日本が87年から続けてきた南極海などでの調査捕鯨が重大な岐路に立たされている。反捕鯨団体の激しい妨害で事実上、実施が困難になっているためだ。一方、東日本大震災で宮城県石巻市の調査捕鯨船が被災したが、調査捕鯨を復興のシンボルにしようという動きも出ている。捕鯨はどうあるべきか。【立会人・小島正美編集委員、写真・西本勝】 ◆今やめたら、復活は困難--東京農大名誉教授・小泉武夫氏 ◆南極海まで行く必要ない--東海大海洋学部講師・大久保彩子氏 ◇外交的な負け 立会人 反捕鯨団体「シー・シェパード」の妨害で2月半ば、南極海で活動していた調査捕鯨船団が3月末までだった予定を切り上げて帰国することになりました。調査捕鯨は来年以降、どうなるのでしょうか。 小泉 日の丸を掲げた公海上の船が「怖い、怖い」と言って逃げ出したわけですから、外交的に見て、日本の弱い面を世界にさらけ出したことになりましたね。調査捕鯨は