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「国連決議」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 国連決議とは

2024-12-14

anond:20241213233759

「「土地を返せば紛争解決する」という意見は、一見シンプル道理に合うように見えますが、イスラエルパレスチナ歴史的宗教的政治的背景を考えると、単純化されすぎています。以下に論理的反論を挙げます

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1. 土地帰属に関する歴史的宗教的複雑性

イスラエルパレスチナの双方が、現在イスラエル領土歴史的宗教的に「自分たち土地」と主張しています

ユダヤ人は、古代イスラエル王国がこの地に存在し、宗教的にも約束の地として捉えています

一方、パレスチナ側も数世紀にわたりこの地で生活してきたため、自分たち土地と考えています

反論: 「土地を返す」とは、どの土地をどの時点の基準で返すのかを明確にしなければ意味がなく、問題解決するものではありません。


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2. 返還後の安全保障懸念

過去に、イスラエルが譲歩して一部の土地返還した際、たとえば2005年ガザ地区撤退後に、ハマス支配を強め、そこからイスラエルへのロケット攻撃が増加しました。

反論: 土地返還するだけでは安全保障上のリスクが残り、紛争解決にはならない可能性があります

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3. 「土地返還=和平」とは限らない

紛争根本的な原因は、単に土地ではなく、民族的アイデンティティ宗教政治的対立にあります

たとえば、パレスチナ側の一部勢力は「二国家共存」を拒否し、イスラエル国家としての存在のものを認めていません。

反論: 土地返還あくまで一部の問題解決するに過ぎず、根本的な対立構造が解消されなければ紛争は続く可能性があります


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4. 現実的交渉プロセスの難しさ

イスラエル国内でも安全保障宗教的理由から土地の譲歩」に反対する声が根強く、政治的合意が困難です。

同時に、パレスチナ側も内部で統一された意思決定が難しく、和平交渉が進まない背景があります

反論: 土地返還するという案は、現実政治的社会的状況を無視しており、実現性に欠けています

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5. 国際法的な議論

イスラエルは、1948年建国時に国連決議(181号)を基に合法的設立されました。その後の領土拡大については議論があるものの、すべてを「奪われた土地」とするのは誤解を招く可能性があります

反論: 「土地を返せ」という主張は、国際法歴史的背景を考慮しておらず、単純化されすぎています

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結論

土地返還が和平に寄与する可能性はあるものの、それが紛争を完全に終結させる万能の解決策ではありません。紛争の原因は土地問題だけではなく、双方のアイデンティティ安全保障への懸念歴史的な不信感など多岐にわたるため、「土地を返せば紛争に巻き込まれない」という主張は現実を十分に反映していないと言えます

2024-11-25

今だけダブチ増田ちゃんです

マクドナルドイスラエルでのフランチャイズ店を全店買い戻した。

これは評価されるべき。

ただ、元のフランチャイズオーナーの人は国内では親パレスチナ派として通っていて、ヨルダン川西岸への出店を頑なに拒否するなど、あくま国連決議に則るべきだという姿勢を貫いていた。

買い戻しの契機となった国防軍への食事無償提供については、死者1200人人質250人という数に最初同情的になってしまったんだろうか。

今では後悔してるんじゃないかなぁ。ここまで軍がクズだとは思ってなかったんじゃないの。

いや、そう思いたいだけだな。イスラエルパレスチナ派なんてもう誰もいないんだ。

2024-10-17

俺らも北朝鮮空爆したらダメなん?

イスラエル人質取り戻す為に爆撃しても割と許されてるし、我が神国リッポンも許されるだろ。

韓国は当然ウキウキで味方になってくれるだろうし、中国国連決議に従って経済制裁してる分割と傍観してくれるのでは。

核ミサイル?無敵の迎撃システムでなんとかしてくださいよー!

2024-10-13

イスラエル国連軍

イスラエル国連軍を襲撃、危害射撃した事で批判されてるが、今更なんだよなぁ。イスラエル過去に何度も国連軍攻撃してて、兵士を殺したことも勿論ある。

 

国際連合レバノン暫定駐留軍

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E9%80%A3%E5%90%88%E3%83%AC%E3%83%90%E3%83%8E%E3%83%B3%E6%9A%AB%E5%AE%9A%E9%A7%90%E7%95%99%E8%BB%8D

 

普通PKFなどの国連派遣軍と交戦するっていうのは国内が平定されていないならず者国家馬賊民兵集団ってのが相場だが、それ日常的にやってるのがイスラエル

平和維持活動停戦監視場合、陣地は双方の進軍ルートを阻害する場所に作られるんだが、イスラエルはその邪魔な陣地を砲撃して兵士を殺している。

んで、攻撃の合間に陣地からの負傷者の救出を行ったのだが、そこを狙って再度攻撃

 

日本はこのイスラエル国境付近PKO自衛官派遣している。いわゆるゴラン高原PKOで、正式名称はUNDOF、国連兵力引き離し監視軍という。和訳ちょっとダサい

こっちはレバノンとは別方面の対シリア停戦監視だったが、何しろシリア国内内戦メチャクチャになった為に危険判断して撤退させてしまった。民主野田政権の時だ。

 

イスラエル国境地帯PKO派遣していた日本にとってイスラエル政治判断おかしさというのは他人事ではなかったはずだ。なんで忘れられているのだろう?

PKOPKF交戦国の軍の活動を阻害するのが仕事だ。普通文明国なら阻害されてそれが国連決議に基づくものなら諦める。でも馬賊野良軍閥国家承認されていない自称政府とかならそんなの関係ねぇ攻撃する。イスラエル後者に属すって事やね。

イスラエル国連PKF存在邪魔だとも公言している。国連が作った国家なのに。

 

この度の紛争の後に新たなPKO組織されたり、PKF増援って事になる可能性は高い。政権が変わってナショナリズム鼓舞から国際貢献に戻り、日本がそこに自衛官派遣するって事もあるかもしれない。

そしたらあのイスラエル政治のヤバさは直接に日本に関わってくるわな。

2024-10-08

anond:20241008141556

国連決議守れと言うなら、全取り目指してして戦争しちゃ駄目でしょ

anond:20241008131038

国連決議守れと言ってるのは負けた側だけではないんですけど?

anond:20241008131959

どっちにしろ国連決議蹴って戦争に踏み切っときながら負けたらやっぱり国連決議を守れは通らないでしょ

anond:20241008130235

しろアラブ諸国に理があると思えんわ

国連決議蹴って戦争に踏み切ったのはアラブ諸国から

まあ100歩譲ってそれはい

けど、負けたのにやっぱり国連決議守れと言い出すのは流石に理がなさ過ぎる

勝ったら自分たち支配してユダヤは追い出すつもりだったのにさ

2024-08-18

専守防衛戦争抑止効果がない」

古代人過ぎて泣けてくる……。

基本的現代においては「侵略NG」というコンセンサスがある。

ただしイスラエルを筆頭に横紙破りしてる国もあるが、基本的には何かしらの大義名分を作って戦争をする。

近年の例

有志連合アフガニスタン侵攻(2001-2021年)

 国連憲章第51条によって定められ、事前に国連決議必要としない集団的自衛権の発動

有志連合イラク侵攻(2003-2011年)

 国連安保理決議678号(決議1441号が履行されなかったと主張)

 ※支持国のうちオランダイギリス不適切な侵攻であったことを認めている

エチオピアアメリカソマリア侵攻(2006-2009年)

 国連安保理決議1725号による進駐

 ※ただし積極的戦争拡大について国連EUアラブ連盟非難している

ロシアウクライナ侵攻(2022年-)

 国連憲章第51条によって定められ、事前に国連決議必要としない集団的自衛権の発動

完全に大義名分が無かった例

南オセチア紛争(2008年)

 ジョージア軍のCSTO平和維持部隊への攻撃により発生

 当事国ジョージアでサーカシヴィリ大統領不適切命令が原因と決着済み

アメリカシリア不法占拠(2016年-)

 特に説明はないがアメリカ中央軍の1000人程度がシリア政府承認を得ずシリアの一部地域占領している

 イランはこれを理由アメリカ中央軍をテロ組織指定している

イスラエルヨルダン川西岸および東エルサレムへの入植(2016年-)

 国連安保理決議2334号違反

 ※アメリカ拒否権行使せず成立し、ネタニヤフ政権はこれを無視すると宣言

建前

基本的に何かしらの建前があって事を起こすと、ある程度の国際的支持が得られることがわかる。

その建前を根本から破壊するのが専守防衛だったり非武装だったりする。

攻撃できない相手に「攻撃されたので、されそうなので攻撃します」とは言えないからだ。

とは言えダメな例の通りやるやつはやるので、そういう政策を取るかどうか自体議論余地があるのは認める。

認めた上で日本のように世界10位程度の軍事費を費やしながら専守防衛を盾にするというのは、結構有用な仕組みではある。

もちろん建前を建前とするためにあれこれ工夫は必要なのだが、言うだけタダなんで積極的に用いたい。

さっさとジブチから自衛隊を引き上げて引きこもろう!

2024-07-28

オリンピック価値とは?

オリンピックに並々ならぬ闘志と情熱を燃やす人もいれば、オリンピックって言葉を聞くだけで批判を口にする人もいる。オリンピックって何者なのか?

出場する事に価値がある

オリンピックは当初、アマチュアの祭典だった。スポーツ商業化が当たり前になった今ではこの規定は無くなったけど、スポーツだけで生計を立てられる選手はかつては出場できなかった。アマチュア選手にとって極めて重要大会であり、「参加する栄誉が一番の報酬」という思想オリンピックには存在する。

今となってはスポーツだけで生計を立てられるプロ選手も出場しているが、オリンピック価値は唯一無二であり、出場するだけでも十分な栄誉であって、引退後も「オリンピアン」という肩書きが保持され続ける。

アスリート関係者にとっては、「他の大会でいいじゃん」では片付けられない価値を有し続けている。

開催する事に価値がある

五輪を語る上で避けられないのが「平和の祭典」である点だ。

オリンピックも各競技世界選手権のように個人での争いにすればいいのに、何故か国別での争いがメインになっている。日本けがメダル◯個」で盛り上がっているわけではない。入場からメダル集計まで国別だ。

でもこれが、五輪が「平和の祭典」とも言われる理由であるように思う。

国際紛争戦争は国同士の争い、プライドや意地の衝突だ。しかスポーツに置き換え、スポーツで堂々とスポーツマンシップに則って国同士で戦おう……というのが根底にあるように思われる。だから国家連合である国際連合にも認められ、「オリンピック休戦」というもの国連決議として存在しているのだと考える。

国別のメダル計上を馬鹿らしく思う人もいるかもしれないが、国家間の争いが、戦争による土地の奪取や人の死ではなく「メダル数」で片付いているのだ。こんな平和な事はない。

オリンピック税金

上記理屈からすると、オリンピック政治性を有し、国家威信をかけて開催させる事に納得がいく。オリンピックも一つの外交であり、平和への投資であるという考え方だ。そのうえ商業化により経済効果を生み、メダルへの憧れによりスポーツへの意識高まる。これだけ聞けば悪い部分は見られない。

しかし、オリンピックアスリートにとっても平和にとっても重要存在であることを忘れ、オリンピックを一つの興行しか見ず、汚職など悪辣なことに手を染める人も出てきているのが現状だ。

レガシーとかエコかいうコンセプトは一旦置いておき、今一度、オリンピックの真の価値に目を向けていくのが良いのかもしれない。

2024-01-26

anond:20240126183251

9.「平和基本法から佐藤優現象〉へ

 〈佐藤優現象〉を支えている護憲派の中心は、雑誌としては『世界』であり、学者では山口二郎和田春樹である。この顔ぶれを見て、既視感を覚える人はいないだろうか。すなわち、「平和基本法である。これは、山口和田らが執筆し、共同提言として、『世界』一九九三年四月号に発表された。その後、二度の補足を経ている(56)。

 私は、〈佐藤優現象〉はこの「平和基本法からの流れの中で位置づけるべきだと考える。

 同提言は、①「創憲論」の立場、②自衛隊合憲化(57)、③日本経済的地位に見合った国際貢献必要性、④国連軍国連警察活動への日本軍の参加(58)、⑤「国際テロリスト武装難民」を「対処すべき脅威」として設定、⑥日米安保の「脱軍事化」、といった特徴を持つが、これが、民主党の「憲法提言」(二〇〇五年一〇月発表)における安全保障論と論理を同じくしていることは明白だろう。実際に、山口二郎は、二〇〇四年五月時点で、新聞記者の「いま改憲必要なのか」との問いに対して、「十年ほど前から護憲立場から改憲案を出すべきだと主張してきた。しかし、いまは小泉首相のもとで論理不在の憲法論議が横行している。具体的な憲法改正をやるべき時期ではないと思う」と答えている(59)。「創憲論」とは、やはり、改憲論だったのである

 同提言の二〇〇五年版では、「憲法九条の維持」が唱えられているが、これは、政権が「小泉首相のもと」にあるからだ、と解釈した方がいいだろう。「平和基本法」は、戦争をできる国、「普通の国」づくりのための改憲である。同提言軍縮を謳っているが、一九九三年版では、軍縮は「周辺諸国軍縮過程と連動させつつ」行われるとされているのだから北朝鮮中国軍事的脅威が強調される状況では、実現する見込みはないだろう(60)。また、「かつて侵略したアジアとの本当の和解」、二〇〇五年版では、周辺諸国への謝罪過去清算への誠実な取組みの必要性が強調されているが、リベラル過去清算は終わったと認識しているのであるから、これも実効性があるとは思えない。要するに、同提言には、論理内在的にみて、軍事大国化への本質的な歯止めがないのである

 佐藤が語る、愛国心必要性(61)、国家による市民監視(62)、諜報機関の設置等は、「普通の国」にとっては不可欠なものである佐藤饒舌から私たちは、「平和基本法」の論理がどこまで行き着くかを学ぶことができる。

 馬場は、小泉純一郎首相(当時)の靖国参拝について、「今後PKOなどの国際的軍事平和維持活動において殉死殉職した日本人の慰霊をどう処理し追悼するか、といった冷戦後平和に対する構想を踏まえた追悼のビジョンもそこからは得られない」と述べている(63)。逆に言えば、馬場は、今後生じる戦死者の「慰霊追悼施設必要だ、と言っているわけである。「普通の国」においては、靖国神社でないならば、そうした施設はもちろん、不可欠だろう。私は、〈佐藤優現象〉を通じて、このままではジャーナリズム内の護憲派は、国民投票を待たずして解体してしまう、と前に述べた。だが、むしろ、すでに解体は終わっているのであって、「〈佐藤優現象〉を通じて、残骸すら消えてしまう」と言うべきだったのかもしれない。

 ここで、テロ特措法延長問題に触れておこう(64)。国連本部政務官川端清隆は、小沢一郎民主党代表の、テロ特措法延長反対の発言について、「対米協調」一辺倒の日本外交批判しつつ、「もし本当に対テロ戦争への参加を拒絶した場合日本には国連活動への支援も含めて、不参加を補うだけの実績がない」、「ドイツ独自イラク政策を採ることができたのは、アフガニスタンをはじめ、世界の各地で展開している国連PKOや多国籍軍に参加して、国際社会を納得させるだけの十分な実績を積んでいたかである。翻って日本場合多国籍軍は言うに及ばず、PKO参加もきわめて貧弱で、とても米国国際社会理解を得られるものとはいえない」と述べている(65)。

 元国連職員吉田康彦は「国連憲章の履行という点ではハンディキャップなしの「普通の国」になるべきだと確信している。(中略)安保理決議による集団安全保障としての武力行使には無条件で参加できるよう憲法の条文を明確化するのが望ましい」と述べている(66)。川端吉田の主張をまとめれば、「対米協調一辺倒を避けるため、国連PKOや多国籍軍軍事活動積極的に参加して「国際貢献」を行わなければならない。そのためには改憲しなければならない」ということになろう。民主党路線と言ってもよい。今の護憲派ジャーナリズムに、この論理反論できる可能性はない。「8」で指摘したように、対北朝鮮武力行使容認してしまえば、改憲した方が整合性があるのと同じである

 なお、佐藤は、『世界』二〇〇七年五月号に掲載された論文山川均の平和憲法擁護戦略」において、「現実国際政治の中で、山川ソ連侵略性を警戒するのであるから、統整的理念としては非武装中立を唱えるが、現実には西側の一員の日本を前提として、外交戦略を組み立てるのである。」「山川には統整的理念という、人間努力によっては到底達成できない夢と、同時にいまこの場所にある社会生活改善していくという面が並存している」と述べている。私は発刊当初この論文を一読して、「また佐藤柄谷行人への点数稼ぎをやっている」として読み捨ててしまっていたが、この「9」で指摘した文脈で読むと意味合いが変わってくる。佐藤は、「平和憲法擁護」という建前と、本音が分裂している護憲派ジャーナリズムに対して、「君はそのままでいいんだよ」と優しく囁いてくれているのだ。護憲派ジャーナリズムにとって、これほど〈癒し〉を与えてくれる恋人もいるまい(67)。

10.おわりに

 これまでの〈佐藤優現象〉の検討から、このままでは護憲派ジャーナリズムは、自民党主導の改憲案には一〇〇%対抗できないこと、民主党主導の改憲案には一二〇%対抗できないことが分かった。また、いずれの改憲案になるにしても、成立した「普通の国」においては、「7」で指摘したように、人種差別規制すらないまま「国益」を中心として「社会問題」が再編されることも分かった。佐藤沖縄でのシンポジウムで、「北朝鮮アルカイダの脅威」と戦いながら、理想を達成しようとする「現実平和主義」を聴衆に勧めている(68)が、いずれの改憲案が実現するとしても、佐藤が想定する形の、侵略植民地支配反省も不十分な、「国益」を軸とした〈侵略ができる国〉が生まれることは間違いあるまい。「自分国家主義者じゃないから、「国益」論なんかにとりこまれるはずがない」などとは言えない。先進国の「国民」として、高い生活水準や「安全」を享受することを当然とする感覚、それこそが「国益」論を支えている。その感覚は、そうした生存の状況を安定的保障する国家先進国主導の戦争積極的に参加し、南北格差固定化を推進する国家―を必要とするからだ。その感覚は、経済的水準が劣る国の人々への人種主義、「先進国」としての自国を美化する歴史修正主義の温床である

 大雑把にまとめると、〈佐藤優現象〉とは、九〇年代以降、保守派大国路線に対抗して、日本経済的地位に見合った政治大国化を志向する人々の主導の下、謝罪補償必要とした路線が、東アジア諸国民衆の抗議を契機として一頓挫したことや、新自由主義の進行による社会統合破綻といった状況に規定された、リベラル左派危機意識から生じている。九〇年代東アジア諸国民衆から謝罪補償を求める声に対して、他国の「利益のためではなく、日本私たちが、進んで過ちを正しみずから正義回復する、即ち日本利益のために」(69)(傍点ママ歴史清算を行おうとする姿勢は、リベラル内にも確かにあり、そしてその「日本利益」とは、政治大国を前提とした「国益」ではなく、侵略戦争植民地支配可能にした社会のあり方を克服した上でつくられる、今とは別の「日本」を想定したものであったろう。私たちが目撃している〈佐藤優現象〉は、改憲後の国家体制に適合的な形で生き残ろうと浮き足立リベラル左派が、「人民戦線」の名の下、微かに残っているそうした道を志向する痕跡消失もしくは変質させて清算する過程、いわば蛹の段階である改憲後、蛹は蛾となる。

 ただし、私は〈佐藤優現象〉を、リベラル左派意図的計画したものと捉えているわけではない。むしろ無自覚的、野合的に成立したものだと考えている。藤田省三は、翼賛体制を「集団転向寄り合い」とし、戦略戦術的な全体統合ではなく、諸勢力からあいもつあいがそのまま大政翼賛会に発展したからこそ、デマゴギーそれ自体ではなく、近衛文麿のようなあらゆる政治立場から期待されている人物統合象徴となったとし、「主体が不在であるところでは、時の状況に丁度ふさわしい人物実態のまま象徴として働く」、「翼賛会成立史は、この象徴人物の未分性という日本政治特質をそれこそ象徴的に示している」と述べている(70)が、〈佐藤優現象〉という名の集団転向現象においては、近衛のかわりに佐藤が「象徴」としての機能果たしている。この「象徴」の下で、惰性や商売で「護憲」を唱えているメディア、そのメディア追従して原稿を書かせてもらおうとするジャーナリスト発言力を確保しようとする学者、無様な醜態晒す本質的には落ち目思想家やその取り巻き、「何かいいことはないか」として寄ってくる政治家や精神科医ら無内容な連中、運動に行き詰った市民運動家、マイノリティ集団などが、お互いに頷きあいながら、「たがいにからあいもつれあって」、集団転向は進行している。

 ところで、佐藤は、「仮に日本国家国民が正しくない道を歩んでいると筆者に見えるような事態が生じることがあっても、筆者は自分ひとりだけが「正しい」道を歩むという選択はしたくない。日本国家同胞日本人とともに同じ「正しくない」道を歩む中で、自分が「正しい」と考える事柄の実現を図りたい」と述べている(71)。佐藤は、リベラル左派に対して、戦争に反対の立場であっても、戦争が起こってしまたからには、自国国防、「国益」を前提にして行動せよと要求しているのだ。佐藤賞賛するような人間は、いざ開戦となれば、反戦運動を行う人間異端者扱いするのが目に見えている。

 この佐藤発言は、安倍晋三首相の目指していた「美しい国」づくりのための見解とも一致する。私見によれば、安倍の『美しい国へ』(新潮新書、二〇〇六年七月)全二三二頁の本のキモは、イランでのアメリカ大使館人質事件(一九七九年)をめぐる以下の一節である。「(注・反カーター陣営の)演説会で、意外に思ったことがある。人質事件に触れると、どの候補者もかならず、「私は大統領とともにある」(I am behind the President.)というのだ。ほかのことではカーターをこきおろす候補者が、そこだけは口をそろえる。/もちろん、人質にされている大使館員たちの家族配慮するという意図からだろうが、アメリカ一丸となって事件対処しているのだ、という明確なメッセージを内外に発しようとするのである国益からむと、圧倒的な求心力がはたらくアメリカ。これこそがアメリカの強さなのだ。」(八七~八八頁)

 文中の、「人質事件」を拉致問題に、「大統領」を安倍に、「アメリカ」を日本に置き換えてみよ。含意は明白であろう。安倍は辞任したとはいえ総連弾圧をめぐる日本言論状況や、〈佐藤優現象〉は、安倍の狙いが実現したこと物語っている。安倍政権は倒れる前、日朝国交正常化に向けて動きかけた(正確には米朝協議の進展で動かされたと言うべきだが)が、こうなるのは少なくとも今年春からは明らかだったにもかかわらず、リベラル左派の大多数は、「日朝国交正常化」を公然と言い出せなかった。安倍政権北朝鮮外交に敗北したのは明らかである。だが、日本リベラル左派安倍政権ときに敗北したのである

 〈佐藤優現象〉は、改憲後に成立する「普通の国」としての〈侵略ができる国〉に対して、リベラル左派の大部分が違和感を持っていないことの表れである侵略植民地支配過去清算在日朝鮮人人権擁護も、そこには含まれる)の不十分なままに成立する「普通の国」は、普通の「普通の国」よりはるかに抑圧的・差別的侵略的にならざるを得ない。〈佐藤優現象〉のもとで、対北朝鮮武力行使の言説や、在日朝鮮人弾圧の言説を容認することは、戦争国家体制に対する抵抗感を無くすことに帰結する。改憲に反対する立場の者がたたかうべきポイントは、改憲護憲(反改憲)かではない。対北朝鮮武力行使容認するか、「対テロ戦争」という枠組み(72)を容認するかどうかである容認してしまえば、護憲(反改憲)派に勝ち目はない。過去清算も不十分なまま、札束ではたいて第三世界諸国の票を米国のためにとりまとめ、国連民主的改革にも一貫して反対してきた日本が、改憲し、常任理事国化・軍事大国化して、(国連主導ではあれ)米軍中心の武力行使を容易にすることは、東アジア世界平和にとって大きな災厄である(73)。

改憲戦争国家体制拒否したい人間は、明確に、対北朝鮮武力行使の是非、対テロ戦争の是非という争点を設定して絶対的に反対し、〈佐藤優現象〉及び同質の現象を煽るメディア知識人等を徹底的に批判すべきである

(1)岩波書店労働組合「壁新聞」二八一九号(二〇〇七年四月)。

(2)ブログ「猫を償うに猫をもってせよ」二〇〇七年五月一六日付。

(3)ただし、編集者佐藤右翼であることを百も承知の上で使っていることを付言しておく。〈騙されている〉わけではない。

(4)「佐藤優という罠」(『AERA』二〇〇七年四月二三日号)中のコメントより。

(5)インターネットサイトフジサンケイ ビジネスアイ」でほぼ週一回連載中の〈 Permalink | 記事への反応(0) | 18:37

2023-11-04

草津正義の町」キャンペーンやろうぜ

なんかいまだに「冤罪と確定していないうちからアレはダメだった」みたいなこと抜かしてるブクマカがいるんだけどさ、冤罪か否かってのは全知全能の神の視点から定まる客観的事実問題から冤罪であることは冤罪が発生した時点で確定してんのよ。

当事者にとっては身に覚えがないんだから冤罪であることは当初から明らかなのよ。

だいたいそいつらの言う「確定」ってのも意味不明概念で、裁判はまだやってる最中なんだから裁判基準にするなら現時点でも冤罪は確定してないだろ。裁判基準にするなら袴田さんが殺人犯なのは確定してるだろ。裁判なんてのは所詮、入手可能証拠から裁判所がある事実認定するかどうかの話であって、最終的に裁判所は真実に沿った認定をする可能性が高いというだけの話であって、お前らがどんな事実認定するかどうかとは直接関係しないし、まして冤罪か否かの決定要因なわけがない。

ロシアイスラエルに殺されたウクライナパレスチナ市民が、ネオナチハマスでは無いことが、国連決議やら国際軍事法廷やらで確定されたわけじゃない。

現に攻撃を受けている彼らは、国際社会での何かの決定を待つまでも無く、そうした攻撃抵抗しなければならない。

敵が一方的攻撃を加え、社会がそれに加担している中で抵抗するのは当然だし、被害者が「自分たちネオナチでは無い」と認定して加害者排除するのは当然の権利だ。ロシアイスラエル攻撃を一刻も早く排除しようとする動きを、国連の決議が無いのに抵抗するなと糾弾する奴は悪だ。

悪に勇気を持って立ち向かった草津の町民は、正義の人々として称賛されなければならない。それが、ネオナチだかレイプ魔だかの汚名を着せた社会のせめてもの償いというものだ。

冤罪に立ち向かった草津正義の町。

冤罪に立ち向かった草津正義の町。

2023-11-01

anond:20231101100704

それ今調べたんだけど、たぶん国連決議1325号とそれ関連のことで、「紛争下における」女性保護がメインの話だな。

 

冷静に考えると、もしも国連男女平等強制するなら、全てのイスラム主義国が国連抜けかねない

2023-10-29

イスラエル宣戦布告したアラブ側は悪くないの?

イスラエルが半世紀以上、パレスチナ植民し続けてる!」って言ってイスラエル欧米批判につなげる人(赤軍的な左翼?)に聞きたいんだけど、元々国連決議無視してイスラエル宣戦布告して問題起こしたのはアラブ諸国では?

 

瞬殺できると見くびってたのに、当初の国連決議以上に領土取られて休戦せざるを得なかったのはアラブ側の自業自得しか見えんのだが…。自国領に害が及そうになったら手のひら返して休戦するなら、せめてパレスチナ難民戦争起こした当事者が面倒見ようや…。

 

 

なお個人的には、その後のサラミスライス戦法や一般市民へのテロ応酬などで、もはやどっちが悪いとか、誰かが判断できるラインは超えていると思う。

2023-10-21

anond:20231020231116

イスラエルからか? 国連決議はどうなるんだ?   

というか、イスラエル人たちが実際にイスラエルを明け渡して出て行くのか?

2023-10-17

イスラエルの件のせいでウクライナ情勢詰んでね?

ウクライナへの国際的な注目度自体が奪われつつあるし、ウクライナは今回の件だと本来同じ立場にあるパレスチナよりイスラエル支持を取ったことで元から仲悪いイランシリア以外の中東諸国からも白い目で見られることになり、今後国際的な協力を得られる国が完全に西側諸国だけになりそうじゃん

んでイスラエルとしては過去国連決議だとパレスチナに同情の立場示してきたウクライナのことは相手にする気もないようなので単純に敵を増やしただけで終わりそうなんだよね

2023-10-16

イスラエル非難するブコメが多くて若干引いてる

そりゃまぁ近年の原因はイスラエルオスロ合意違反にあるけど、だからと言ってパレスチナハマス)の今回の外国人巻き込んだテロは許されざるもので。

 

それを無視してイスラエル報復を叩くブコメスターが多いことに若干引いてる。「どっちも止めよう」で良いじゃん。なんでこんなにアラブ側のコメントがつくの? 久々のはてサ活躍

 

追記

パレスチナガザヨルダン川西岸に押し込められたのは、国連決議無視して中東戦争起こしたのに負けて、国土占領されたアラブ側にも一因あるのでは?

anond:20231016020221

国際連合加盟国でない国が事件当事者である場合」という規定があるようだが

二国間同意のもとに争いを付託するところであって誰かが一方的に訴える場所ではないし、間違いなくイスラエル相手にしない。

イスラエル国際法国連決議無視繰り返してるんだから国際司法裁判所パレスチナ主体的に何かできるんだったら30年以上前にやっている筈。

ところが現実国連機関勧告を求めるだけ。

FAQの内容からすると、むしろイスラエル側が主体的に動く必要があるのかもしれない。

2023-10-13

anond:20231013173349

どの合意のことかわからないけれど、国連決議のことか? それなら西側諸国だけでは決議は通らないぞ。

2023-10-12

ナチス犠牲者になったユダヤ人への同情もあり、1947年には「パレスチナの地に国をつくらせよう」という国連決議が採択されました。 ←???

え?

マジでなんで?

アフリカ大陸もっと人が住んでないようなサバンナ辺りに作らせて「そこそこ近くだから頑張って聖地巡礼してね」でよくね???

マジで意味分からん

2023-10-11

パレスチナイスラエルに奪われたのか?

ハマスイスラエル侵攻以降、再びパレスチナ問題が脚光を浴びてるけど、その報道について疑問を感じている。

意図的事実を誤魔化して偏りを生み出してる様に感じるんだよな。

追記

冒頭にちゃんと書いておいても、どっちが悪いか?に結論を持っていきたがるコメントが星を集めてるので、もう一度言っておきますね。

パレスチナ問題を雑に解説するマスコミ報道で、第二次大戦後ユダヤ人が住んでいたアラブ人を追い出してイスラエル建国した、と言ってるものが多々見られるが、それは間違いであ

ということを俺は言いたい。

第二次大戦以前も以降も、アラブ人側でもユダヤ人側でも、ちょっと許容し難い行動は取ってるし、それぞれを批判出来るんで、一方が正しいとは言えないはずなんだよね。

イスラエル悪玉論になってる人は殆どが、マスコミの雑な誘導に乗ってるだけなので、自分情報を取って考えるべきだと思うって話。(追記終わり)

ユダヤ人第二次大戦後パレスチナ人を追い出してイスラエル建国した、は正しいのか?

違う。

第二次大戦後国連承認を得て、アラブ系住民に43%ユダヤ系住民に57%という分割案を決議している。

この決議に反発した中東第一次中東戦争イスラエル攻撃することで開始している。パレスチナ人が国を持ててない最も大きな理由はこれだ。

国連決議案を武力に訴えて蹴ったのだから、43%の領有権すらなくなった。そもそも入植は、それ以前に行われている。

ユダヤ人入植開始は?

第一次世界大戦時にイギリスが、アラブ人ユダヤ人の双方に、パレスチナでの建国提案したことが起点となる。

第一次世界大戦後、国際連盟委任統治領であったパレスチナは、1920年セーブ条約によってイギリス領となるが

それを機会としてイギリスはかつての約束を果たすべく、ユダヤ人アラブ人が国を作ることを国際連盟にかけて承認されている。

ユダヤ人入植は一方的なのか?

違うでしょう。先述の通り、国際連盟承認を得ているし、当事者同士がファイサル・ヴァイツマン合意で互いを承認し合ってる

イギリス無責任なのか?

それも違うと思う。先述の通りにパレスチナ領有後に、双方との約束果たしてはいる。

ただ、双方ともに全域を自分のものだと思ってたから、現在に突く問題が起こっているだけではないか

加えて、1936年アラブ反乱が起こった際に、ピー委員会案でユダヤ人地域15%とする分割案を提示してる。

だが、ユダヤ人側はこれを条件付きで飲むことにしたものの、アラブ側は拒否している。

完璧でも十分でもないにしても、統治努力はしたと思う。

ユダヤ人一方的な悪なのか?

違うと思う。1936年に起きたパレスチナアラブ反乱は、ユダヤ人排斥イギリスから独立を求めてのことだった。

国際合意形成された入植と建国しか当事者同士の合意すら存在するものを、排斥するために武力に訴え続けてきたのはアラブ側だ。

しかも、二次大戦後の国連決議以降に決議された国連による分割案に反発して第一次中東戦争を仕掛けてるし、第四次中東戦争アラブの奇襲で始まった。

アラブ人けが悪いのか?

それも違う。ユダヤ人は、デイルヤシーン事件などアラブ人に対する虐殺事件を起こしてるし、近年に近づくほど圧倒的な武力差でアラブ人弾圧してるのも事実だ。

第二次中東戦争第三次中東戦争は、英仏のスエズ運河利権への欲が絡んだこともあったがイスラエルからの先制で始まっている。

近年の武力差は圧倒的であるがゆえに、いくらハマス学校病院拠点を作っていて、爆撃前に退避勧告はしてるとはいっても多数の民間人を巻き込んでることは

許されて良いこととは思えない。

パレスチナイスラエルに奪われたのか?

ここまで説明してきた通りで違うだろう。手続きは正しい。双方の合意も、ピー委員会案も、国連分割案も全て蹴りつけて武力に訴えてきたか

未だにパレスチナ人PLOとして自治区は持てているが承認された国家になっていない。国連案を飲んでれいればパレスチナを分割した独立国家になれていた。

奪われたというよりも、自ら機会を数度に渡って捨てたと感じる。

まとめ

パレスチナ問題は、正直どっちが悪いと言うほどの問題ではないけれど、正しい手続きを踏んだはずの合意武力反故にしつづけているのはアラブ側なんだよな。

イスラエル一方的悪者にする風潮は間違ってるよ。

俺は特にイスラエルの肩を持ちたい訳では無いが、メディアが率先して歴史の一部だけを切り抜いて偏った情報を流布してることが気に入らないので

それは間違ってると言わざるを得なくなってるのが非常に残念に思う。

此度のハマスによるイスラエル侵攻は、擁護のしようがないほどの愚行だと思う。

歴史的経緯を経た停戦合意反故にして侵攻し、民間人虐殺して、その模様をSNS上に動画として配信するなどはありえない。

民間人虐殺され、誘拐されたイスラエルや各国の行動が、より強いものになるのは避けられないでしょう。

追記

圧倒的武力を持ってる奴が主導して結ばせた「正しい手続きを踏んだはずの合意」ってただの脅迫では

第一次中東戦争時点では、イスラエル国軍3万人、中東連合15万人で圧倒的な武力を持っていたのは中東です。

せめて正しい知識を持って欲しい。

国連決議は公正だったのか?

こうしたコメントがあるのは良いこと。

その疑問に至ったのなら、多くのメディアが雑に解説する「イスラエルが追い出して建国した」って説明が偏ってる事に気づいたはず。

分割決議案を武力で蹴ったパレスチナ人には領有権がないので、パレスチナに対する侵略ではなく、正しい権利を持たない土地に入植した事を

国連との間で問題にすべき話ではある。パレスチナ領有放棄した土地は、誰の管理だったのか?とか、そういう事も気になってくるはずでしょう。

イスラエル一方的侵略して追い出したわけじゃあないってことに気づいたら、メディアに踊らされず自分で調べて考えを持つべきだ。

日本報道ってのはこうして意図的に角度を付けて誘導してくるが、非常に邪悪だなって思うよ。

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