青学大(東都大学)が創価大(関東5連盟)に競り勝ち、春秋リーグ戦、6月の全日本大学野球選手権と合わせて史上5校目、6度目の大学4冠を達成した。

安藤寧則監督(47)は、選手たちへのメッセージを求められ「…あの…青学大として…昭和は近藤正雄監督、平成は河原井正雄監督とつないで、みんなで優勝をつかみとりました。コロナ禍で手がかかった学年ではありますが、優勝を飾れたのはチームが一枚岩で頑張ってこられた結果。4年生には感謝です…」と話すと涙で声をつまらせた。そして「…とにかくよくやったと褒めてやりたい」と、優しい笑顔で選手たちを見つめた。

今夏、安藤監督が珍しく選手に叱ったことがあった。今夏はオープン戦を19試合行い、下級生も積極的に起用した。しかし、10勝6敗3分けと上級生との力の差は歴然。しかし、その危機感が伝わってこない。勝って当たり前の雰囲気が流れていた。安藤監督は「『全員戦力』と言っている中で、本当に戦力になれているのか。上級生になったら試合に出られると思ったら大間違いだ!」とハッパをかけた。レギュラーをとるために長所を伸ばす。それぞれが考え、力をつけ、チームの底上げをはかっていた。

だから-今秋リーグ戦、主砲の西川史礁外野手(4年=龍谷大平安)、小田康一郎内野手(3年=中京)、そして、神宮大会では佐々木泰内野手(4年=県岐阜商)と、主力をケガで欠いても、チームは揺るがなかった。「泰さん、大丈夫っすよ」「自分たちに任してください」。下級生たちの頼もしい言葉が飛んだ。佐々木は「夜、室内練習場に行くと、必ず下級生が練習しているんです。優勝は後輩たちのおかげです」と感謝した。

常に佐々木、西川らが先頭に立ち、後輩たちに見せてきた強い背中が、後輩たちの見本となり、たくましく成長した。試合には出ていなくとも、たくましい4年生の姿が、「全員戦力」を育てた。【保坂淑子】

【明治神宮大会決勝 詳細】はこちら>>