の本体と車外側シールリップ21と車内側シールリップ31は、図1の形態と同様に、化学発泡剤を2重量部〜5重量部配合し発泡させ、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)のソリッド材よりも8%〜12%比重を低下させた微発泡ソリッド材で形成されている。
このため、ゴム弾性に優れて、車内側シールリップ31、車外側シールリップ21が確実にシール性を確保することができる。また、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)は剛性も高く、耐久性に優れている。
図1の実施の形態と同様に、車外側側壁20は車外側連結部26で、車内側側壁30は車内側連結部36とそれぞれ底壁40と連結されている。車外側連結部26と車内側連結部36は、内面に溝部が形成され、製造時に、車外側側壁20と車内側側壁30が底壁40とハ字形に開いていても、チャンネル3のガラスラン10を取付けるときに、車外側側壁20及び車内側側壁30と底壁40の間が撓みやすくなり、取付けが容易になる。
車内側側壁30の先端車外側から、車内側カバーリップ32が下方に車内側側壁30に並行に延設されている。この車内側カバーリップ32は、ドアフレーム2のインナーパネル2dの先端とチャンネル3の先端が溶接された部分を覆うように形成されている。これによって、ドアフレーム2のインナーパネル2dの先端とチャンネル3の先端を挟持して、ガラスラン10を保持するとともに、アウターパネル2cの先端とチャンネル3の先端をカバーして、車内側からの見栄えをよくすることができる。
同様に、車外側側壁20の先端車外側から、車外側カバーリップ22が下方に車外側側壁20に並行に延設されている。この車外側カバーリップ22は、ドアフレーム2のアウターパネル2cの先端とチャンネル3の先端が溶接された部分を覆うように形成されている。これによって、ドアフレーム2のアウターパネル2cの先端とチャンネル3の先端を挟持して、ガラスラン10を保持するとともに、アウターパネル2cの先端とチャンネル3の先端をカバーして、車外側からの見栄えをよくすることができる。
底壁40は、略台形状に形成され、底壁40の外面中央付近では屈曲が容易にできるように凹部が形成されている。底壁40の外面の車外側側端には底壁シールリップ41、42が形成され、アウターパネル2cの底面に当接して、ドアフレーム2とガラスラン10の間をシールしている。
底壁40のガラスラン10の本体の断面略コ字形の内面には、車外側シールリップ21と車内側シールリップ31と同様に底壁低摺動部材層を形成してもよい。この場合は、ドアガラス5との摺動抵抗を減少させることができる。底壁低摺動部材層は、短繊維の植毛で形成することができる。
本発明の実施の形態であるサッシュタイプのドアフレームの縦辺部にガラスランを装着した状態の断面図であり、図4におけるA−Aに沿った断面図である。 本発明の実施の形態であるプレスタイプのドアフレームの縦辺部にガラスランを装着した状態の断面図であり、図4におけるA−Aに沿った断面図である。 本発明の実施の形態であるガラスランの正面図である。 自動車ドアの正面図である。 従来のガラスランを上辺部に装着した状態の断面図である。 従来の他のガラスランを上辺部に装着した状態の斜視図である。
符号の説明
2 ドアフレーム
10 ガラスラン
20 車外側側壁
21 車外側シールリップ
22 車外側カバーリップ
30 車内側側壁
31 車内側シールリップ
32 車内側カバーリップ
40 底壁

Claims (7)

  1. 自動車ドアのドアフレームの内周に取付け、ドアガラスの昇降を案内する自動車用ガラスランにおいて、
    上記ガラスランの本体は、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形をなし、上記車外側側壁と車内側側壁には、それぞれ上記本体の断面略コ字状の本体の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップを設け、該車外側シールリップと車内側シールリップにより上記ドアガラスの端部の車外側面及び車内側面をシールし、
    上記ガラスランの本体と上記車外側シールリップと車内側シールリップは、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)で形成されるとともに、化学発泡剤を2重量部〜5重量部配合し発泡させ、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)のソリッド材よりも8%〜12%比重を低下させた微発泡ソリッド材で形成されたことを特徴とする自動車用ガラスラン。
  2. 上記化学発泡剤は、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)系発泡剤と無機粉体が配合された請求項1に記載の自動車用ガラスラン。
  3. 上記化学発泡剤は、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)系発泡剤が無機粉体に吸着担持されたものである請求項1又は請求項2に記載の自動車用ガラスラン。
  4. 上記動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)は、ポリプロピレンからなる樹脂分が25%〜35%であり、EPDMゴムを主材とするゴム分が75%〜65%である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の自動車用ガラスラン。
  5. 上記車内側側壁と上記車内側シールリップは、それぞれ上記車外側側壁と上記車外側シールリップよりも大きく、肉厚に形成された請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の自動車用ガラスラン。
  6. 上記車外側シールリップと車内側シールリップの表面及び上記底壁の表面に、低摺動部材層が形成された請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の自動車用ガラスラン。
  7. 上記車内側側壁と車外側側壁の先端にカバーリップを形成し、該カバーリップは、上記ドアフレームの先端をカバーするとともに、表面装飾部材層が形成された請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の自動車用ガラスラン。
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