明治の文豪、森鴎外(1862~1922年)が、ドイツ留学中に恋愛関係となり、代表作「舞姫」のヒロイン、エリスのモデルになったとみられる女性の写真をベルリン在住の作家、六草(ろくそう)いちかさん(50)が、初めて見つけた。 鴎外文学に大きな影響を与えた恋愛事件の実像に迫る貴重な資料だ。 エリスのモデルを巡っては、明治の英字新聞に載った乗船名簿から、鴎外を追って来日した女性が実在することが1981年に確認され、その後、様々な説が唱えられた。 六草さんは教会の洗礼記録などを調査。1866年にドイツのシュチェチン(現ポーランド)で生まれた「エリーゼ・マリー・カロリーネ・ヴィーゲルト」が、エリスのモデルと特定、一昨年の著書で説を発表した。名前の一致や出生地と似た地名の記述が作中にあることなど複数の根拠があり、この説は、森鴎外記念会の機関誌「鴎外」でも、肯定的な評価を受けた。 六草さんはその後、彼女の