地中海の小さな島国キプロスを救えるのはEUか、はたまたロシアか。 去る3月16日、EUとIMF(国際通貨基金)は総額約205億ドルの救済策を決めた。ただし驚愕の条件付きだ。キプロス政府は銀行預金に対する1回限りの課税で75億ドルを自力調達せよ、そうすれば残りの130億ドルを提供するというのだ。 当然、キプロス国民は猛反発。議会も即座に預金課税法案を否決した。困ったキプロス政府は、営業停止中の国内銀行が再び店を開ける3月26日までに代替案をまとめようと奔走中だ。 人口90万にも満たない小国の危機など、別に騒ぐほどの話ではない、EUの屋台骨が揺らぐはずもないと思われるかもしれない。しかしそれは違う。第1に、キプロスの銀行資産は意外に大きく、同国のGDPの6倍以上もある。 それに、もしもキプロス政府が銀行預金への臨時課税を実施すれば悪しき前例となり、今でさえ脆弱なヨーロッパの銀行システムへの信頼