ウクライナの大統領夫人、オレナ・ゼレンスカにUS版『VOGUE』がインタビューした。祖国の精神的支柱として役割を果たす彼女の決意とは。 戦時下のファーストレディの生き方には台本がない。だからオレナ・ゼレンスカは自らそれを書くしかない。 ウクライナ大統領ヴォロディミル・ゼレンスキーの妻、ゼレンスカ(スラブ系言語では姓に性別がある)。長年コメディ作家として活躍してきた彼女は、いつも舞台裏にいることを好んできた。夫がコメディアンから政治家に転身し、大統領となり、西側諸国の命運を左右するかもしれない立場になっても、それは変わらなかった。しかし2月24日、ロシアがウクライナに侵攻して以来、彼女は突然、悲劇のヒロインになってしまった。 私は雨の降る午後、空襲警報が鳴り響く中でも、カフェが営業しているキーウの街で彼女に会った。輝く顔と茶色がかった緑色の瞳には、現在のウクライナに渦巻くさまざまな感情が映し