みなさん、最近ペンや筆を使って文字って書いてらっしゃいますか? パソコンやスマホが普及し、ちょっとしたメモであってもタイピングしてしまうことが多いこのごろ。このコラムでも度々ご覧いただいているように、私は比較的普段からスケッチやメモなどは、使い慣れたお気に入りのペンで書き留めているのですが、今回は文字にまつわる私の最近のアクティビティーについてご紹介したいと思います。 版画やワークショップなど、これだ!と興味を持ったものには、自分でもびっくりするほどの瞬発力で飛びつく私。表現の幅を広げたいという想(おも)いはもちろんですが、単純に手を動かすことが好きなんだと思います。そして、その体験から学び得たものが、自身のものづくりにつながり、モチベーションにもなっていることは言うまでもありません。そんな私の好奇心を今回新たに刺激したもの、それが「カリグラフィー」でした。 カリグラフィーとは、西洋や中東
偶像崇拝が禁じられたイスラム教の世界のアートは、具象的ではなく抽象的なデザインが主流となっている。その中で、重要な地位を占めているのが「書道」である。イスラム教の聖典コーランを記すことばである「アラビア文字」の書道が特に有名だ。 書道といっても、東洋のような毛筆は使わず、竹や葦(あし)を削って作った固い筆で、インクを使って書く。 その「アラビア書道」の大家を、日本が輩出していることを知っているだろうか。本田孝一さん(大東文化大教授)で、ロンドンの「大英博物館」、シンガポールの「アジア文明博物館」、マレーシア・クアラルンプールの「イスラム美術博物館」などにも作品が収蔵されている。 砂漠、宇宙、ピラミッドなどをモチーフにした絵画と書道を組み合わせた作品は、今や世界的にも高い評価を受けるている。 以前、その本田さんから、彼の芸術論を教えてもらう機会があった。ちょうど本田さんが、サウジアラビアの首
4月14日は、ドイツとフランスとの国境近くの Homburg という町のギャラリーで開かれた特別なカリグラフィーの展覧会の初日でした。前日に別の用事でフランスに行っていたので、オープニングのセレモニーには間に合いませんでしたが、フランスを6時間走ってとにかく初日のうちにたどりつきました。 なにが特別かというと、グドルン・ツァップ・フォン・ヘッセさん(101歳)とヘルムート・マタイスさん(101歳)との、カリグラフィーと書体デザインの両方の創作活動を同時に見られるという、すごい企画だからです。すぐ上の写真で使われているのは、グドルンさんの Hesse Antiqua です。 先週、この展覧会に行ってきますとグドルンさんにもご挨拶に行ってきました。お庭の桜がちょうど散り始めで、風に舞う花びらを見ながらお茶をいただいてきました。 ヘルムート・マタイスさんは、ドイツの Ludwig & Mayer
概要 日程 2019年4月13日 (土) 時間 18:00~20:00(開場は17:30) 料金 1944円(税込) 定員 100名 会場 本店 大教室 お問合せ先 青山ブックスクール 電話03-5485-5513 メールculture@boc.bookoff.co.jp 営業時間平日 13時~20時 土・日・祝休み 住所東京都渋谷区神宮前5-53-67 コスモス青山B2F 青山ブックセンター本店内 アクセス情報 出演:ミュリエル・ガチーニ 開催日時:2019年4月13日(土) 18:00~20:00 西洋カリグラフィーの第一人者、ミュリエル・ガチーニ先生(MGスクール校長)。TypeTalks 第39回「西洋紋章の基本」、第43回「書の歴史(メソポタミアから出発して5000年にわたる古代文明をたどり、ヨーロッパの文字の発展について)」に続き、3回目となる今回のテーマは「ローマからアルファ
Arabic type anatomy looks complex, particularly for those not native to Arabic languages. In this article Azza Alameddine presents an attempt to simplify and standardise the different parts of Arabic letterforms: the anatomy of Arabic type. As I was researching for this article about Arabic type anatomy, I dug into calligraphy books to refer back to the origin of the letter structure. The first th
以前黒板やノートにイディッシュ語を書いたら、それをみたイディッシュ語話者から、「日本人は綺麗に書くなあ〜」と感動されました。私は日本では習字や書き取りはずっと超不得意でしたが、場所が変われば評価されることもあるんだなと思いました。不得意なことがあっても気にしないで前進したほうが得ですね。 イディッシュ語の授業で、受講生の方から、カリグラフィーはあるかと質問され、その時は曖昧な答え方しかできずずっと気がかりでした。その後、別の授業で、フランスのヘブライ語のカリグラファーMichel D’anastasioさんのお友達にお会いしました。 日本にもいらっしゃったことがあるみたいです。 D’anastasioさんのカリグラフィーは青がとってもきれいで、「良い年を」と書いてありました。年賀状ですね。ちなみにユダヤ暦の新年は秋で、西暦だと毎年変わります(2017年は9月21-22日、2018年は9月1
P24 "アラビア書道" 東京のアラブイスラーム学院では、15人の書道の生徒がコーランの一節を書くのに没頭している。お祈りの声が聞こえると、数人が動きだす。先生も生徒も日本人である。二人だけがイスラム教徒である。ここでは彼らの使っているペン(アラビア語では"カラム")はイスラム世界の多くの伝統である葦でも、日本書道で好まれている毛筆でもない。彼らのペンは日本によく生えている竹である。 何世紀もの間、教養ある日本人は小学校の初等科で書道の伝統を教えられてきた。日展では、書道は専門部門を持つほど重要である。書道鑑賞は多くの日本人にとって一生の楽しみであり、人によっては熟達するため終生勉強するものでもある。しかし、ここ20年の間に、何人かが静かに筆を置き、アラビア語のカリグラフィーに挑戦するために竹筆を取ってみた。そして、意外に悪くないなと分かった。 東京でクラブ経営をしていた高橋ゆかりは、美し
[Part1] アラビア書道を語る――「西洋とも日本とも異なる自然観」本田孝一(大東文化大学教授) 書は漢字文化だけのものではない。西洋にはカリグラフィーがあり、イスラム世界にはアラビア文字の書道がある。日本の書に魅せられる外国人もいる。 2007年の国際アラビア書道大会で、日本人が4人も入賞しました。イスラムとはあまり縁のない日本からなぜ、と関係者に驚かれました。 いまカルチャーセンターなどでアラビア書道を学ぶ人は300人ほど。毎年少しずつ増えています。ほとんどは、始めるときにはアラビア語が読めない。文字の形の美しさそのものにひかれた、といいます。私は、その感受性は日本人が小さい頃から書道に親しんでいることで培われたと思います。 西洋のカリグラフィーは、角度が何度、太さは何ミリという幾何学の世界。一方、日本の書道は自然の流れと勢いを重視し、同じ作品は二度書けない。日本では自然と一体化しよ
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