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JP2003183439A - フェノール樹脂フォーム - Google Patents

フェノール樹脂フォーム

Info

Publication number
JP2003183439A
JP2003183439A JP2001385034A JP2001385034A JP2003183439A JP 2003183439 A JP2003183439 A JP 2003183439A JP 2001385034 A JP2001385034 A JP 2001385034A JP 2001385034 A JP2001385034 A JP 2001385034A JP 2003183439 A JP2003183439 A JP 2003183439A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
castor oil
resin foam
mass
parts
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001385034A
Other languages
English (en)
Inventor
Susumu Sugano
晋 菅野
Yuichi Arito
裕一 有戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2001385034A priority Critical patent/JP2003183439A/ja
Publication of JP2003183439A publication Critical patent/JP2003183439A/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低粘度レゾール樹脂を用いて得られたにも拘
わらず、高い独立気泡および微細なセル構造を有するフ
ェノール樹脂フォームを提供すること、並びに該フェノ
ール樹脂フォームの、樹脂の取り扱い性に優れた製造方
法を提供すること。 【解決手段】 レゾール樹脂、発泡剤、界面活性剤、硬
化触媒を少なくとも用いてフェノール樹脂フォームを製
造する方法において、界面活性剤として、ポリオキシエ
チレン硬化ヒマシ油、およびポリオキシエチレンヒマシ
油からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する界
面活性剤を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】優れた断熱性能を有し、機械
的強度にも優れた断熱用フェノール樹脂フォームに関す
る。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂フォームは、有機樹脂発
泡体の中でも特に難燃性、耐熱性、低発煙性、寸法安定
性、耐溶剤性、加工性等に優れているため、各種建築材
料として広く利用されている。フェノール樹脂フォーム
を製造する一般的な方法は、フェノールとホルマリンを
アルカリ性触媒により重合したフェノール−ホルムアル
デヒドレゾール樹脂(以下、レゾール樹脂という)と、
発泡剤、界面活性剤、硬化触媒、その他添加剤を均一に
混合した、発泡性混合物を発泡硬化させることによって
製造される。
【0003】これまで、レゾール樹脂を使用し、独立気
泡フェノール樹脂フォームを製造するための要件の一つ
として、比較的高い初期レゾール樹脂粘度が必要である
ことが一般に知られている。高粘度レゾール樹脂は、遊
離水の大部分を除去する事で達成でき、またこのレゾー
ル樹脂を用いることによって微細な独立気泡を持つフェ
ノール樹脂フォームが得られることが知られている。米
国特許第3,303,758号明細書には、含水量が約
0.1〜2wt%であるとき、優れたフォームを生じる
との記載がある。
【0004】しかし、高粘度レゾール樹脂は極めて反応
性に富むため、フォーム製造に必要な触媒、発泡剤等を
一様に分散させることが困難となる。また、高粘度レゾ
ール樹脂は配管での圧力損失が大きくなるため、取り扱
う際に、ポンプに高性能が要求される、配管の高耐圧が
要求される等の機械的な制約も多くなってくる。しか
し、この問題は、低粘度のレゾール樹脂を用いることで
解消されるため、これまでに低粘度レゾール樹脂を用い
た独立気泡フェノール樹脂フォームの製造法がいくつか
提唱されてきた。
【0005】特開平1−138244号公報には、低粘
度レゾール樹脂からフェノール樹脂フォームを製造する
方法が記されている。この方法は40℃において、2,
000mPa・sから12,000mPa・sの低粘度レゾール
樹脂に、高分子ゲル形成性エチレンオキシド−プロピレ
ンオキシドブロック共重合体界面活性剤を添加すること
によって、独立気泡フェノール樹脂フォームを得るとい
うものである。この高分子ゲル形成性エチレンオキシド
−プロピレンオキシドブロック共重合体界面活性剤の作
用に関しては、レゾール樹脂中に存在する遊離水、およ
び架橋反応において発生する水の存在下で高分子ゲル形
成性エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロック共
重合体界面活性剤がゲル化することが開示されている。
この界面活性剤の存在下ではレゾール樹脂が適切な状況
で適当な粘性を得るため良好な諸特性をもつ独立気泡フ
ェノール樹脂フォームを製造できるとしている。
【0006】しかし、低粘度レゾール樹脂に高分子ゲル
形成性エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロック
共重合体界面活性剤を添加した際、粘度は約1.5〜4
倍となるため、例えばポンプによるレゾール樹脂送液の
際、配管の圧力損失が大きくなり、ポンプモーターに高
性能高機能が要求される、もしくは配管の耐圧や径等の
制約が多くなるため著しく取り扱い性を損なうといった
問題が発生してきた。これらの問題を解消するためにレ
ゾール樹脂温度を高くして粘度を下げる等の対策が採ら
れているが、レゾール樹脂温度を高くするとレゾール樹
脂が反応し、貯蔵時に逆に粘度が高くなるなどの新たな
問題が生じる。このように、低粘度レゾール樹脂を用い
て、この樹脂の取り扱い性を損なわないで、優れた諸性
能を有すフェノール樹脂フォームを製造する方法が切望
されてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低粘度レゾ
ール樹脂を用いて得られたにも拘わらず、高い独立気泡
および微細なセル構造を有するフェノール樹脂フォーム
を提供すること、並びに該フェノール樹脂フォームの、
樹脂の取り扱い性に優れた製造方法を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、下記式(1)、下記式(2)で示される界面
活性剤、もしくはこれらの混合物を用いると、樹脂の取
り扱い性を損なうことなく、低粘度レゾール樹脂を用い
て良好な諸性能を有すフェノール樹脂フォームが成型で
きる事を見出し、本発明をなすに至った。すなわち、本
発明は、[1] 下記式(1)で表されるポリオキシエ
チレン硬化ヒマシ油、下記式(2)で表されるポリオキ
シエチレンヒマシ油、またはこれらの混合物をフェノー
ル樹脂フォーム100gあたり合計で0.05g以上
1.5g以下含有し、独立気泡率が80%以上、嵩密度
が10kg/m3以上80kg/m3以下である事を特徴
とするフェノール樹脂フォーム、
【0009】
【化3】
【0010】(式中、l,m,n,x,y,zは自然数
であって、5≦l+m+n+x+y+z≦150であ
る。)
【0011】
【化4】
【0012】(式中、p,q,r,u,v,wは自然数
であって、5≦p+q+r+u+v+w≦150であ
る。) [2] レゾール樹脂、発泡剤、界面活性剤、硬化触媒
を少なくとも用いてフェノール樹脂フォームを製造する
方法において、上記界面活性剤として、式(1)で表さ
れるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、および式(2)
で表されるポリオキシエチレンヒマシ油からなる群から
選ばれる少なくとも1種を含有する界面活性剤を使用す
ることを特徴とする[1]記載のフェノール樹脂フォー
ムの製造方法、[3] レゾール樹脂が、含水量0.2
wt%以上15wt%以下で、40℃における粘度が
2,000〜100,000mPa・sのレゾール樹脂
であることを特徴とする[2]記載のフェノール樹脂フ
ォームの製造方法、である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明について、以下具体的に説
明する。本発明のフェノール樹脂フォームは、後述する
方法によって検出できるポリオキシエチレンヒマシ油お
よび/またはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を、フェ
ノール樹脂フォーム100gあたりの合計量で0.05
g以上1.5g以下含有する。ポリオキシエチレンヒマ
シ油およびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は硬化触媒
によって一部もしくは大半が分解するため、フェノール
樹脂フォームの含有量とレゾール樹脂への添加量は必ず
しも一致しない。後述する方法でフェノール樹脂フォー
ムを製造し含有量を測定した結果、含有量は添加量のほ
ぼ1/10の量となった。
【0014】後述の方法によってフェノール樹脂フォー
ム100gあたりに検出されるポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油量、またはこれ
らの混合物の合計含有量が0.05g未満だと、界面活
性剤として効果を発揮できずフォーム成型ができない恐
れがある。また、1.5gを超えると、樹脂の粘度が低
下し、平均セル径が大きくなったり、独立気泡率が低下
する等してフォームの機械的性能が低下する恐れがあ
る。好ましくは、後述によって検出されるポリオキシエ
チレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ま
たはこれらの混合物の合計含有量はフェノール樹脂フォ
ーム100gあたり0.05g以上1g以下である。
【0015】本発明の製造方法においては、界面活性剤
として、式(1)で表されるポリオキシエチレン硬化ヒ
マシ油、および式(2)で表されるポリオキシエチレン
ヒマシ油からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有
する界面活性剤を用いる。式(1)で表されるポリオキ
シエチレン硬化ヒマシ油を2種以上使用することもでき
るし、式(2)で表されるポリオキシエチレンヒマシ油
を2種以上使用することも、これらを混合して使用する
ことも可能である。また、必要に応じてその他の界面活
性剤を混合して用いることができる。
【0016】その他の界面活性剤としては、一般にフェ
ノール樹脂フォームの製造に使用されるものを使用でき
るが、中でもノニオン系の界面活性剤が効果的であり、
例えば、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの
共重合体であるアルキレンオキサイドや、アルキレンオ
キサイドとノニルフェノール、ドデシルフェノールのよ
うなアルキルフェノールとの縮合生成物、更にはポリオ
キシエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル類、ポ
リジメチルシロキサン等のシリコーン系化合物、ポリア
ルコール類等を挙げることができる。
【0017】本発明の製造方法においては、式(1)で
表されるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油および/また
は式(2)で表されるポリオキシエチレンヒマシ油をレ
ゾール樹脂100質量部あたり0.1質量部以上、15
重量部以下添加する。好ましくは0.3質量部以上、1
0質量部以下添加する。本発明で用いるポリオキシエチ
レン硬化ヒマシ油およびポリオキシエチレンヒマシ油の
分子量はポリオキシエチレン鎖の数で選択できる。本発
明では5≦l+m+n+x+y+z、5≦p+q+r+
u+v+wである。5≦l+m+n+x+y+z、5≦
p+q+r+u+v+w であればレゾール樹脂との親
和性があり、良く混合できることから界面活性剤として
の効果が発現できる。ポリオキシエチレン鎖はl+m+
n+x+y+z=150、p+q+r+u+v+w=1
50を超えると非常に高価になり、コスト的に不利であ
る。好ましくは10≦l+m+n+x+y+z≦12
0、10≦p+q+r+u+v+w≦120であり、よ
り好ましくは30≦l+m+n+x+y+z≦100、
30≦p+q+r+u+v+w≦100である。
【0018】本発明におけるフェノール樹脂フォームの
独立気泡率は80%以上であり、好ましくは90%以上
98.5%未満である。独立気泡率が80%未満である
とフェノール樹脂フォーム中の発泡剤が空気と置換して
断熱性能の低下が著しくなる恐れがあるばかりではな
く、フェノール樹脂フォームの表面脆性が増加して機械
的実用性能を満足しなくなる懸念がある。本発明におけ
るフェノール樹脂フォームの嵩密度は、10kg/m3
以上80kg/m3以下であり、好ましくは20kg/
3以上50kg/m3以下である。嵩密度が10kg/
3未満だと圧縮強度等の機械的強度が小さくなり、フ
ォームの取り扱い時に破損が起こりやすくなり、表面脆
性も増加する。逆に嵩密度が80kg/m3を超えると
樹脂部の伝熱が増大し断熱性能が低下する恐れがある。
【0019】本発明におけるフェノール樹脂フォームの
平均気泡径は10μm以上200μm以下が好ましく、
より好ましくは20μm以上150μm以下である。平
均気泡径が10μm未満であると、気泡壁の厚さに限界
があることから、必然的にフォーム密度が高くなり、そ
の結果発泡体における樹脂部の伝熱割合が増加してフェ
ノール樹脂フォームの断熱性能は不十分となる恐れがあ
る。また、逆に200μmを超えると、輻射による熱伝
率が増加するようになり、フォームの断熱性能が低下す
る。
【0020】通常では、本発明で使用するレゾール樹脂
のフェノール類対アルデヒド類の出発モル比は1:1か
ら1:4.5が好ましく、より好ましくは1:1.5か
ら1:2.5の範囲である。本発明においてレゾール樹
脂合成の際に好ましく使用されるフェノール類として
は、フェノール自体、および他のフェノール類で、約10
wt%まで代替されたフェノールを挙げることができ
る。他のフェノール類の例としては、レゾルシノール、
カテコール、o−、m−およびp−クレゾール、キシレ
ノール類、エチルフェノール類、p−tertブチルフェノ
ール等が挙げられる。2核フェノール類もまた使用でき
る。レゾール樹脂合成の際に好ましく使用されるアルデ
ヒド類としては、ホルムアルデヒド自体、および他のア
ルデヒド類で約10wt%まで代替されたホルムアルデ
ヒドを挙げることができる。他のアルデヒド類の例とし
ては、グリオキサール、アセトアルデヒド、クロラー
ル、フルフラール、ベンズアルデヒド等が挙げられる。
【0021】該レゾール樹脂には尿素、メチロール尿素
やメラミン等を添加剤として加えても良く、本発明にお
いては、該添加剤を加えたものもレゾール樹脂と言う。
本発明において用いるレゾール樹脂の含水量は0.2〜
15wt%であり、好ましくは2〜10wt%、より好
ましくは3〜8wt%である。本発明において用いるレ
ゾール樹脂の粘度は樹脂の取扱い性から好ましくは40
℃で2,000〜100,000mPa・sであり、好ま
しくは3,000〜50,000mPa・s、より好まし
くは5,000〜20,000mPa・sである。尿素、
メチロール尿素やメラミン等の添加剤を加えた場合に
は、上記レゾール樹脂の粘度は該添加剤を加えた後のレ
ゾール樹脂の粘度である。
【0022】本発明で使用する発泡剤としては、トリク
ロロトリフルオロエタン(CFC−113)、トリクロ
ロモノフルオロエタン(CFC−11)等のCFC類
や、ジクロロフルオロエタン(HCFC−123)、ジ
クロロフルオロエタン(HCFC−141b)等のHC
FC類、もしくは1,1,1,2−テトラフロオロエタ
ン(HFC−134a)、1,1−ジフルオロエタン
(HFC−152a)のHFC類、あるいはシクロヘキ
サン、シクロペンタン、ノルマルペンタン等のHC類、
二酸化炭素等がある。この発泡剤は一種類で用いても、
二種類以上の組み合わせでもよい。また、発泡核剤とし
て窒素、ヘリウム、アルゴン、空気などの低沸点物質を
発泡剤に添加して使用してもよい。
【0023】本発明で使用する硬化触媒は特に限定はし
ないが、水を含む酸を使用するとフォーム気泡壁の破壊
等が起こる恐れがある。そのため無水リン酸や無水アリ
ールスルホン酸が好ましいと考えられる。無水アリール
スルホン酸としてはトルエンスルホン酸やキシレンスル
ホン酸、フェノールスルホン酸、置換フェノールスルホ
ン酸、キシレノールスルホン酸、置換キシレノールスル
ホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホ
ン酸、ナフタレンスルホン酸等があげられ、これらを一
種類で用いても、二種類以上の組み合わせでもよい。ま
た、硬化助剤としてレゾルシノール、クレゾール、サリ
ゲニン(o−メチロールフェノール)、p−メチロール
フェノール等を添加してもよい。また、これらの硬化触
媒を、ジエチレングリコール、エチレングリコール等の
溶媒で希釈してもよい。
【0024】フェノール樹脂フォームは少なくともレゾ
ール樹脂に界面活性剤、発泡剤および硬化触媒を添加
し、これらを一様に分散させオーブン等を用いて硬化さ
せることによって得られる。界面活性剤、及び発泡剤
は、レゾール樹脂に予め添加しておいても良いし、硬化
触媒と同時に添加しても良い。触媒を添加したレゾール
樹脂はピンミキサー等を使用して出来るだけ速やかに一
様に分散させ、硬化させる。
【0025】発泡剤の使用量は、その種類により異なる
が、例えば、発泡剤にHFC−134aを使用した場
合、レゾール樹脂100質量部に対して、好ましくは3
質量部以上30質量部以下、より好ましくは5質量部以
上20質量部以下で使用される。ノルマルペンタン50
wt%とイソブタン50wt%の混合物を用いた場合
は、好ましくは3質量部以上20質量部以下、より好ま
しくは5質量部以上17質量部以下で使用される。
【0026】硬化触媒もその種類により使用量は異な
り、例えば、無水リン酸を用いた場合、レゾール樹脂1
00質量部に対して、好ましくは5質量部以上30質量
部以下、より好ましくは8質量部以上25質量部以下で
使用される。パラトルエンスルホン酸一水和物60wt
%とジエチレングリコール40wt%の混合物を使用す
る場合、好ましくは3質量部以上30質量部以下、より
好ましくは5質量部以上20質量部以下で使用される。
硬化温度は好ましくは40℃以上120℃以下で、より
好ましくは60℃以上95℃以下である。硬化は一段階
で行っても良いし、硬化の具合にあわせ硬化温度を変え
て数段階に分けて硬化させても良い。
【0027】次に本発明におけるレゾール樹脂、フェノ
ール樹脂フォームの組成、構造、特性の評価方法に関し
て説明をする。本発明におけるレゾール樹脂粘度は回転
粘度計(東機産業(株)R−100型、ローター部は3
°×R−14)を用い40℃で測定した。レゾール樹脂
の水分量は、以下のようにして測定した。水分量を測定
した脱水メタノール(関東化学(株)製)にレゾール樹
脂を3wt%から7wt%の範囲で溶解して、その溶液
の水分量を測定して、レゾール樹脂中の水分量を求め
た。測定にはカールフィッシャー水分計(京都電子工業
(株)製MKC−510)を用いた。
【0028】独立気泡率は、フェノール樹脂フォームよ
り直径35mm〜36mmの円筒試料をコルクボーラー
でくり貫き、高さ30mm〜40mmに切りそろえた
後、空気比較式比重計(東京サイエンス社1,000
型)の標準使用方法により試料容積を測定する。その試
料容積から、試料重量と樹脂密度から計算した気泡壁の
容積を差し引いた値を、試料の外寸から計算した見かけ
の容積で割った値であり、ASTM D2856に従い
測定した。ここでフェノール樹脂の密度は1.3kg/
lとした。
【0029】本発明におけるフェノール樹脂発泡体の平
均気泡径とは、フォーム断面の50倍拡大写真上に9c
mの長さの直線を4本引き、書く直線が横切った気泡の
数の平均値で1,800μmを割った値であり、JIS
K6402に準じて測定したセル数より計算した平均
値である。フェノール樹脂フォームの熱伝導率はフェノ
ール樹脂フォームサンプル200mm角、低温板5℃、
高温板35℃でJIS A1412の平板熱流計法に従
い測定した。
【0030】密度は、20cm角のフェノール樹脂フォ
ームを試料とし、この試料の面材、サイディング材を取
り除いて重量と見かけ容積を測定して求めた値であり、
JIS K7222に従い測定した。フェノール樹脂フ
ォームの圧縮強さは、JIS K7220に従い、規定
ひずみを0.05として測定した。フェノール樹脂フォ
ームのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエ
チレンヒマシ油の定量は、次のように行った。フェノー
ル樹脂フォームを粉砕し、粉体をJIS K7100に
規定する標準温度状態3級(温度23±5℃)及び標準
湿度状態3級(相対湿度40から60%)に16時間以
上保持したのちクロロホルムを用いてソクステック抽出
(試料2.4gについてクロロホルム200ml使用。
150℃で一晩抽出した)を行った。抽出物は日本分析
工業LC−908型GPCを用いカラムにJAIGEL
−2H−1H(20mmφ×600mm/本)を使用
し、溶媒をクロロホルム、流速を3.3ml/minと
して精製した。定量GPCは東ソー製GPC−8020
を使用した。カラムにはTSKgel SuperHZ
M−M(4.6mmφ×15cm)+TSKgel S
uperHZ2000(4.6mmφ×15cm)を使
用した。オーブン温度は40℃とし、溶離液にはテトラ
ヒドロフラン(THF)(0.35ml/min)を用
い、試料濃度を0.1wt%、検出器を示差屈折率計
(RI)としたところ、10分〜13.2分の範囲でピ
ークが得られた。ピーク面積を検量線に従い換算してフ
ェノール樹脂フォーム100gあたりのポリオキシエチ
レンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の濃度
を算出した。
【0031】ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオ
キシエチレンヒマシ油の定性は、GPCによってカラム
分取した溶出分を、1H−NMR測定及びIR測定によ
って行った。1H−NMRには日本電子製JNMλ40
0を使用した。溶液は重クロロホルムを用い、温度は4
5℃とした。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を使用し
た際には0.8、1.3、1.4、1.5、1.6、
2.3、3.6、3.7、4.2、4.8ppmにピー
クが得られた。また、4.8ppmと3.6ppmのピ
ークは比率が1:15〜1:525の範囲で得られた。
ポリオキシエチレンヒマシ油を使用した際には0.8、
1.3、1.4、1.5、1.6、2.3、3.6、
3.7、4.2、4.8、5.6ppmにピークが得ら
れた。また、4.8ppmと3.6ppmのピークは比
率が1:15〜1:525の範囲で得られた。
【0032】IRにはPERKINELMER製160
0Series FTIRを使用し、KBr錠剤を使用
した透過法により4cm-1の分解能で測定した。ポリオ
キシエチレンヒマシ油を使用した際には723、84
8,852、1110、1260、1297、134
9、1489、1735、2888、2926、334
6cm-1にピークが得られた。ポリオキシエチレンヒマ
シ油を使用した際には723、848、852、96
0、1110、1260、1297、1349、148
9、1650,1735、2888、2926、334
6cm-1にピークが得られた。次に、実施例および参考
例によって本発明を説明する。
【0033】
【実施例】<レゾール樹脂の合成>反応器に37wtホ
ルムアルデヒド(和光純薬社製、試薬特級)5,000
gと99%フェノール(和光純薬社製、試薬特級)3,
000gを仕込み、プロペラ回転式の攪拌機により攪拌
し、温調機により反応器内部液温度を40℃に調整す
る。次いで、50wt%水酸化ナトリウム水溶液を60
g加え、反応液を40℃から85℃に上昇させ、110
分間保持した。その後、反応液を5℃まで冷却する。こ
れをレゾール樹脂Aとする。
【0034】一方、別の反応器に37wt%ホルムアル
デヒド1,080gと水1,000gと50wt%水酸
化ナトリウム水溶液78gを加え、尿素(和光純薬社
製、試薬特級)1,600gを仕込み、プロペラ回転式
の攪拌機により攪拌し、温調機により反応器内部液温度
を40℃に調整する。次いで、反応液を40℃から70
℃に上昇させ60分間保持した。これをメチロール尿素
Uとする。次に、レゾール樹脂Aにメチロール尿素Uを
1,350g混合して液温度を60℃に上昇させ1時間
保持した。次いで反応液を30℃まで冷却し、パラトル
エンスルホン酸一水和物の50wt%水溶液でpHを6
に中和した。この反応液を、60℃で脱水処理して粘度
を測定したところ、40℃における粘度は5,700m
Pa・sであった。これをレゾール樹脂A−Uとする。
【0035】
【実施例1】レゾール樹脂A−U100質量部に界面活
性剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(日光ケミ
カルズ(株)製、HCO−100)を3.5質量部添加
し、レゾール樹脂組成物を調製した。上記レゾール樹脂
組成物100質量部に対し、硬化触媒としてパラトルエ
ンスルホン酸一水和物60wt%(和光純薬社製、純度
95%以上)とジエチレングリコール40wt%(和光
純薬社製、純度98%以上)を混合したものを13質量
部、ノルマルペンタン(和光純薬社製、純度99%以
上)50wt%とイソブタン(エスケイ産業(株)製、
純度99%以上)50wt%の混合物100質量部に窒
素を発泡剤に対して0.3質量部溶解したものを発泡剤
として10質量部の割合で、15℃に温調したピンミキ
サーに連続的に供給し一様に攪拌した。ミキサーから出
てきた混合物を、硬化反応中に発生する水分を外部に放
出できるように設計した厚み30mm×300mm×3
00mmの型枠に75g流し込み、80℃のオーブンに
2時間保持してフェノール樹脂発泡体を製造した。型枠
の内側には予め表面材としてポリエステル製不織布(旭
化成(株)製、スパンボンドE1040)を貼り付けて
おき発泡硬化後にフェノール樹脂フォームを容易に型枠
から取り外せるようにした。
【0036】
【実施例2】界面活性剤としてポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油(日光ケミカルズ(株)製、HCO−80)を
レゾール樹脂A−U100質量部に対して3.5質量部
使用した以外は、実施例1と同様にフェノール樹脂フォ
ームを製造した。
【0037】
【実施例3】界面活性剤としてポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油(日光ケミカルズ(株)社製、HCO−60)
をレゾール樹脂A−U100質量部に対して3.5質量
部使用した以外は、実施例1と同様にフェノール樹脂フ
ォームを製造した。
【0038】
【実施例4】界面活性剤としてポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油(日光ケミカルズ(株)製、HCO−40)を
レゾール樹脂A−U100質量部に対して3.5質量部
使用した以外は、実施例1と同様にフェノール樹脂フォ
ームを製造した。
【0039】
【実施例5】界面活性剤としてポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油(日光ケミカルズ(株)製、HCO−30)を
レゾール樹脂A−U100質量部に対して3.5質量部
使用した以外は、実施例1と同様にフェノール樹脂フォ
ームを製造した。
【0040】
【実施例6】界面活性剤としてポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油(日光ケミカルズ(株)製、HCO−20)を
レゾール樹脂A−U100質量部に対して3.5質量部
使用した以外は、実施例1と同様にフェノール樹脂フォ
ームを製造した。
【0041】
【実施例7】界面活性剤としてポリオキシエチレンヒマ
シ油(日光ケミカルズ(株)製、CO−60TX)をレ
ゾール樹脂A−U100質量部に対して3.5質量部使
用した以外は、実施例1と同様にフェノール樹脂フォー
ムを製造した。
【0042】
【実施例8】界面活性剤としてポリオキシエチレンヒマ
シ油(日光ケミカルズ(株)製、CO−40TX)をレ
ゾール樹脂A−U100質量部に対して3.5質量部使
用した以外は、実施例1と同様にフェノール樹脂フォー
ムを製造した。
【0043】
【実施例9】界面活性剤としてポリオキシエチレンヒマ
シ油(日光ケミカルズ(株)製、CO−20TX)をレ
ゾール樹脂A−U100質量部に対して3.5質量部使
用した以外は、実施例1と同様にフェノール樹脂フォー
ムを製造した。
【0044】
【実施例10】界面活性剤としてポリオキシエチレン硬
化ヒマシ油(日光ケミカルズ(株)製、HCO−40)
50wt%とポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(日光ケ
ミカルズ(株)製、HCO−10)50wt%の混合物
をレゾール樹脂A−U100質量部に対して3.5質量
部使用した以外は、実施例1と同様にフェノール樹脂フ
ォームを製造した。
【0045】
【実施例11】界面活性剤としてポリオキシエチレン硬
化ヒマシ油(日光ケミカルズ(株)製、HCO−40)
50wt%とポリオキシエチレンヒマシ油(日光ケミカ
ルズ(株)製、CO−10)50wt%の混合物をレゾ
ール樹脂A−U100質量部に対して3.5質量部使用
した以外は、実施例1と同様にフェノール樹脂フォーム
を製造した。
【0046】
【実施例12】界面活性剤としてポリオキシエチレン硬
化ヒマシ油(日光ケミカルズ(株)製、HCO−40)
をレゾール樹脂A−U100質量部に対して0.1質量
部使用した以外は、実施例1と同様にフェノール樹脂フ
ォームを製造した。
【0047】
【実施例13】界面活性剤としてポリオキシエチレン硬
化ヒマシ油(日光ケミカルズ(株)製、HCO−40)
をレゾール樹脂A−U100質量部に対して10質量部
使用した以外は、実施例1と同様にフェノール樹脂フォ
ームを製造した。
【0048】
【比較例1】界面活性剤としてエチレンオキサイド−プ
ロピレンオキサイドのブロック共重合体(BASF製、
プルロニックF−127)をレゾール樹脂A−U100
質量部に対して3.5質量部使用したが、樹脂送液用ポ
ンプが圧力オーバーのため運転できず、連続的にピンミ
キサーに送液することが出来なかった。そのため、フェ
ノール樹脂フォームの製造は出来なかった。
【0049】
【比較例2】界面活性剤としてエチレンオキサイド−プ
ロピレンオキサイドのブロック共重合体(BASF製、
プルロニックF−127)をレゾール樹脂A−U100
質量部に対して3.5質量部使用した。樹脂タンク、送
液ポンプ及び配管を70℃に温調することで連続的にピ
ンミキサーに送液できたため、実施例1と同様にフェノ
ール樹脂フォームを製造した。
【0050】
【比較例3】界面活性剤としてポリオキシエチレンアル
キルフェニルホルムアルデヒド(日光ケミカルズ(株)
製、R−1020)をレゾール樹脂A−U100質量部
に対して3.5質量部使用した以外は、実施例1と同様
にフェノール樹脂フォームを製造しようとしたが、発泡
しなかったためにフェノール樹脂フォームは得られなか
った。
【0051】
【比較例4】界面活性剤としてポリグリセリン脂肪酸エ
ステル(日光ケミカルズ(株)製、Hexaglyn
1−L)をレゾール樹脂A−U100質量部に対して
3.5質量部使用した以外は、実施例1と同様にフェノ
ール樹脂フォームを製造しようとしたが、発泡しなかっ
たためにフェノール樹脂フォームは得られなかった。表
1にはそれぞれのレゾール樹脂粘度、水分量、フェノー
ル樹脂フォームを製造した際の独立気泡率、平均気泡
径、熱伝導率、密度および圧縮強度を記した。
【0052】表2に、フェノール樹脂フォームに含まれ
るポリオキシエチレン硬化ヒマシ油またはポリオキシエ
チレンヒマシ油の定量結果を記した。記載はピーク面積
を検量線に従い換算してフェノール樹脂フォーム100
gあたりのポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエ
チレン硬化ヒマシ油の濃度を算出したものを換算濃度
(g/100g)として表した。
【0053】
【表1】
【0054】比較例1、3、4は発泡できなかったた
め、独立気泡率、平均気泡径、熱伝導率、密度、圧縮強
度は測定できなかった。また、比較例2では樹脂が配管
内で徐々に反応し、圧力が高くなったため、所定時間の
運転が出来なかった。
【0055】
【表2】
【0056】比較例1、2、3及び4の抽出成分はGPC
で異なるピークを示し、1H−NMR及びIRでも異な
るピークを示した。
【0057】
【発明の効果】本発明によって、品質の良い独立気泡フ
ェノール樹脂フォームの製造がこれまで困難であった低
粘度レゾール樹脂を用いても可能となった。低粘度レゾ
ール樹脂を使用することによって、例えば、配管による
圧力損失が減少して送液ポンプの負担が減少し、設備に
かけるコストを低くできる。また、送液が容易になった
ことで、品質のよい独立気泡フェノール樹脂フォームを
安定して製造可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA60 AA76 AB01 AB05 AC31 AD15 AG20 BA32 BA35 BA39 BA53 BA54 BA58 BA60 BB01 BB05 BB10 BC02 CA23 DA02 DA12 4J002 CC041 CC051 CC061 CH022 DH027 EA016 EA026 EB066 EV237 FD147 FD150 FD312 FD326 4J005 AA04 AA12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)で表されるポリオキシエチ
    レン硬化ヒマシ油、下記式(2)で表されるポリオキシ
    エチレンヒマシ油、またはこれらの混合物をフェノール
    樹脂フォーム100gあたり合計で0.05g以上1.
    5g以下含有し、独立気泡率が80%以上、嵩密度が1
    0kg/m3以上80kg/m3以下である事を特徴とす
    るフェノール樹脂フォーム。 【化1】 (式中、l,m,n,x,y,zは自然数であって、5
    ≦l+m+n+x+y+z≦150である。) 【化2】 (式中、p,q,r,u,v,wは自然数であって、5
    ≦p+q+r+u+v+w≦150である。)
  2. 【請求項2】 レゾール樹脂、発泡剤、界面活性剤、硬
    化触媒を少なくとも用いてフェノール樹脂フォームを製
    造する方法において、上記界面活性剤として、式(1)
    で表されるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、および式
    (2)で表されるポリオキシエチレンヒマシ油からなる
    群から選ばれる少なくとも1種を含有する界面活性剤を
    使用することを特徴とする請求項1記載のフェノール樹
    脂フォームの製造方法。
  3. 【請求項3】 レゾール樹脂が、含水量0.2wt%以
    上15wt%以下で、40℃における粘度が2,000
    〜100,000mPa・sのレゾール樹脂であること
    を特徴とする請求項2記載のフェノール樹脂フォームの
    製造方法。
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