貧困でさまざまな保護を受けられない子ほど、高校中退率の高いいわゆる底辺校に多く在籍し、高校が貧困層の再生産の場になっている--。「ドキュメント高校中退」(ちくま新書)の著者、青砥恭さん(61)がこんな実情を独自の調査で裏付けた。「家庭への経済支援の充実とともに、学校に福祉の専門職を」と訴える。【大和田香織】 埼玉県の元高校教諭で大学非常勤講師の青砥さんは08年夏、147ある埼玉の県立高を入試合格者の平均点で分類し、成績上位の進学校「G1」から下位校の「G5」まで5グループに分けた。04年度の新入生のうち卒業までに退学した生徒の割合は、G1=2%▽G2=3%▽G3=8%▽G4=20%▽G5=33%と、成績が下位になるほど高くなった。授業料減免を受ける生徒の割合も同じ傾向で、G5(19%)はG1(3%)の6倍以上に上った。 同年12月には、各グループから地域・学力が偏らないように選んだ47校の