創部126年目で初出場の広島商(中国)は9回に1点差まで追い上げ、優勝まであと1歩だった。

主将の西村銀士内野手(2年)は敗因を「決勝戦以外の2試合、自分たちが先制したのに、できなかった」と話し、横浜ナインを「(圧は)感じなかった。高校生と思えない体つき。見習って、この冬はしっかり全員で体作りをしたい」と語った。

1年生左腕が冷静にスコアボードへ0を重ねた。2回までに0-4とされ、3回1死満塁で2番手で片岡虎士(とらじ)投手(1年)が登板。中学時代に父や指導者から教わった球種が生きた。9番を99キロのカーブで空振り三振、大会屈指の強打者、1番阿部葉太外野手(2年)が99キロのカーブでファウルのあと、98キロカーブで二飛に仕留めた。背番号20は勢いのまま軽快にベンチへ戻ると、攻撃ではやわらかい表情でナインを鼓舞した。

「緩急を使って、ゾーンに投げ込むことを意識しました」。中国大会では決勝で1回1/3無失点と1試合のみで登板した。今大会は、決勝の3回途中から7回まで巧みに遅球を操り、強力打線を封じ込めた。4回2/3、2安打1四球無失点と完璧なロングリリーフで、反撃を粘り強く待った。

打線は8回まで散発3安打。7回に敵失絡みで2点を返し、2点を追う9回は連打の走者を犠打で進め、1死二、三塁の好機で、菅太一外野手(2年)が粘った末の9球目に放った三ゴロの間に三塁走者が生還。1点差で2死三塁としたが、後続が空振り三振に倒れてゲームセットとなった。

来春センバツ(3月18日開幕、甲子園)の「神宮大会枠」は獲得できなかったが、中国地区の一般選考2校は、中国大会で優勝の広島商と準優勝の米子松蔭(鳥取)が確実視される。

【解説】横浜Vでどうなるセンバツ神宮枠 関東・東京1増で7校出場 選考委員会は来年1・24