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アップル販売台数未公表 専門家は売れ行き不調指摘
<Aaron Tilley/2024年10月18日>
米アップルのゴーグル型端末「Vision Pro(ビジョンプロ)」は、大手ソフトウエアメーカーにアプリ開発を促すことが大きな課題となっている。同社にとって10年ぶりの大型新製品の進化が遅れる可能性もある。
ビジョンプロの発売予定が発表された1月以降、同端末向けに毎月リリースされる新規アプリの本数は減少している。仮想現実(VR)分野の有力ソフト開発者の一部は、ビジョンプロ向けのアプリを今のところは制作しない方針を示している。
ユーザーの間では、「キラーアプリ」が不足しているためにビジョンプロはあまり使い道がないとの結論に達し、売りに出す動きもある。
それは「鶏が先か、卵が先か」という問題だと指摘するのは、以前アップルでビジョンプロに関わっていたバートランド・ネプブー氏だ。同氏は現在、投資会社トリプティク・キャピタルで関連分野の投資を手掛ける。
ネプブー氏やアプリ開発者らはアップルについて、アプリ開発者に資金を提供し、他のヘッドセットから既存のアプリを移植したり、新たなコンテンツを開発したりするインセンティブを与えるべきだと考えている。こうしたことは業界で一般的で、ヘッドセット分野で先行する米メタ・プラットフォームズは多くの開発者に資金を提供するだけではなく、複数のアプリ開発企業を買収している。
メタはアップルにとって強力なライバルで、調査会社カウンターポイント・リサーチによると、ヘッドセット全体でのメタの市場シェアは今年4-6月期に74%に達した。
メタは先月、新型ヘッドセット「Quest(クエスト)3S」を発表した。価格は299ドル(約4万4000円)と、新たなユーザーの獲得が見込まれる低い水準となった。メタはまた、眼鏡型の拡張現実(AR)端末「Orion(オリオン)」…
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