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JPH11140217A - フェノールフォーム - Google Patents

フェノールフォーム

Info

Publication number
JPH11140217A
JPH11140217A JP31241997A JP31241997A JPH11140217A JP H11140217 A JPH11140217 A JP H11140217A JP 31241997 A JP31241997 A JP 31241997A JP 31241997 A JP31241997 A JP 31241997A JP H11140217 A JPH11140217 A JP H11140217A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
phenol foam
foam
blowing agent
phenol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31241997A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuuichi Arito
裕一 有戸
Kenji Takasa
健治 高佐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP31241997A priority Critical patent/JPH11140217A/ja
Publication of JPH11140217A publication Critical patent/JPH11140217A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J9/00Working-up of macromolecular substances to porous or cellular articles or materials; After-treatment thereof
    • C08J9/04Working-up of macromolecular substances to porous or cellular articles or materials; After-treatment thereof using blowing gases generated by a previously added blowing agent
    • C08J9/12Working-up of macromolecular substances to porous or cellular articles or materials; After-treatment thereof using blowing gases generated by a previously added blowing agent by a physical blowing agent
    • C08J9/14Working-up of macromolecular substances to porous or cellular articles or materials; After-treatment thereof using blowing gases generated by a previously added blowing agent by a physical blowing agent organic
    • C08J9/149Mixtures of blowing agents covered by more than one of the groups C08J9/141 - C08J9/143
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2203/00Foams characterized by the expanding agent
    • C08J2203/14Saturated hydrocarbons, e.g. butane; Unspecified hydrocarbons
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2203/00Foams characterized by the expanding agent
    • C08J2203/14Saturated hydrocarbons, e.g. butane; Unspecified hydrocarbons
    • C08J2203/146Saturated hydrocarbons containing oxygen and halogen atoms, e.g. F3C-O-CH2-CH3
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2361/00Characterised by the use of condensation polymers of aldehydes or ketones; Derivatives of such polymers
    • C08J2361/02Condensation polymers of aldehydes or ketones only

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発泡剤が炭化水素で、優れた断熱性能を有
し、かつ、圧縮強度等の機械的強度に優れ、脆性が改善
され、地球環境により適合したフェノールフォームを提
供すること。 【解決手段】 発泡剤が炭化水素であり、独立気泡率8
0%以上、平均気泡径10μm以上400μm以下、熱
伝導率が0.025kcal/mhr℃以下のフェノー
ルフォームであって、該フェノールフォームが下記一般
式(1)で示されるフルオロエーテルの少なくとも1種
をフェノールフォーム中に0.01から5重量%含むこ
とを特徴とするフェノールフォーム。 【化1】 式(1)において、aは0,1,2,3でありbは3−
aでありm、nは自然数である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種建築材料とし
て好適な断熱用フェノールフォームに関する。
【0002】
【従来の技術】フェノールフォームは、有機樹脂発泡体
のなかでも、特に難燃性、耐熱性、低発煙性、寸法安定
性、耐溶剤性、加工性に優れているため、各種建築材料
として広く使用されている。一般的にフェノールフォー
ムは、フェノールとホルマリンをアルカリ性触媒により
縮合したレゾール樹脂と、発泡剤、界面活性剤、硬化触
媒、その他添加剤を均一に混合し発泡させることによっ
て製造される。
【0003】従来のフェノールフォームは、発泡剤とし
てトリクロロトリフルオロエタン(CFC−113)、
トリクロロモノフルオロメタン(CFC−11)、ジク
ロロトリフルオロエタン(HCFC−123)、ジクロ
ロフルオロエタン(HCFC−141b)等のハロゲン
化炭化水素やその誘導体が用いられてきた。発泡剤とし
ての、これらハロゲン化炭化水素やその誘導体は製造時
の安全性に優れ、更にガス自体の熱伝導度が低いことか
ら、得られた発泡体の熱伝導度をも低くできると言う利
点を有していた。しかしながら、現在においては、CF
C−113、CFC−11等、塩素原子を含む物質は、
成層圏のオゾンを分解しオゾン層の破壊を引き起こすこ
とが明らかにされるに至り、これらの物質は地球レベル
での環境破壊の原因として世界的に問題とされるように
なり、それらの製造及び使用量が世界的に規制されるよ
うになってきた。また、塩素を含まないオゾン破壊係数
が0のフルオロ炭化水素である1,1,1,2−テトラ
フルオロエタン(HFC−134a)、1,1−ジフル
オロエタン(HFC−152a)なども、地球温暖化係
数が比較的大きいことから、ヨーロッパでは使用が制限
される動きにあり、ペンタン等の炭化水素類が注目され
ている。
【0004】従来、フェノールフォームの発泡剤として
ノルマルペンタンやシクロペンタンの様な炭化水素を使
用することは知られていたが、これらの炭化水素は、オ
ゾン層を破壊することが無く、地球温暖化係数も比較的
小さい点で優れているものの、ハロゲン化炭化水素と比
べ、フォームの平均気泡径が大きくなり、ガス自体の熱
伝導率が低いために良好な断熱性能は得られず、更に気
泡壁も弱く圧縮強度等の機械的強度も不十分であるなど
実用上の問題があった。
【0005】これに対し、特公表平4−503829号
公報では、特定のフルオロアルカン(以下PFA)をア
ルカン又はシクロアルカンと混合して発泡剤として使用
することにより低い熱伝導率のフェノールフォームを製
造しているが、このフルオロアルカンも前述のフルオロ
炭化水素と同様に地球温暖化係数が比較的大きいことか
ら、使用の制限が懸念される。
【0006】また、特開平3−231941号公報で
は、特定のポリフルオロエーテル類を発泡剤として用い
てフェノールフォームを製造している。さらに、特開平
4−202242号公報では、特定のフッ化エーテルを
発泡剤の主成分として用いてフェノールフォームを製造
している。特開平3−231941号公報及び、特開平
4−202242号公報で使用されている特定のポリフ
ルオロエーテル類及び特定のフッ化エーテル類は、ガス
自体の熱伝導率が低く、地球温暖化係数も比較的小さい
ものの、本発明者らは、これらエーテル類を発泡剤とし
て用いると、出来たフェノールフォームはセル径が大き
くなり、フォームを形成する樹脂の剛性も低下し、フォ
ームの密度に対する圧縮強度の値も比較的小さくなって
しまうという問題点があることを見出した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のフェ
ノールフォームが有する前記諸問題を解決しうるもので
ある。即ち本発明は、発泡剤が炭化水素で、優れた断熱
性能を有し、かつ、圧縮強度等の機械的強度に優れ、脆
性が改善され、地球環境により適合したフェノールフォ
ームを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、前記本発明の課題を達成しうるフェノー
ルフォームの存在を見出し、本発明を完成させるに至っ
た。即ち本発明は、 1. 発泡剤が炭素数4から6の飽和炭化水素であり、
独立気泡率が80%以上、平均気泡径が10μm以上4
00μm以下、熱伝導率が0.025kcal/mhr
℃以下のフェノールフォームであって、該フェノールフ
ォームが下記一般式(1)で示されるフルオロエーテル
の少なくとも1種をフェノールフォームに対して0.0
1から5重量%含有することを特徴とするフェノールフ
ォーム、
【0009】
【化2】
【0010】式(1)においてaは0,1,2,3であ
りbは3−aでありm、nは自然数である、 2. フェノールフォームが密度が10kg/m3 以上
70kg/m3 以下であって、脆性が30%以下であ
り、圧縮強度が密度に対する式(2)の関係を満足する
ことを特徴とする前記1記載のフェノールフォーム、 圧縮強度[kg/cm2 ]≧密度[kg/m3 ]×0.1164−2.5 (2) 3. 発泡剤が前記一般式(1)で示されるフルオロエ
ーテルの少なくとも1種を、発泡剤に対して0.2から
20重量%含有する炭素数4から6の飽和炭化水素であ
ることを特徴とする前記1または2記載のフェノールフ
ォーム、である。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
フェノールフォームは、独立気泡率が80%以上である
必要がある。より好ましくは85%以上、更に好ましく
は、90%以上である。独立気泡率が80%未満である
と、フェノールフォームの発泡剤が空気と置換して断熱
性能の経時低下が著しくなる恐れがあるばかりではな
く、発泡体の表面脆性が増加して機械的実用性能を満足
しなくなる懸念がある。
【0012】本発明におけるフェノールフォームの平均
気泡径は、10μm以上400μm以下であり、より好
ましくは20μm以上200μm以下である。平均気泡
径が10μm未満であると、気泡壁の厚さに限界が有る
ことから、必然的にフォーム密度が上昇し、その結果発
泡体における樹脂部の伝熱割合が増加しフェノールフォ
ームの断熱性能は不十分となる恐れがある。また、逆に
気泡径が400μmを越えると、輻射による熱伝導が増
加するようになり、発泡体の断熱性能が低下する。
【0013】本発明のフェノールフォームは、発泡剤と
して炭素数4から6のアルカンもしくはシクロアルカン
を使用する。具体的には、ノルマルブタン、イソブタ
ン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタ
ン、ネオペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、
2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、シ
クロヘキサン等を挙げることが出来る。更にその中で
も、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、
イソペンタン、シクロペンタン、ネオペンタンのブタン
類又は、ペンタン類が本発明に特に好適である。本発明
では、これら炭化水素を2種類以上混合して使用するこ
ともできる。混合の例としては、ノルマルペンタンとノ
ルマルブタン、イソブタンとイソペンタン、ノルマルブ
タンとイソペンタン、イソブタンとノルマルペンタン、
シクロペンタンとノルマルブタン、シクロペンタンとイ
ソブタンの混合等がある。また、窒素、ヘリウム、アル
ゴン、空気などの低沸点物質を発泡核として、発泡剤に
溶解させて使用することもできる。
【0014】本発明における発泡剤の使用量は、所望す
る発泡体の密度、発泡条件等によって適宜決めて差し支
えないが、通常、樹脂100重量部に対して、3から4
0重量部とすることが好ましく、より好ましくは5から
20重量部である。本発明のフルオロエーテルは、分子
内にパーフルオロプロピルエーテル構造とフルオロメチ
レン構造を併せ持つフルオロエーテルであって、例え
ば、アウジモント株式会社製のパーフルオロポリエーテ
ル類であるガルデン(Galden)HT−70、ガル
デン(Galden)HT−55等を好ましく用いるこ
とができる。
【0015】本発明のフルオロエーテルの使用量は、フ
ェノールフォームに対して0.01重量%から5重量%
であり、より好ましくは、0.05重量%から3重量%
である。フルオロエーテルの量が0.01重量%未満で
あると高い独立気泡率が得られない。また、フルオロエ
ーテルの量が5重量%を越えると、製造コストが嵩み経
済的に不利になるばかりではなく、気泡中で特定のフル
オロエーテルが液化して断熱性能が低下したり、樹脂の
剛性が低下する事が懸念される。
【0016】本発明におけるフルオロエーテルを発泡剤
として単独で使用すると、フルオロエーテルが発泡の際
に急激に樹脂相から分離してしまい、発泡体は得られず
に、フェノール樹脂の固まりになってしまった。これ
は、本発明におけるフルオロエーテルが、特開平3−2
31941号公報及び特開平4−202242号公報で
使用されている特定のポリフルオロエーテル類及び特定
のフッ化エーテル類とは異なり、発泡剤としての発泡機
能を有しないためである。
【0017】本発明では、発泡剤として炭化水素を用い
て、発泡時にフルオロエーテルを共存させることによっ
て、フェノールフォームの気泡径を小さくし、同時に高
い独立気泡率を得て、それによって断熱性能を著しく改
善するのである。本発明によるフェノールフォームは、
発泡剤が炭化水素でありながら、熱伝導率は0.025
kcal/mhr℃以下であり、優れた断熱性能を有す
る。より好ましい熱伝導率は0.020kcal/mh
r℃以下である。
【0018】また、本発明によるフルオロ化合物は、酸
素が分子内に存在するため、パーフルオロアルカン類と
比較して大気中での寿命が短くなり地球温暖化係数が比
較的小さく、地球環境保護に適合すると言う優れた利点
を有する。本発明のフェノールフォームの密度は、発泡
剤の割合、硬化時のオーブン温度等の発泡条件により所
望の値を選択できるが、好ましくは10kg/m3以上
70kg/m3以下であり、より好ましくはは20kg
/m3以上50kg/m3以下である。密度が10kg/
3 未満だと圧縮強度等の機械的強度が小さくなり、取
り扱い時に破損しやすくなり、表面脆性も増加する。逆
に密度が70kg/m3をこえると樹脂部の伝熱が増加
し断熱性能が低下する恐れがある。
【0019】本発明によるフェノールフォームは、従来
のフェノールフォームと比べると脆性及び圧縮強度も改
善される。この理由は明らかではないが、フルオロエー
テルが発泡時に発泡剤と共存することによって、発泡が
より均一により好ましいタイミングで起生し、その結果
得られるフェノールフォームの気泡径が小さくなると共
に、これらの化合物が気泡を形成する樹脂組織自体をよ
り強固なものにする為と推定される。本発明のフェノー
ルフォームは上記密度範囲において、後述する測定法に
よる脆性が30%以下であり、より好ましくは20%以
下である。脆性が30%を越えると、発泡体表面が削れ
た樹脂粉が多くなり施工時の作業性が低下するばかりで
なく、運搬、施工などの取り扱い時に製品が破損し易く
なるなどの問題があり、実用上好ましくない。
【0020】本発明のフェノールフォームの圧縮強度
は、密度に対する前記式(2)の関係を満足することが
好ましい。本発明によるフェノールフォームは、特開平
4−202242号公報記載のフォームと比較すると密
度に対する圧縮強度が大きい点でも著しく改善されてい
る。脆性及び圧縮強度は、フェノールフォームの独立気
泡率、平均気泡径、密度及び樹脂自体の強度と密接に関
わっており、特に密度に対する依存性が大きい。
【0021】本発明のごとく炭化水素を発泡剤に使用し
たフェノールフォームにおいては、フルオロエーテルの
存在が、従来のフェノールフォームに比べ平均気泡径を
小さくし、さらに樹脂の強度を向上させ、密度に対する
圧縮強度や脆性のバランスが優れたフェノールフォーム
を形成せしめる根源となっていると考えられる。次に、
本発明によるフェノールフォームの製造法について説明
する。
【0022】樹脂原料であるレゾール樹脂は、フェノー
ルとホルマリンを原料としてアルカリ触媒により40℃
から100℃の温度範囲で加熱して重合させて得る。こ
の、レゾール樹脂には、尿素、アミン類、アミド類、エ
ポキシ化合物、単糖類、でんぷん類、ポバール樹脂、フ
ラン樹脂、ポリビニルアルコール、ラクトン類等の各種
改質剤を添加して使用してもよい。また、尿素変性する
場合には、レゾール樹脂重合時に尿素を添加してもよい
し、予めアルカリ触媒でメチロール化した尿素をレゾー
ル樹脂に混合してもよい。レゾール樹脂組成物は、水分
量を調整することにより適正な粘度にして使用される。
樹脂組成物の好適粘度は発泡条件により異なるが、40
℃における粘度が1000から50000cpsである
ことが好ましく、2000から30000cpsである
ことがより好ましい。
【0023】適正な粘度に調整されたレゾール樹脂組成
物と、発泡剤、特定のフルオロエーテル、界面活性剤、
硬化触媒を混合機に導入し、均一に混合して、発泡性組
成物を得ることが出来る。その際、界面活性剤を予め樹
脂に混合しておいて混合機に導入しても良いし、これら
を別々に混合機に導入しても良い。また、本発明では特
定のフルオロエーテルの導入の仕方は特に制限されず、
例えば予め特定のフルオロエーテルを樹脂に混合してお
いて、樹脂と共に混合機に導入する方法や、硬化触媒と
共に混合機に導入する方法や、発泡剤と共に導入する方
法や、単独で混合機に導入する方法などのいずれでも差
し支えない。
【0024】しかしながら、予め発泡剤に特定のフルオ
ロエーテルを混合して発泡剤と共に混合機へ導入する方
法は、比較的少量でも期待する効果が発現するのでより
好ましい。予め特定のフルオロエーテルを発泡剤に混合
する場合、特定のフルオロエーテルの発泡剤に対する割
合は、0.2重量%から20重量%とすればよい。発泡
剤と混合する場合、特定のフルオロエーテルの量が発泡
剤に対し0.2重量%未満だと効果を発揮しないし、2
0重量%を越える場合には、フェノールフォームの断熱
性能や機械的強度を低下させる懸念がある。より好まし
くは0.5重量%から15重量%、特に好ましくは1重
量%から10重量%である。また、硬化触媒は予めレゾ
ール樹脂と混合されると、発泡前に硬化反応が進行し良
好な発泡体が得られないため、混合機でレゾール樹脂と
硬化触媒とを混合することが望ましい。混合機で混合し
て得られた発泡性組成物を、型枠などに流し込み、加熱
処理により発泡硬化を完了させ、本発明のフェノールフ
ォームを得ることができる。
【0025】本発明においては発泡硬化させる際の硬化
触媒として、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、スチ
レンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などの芳香族ス
ルホン酸を単独又は2種類以上混合して使用できる。ま
た硬化助剤としてレゾルシノール、クレゾール、サリゲ
ニン(o−メチロールフェノール)、p−メチロールフ
ェノールなどを添加しても良い。また、これら硬化触媒
を、ジエチレングリコール、エチレングリコールなどの
溶媒で希釈してもよい。
【0026】本発明で使用する界面活性剤は、フェノー
ルフォーム製造に使用される通常の物を使用して差し支
えない。中でも、ノニオン系の界面活性剤が効果的であ
り、例えば、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイ
ドの共重合体であるアルキレンオキサイドや、アルキレ
ンオキサイドとヒマシ油の縮合物、又はアルキレンオキ
サイドとノニルフェノール、ドデシルフェノールのよう
なアルキルフェノールとの縮合生成物、更にはポリオキ
シエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル類、ポリ
ジメチルシロキサン等のシリコーン系化合物、ポリアル
コール類等を具体的に挙げることが出来る。これらの界
面活性剤は一種類で用いても良いし、二種類以上を組み
合わせて用いても良い。また、その使用量についても特
に制限はないが、本発明ではレゾール樹脂100重量部
当たり0.3〜10重量部の範囲で使用するとより効果
的である。
【0027】次に本発明におけるフェノールフォームの
組織、構造、特性の評価方法について説明する。フェノ
ールフォームの独立気泡率は、次のようにして測定し
た。フェノールフォームからコルクボーラーでくり貫い
た直径35から36mmの円筒試料を、高さ30から4
0mmに切りそろえ、空気比較式比重計1000型(東
京サイエンス社製)の標準使用方法により試料容積を測
定する。その試料容積から、試料重量と樹脂密度から計
算した気泡壁の容積を差し引いた値を、試料の外寸から
計算した見かけの容積で割った値であり、ASTM D
2856に従い測定した。本発明では、フェノール樹脂
の密度は1.27g/cm3 とした。
【0028】本発明におけるフェノールフォームの平均
気泡径とは、発泡体断面の50倍拡大写真上に9cmの
長さの直線を4本引き、各直線が横切った気泡の数の平
均値で1800μmを割った値であり、JIS K64
02に準じて測定したセル数より計算した平均値であ
る。熱伝導率はフェノールフォームサンプル200mm
角、低温板5℃、高温板35℃でJIS A1412の
平板熱流計法に従い測定した。密度は、20cm角のフ
ェノールフォームを試料とし、この試料の面材、サイデ
ィング材を取り除いて重量と見かけ容積を測定して求め
た値であり、JIS K7222に従い測定した。
【0029】脆性試験の試験片は、一つの面に成形スキ
ン又は面材を含むように一辺25±1.5mmの立方体
12個を切り出して試料とした。ただし、発泡体の厚さ
が25mmに満たない場合の試験片の厚さは発泡体の厚
さとした。室温乾燥した比重0.65、一辺19±0.
8mmの樫製の立方体24個と試験片12個を、埃が箱
の外へ出ないように密閉できる内寸191×197×1
97mmの樫製の木箱に入れ、毎分60±2回転の速度
で600±3回転させる。回転終了後、箱の中身を呼び
寸法9.5mmの網に移し、ふるい分けをして小片を取
り除き、残った試験片の重量を測定し、試験前の試験片
重量からの減少率を計算した値が脆性でり、JIS A
9511に従い測定した。
【0030】圧縮強さはJIS K7220に従い規定
ひずみを0.05として測定した。フェノールフォーム
中の発泡剤及び、特定のフルオロエーテルの含有量の確
認は、以下のように行える。50×50×厚みmmの試
験片をJIS K 7100に規定する標準温度状態3
級(温度23±5℃)及び標準湿度状態3級(相対湿度
40から70%)に16時間以上保持したのち、表面剤
を取り除き重量を精秤する。その試験片を気密性の容器
中で、ピリジンまたはトルエンまたはDMF等から選ん
だ溶媒と粉砕し、発泡剤及び特定のフルオロエーテルを
抽出し、ガスクロマトグラフィー又は、液体クロマトグ
ラフィーにより定量する。必要に応じて、ガスクロマト
グラフィーにより分離した成分を質量分析機に導入して
分子構造を確認してもよい。あるいは、LC−IR(液
体クロマトグラフィー−赤外吸収スペクトルメーター)
により連続的に抽出成分を同定してもよい。
【0031】
【発明の実施の形態】次に、実施例および比較例によっ
て本発明をさらに詳細に説明する。 (A) レゾール樹脂の合成 反応器に、37%ホルマリン(和光純薬社製、試薬特
級)5000gと99%フェノール(和光純薬社製、試
薬特級)3000gを仕込み、プロペラ回転式の撹拌機
により撹拌し、温調機により反応器内部液温度を40℃
に調整する。次いで、50%水酸化ナトリウム水溶液を
60g加え、反応液を40℃から85℃に上昇させ11
0分間保持した。その後、反応液を5℃まで冷却する。
これを、レゾール樹脂A−1とする。
【0032】一方、別の反応器に37%ホルマリン10
80gと水1000gと50%水酸化ナトリウム水溶液
を78gを加え、尿素(和光純薬社製、試薬特級)16
00gを仕込み、プロペラ回転式の撹拌機により撹拌
し、温調機により反応器内部液温度を40℃に調整す
る。次いで、反応液を50℃から70℃に上昇させ60
分間保持した。これを、メチロール尿素Uとする。次
に、レゾール樹脂A−1にメチロール尿素Uを1350
g混合して液温度を60℃に上昇させ1時間保持した。
次いで反応液を30℃まで冷却し、パラトルエンスルホ
ン酸一水和物の50%水溶液でpHが6になるまで中和
した。この反応液を、60℃で脱水処理して、粘度を測
定したところ40℃における粘度は6700cpsであ
った。これを、レゾール樹脂Aとする。
【0033】(B) レゾール樹脂の合成 反応器に、37%ホルマリン4350gと99%フェノ
ール3000gを仕込み、プロペラ回転式の撹拌機によ
り撹拌し、温調機により反応器内部液温度を50℃に調
整する。次いで、50%水酸化ナトリウム水溶液を60
g加え、反応液を50℃から55℃に20分間保持し
た。その後温度を85℃に上げ、温度が85℃に達して
から115分間保持した。その後、反応液を30℃まで
冷却し、パラトルエンスルホン酸一水和物の50%水溶
液でpHが6になるまで中和した。この反応液を、60
℃で脱水処理して、粘度を測定したところ40℃におけ
る粘度は5800cpsであった。これを、レゾール樹
脂Bとする。
【0034】
【実施例1】レゾール樹脂Aにペインタッド32(ダウ
コーニングアジア株式会社製、界面活性剤)をレゾール
樹脂100gに対して3.5gの割合で溶解した。こ
の、レゾール樹脂混合物と、発泡剤としてイソペンタン
(和光純薬社製、純度99%以上)96.7重量%、ガ
ルデン(Galden)HT−70(アウジモンド株式
会社製)3重量%、窒素0.3重量%の混合物と、硬化
触媒としてパラトルエンスルホン酸一水和物60重量%
(和光純薬社製、純度95%以上)とジエチレングリコ
ール40重量%(和光純薬社製、純度98%以上)の混
合物をそれぞれ、樹脂混合物100重量部、発泡剤7重
量部、硬化触媒13重量部の割合で温調ジャケット付き
ピンミキサーに供給した。ミキサーから出てきた混合物
を、スパンボンドE1040(旭化成工業株式会社製不
織布)を敷いた型枠に流し込み、80℃のオーブンに入
れ5時間保持してフェノールフォームを製造した。
【0035】
【実施例2】発泡剤をイソペンタン79.7重量%、ガ
ルデン(Galden)HT−7020.0重量%、窒
素0.3重量%の混合物に変更し、発泡剤量を8.5重
量部に変更した以外、実施例1と全く同様にしてフェノ
ールフォームを製造した。
【0036】
【実施例3】レゾール樹脂混合物に、ガルデン(Gal
den)HT−70を樹脂混合物に対して5重量%溶解
させ、発泡剤としてイソペンタン99.7重量%、窒素
0.3重量%の混合物に変更した以外は、実施例1と全
く同様にしてフェノールフォームを製造した。
【0037】
【実施例4】発泡剤をイソペンタン99.5重量%、ガ
ルデン(Galden)HT−700.2重量%、窒素
0.3重量%の混合物に変更した以外、実施例1と全く
同様にしてフェノールフォームを製造した。
【0038】
【実施例5】レゾール樹脂Aをレゾール樹脂Bに変更
し、発泡剤としてイソペンタン93.7重量%、ガルデ
ン(Galden)HT−70 7重量%、窒素0.3
重量%の混合物に変更した以外、実施例1と全く同様に
してフェノールフォームを製造した。
【0039】
【実施例6】発泡剤をノルマルペンタン(和光純薬社
製、特級試薬)89.7重量%、ガルデン(Galde
n)HT−70 10重量%、窒素0.3重量%の混合
物に変更し、発泡剤量を7.7重量部に変更した以外、
実施例1と全く同様にしてフェノールフォームを製造し
た。
【0040】
【実施例7】発泡剤をノルマルブタン(エスケイ産業株
式会社製、純度99%以上)97.7重量%、ガルデン
(Galden)HT−70 2重量%、窒素0.3重
量%の混合物に変更し、発泡剤量を5重量部に変更した
以外、実施例1と全く同様にしてフェノールフォームを
製造した。
【0041】
【実施例8】発泡剤をイソブタン(エスケイ産業株式会
社製、純度99%以上)98.7重量%、ガルデン(G
alden)HT−70 1重量%、窒素0.3重量%
の混合物に変更し、発泡剤量を5重量部に変更した以
外、実施例1と全く同様にしてフェノールフォームを製
造した。
【0042】
【実施例9】発泡剤をイソペンタン96.7重量%、ガ
ルデン(Galden)HT−553重量%、窒素0.
3重量%の混合物に変更した以外、実施例1と全く同様
にしてフェノールフォームを製造した。
【0043】
【実施例10】発泡剤量を13重量部に変更した以外、
実施例1と全く同様にしてフェノールフォームを製造し
た。
【0044】
【比較例1】レゾール樹脂混合物に、ガルデン(Gal
den)HT−70を樹脂混合物に対して15重量%溶
解させ、発泡剤としてイソペンタン99.7重量%、窒
素0.3重量%の混合物を用いた以外は、実施例1と全
く同様にしてフェノールフォームを製造した。
【0045】
【比較例2】発泡剤をイソペンタン99.7重量%、窒
素0.3重量%の混合物に変更した以外、実施例1と全
く同様にしてフェノールフォームを製造した。
【0046】
【比較例3】発泡剤をイソペンタン99.6重量%、ガ
ルデン(Galden)HT−700.1重量%、窒素
0.3重量%の混合物に変更した以外、実施例1と全く
同様にしてフェノールフォームを製造した。
【0047】
【比較例4】発泡剤をイソペンタン99.7重量%、窒
素0.3重量%の混合物に変更し、発泡剤量を13重量
部に変更した以外、実施例1と全く同様にしてフェノー
ルフォームを製造した。
【0048】
【比較例5】レゾール樹脂Aをレゾール樹脂Bに変更
し、発泡剤としてイソペンタン99.7重量%、窒素
0.3重量%の混合物に変更した以外、実施例1と全く
同様にしてフェノールフォームを製造した。なお、以上
の実施例、比較例で得たフェノールフォームサンプルの
原料樹脂、独立気泡率、平均気泡径、熱伝導率、フォー
ム中のフルオロエーテル含有量、密度、脆性、圧縮強度
を表1にまとめて示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明によるフェノールフォームは、優
れた断熱性能を有し、圧縮強度等の機械的強度に優れ、
表面脆性が著しく改善されている。本発明によるフォー
ムは、オゾン層破壊の恐れがなく地球温暖化係数の低い
発泡剤を使用しているため、地球環境により適合した建
築用断熱材として好適である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡剤が炭素数4から6の飽和炭化水素
    であり、独立気泡率が80%以上、平均気泡径が10μ
    m以上400μm以下、熱伝導率が0.025kcal
    /mhr℃以下のフェノールフォームであって、該フェ
    ノールフォームが下記一般式(1)で示されるフルオロ
    エーテルの少なくとも1種をフェノールフォームに対し
    て0.01から5重量%含有することを特徴とするフェ
    ノールフォーム。 【化1】 式(1)において、aは0,1,2,3でありbは3−
    aでありm、nは自然数である。
  2. 【請求項2】 フェノールフォームが密度が10kg/
    3 以上70kg/m3以下であって、脆性が30%以
    下であり、圧縮強度が密度に対する式(2)の関係を満
    足することを特徴とする請求項1記載のフェノールフォ
    ーム。 圧縮強度[kg/cm2 ]≧密度[kg/m3 ]×0.1164−2.5 (2)
  3. 【請求項3】 発泡剤が前記一般式(1)で示されるフ
    ルオロエーテルの少なくとも1種を発泡剤に対して0.
    2から20重量%含有する炭素数4から6の飽和炭化水
    素であることを特徴とする請求項1又は2記載のフェノ
    ールフォーム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017206714A (ja) * 2012-12-11 2017-11-24 旭化成建材株式会社 フェノール樹脂発泡体とその製造方法

Cited By (2)

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JP2017206714A (ja) * 2012-12-11 2017-11-24 旭化成建材株式会社 フェノール樹脂発泡体とその製造方法
US10253151B2 (en) 2012-12-11 2019-04-09 Asahi Kasei Construction Materials Corporation Phenolic resin foam and method for producing the same

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