THE ALLIANCE ALIVE -アライアンス・アライブ- 公式2周クリアしたのでアライアンス・アライブのレビュー行くぜ!
メーカー:フリュー
機種:3DSパッケージソフト
ジャンル:RPG
発売日:2017年6月22日
価格:税込6782円
フリューがレジェンドオブレガシーに続いて豪華スタッフで送り出した正統派の完全新規RPGだ。
開発はレジェンドオブレガシーと同じくキャトルコールが担当。
近年のメタルマックスシリーズでもお馴染みのトコね。
プロデューサーはレジェレガと同じく松浦正尭。
シナリオは幻想水滸伝の村山吉隆で、ゲームデザインはサガシリーズの小泉今日治。
メタルマックス、幻想水滸伝、サガのスタッフが集まって作ってると考えるとすげぇ。
音楽はもちろんレジェレガに続いて浜渦正志だ。
チョコボの不思議のダンジョンにFF10、FF13辺りでお馴染み。
最近だとワールドオブファイナルファンタジーの印象が強い。
絶対SIMPLE主義 3DS「レジェンドオブレガシー」レビュー!
意気込みは感じるがまだまだ発展途上な内容!光るところは多かったものの、
淡々としたゲーム展開と尖がり過ぎた戦闘システムが人を選び過ぎたレジェレガから、
良い所を引き継ぎつつ万人向けに格段にスケールアップしていて感慨深かったぜ。
雨の世界や燃える世界や監獄世界といった複数の世界を巨大な乗り物で駆け巡り、
個性豊かなメインキャラたちと共に大冒険を繰り広げる。
冒険をサポートするために世界中でプレイヤーを待っている仲間は100人以上!
ストーリーも戦闘も探索も見どころ満載で、RPGファンならイチオシ出来る作品になっていたぞ!
「黒き流れ」という海流で分断され、
魔族とその配下である妖魔達によって人間が管理されている世界が舞台。
序盤はレジスタンスの少年とその幼馴染、妖魔だがレジスタンスとして人間と共に戦う戦士、
貴族階級である魔族の娘とその付き人、人間でありながら魔族に取り入る術師、
天才ロリ教授、18歳天然バカアーチャーなどといった9人の主人公の物語が3つの視点で展開され、
それが一本に収束して大きな流れになっていく。
拠点である街が一つしかなかったレジェンドオブレガシーと違い、
本作には広いフィールドマップに多数の街、ダンジョン、施設が存在する。
それぞれ特性の違う仲間から5人を選んで陣形を組んで戦い、
世界中に散りばめられたサブイベントを追いつつ、
メインストーリーを進行していくのがゲームの流れだ。
世界観や展開はかなり重いんだが、登場キャラ達は常に前向き。
というか、男性陣が落ち込んで後ろ向きになっていると女性陣がグイグイ引っ張っていくノリだな。
正統派少年主人公ガリルとそれを尻に敷く幼馴染のアーシュラも、
パーティ唯一の妖魔として、戦士として貫禄あるのにたまに建築マニアの血が騒ぐバルバローザも、
アニキポジションでバルバローザとのちょっとしたやり取りがいいレンツォも、
常に最善を考えて策をめぐらすジーンとそれを2秒でぶっ壊しにかかるレイチェルも、
こいついなかったらゲームが成立しないレベルで有能な天才ティギーちゃんも、
みんな生き生きとしていていい味出してるぜ。
俺のお気に入りはビビアンとイグナスだなあ。
特にイグナスは魔族のお嬢様であるビビアンの従者で、
人間に興味津々で突飛な行動を繰り返す彼女に振り回される姿と、
たまに見せる熱い態度やノリノリな態度のギャップが魅力で一番好きなキャラ。
やはりおっとりお嬢様と真面目な従者のコンビは鉄板だな!
敵キャラとして何度も対峙することになる武人タイプの漢であるグロッサも実にカッコいい。
こういうボスがいると引き締まるね。
戦闘は5人のキャラで行うタイプ。選んだ陣形とポジション、各キャラの使う武器がカギを握るぜ。
武器の種類は剣、大剣、槍、斧、杖、弓、盾、体術、風砲。
アタックポジションに配置したキャラは攻撃力が上昇するし、
サポートポジションに配置したキャラは回復力が上昇する。
ガードポジションに配置してシールドを使ったキャラは味方全体を防御してくれるので、
パーティメンバーのを能力を考えつつ、シールド使いのキャラを起点に立ち回る必要があるね。
ガードポジションのキャラが重要なところはレジェンドオブレガシーによく似ているが、
敵の攻撃に対して常に最善手を打ち続けないと、
ちょっとしたザコ戦でも致命傷になるのが魅力でもあり、きつい所でもあったレジェレガと違い、
普通に戦う分にはサクサクと敵を倒せるゲームバランス。
今回も戦闘アニメを2倍速と4倍速にすることが出来るのでテンポ良し。
戦っていると「覚醒」が発生することがあり、これで新しい技をひらめくサガシリーズ仕様。
強敵と戦っているとひらめきやすいのでボス戦などでは大技が次々に出てくるぜ!
戦闘などで手に入るTPを消費して「タレント」を習得可能。
キャラ毎のスキルのようなもので、「敵に見つかりにくくなる」「戦闘でHPが上がりやすくなる」、
「特定の武器の技がひらめきやすくなる」「ショップで買い物した時に値切ることが出来る」などなど。
「特定の武器の消費SPが減る」「毎ターンSPが回復する」といったタレントも存在。
SPは技を繰り出すのに必要なポイントなので、
この辺の資質を取っていけば戦闘で技もバンバン出せるようになるというわけだ。
技も使えば使う程強くなる!
これにより、戦闘をすればするほど技が覚えられ、
キャラを鍛えれば鍛えるほど技を使いやすくなり、
技を使えば使うほど強くなる好循環になっているぜ。
キャラはそれぞれ基礎ステータスから来る得意な武器はあるものの、
育てれば割と無視できるから完全に趣味に走ってみるのもいいぞ!戦闘が楽しい!
もちろん最初から最後まで楽勝なゲームではなく、
「水魔」という通常のザコより2段階くらい上の敵が水場の周りをウロウロしてたり、
フィールドの変なところに行ってみると必ずと言っていいくらい強いザコがいたりするし、
ストーリー上でもきっちり苦戦する場所を用意してあるから育成と編成の試行錯誤は必須。
特に中盤の総力戦は長丁場な上に事前に鍛えてないと大苦戦する手応えで、
好き嫌い分かれそうだがストーリー的にも盛り上がるところだし印象に残る。
ここの調整はお気に入りです。
フィールドや街や各ダンジョンも作り込まれていて雰囲気がとても良いね。
雨が降り続ける街、丸ごと監獄の街、墓場、城、洞窟、温泉、森、ジャンク置き場。
どこもしっかり個性付けがしてある。
本編に関係ないサブイベントや施設の数も凄い。
マップでポツンと隔離された洞窟に入ってみるとヤバそうなボスがいたり、
マップの端っこにある小さな小屋に入ったらなんか怪しいキャラがいたり
水魔が死ぬほどウロついてる水魔の巣窟がそこら中にあったりと、
「乗り物じゃないとたどり着けない、いかにも何かありそうな場所」にはほぼ何かが配置してある。
おかげでパーティメンバーが揃って、
乗り物を手に入れてからフィールドマップを探索するのが楽しくてしょうがない!
こういうところに用意されたサブイベントにさりげなく本編の重要な設定が転がってたりするので、
本編そっちのけでサブイベントを埋めるのが好きな人にはたまらない作りだぜ。
ゲーム中には戦闘に参加する9+3人以外にも協力してくれる仲間が100人以上存在している。
5つのギルドに振り分けて仕事をさせることが可能で、
仲間を振り分けてギルドレベルが上昇すると新しい装備アイテムや魔法が買えるようになったり、
戦闘が有利になったり、戦闘で貰えるTPに補正が掛かったりと良いことが沢山あるのだ。
仲間は兵士、一般人、おっさん、おばさん、子供、お年寄り、妖魔、モンスターと人種も年齢も区別もナシ!
話かけるだけでOKだったり、サブイベントをクリアする必要があったり、
特定の選択肢を選んでないといけなかったり仲間にする条件は様々。
「こいつ仲間になるの?!」って驚かされるキャラが結構多いのもいいね。
このゲーム、こういう仲間キャラやそこら辺のモブキャラのセリフ、
イベントで戦う名もなきザコキャラのセリフまでいちいち味わい深くて
細部まで製作者の手が入っているのが伝わってくる。
ほんの僅かなテキストでしっかりキャラを立ててくるんだわ。
仲間になったキャラはみんな拠点にいるからどんどん賑やかになっていくし、
話かけると固有のセリフもある。素晴らしい。
たまに挟まる「テキストにテキストを被せる演出」もさりげないけど技術を感じる。
途中の選択肢で仲間になるはずのキャラが死んだりとガラリと展開が変わるイベントもあるし、
フィールドなどで操作するキャラをメニュー画面で自由に選択できるんだけど、
それによって変化する細かい一言セリフもめちゃくちゃ多くて、
テキスト量どんだけあるんだって思わされたわ。
信頼の浜渦正志だけあって音楽も文句無しだ。ボス戦BGMなどはテンション上がるし、
静かな出だしから始まるメインテーマは頻繁に使われて、かつ使い方が上手いから印象に残る
メインテーマはこうでなくちゃ!
そんな本作で気になった点を挙げると、
メインキャラ以外に仲間になる3人は加入が遅すぎるし、イベントも少ないから存在感が薄いところと、
終盤のストーリーが少々駆け足に感じたところかな。
ロビンスもシキもマチルダも良いキャラだからもっとイベント欲しかったぜ。
ラストダンジョン突入前に世界中に点在するサブイベントをクリアして断片的な情報を集めることで、
物語の背景が色々分かる作りにはなっていてそれは面白かったんだけど、
それを踏まえてもやや駆け足だったと思う。
公式サイトで重要キャラみたいに紹介されてるあの辺の連中、
ヘタすると会わないで終わるプレイヤーの方が多いぜ……!
クリア後の2周目はデータ全部引き継いで始める2周目と、
データ引き継がないけどボーナスがある2周目の2種類を選べるんだけど、
どっち選んでも1周目より格段に簡単になるので
「最初からめっちゃ無双できる2周目」と「それなりに無双できる2周目」の2択でしかないのも気になった。
まあ、2周目ってそういうもんだと言われればそういうもんだし、
周回プレイでキャラ育てて負けイベントで勝てるように頑張るとか、
水魔の巣窟にいる水魔を連続で全部倒すのに挑戦するとか(連戦する度に敵が強くなる仕様)、
プレイヤーなりに鍛えたキャラを使ったチャレンジを考えてみるのも楽しい仕様になってるぜ。
駆け足には感じたものの、終盤のストーリー展開とラスボス戦、エンディングも大満足だった。
SFC~PS1時代のRPG大好きな人間が、
SFC~PS1時代のRPG大好きな人間に向けて打ち出した最高の1本。
ゲームを構成している各要素が非常に丁寧で綿密。
戦闘アニメの早送りを筆頭に徹底してストレスが溜まらない作りにもなっている。
2周目以降前提の収集要素がかなりのボリュームあるが、
1周目で世界中を隅々まで冒険して終わらせても十分に満足できる内容だと思う。
明るく前向きで、ワクワクして血が滾る素敵な「RPG」だった。感謝!
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ゲームが難解で語れる人が少ないのがネックだな。アンサガは移植されてないし
アラアラにケチをつけるなら、ストーリーはアニメ的なご都合主義っていうか
キャラを立たせるために熱血や鬱が容易く展開されてすぐ忘れ去られるから
好みがわかれるところだと思う。他はレジェンドオブレガシーから順当に進化してる