所得税がかかり始める「年収103万円の壁」の見直しに関連し、自民、公明両党は、パートなどで働く配偶者を扶養する納税者が受けられる所得税の「配偶者特別控除」について、対象となる配偶者の年収上限を現行の150万円から160万円に引き上げる方針を固めた。「壁」の水準を123万円に引き上げることに連動した措置。年収160万円の場合、控除額は現在の31万円から満額の38万円に増え、世帯としての手取りは増える。
20日夕に決定する2025年度与党税制改正大綱に盛りこむ。配偶者特別控除を段階的に縮小し、年収201万円で控除がなくなる仕組みは変わらない。
パートで働く配偶者を扶養する納税者の場合、配偶者の年収が103万円を超えると配偶者控除(38万円)の対象外となる。ただ、配偶者の年収が150万円までは控除額が同じ38万円の「配偶者特別控除」があり、世帯の手取りが減ることはない。「壁」の見直しで配偶者本人の給与所得控除が10万円引き上げられる影響を考慮し、配偶者特別控除も変わることになった。
配偶者の年収が103万円以下で納税者が受けられる「配偶者控除」については、基礎控除などの引き上げを反映して配偶者の年収上限を123万円にする。年収が123万円を超えると「配偶者特別控除」の対象となるため、38万円の控除は受けられる。【山下貴史、高橋祐貴、杉山雄飛】