ふと目に入った日常の「モノ」にレンズを向ける。カメラを手にしたことのある人であれば、誰しもが経験したことがある行為ではないでしょうか。カメラからスマートフォンへ、撮影するという行為はさらに一般的になり、SNSの普及により「モノ」を撮影した多くの写真が世界中に溢れています。 タイトルの「ブツドリ(物撮り)」という言葉は、もともとは商業広告などに使う商品(モノ)を撮影すること。この「ブツドリ」を「物」を「撮」るという行為として広く捉えてみると、写真史の中で脈々と続いてきた重要な表現の一形式であることに気がつきます。 本展は「モノ」を撮影することで生まれた写真作品を、この「ブツドリ」という言葉で見なおし、日本における豊かな表現の一断面を探る試みです。重要文化財である明治期の写真原板から、文化財写真、静物写真、広告写真、そして現代アーティストの作品まで、200点以上の写真作品を出品します。 わたし