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JP4868653B2 - フェノール樹脂発泡体 - Google Patents

フェノール樹脂発泡体 Download PDF

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JP4868653B2
JP4868653B2 JP2001113129A JP2001113129A JP4868653B2 JP 4868653 B2 JP4868653 B2 JP 4868653B2 JP 2001113129 A JP2001113129 A JP 2001113129A JP 2001113129 A JP2001113129 A JP 2001113129A JP 4868653 B2 JP4868653 B2 JP 4868653B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築材料として好適な断熱用フェノール樹脂発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】
フェノール樹脂発泡体は、有機樹脂発泡体のなかでも、特に難燃性、耐熱性、低発煙性、寸法安定性、耐溶剤性、加工性に優れているため、各種建築材料として広く使用されている。一般的にフェノール樹脂発泡体は、フェノールとホルマリンを触媒により重合したレゾール樹脂と、発泡剤、界面活性剤、硬化触媒、その他添加剤を均一に混合し発泡させることによって製造される。
【0003】
従来のフェノール樹脂発泡体は、発泡剤としてトリクロロフルオロメタン(CFC−11)、ジクロロジフルオロメタン(CFC−12)、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン(CFC−113)、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(CFC−114)、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(HCFC−123)、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン(HCFC−142b)等のハロゲン化炭化水素やその誘導体が用いられてきた。発泡剤としての、これらハロゲン化炭化水素やその誘導体は製造時の安全性に優れ、更にガス自体の熱伝導度が低いことから、得られた発泡体の熱伝導度をも低くできると言う利点を有していた。
【0004】
しかしながら、現在においては、CFC−11、CFC−12、CFC−113、CFC−114、HCFC−123、HCFC−141b、HCFC−142b等、塩素を含む発泡剤は成層圏のオゾンを分解しオゾン層の破壊を引き起こすことが明らかにされるに至り、これらの物質は地球レベルでの環境破壊の原因として世界的に問題とされるようになり、それらの製造及び使用量が世界的に規制されるようになってきた。
【0005】
また、塩素を含まないオゾン破壊係数が0のフルオロ炭化水素である1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)なども、地球温暖化係数が比較的大きいことから、ヨーロッパでは使用が制限される動きにある。
一方、ペンタン等の炭化水素類は、オゾン破壊係数が0で地球温暖化係数も比較的小さいことから注目されているが、可燃性であるため製造設備を防爆仕様にする必要があり、設備費が嵩んでしまう。そこで、地球温暖化係数が小さく、比較的熱伝導率の低いガスとして炭酸ガスが注目されてきた。
【0006】
フェノール樹脂発泡体の発泡剤として炭酸ガスを使用することは、液化炭酸ガスを発泡剤として用いた特開平3−106947号公報や、炭酸バリウムを分解させて発生した炭酸ガスを発泡剤として用いた特開平4−239040号公報あるいは、CFC発泡剤の量を削減するために、CFC−113と液化炭酸ガスと炭酸塩を併用している特開平3−169621号公報等で公知である。
しかしながら、炭酸ガスは、オゾン層を破壊することが無く、地球温暖化係数も小さい点で優れているものの、沸点が極めて低くいため、発泡時にセルが破泡し、得られるフェノール樹脂発泡体の独立気泡率が低下したり、セル径が大きくなったり、特にボイドと呼ばれる空隙が多くなったりするために、圧縮強度が低くバラツキが大きくなると言う問題があった。また、従来の炭酸ガスを発泡剤として用いたフェノール樹脂発泡体は、熱伝導率が時間と共に上昇してしまい、断熱性能の維持が出来なかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、炭酸ガス発泡剤により、ボイドが少なく、優れた断熱性能を持続し、かつ圧縮強度が高く、脆性が改善されたフェノール樹脂発泡体を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究の結果、レゾール樹脂に対し、発泡剤である液化炭酸ガスを混合した後に、硬化触媒を混合し、発泡・硬化することで、ボイドが少なく、気泡壁に実質的に孔が存在しない構造を持つフェノール樹脂発泡体が得られること、該フェノール樹脂発泡体が上記本発明の課題を達成し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
即ち、本発明は、
1. 独立気泡率70%以上、熱伝導率0.029W/m・K以下で熱伝導率の経時増加が、100日当り、0.004W/m・K以下、平均気泡径5μm以上400μm以下の範囲にあり、炭酸ガスを0.05wt%以上20wt%以下含有し、かつCFC類およびHCFC類を実質的に含有せず、発泡体の横断面積に占めるボイドの面積割合が10%以下であり、気泡壁に実質的に孔が存在しないことを特徴とするフェノール樹脂発泡体、
2. 熱分解ガスクロマトグラフィーの熱分解パターンから求められる、熱分解生成物のトリメチルフェノールの面積(Aと称する。)のフェノールの面積(Bと称する。)に対する面積比(Cと称する。C=A/B)が0.05≦ C≦4.0の範囲にあり、熱分解ガスクロマトグラフィーの熱分解パターンから求められる、熱分解生成物の窒素含有架橋由来の成分の総面積(Dと称する。)のフェノール誘導体成分の総面積(Eと称する。)に対する面積比(Fと称する。F=D/E)が0.01≦ F≦1.0の範囲であることを特徴とする上記1のフェノール樹脂発泡体、
3. 炭酸ガスが発泡剤の構成成分であることを特徴とする上記1又は2のフェノール樹脂発泡体、
4. レゾール樹脂、発泡剤、界面活性剤、硬化触媒を混合、硬化してフェノール樹脂発泡体を製造するに当り、レゾール樹脂100重量部に対し、発泡剤として液化炭酸ガスを1から20重量部の割合でレゾール樹脂に混合した後、硬化触媒を混合することを特徴とする上記1のフェノール樹脂発泡体の製造方法、である。
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフェノール樹脂発泡体は、炭酸ガスを発泡剤として用いており、フェノール樹脂発泡体中に炭酸ガスを含有する。本発明のフェノール樹脂発泡体中の炭酸ガス含有量は、25〜0.05重量%であることが好ましく、より好ましくは20〜0.5重量%であり、更に好ましくは10〜1重量%である。
本発明のフェノール樹脂発泡体は、実質的にCFC類およびHCFC類を含有しない。本発明において実質的に含有しないとは、後述する発泡剤の分析方法で未検出であると言うことである。本発明におけるCFC類とは、炭素数1から3のクロロフルオロカーボンでCFC−11、CFC−12、CFC−113、CFC−114等がある。また、HCFC類とは炭素数1から3のハイドロクロロフルオロカーボンで、HCFC−123、HCFC−141b、HCFC−142b等がある。
【0011】
一般に樹脂発泡体は、発泡剤が気化することによって樹脂中に生じた微細な空間と、該空間と空間との間に存在する樹脂部から構成される。本発明では該空間を気泡とよび、該樹脂部を気泡壁とよぶ。通常気泡径は5μmから1mm程度の大きさである。
本発明におけるフェノール樹脂発泡体の平均気泡径は後述する方法による測定で5μm以上400μm以下であり、好ましくは10μm以上300μm以下である。平均気泡径が5μm未満であると、気泡壁の厚さに限界が有ることから、必然的に発泡体密度が上昇し、その結果、発泡体における樹脂部の伝熱割合が増加し、フェノール樹脂発泡体の断熱性能は不十分となる恐れがある。また、逆に気泡径が400μmを越えると、輻射による熱伝導が増加するようになり、発泡体の断熱性能が低下する。
【0012】
フェノール樹脂発泡体は、その内部に比較的大きな球状(通常直径1.5mm以上)又は不定形の空隙(以下、ボイドという。)を有する。通常ボイドは気泡の合一や発泡剤の不均一な気化、あるいは発泡過程で気体を巻き込むこと等によって形成されると考えられ、圧縮強度の低下の原因になるとともに、外観上も好ましくない。
本発明ではボイドを次のように定義する。即ち、フェノール樹脂発泡体の表裏面に平行な横断面を切り出し、その断面に存在する空隙部を後述する方法で測定し、各空隙につきその面積が2mm2以上のものをボイドとする。本発明のフェノール樹脂発泡体は、かかるボイドが極めて少なく、該ボイドの総合計面積は、上記横断面の全面積の10%以下である。好ましくは7%以下である。そのため、本発明のフェノール樹脂発泡体は、圧縮強度のバラツキが小さいという特徴を有する上に、特にボイドによる影響を受けやすく、施工上取り扱いに難があった厚さ3mmから15mmの薄いものでも、容易に取り扱えるようになった。
【0013】
本発明のフェノール樹脂発泡体は、気泡壁に実質的に孔がない。図1に気泡壁構造の模式図を示す。本発明によるフェノール樹脂発泡体は、図1aに模式的に示される気泡壁構造を有する。従来提案されている炭酸ガスを発泡剤として用いたフェノール樹脂発泡体を模式的に示したのが図1bであるが、図1bにおいては、3個の気泡に囲まれた気泡壁の断面(以下、気泡壁切断面と言う(図1中の2))及び気泡内部表面(以下、気泡壁表面と言う(図1中の1))に多数の孔又はへこみ(図1中の3)が認められる。この孔又はへこみは直径50〜3000nm(通常は100〜1000nm)であり、気泡壁を貫通している場合が多い。
【0014】
本発明によるフェノール樹脂発泡体は、図1aが示すように気泡壁切断面及び気泡壁表面に孔又はへこみが実質的に存在しない。本発明において、気泡壁に実質的に孔が存在しないとは、2000倍から5000倍の走査型電子顕微鏡で気泡壁切断面を観察して、ひとつの気泡壁切断面あたりの孔又はへこみが10個以下、好ましくは5個以下である状態である。
本発明のフェノール樹脂発泡体においては、独立気泡率は70%以上、99.3%以下、好ましくは80%以上、更に好ましくは、85%以上である。独立気泡率が70%未満であると、本発明のフェノール樹脂発泡体の発泡剤である炭酸ガスが空気と置換して断熱性能の経時低下が著しくなる恐れがあるばかりではなく、発泡体の表面脆性が増加して機械的実用性能を満足しなくなる懸念がある。
【0015】
本発明によるフェノール樹脂発泡体は、発泡剤が炭酸ガスでありながら、熱伝導率は0.029W/m・K以下0.016W/m・K以上であり、優れた断熱性能を有する。好ましい熱伝導率では0.027W/m・K以下である。
本発明のフェノール樹脂発泡体の100日経過後の熱伝導率の上昇は0.004W/m・K以下、好ましくは0.003W/m・K以下である。このように、本発明のフェノール樹脂発泡体は、熱伝導率の経時的増大がきわめて小さい。炭酸ガスは、一般に樹脂に対する溶解性が非常に高いことが知られており、炭酸ガスを発泡剤として用いているにも拘わらず、熱伝導率の経時的増大が小さいことは非常に驚くべきことである。
【0016】
本発明においては、フェノール樹脂発泡体を特定の樹脂架橋構造と成すことが好ましい。本発明では、この樹脂の架橋構造を間接的に測定する手段として、熱分解ガスクロマトグラフィーを用いる。フェノール樹脂発泡体を試料としたときの熱分解ガスクロマトグラフィーのパイログラムに現れるトリメチルフェノールやフェノールの各成分の面積は、直接フェノール樹脂発泡体の構造を示すものではないが、間接的にフェノール樹脂発泡体を構成している高分子の構造を反映する有力な指標となり得る。本発明においては、上記パイログラムに現れるフェノールの面積Bに対するトリメチルフェノールの面積Aの比率(以下、C値という。C=A/B)を、フェノール樹脂のメチレン構造ないしメチルエーテル構造の架橋密度を間接的に反映する指標とする。フェノール樹脂中にメチレン架橋やメチルエーテル架橋が多いとC値は大きくなり、逆にメチレン架橋やメチルエーテル架橋が少ないとC値は小さくなる。
【0017】
本発明においては、上記C値は0.05以上4.0以下であることが好ましい。更に好ましくは0.1以上3.0以下である。
本発明では、このC値が4.0を越えると、発泡体が脆く実用性能が不十分となる恐れがある。さらに、発泡体製造時に樹脂の粘度が高すぎて発泡倍率が上がらないなどの不都合を生じる可能性がある。本発明者らは、C値がこの範囲になるようにレゾール樹脂の分子量分布、重合時のホルマリンとフェノールの仕込み比、発泡条件を調整した場合に、得られた発泡体の樹脂自体の強度及び発泡特性が著しく改善され、炭酸ガス発泡剤を用いても断熱性能及び機械的強度に優れたフェノール樹脂発泡体が得られることを見いだしたのである。また、C値が0.05未満である場合は、フェノール樹脂発泡体の圧縮強度等が低下する恐れが有る。
【0018】
また、本発明のフェノール樹脂中には、特定量の窒素含有架橋構造を有する事が好ましい。窒素含有架橋構造を示す指標もC値と同様に、発泡体試料の熱分解ガスクロマトグラフィーのパイログラムに現れる成分の面積比率により求められる。本発明者らは、窒素含有架橋由来の成分(以下、Dという。)のフェノール誘導体成分(以下、Eという。)に対する面積比率(以下、F値という。)が、フェノール樹脂の窒素含有架橋構造の密度の指標になることを見出した。
【0019】
本発明において、Dとは、該パイログラムで、後述する測定条件に置いて、保持時間8分から18分の間に放出される成分で、分子内にフェニル基とイソシアナート(−NCO)基を含む化合物である。具体的には図2のピーク7から11で、これらに対応するマススペクトルが各々図3から図7に示すものである。ピーク7から11までの面積の総和をDとする。
本発明におけるフェノール誘導体とはフェノール、2−メチルフェノール、4−メチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノールであり、具体的には図2のピーク1から6である。本発明ではこれらのパイログラムの面積の総和をEとする。F値は0.01以上1.0以下であることが好ましく、より好ましくは、0.02以上0.5以下である。F値が0.01未満の場合は、フェノール樹脂発泡体の著しい強度の向上は見られず、またF値が1.0を越えると逆に強度が低下するようになる。
【0020】
本発明のフェノール樹脂発泡体は、該樹脂発泡体の横断面に占めるボイドの面積割合が10%以下、好ましくは7%以下と、ボイドの量が少ないことから、圧縮強度のバラツキがない。また、好ましい本発明のフェノール樹脂発泡体は、密度に対する圧縮強度が、下記式(1)を満足するようになった。
圧縮強度[MPa]≧密度[kg/m3]×0.012−0.24 (1)
本発明では、独立気泡率70%以上、平均気泡径5μm以上400μm以下の範囲であると共に、気泡壁に実質的に孔が存在せず、発泡体の横断面に占めるボイドの面積割合が10%以下であり、特にフェノール樹脂発泡体を形成する樹脂自体を上記の架橋構造と成すことで、樹脂発泡体の圧縮強度と断熱性能を著しく改善しうるのである。
【0021】
本発明における発泡体の密度は10kg/m3以上100kg/m3以下が好ましく、より好ましくは20kg/m3以上70kg/m3以下である。密度が10kg/m3未満だと圧縮強度等の機械的強度が小さくなり、取り扱い時に破損しやすくなり、表面脆性も増加する。逆に密度が100kg/m3をこえると樹脂部の伝熱が増加し断熱性能が低下する懸念がある。
【0022】
次に、本発明によるフェノール樹脂発泡体の製造法について説明する。
フェノール樹脂発泡体を製造する際に用いるレゾール樹脂は、フェノールとホルマリンを原料としてアルカリ触媒により40℃から100℃の温度範囲で加熱して重合させる。好ましいレゾール樹脂は窒素含有架橋構造を導入する。窒素含有架橋構造を導入するには、レゾール重合時に尿素を添加して尿素と反応したレゾール樹脂を調整しても良いが、予めアルカリ触媒でメチロール化した尿素をレゾール樹脂に混合し塩基性のまま加熱反応させると更に良い。
【0023】
好ましいレゾール樹脂中のメチロール化尿素量は、通常レゾール樹脂に対し1〜40wt%が好ましく、特に好ましくは2〜30wt%である。
レゾール樹脂は、水分量を調整することにより所望する粘度にして使用される。レゾール樹脂の好適粘度は発泡条件により異なるが、40℃における粘度が、好ましくは1000〜100000mPa・sで、より好ましくは3000〜80000mPa・sである。
【0024】
本発明においては、発泡剤として主に液化炭酸ガスを用いる。また、必要に応じて炭素数1から4のハイドロフルオロカーボン(以下HFC類と称する。)例えばHFC−134a、HFC−152a、HFC−245fa、HFC−365mfcなどや、炭素数3から6の炭化水素(以下HC類と称する。)例えばプロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ネオペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン等を炭酸ガス100重量部に対して95重量部以下好ましくは50重量部以を混合して用いても良い。
【0025】
本発明における発泡剤の使用量は、所望する発泡体の密度、発泡条件等によって任意に選択して差し支えないが、通常、レゾール樹脂が100重量部に対して、発泡剤は炭酸ガス換算0.1から25重量部であることが好ましく、より好ましくは1から20重量部である。
また、液化炭酸ガスを発泡剤として使用する方法は、液化炭酸ガスを予めレゾール樹脂と均一に混合した後に、硬化触媒を混合する。液化炭酸ガスと硬化触媒をレゾール樹脂に同時に混合すると、液化炭酸ガスが不均一にガス化してボイドが増加する。液化炭酸ガスを均一にレゾール樹脂と混合するためには、炭酸ガスの蒸気圧より高い圧力条件、即ち炭酸ガスが液の状態でレゾール樹脂と混合すると良い。
【0026】
液化炭酸ガスとレゾール樹脂を混合する混合機は、ピンミキサー、オークスミキサー、スタティックミキサーなどが使用できるが、中でもスタティックミキサーは、シェア発熱が比較的少なく混合が均一に行えるので好ましい。
また、発泡開始時間をコントロールするために必要に応じて窒素、空気、ヘリウム、アルゴンなどの低沸点物質を発泡核剤として添加しても良い。好ましい発泡核剤の添加量は発泡剤に対し0.01mol〜10mol%であり、好ましくは0.1〜5mol%である。発泡核剤の添加量が10mol%より多いと、発泡核剤が溶解しきれずにボイドの原因となる恐れがある。
【0027】
本発明の製造方法においては、適正な粘度、即ち40℃における粘度が、1000〜100000mPa・sに、より好ましくは3000〜80000mPa・sに調整されたレゾール樹脂と、発泡剤、界面活性剤、更に必要に応じて高沸点の脂肪族炭化水素、高沸点の脂環式炭化水素またはそれらの混合物を混合機に導入し、均一に混合した後、最後に硬化触媒を導入し更に混合して、発泡性組成物を得ることが出来る。その際、界面活性剤を予めレゾール樹脂に混合しておいて、発泡剤と均一に混合したのち混合機に導入すると気泡の形成が均一になり好ましい。また、高沸点の脂肪族炭化水素、高沸点の脂環式炭化水素またはそれらの混合物を用いる場合には、これらを予めレゾール樹脂と混合して混合機に導入しても良いし、発泡剤と混合したのちにレゾール樹脂に混合しても良い。
【0028】
レゾール樹脂、発泡剤、界面活性剤、添加剤、発泡核剤、硬化触媒を混合機で混合して得られた発泡性組成物は公知の方法で発泡・硬化して製品化される。製品化の方法としては例えば、発泡性組成物を所望の形状の型枠に入れ50℃から100℃の温度範囲で加熱し発泡・硬化する方法、あるいは、上下面材の間に連続的に吐出し、これを上下にコンベアを備えた連続式ダブルコンベアオーブンに送り50℃から100℃の温度範囲で加熱し、発泡・硬化させ連続したボードを得る方法などがある。
【0029】
発泡硬化させる際の硬化触媒としては、塩酸、硫酸、燐酸などの無機酸、酢酸、ぎ酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、スチレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などの有機酸を単独又は2種類以上混合して使用できる。また硬化助剤としてレゾルシノール、クレゾール、サリゲニン(o−メチロールフェノール)、p−メチロールフェノールなどを添加しても良い。また、これら硬化触媒や硬化助剤を、ジエチレングリコール、エチレングリコールなどの溶媒で希釈しても良い。硬化触媒の使用量は、レゾール樹脂100重量部に対し、1から60重量部が好ましく、より好ましくは3から50重量部である。硬化触媒の量が1重量部未満だと硬化反応が遅くなり、生産性が落ち、60重量部以上だと、反応が早すぎて制御できず反応器の中で硬化してしまうおそれがある。
【0030】
本発明で使用する界面活性剤は、ノニオン系の界面活性剤が効果的であり、例えば、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体であるアルキレンオキサイドや、アルキレンオキサイドとヒマシ油の縮合物、アルキレンオキサイドとノニルフェノール、ドデシルフェノールのようなアルキルフェノールとの縮合生成物、更にはポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル類、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン系化合物、ポリアルコール類等がある。これらの界面活性剤は一種類で用いても良いし、二種類以上を組み合わせて用いても良い。また、その使用量についても特に制限はないが、本発明ではレゾール樹脂100重量部当たり0.3〜10重量部の範囲で好ましく使用される。
【0031】
次に本発明におけるフェノール樹脂発泡体の組織、構造、特性の評価方法について説明する。
本発明における発泡体の平均気泡径とは、発泡体の断面の50倍拡大写真上に9cmの長さの直線を4本引き、各直線が横切った気泡の数を各直線で求め、それらの平均値(JIS K6402に準じて測定したセル数)で1800μmを割った値である。
【0032】
本発明における気泡壁の孔又はへこみの数は、次のようにして測定した。試験片は発泡体の厚み方向のほぼ中央の表裏面に平行な断面からトリミングカッターで2から3mm程度の厚さで1cm2程度に切削した。試料台に固定した試験片にオスミウムコーティングを行い、走査型電子顕微鏡(日立S−4700)で気泡壁切断面の2000〜5000倍の拡大写真を撮り観察した。5カ所の気泡壁切断面を観察して孔又はへこみの数を数え平均して判断した。
【0033】
本発明におけるボイドは次のようにして測定した。フェノール樹脂発泡体サンプルを厚み方向の中央部を表裏面に平行に切削し、100mm×150mmの範囲を200%拡大カラーコピー(それぞれの長さが2倍、即ち面積は4倍になる。)をとって、透明方眼紙により1mm×1mmマスが8マス以上のボイド面積を積算し面積分率を計算した。即ち、拡大コピーをとっているため、この8マスが実際のフォーム断面では2mm2の面積に相当する。
【0034】
密度は、面材、サイディング材を取り除いた板状のサンプル(200mm×200mm×25mm)を試料とし、この試料の重量と見かけ容積を測定して求めた値であり、JIS K7222に従い測定した。
独立気泡率は、次のようにして測定した。フェノール樹脂発泡体からコルクボーラーでくり貫いた直径35〜36mmの円筒試料を、高さ30〜40mmに切りそろえ、空気比較式比重計1000型(東京サイエンス社製)の標準使用方法により試料容積を測定する。その試料容積から試料重量と樹脂密度から計算した気泡壁の容積を差し引いた値を、試料の外寸から計算した見かけの容積で割った値であり、ASTM D2856に従い測定した。ただし、フェノール樹脂の密度は1.27g/cm3とした。
【0035】
フェノール樹脂発泡体の熱伝導率は板状のサンプル(200mm×200mm×25mm)を、低温板5℃、高温板35℃でJIS A1412の平板熱流計法に従い測定した。
脆性試験の試験片は、一つの面に成形スキン又は面材を含むように一辺25±1.5mmの立方体12個切り出して試料とした。ただし、発泡体の厚さが25mmに満たない場合の試験片の厚さは発泡体の厚さとした。室温乾燥した一辺19±08mmの樫製の立方体24個と試験片12個を、埃が箱の外へ出ないように密閉できる内寸191×197×197mmの樫製の木箱に入れ、毎分60×2回転の速度で600×3回転させる。回転終了後、箱の中身を呼び寸法9.5mmの網に移し、ふるい分けをして小片を取り除き、残った試験片の重量を測定し、試験前の試験片重量からの減少率を計算した値が脆性であり、JIS A9511に従い測定した。
【0036】
圧縮強さはJIS K7220に従い規定ひずみを0.05として測定した。
フェノール樹脂発泡体中の発泡剤の定量は次のように行った。1g程度の立方体のフェノール樹脂発泡体サンプルを精秤し、容積200ccのサンプリング管に入れサンプリング管内を窒素で置換したのち、サンプルを粉砕し10分間静置する。サンプリング管内のガスをガスタイトシリンジによりガスクロマトグラフィー/マススペクトル(GC/MS)に注入して炭酸ガスの場合は質量44のイオン成分で定量した。ガスクロマトグラフィーの測定は、ヒューレットパッカード社製のHP5890Aを用い、カラムはフューズド シリカ (Fused silica)キャピラリーカラム(スペルコ カーボキセン 1010 プロットカラム(SUPELCO CARBOXEN 1010 PLOT:内径0.32mm、長さ30m)で、オーブン温度は35℃で5分間保持して毎分20℃のスピードで230℃まで昇温し、5.25分保持して行った。マススペクトルは、日本電子JMS−AX505Hにより電子衝撃イオン化法で、イオン化電圧70eVで測定した。
【0037】
熱分解ガスクロマトグラフィーのパイログラムの測定は次のように行った。測定に用いるフェノール樹脂発泡体サンプルは、面材、サイディング材を取り除いた発泡体コア部分よりカッターナイフなどで削りだした粉末を更に乳鉢で入念に粉砕し、一度の測定当たり0.3〜0.4mgを試料量とした。熱分解装置は、加熱炉型熱分解装置であるフロンティアラボ社製PY2010Dを用いた。熱分解温度は670℃で行った。ガスクロマトグラフィーの測定はヒューレットパッカード社 6890型で、カラムはフロンティアラボUA−1(内径0.25mm、膜厚0.25μm、長さ30m)を用いた。キャリヤーガスはヘリウム(He)、全流量は100ml/min、スプリット100:1、オーブン温度は、50℃からスタートし毎分20℃のスピードで340℃まで昇温し15.5分間保持した。各成分の検出は水素炎イオン化検出器(FID)で行い、各ピークの面積値を全検出成分で規格化し、それぞれの成分の比率とした。ただし、ピークの裾が重なる場合には、ピークの重なりの谷間から、ベースラインへ垂線を下ろし、ベースラインと垂線に囲まれた範囲をピーク面積とした。
【0038】
本発明によるフェノール樹脂発泡体サンプルのガスクマトグラムの一例を図2に示す。各成分の構造は、ガスクロマトグラフィーにより分離した成分を質量分析機導入して得たマススペクトルにより確認した。マススペクトルは日本電子JMS AX−505Hにより、電子衝撃イオン化法(EI法)でイオン化電圧70eV、イオン化電流300mAで測定した。
該フェノール樹脂発泡体中の窒素含有架橋由来構造の比率は、フェノールとトリメチルフェノールの比率を求めたのと同様に熱分解ガスクロトグラフィーを測定し、その各成分の面積より計算できる。パイログラムの窒素含有架橋由来構造の成分の面積の総和Dと、フェノール、2−メチルフェノール、4−メチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノールの面積の総和Eを求め、DのEに対する面積比をFとする。
本発明によるフェノール樹脂発泡体の窒素含有架橋由来の分解生成物のマススペクトルの例は図3から図7に示す。
【0039】
【発明の実施の形態】
次に実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例及び比較例で用いたレゾール樹脂は以下のようにして準備した。
(A) レゾール樹脂の合成
反応機に、50%ホルマリン(三菱ガス化学(株)製)23.9kgとフェノール(99.5%以上 三井化学(株)製)18kgを仕込み、プロペラ回転式の撹拌機により撹拌し、温調機により反応機内部液温度を40℃に調整する。次いで、50%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を400g加え、反応液を40℃から80℃に上昇させ250分間保持した。その後、反応液を5℃まで冷却する。これを、レゾール樹脂A−1とする。
別途、反応機に50%ホルマリン2kgと水3kgと50%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液200gを加え、尿素(和光純薬社製、試薬特級)4kgを仕込み、プロペラ回転式の撹拌機により撹拌し、温調機により反応機内部液温度を40℃に調整する。次いで、反応液を50℃から70℃に上昇させ60分間保持した。これを、メチロール尿素Uとする。
【0040】
次に、10kgのレゾール樹脂A−1に対しメチロール尿素Uを2000g混合して液温度を60℃に上昇させ一時間保持した。次いで反応液を30℃まで冷却し、パラトルエンスルホン酸一水和物の50%水溶液でpHが6になるまで中和した。この反応液を、60℃で脱水処理して、粘度を調整して40℃の粘度が20000mPa・sのレゾール樹脂Aを得た。
(B) レゾール樹脂の合成
レゾール樹脂Bの合成は添加するメチロール尿素Uの重量を400gに変更した以外はレゾール樹脂Aと同様に行った。
(C) レゾール樹脂の合成
レゾール樹脂Cの合成は添加するメチロール尿素Uの重量を3000gに変更した以外はレゾール樹脂Aと同様に行った。
【0041】
(D) レゾール樹脂の合成
反応機に、50%ホルマリン16.5kgとフェノール18kgを仕込み、プロペラ回転式の撹拌機により撹拌し、温調機により反応機内部液温度を40℃に調整する。次いで、50%水酸化ナトリウム水溶液400gを加え、反応液を40℃から50℃に20分間保持した。その後温度を徐々に80℃まで上げ、温度が80℃に達してから270分間保持した。その後、反応液を5℃まで冷却した。これを、レゾール樹脂D−1とする。D−1をパラトルエンスルホン酸一水和物の50%水溶液でpHが6になるまで中和した。この反応液を、60℃で脱水処理して、粘度を調整して40℃の粘度が12000mPa・sのレゾール樹脂Dを得た。
(E) レゾール樹脂の合成
反応機に、50%ホルマリン25kgとフェノール15kgを仕込み、プロペラ回転式の撹拌機により撹拌し、温調機により反応機内部液温度を40℃に調整する。次いで、50%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を350g加え、反応液を40℃から80℃に上昇させ300分間保持した。その後、反応液を5℃まで冷却する。これを、レゾール樹脂E−1とする。E−1をパラトルエンスルホン酸一水和物の50%水溶液でpHが6になるまで中和した。この反応液を、60℃で脱水処理して、粘度を調整して40℃の粘度が26000mPa・sのレゾール樹脂Eを得た。
【0042】
【実施例1】
レゾール樹脂Aに界面活性剤としてエチレンオキサイド−プロピレンオキサイドのブロック共重合体(BASF製 プロニックF127)をレゾール樹脂100gに対して3.5gの割合で溶解しレゾール樹脂混合物を調整した。発泡剤として、窒素を0.2wt%溶解した液化炭酸ガスと、硬化触媒としてキシレンスルホン酸(テイカ(株)製 テイカトックス110)80wt%とジエチレングリコール20wt%(和光純薬98+%)の混合物をそれぞれ調整した。レゾール樹脂混合物100重量部に対して、発泡剤6重量部を添加し、温度13℃、圧力6.9MPaでスタティックミキサーにより混合し温調ジャケット付きピンミキサーに供給した。また、同時にレゾール樹脂混合物100重量部に対して硬化触媒10重量部の割合で2℃で温調している温調ジャケット付きピンミキサーに供給した。ミキサーから出てきた混合物をポリエステル不織布(旭化成(株)製 スパンボンドE1040)を敷いた型枠に流し込み、70℃のオーブンに入れ2時間、80℃のオーブンに1時間、90℃のオーブンに1時間保持して本実施例のフェノール樹脂発泡体を得た。
【0043】
【実施例2、3、比較例1、2】
実施例2、3、比較例1、2は、それぞれ、レゾール樹脂として表1に示す樹脂を用い、その他は実施例1と全く同様にしてフェノール樹脂発泡体を製造した。
【0044】
【比較例3】
比較例3は、発泡剤をピンミキサーに直接供給した以外は実施例1と全く同様にしてフェノール樹脂発泡体を製造した。
なお、以上の実施例、比較例で得たフェノール樹脂発泡体サンプルの、熱分解ガスクロマトグラフィーのパイログラムのトリメチルフェノール成分の面積Aのフェノール成分の面積Bに対する比C値と、全窒素含有架橋由来の成分の面積Dの全フェノール誘導体成分の面積Eに対する比F値及び発泡体の独立気泡率、平均気泡径、発泡翌日の熱伝導率、発泡100日後の熱伝導率、炭酸ガス含有量、脆性、セル壁の孔の有無、ボイド面積割合を表1にまとめて示す。
また、図8にはセル壁の孔に無い状態のSEM写真を示し、図9にはセル壁に孔の有る状態のSEM写真を示す。
【0045】
【表1】
Figure 0004868653
【0046】
【発明の効果】
本発明によるフェノール樹脂発泡体は、優れた断熱性能を有し、圧縮強度等の機械的強度に優れ、表面脆性が著しく改善されている。本発明による樹脂発泡体は、オゾン層破壊の恐れがなく地球温暖化係数の低い発泡剤を使用しているため、地球環境により適合した建築用断熱材として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】フェノールフォームの気泡壁構造を説明するための模式図。図1aは本発明の気泡壁に実質的に孔が存在しない気泡壁構造模式図であり、図1bは従来技術の孔又はへこみが存在する気泡壁構造模式図である。
【図2】本発明によるフェノール樹脂発泡体サンプルの、熱分解ガスクロマトグラフィーのパイログラムの一例である。
【図3】本発明によるフェノール樹脂発泡体サンプルの、熱分解ガスクロマトグラフィーのパイログラムの一つの窒素含有架橋由来構造成分のマススペクトルの例である。
【図4】本発明によるフェノール樹脂発泡体サンプルの、熱分解ガスクロマトグラフィーのパイログラムの一つの窒素含有架橋由来構造成分のマススペクトルの例である。
【図5】本発明によるフェノール樹脂発泡体サンプルの、熱分解ガスクロマトグラフィーのパイログラムの一つの窒素含有架橋由来構造成分のマススペクトルの例である。
【図6】本発明によるフェノール樹脂発泡体サンプルの、熱分解ガスクロマトグラフィーのパイログラムの一つの窒素含有架橋由来構造成分のマススペクトルの例である。
【図7】本発明によるフェノール樹脂発泡体サンプルの、熱分解ガスクロマトグラフィーのパイログラムの一つの窒素含有架橋由来構造成分のマススペクトルの例である。
【図8】実施例1の気泡壁切断面の電子顕微鏡写真である。
【図9】比較例1の気泡壁切断面の電子顕微鏡写真である。
【記号の説明】
1……気泡壁表面
2……気泡壁切断面
3……孔又はへこみ

Claims (4)

  1. 独立気泡率70%以上、熱伝導率0.029W/m・K以下で熱伝導率の経時増加が、100日当り、0.004W/m・K以下、平均気泡径5μm以上400μm以下の範囲にあり、炭酸ガスを0.05wt%以上20wt%以下含有し、かつCFC類およびHCFC類を実質的に含有せず、発泡体の横断面積に占めるボイドの面積割合が10%以下であり、気泡壁に実質的に孔が存在しないことを特徴とするフェノール樹脂発泡体。
  2. 熱分解ガスクロマトグラフィーの熱分解パターンから求められる、熱分解生成物のトリメチルフェノールの面積(Aと称する。)のフェノールの面積(Bと称する。)に対する面積比(Cと称する。C=A/B)が0.05≦ C≦4.0の範囲にあり、熱分解ガスクロマトグラフィーの熱分解パターンから求められる、熱分解生成物の窒素含有架橋由来の成分の総面積(Dと称する。)のフェノール誘導体成分の総面積(Eと称する。)に対する面積比(Fと称する。F=D/E)が0.01≦ F≦1.0の範囲であることを特徴とする請求項1記載のフェノール樹脂発泡体。
  3. 炭酸ガスが発泡剤の構成成分であることを特徴とする請求項1又は2記載のフェノール樹脂発泡体。
  4. レゾール樹脂、発泡剤、界面活性剤、硬化触媒を混合、硬化してフェノール樹脂発泡体を製造するに当り、レゾール樹脂100重量部に対し、発泡剤として液化炭酸ガスを1から20重量部の割合でレゾール樹脂に混合した後、硬化触媒を混合することを特徴とする請求項1記載のフェノール樹脂発泡体の製造方法。
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