2010年12月23日11:50 カテゴリ本経済 バランスシートで考えれば、世界のしくみが分かる 著者(高橋洋一氏)とは経済産業研究所の同僚だったころからほとんど意見は同じで、『財投改革の経済学』は名著としてその年のベストワンに推した。本書の大部分もこの本の普及版で、バランスシートに弱い官僚諸氏には読んでほしい。 しかし問題は、あいかわらず金融政策の部分だ。本書の117ページと同じ記述がZAKZAKにも書かれているので、それを引用しよう(原文のまま):中央銀行のバランスシートが拡大するということは、マネーベース(日銀は金融機関に供給するお金)が拡大しそれによる通貨発行益が増加することになる。その通貨発行益が財政当局を通じて世の中に流れるので、最終的には物価を押し上げる。 このため、古今東西、ベースマネーの上昇率と物価上昇率には強い相関関係があり、経済学では「貨幣数量理論」といわれている。も