明星大学と日野市の市民団体が協働して 里山資源の経済化を目的とした取り組みを実施 ~「明星SATOYAMAプロジェクト」の一環として取り組む~
明星大学(東京都日野市、落合 一泰学長)は、12月6日に明星大学日野校で学内で伐採された樹木で製作したスウェーデントーチ(※)を使用して、「着火→調理→消火」に係わる検証を行う。森林を維持、管理していくための里山資源の経済化を目指し、経営学部の大森 寛文教授ゼミ、理工学部の柳川 亜季准教授ゼミが中心となり、日野市内の緑地を調査し、新しい活用方法を探ることを目的に活動を行う市民団体「みどりのワクワクチーム」と協働して取り組む。
なお、この取り組みは、明星大学で2022年に始動した「明星SATOYAMAプロジェクト」の一環として実施する。
※スウェーデントーチ……切れ込みや空気孔を空けた丸太のこと。この丸太を燃やして、たき火と同様に暖や明かりをとったり、アウトドアなどの際に料理をしたりする用途で使用される。
■企画の背景および概要
世界的にSDGs(持続可能な開発目標)への関心が高まるなかで、森林の循環(育てる→伐る→使う)を実現するための持続可能な森林経営が求められています。国内ではナラ枯れの増加などにより、緑地保全のための間伐や除伐が行われ伐採される樹木が増加しており、森林の持続可能性を実現するためには、企業、学校、公的機関などさまざまな組織の連携が期待されています。また、明星大学のみならず多くの大学において、伐採後の処分費用など緑地保全のコストマネジメントのあり方を模索する動きが議論されています。
経営学部の大森寛文教授ゼミでは、2023年9月より日本の森林資源、木材ビジネスの生産・流通過程やスウェーデントーチの市場動向などの調査を行っており、今回の取り組みを企画しました。当日は、樹木の品種やサイズが異なるスウェーデントーチを用意し、品種やサイズの違いによる調理最適温度までの所要時間などについて検証を行います。なお、今回の検証で使用するスウェーデントーチは、理工学部の斉藤剛教授の指導のもと、学内で伐採された樹木を使用して学生が製作しました。
■明星SATOYAMAプロジェクト
明星大学では、学内の自然環境・資源・歴史に着目し、多摩地域でも有数の学内「里山」環境の過去と現在を知り、その活用と地域連携について考える「明星SATOYAMAプロジェクト」を2022年に始動しました。実際に明星大学には、減少傾向にある松林や、絶滅危惧種のキンランが自生しており、ホタルが生息する清流があることも分かっています。
このプロジェクトは、ワンキャンパスに9学部1学環が集結した総合大学である明星大学ならではの取り組みとして、幅広い学部の教員や学生が、それぞれの視点や専門性を持ち寄り、掛け合わせながら考える、学部横断型のクロッシング・プロジェクトです。
各学部の教員は、「多摩の里山を楽しむキャンパス」というコンセプトのもと、学生を巻き込みながらそれぞれの専門領域を生かし、取り組みを進めています。今年(2023年)は、ホタルの生息地確保のため、生息地整備のための道をつくることや、大学の敷地内での畑づくり等に取り組んでいます。また、学外での活動として、イオンモール多摩平の森のSDGsフェスに参加し、学内で間伐された剪定(せんてい)枝を使用したバードコールの製作体験イベントを学生が中心となって実施しました。