北條みすづ(ほうじょう・みすづ)さん(32)
視覚に障害があってもファッションやメークを楽しみたい人は大勢いる。「自分らしくありたい」。当事者としての思いで共鳴し合った全盲の女性と一緒に、LINE(ライン、無料通信アプリ)内で視覚障害者向けのグループ「女子力向上委員会」を運営している。
小児がんのため生後3カ月で左眼球を摘出した。右目も治療の影響などで視力が落ち、移動に白杖(はくじょう)が欠かせない。がんの後遺症と闘いながら、北九州市の会社で事務職として働く。
グループの会員は開設約3年で18歳から50代まで90人超になった。スマートフォンの音声読み上げ機能などを使って生活全般の体験や情報を共有し、自身は身近な道具を使ったメークの工夫などを紹介する。例えばマスカラを塗る際は専用ブラシより歯間ブラシ。持ち手とブラシの間の柄が短く、目の下に添える指でまつ毛の位置をつかみやすいからだ。会員らから「そうやればできるんだ」と評判だ。
この記事は有料記事です。
残り242文字(全文659文字)