世界中にはりめぐらされた通信ネットワークのなかでも、国際間の通信に欠かせないのが光海底ケーブル。日本と海外との通信の99%が利用する、重要なインフラだ。KDDIのグループ企業である国際ケーブル・シップ株式会社(KCS)で光海底ケーブルの建設・保守に携わる小田明日香に、その仕事とやりがいについて聞いた。 総延長9,000kmの光海底ケーブルの建設が始まった 2015年6月、東に向けて大きく開けた三重県志摩市の甲賀海岸。夜明け前から、巨大な船のシルエットが沖合に浮かぶ。海底ケーブル敷設作業船、KDDIパシフィックリンクだ。2016年4月からの運用開始を予定している日米間光海底ケーブル「FASTER(ファスター)」の陸揚げ作業が始まろうとしていた。 FASTERは総延長約9,000km、千葉県南房総市および三重県志摩市とアメリカ・オレゴン州を結ぶ。当初の設計容量は世界最大規模の60Tbps(T=