「日本学術会議」の任命拒否問題を巡り、推薦方法を現行方式に変えた2004年に政府が「首相が任命を拒否することは想定されていない」と内部資料に明記していた。政府は18年、任命拒否が可能になるよう内部文書で見解をまとめており、過去の答弁との整合性については推薦方式が変わった点を強調してきた。しかし、現行の推薦方式を導入した04年段階でも任命拒否を想定していなかったことが明らかになった。 立憲民主党の小西洋之参院議員が入手した04年1月26日の総務省「日本学術会議法の一部を改正する法律案(説明資料)」は、「学術会議から推薦された会員の候補者につき、内閣総理大臣が任命を拒否することは想定されていない」と明記していた。この法改正で、学術会議は総務省から現在の内閣府に移管されたほか、会員選出は各学会の推薦制から現行の会員による推薦制に変更された。