「IoT(モノのインターネット)」というと、真っ先に思い浮かぶのが製造業だ。機器や設備に取り付けたセンサーからネット経由で稼働データを収集し、運用・保守に生かす。典型例は米ゼネラル・エレクトリック(GE)の「インダストリアル・インターネット」構想やコマツの「コムトラックス」だろう。 例えば、GEが扱うのはガスタービンやジェットエンジンといった産業機器が中心だ。産業機器は高価で、維持管理に多額のコストがかかる。このため、「1%」でも稼働効率を高められれば、莫大なメリットが得られる。GEはガス火力発電プラントの効率を1%改善できれば、15年間で660億ドルの燃料費削減につながると試算している。 確かにガスタービンやジェットエンジンのように高価で、維持管理に多額のコストがかかる産業機器分野で、IoTシステムの導入が先行していることは確かだろう。とはいえ、小売りやサービス業界で導入例が全くないかと