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JPH061769B2 - アルミナ膜のパターニング方法 - Google Patents

アルミナ膜のパターニング方法

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Publication number
JPH061769B2
JPH061769B2 JP58144962A JP14496283A JPH061769B2 JP H061769 B2 JPH061769 B2 JP H061769B2 JP 58144962 A JP58144962 A JP 58144962A JP 14496283 A JP14496283 A JP 14496283A JP H061769 B2 JPH061769 B2 JP H061769B2
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permalloy
alumina
photoresist
etching
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真治 成重
恒男 吉成
満雄 佐藤
勝也 光岡
誠 森尻
雅信 華園
哲夫 小林
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Hitachi Ltd
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Publication date
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Publication of JPH061769B2 publication Critical patent/JPH061769B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、薄膜素子の製造方法に係り、特に、段差を持
つアルミナ膜のパターニング方法に関する。
〔発明の背景〕
薄膜技術は、LSI等の半導体装置の配線に使われる
他、磁気バブルメモリ、感熱素子、薄膜磁気ヘツド、液
晶表示素子等の薄膜素子の製造に広く用いられている。
この薄膜技術には、対象となる素子の増加に伴い、(1)
多種類の薄膜のパターニング方法の開発、(2)多層構造
に伴なつて発生する段差上のパターニング方法の開発、
(3)1μmあるいはそれ以下のパターニング精度の向
上、等が要求されている。
これらの要求を満足するためには、ウエツトエツチング
あるいは化学エツチングと言われている薄膜素子基板を
溶液中に浸漬して薄膜を溶解してパターニングする方法
では、素子構造の複雑さ並びにパターン精度の点におい
て限界となりつつある。
そこで、近年、真空容器内でプラズマにより発生するイ
オンを用いてエツチングするドライエツチングと言われ
る方法が採用される傾向にある。ドライエツチングのう
ちプラズマで発生させたアルゴンイオンをグリツドで区
切られた別室に配置した被加工物に照射し、エツチング
する方法は、アルゴンイオンにより薄膜形成物質をスパ
ツタして除去するものであり、ほとんどすべての物質に
対し適用できるものとして近年注目されている。
この種ドライエツチング装置の一例を第1図に示す。第
1図において、真空容器1はプラズマを発生させ、アル
ゴンイオンを作成するイオンガン室11と試料室12に
分かれており、これら間はグリツド13,14により仕
切られている。真空容器1は真空ポンプにより排気口1
5を通し、10-3〜10-7Torrの真空度に保たれて
いる。この装置で使用されるアルゴンガスはポート16
を通して所定量導入される。2はイオンガン室11内に
配置されたフイラメントで、これから放出された熱電子
は、プレート3に向かつて移動する。この途中、アルゴ
ン原子に衝突し、アルゴン原子をイオン化させる。4は
イオンガン室11の外周に配置したコイルで、これによ
りイオンガン室11に直交磁場を印加することにより、
電子をイオンガン室11の中に滞留させ、アルゴンのイ
オン化確率を高め、プラズマ5を作る。プラズマ5内で
発生したアルゴンイオンはイオンガン室11と試料室1
2との電位差により、グリツド13,14を通して試料
室12内に引き出され、試料台6に載置された被加工物
としての薄膜素子を形成しようとする基板7に衝突す
る。基板7上に形成してある薄膜は、アルゴンイオンに
よりスパツタされる。この時薄膜の少なくとも一部をレ
ジストで覆うことにより選択的にスパツタされるので、
薄膜を所望形状にパターニングすることが可能となる。
試料台6は、スパツタ効率やパターン形状を調節するた
め、アルゴンイオンの入射に対し、任意の角度に調整で
き、また回転も可能になつている。また、基板7の表面
がアルゴンイオンでチヤージアツプされることを防ぐた
め、フイラメント2から熱電子を放出し、基板7上の電
荷を中和している。
この第1図に示す装置は通常イオンミリング装置、イオ
ンビームエツチング装置等の名で呼ばれていることが、
装置の特徴はプラズマの発生部分であるイオンガン室1
1と試料台6が配置される試料室12などが分離され、
その間にかかる電位差によりイオンが加速されるように
したことにある。この種の装置には、アルゴンイオンの
作成にマイクロ波を使うもの、平行平板型のマグネトロ
ンスパツタを使うもの等があるが、基本的な動作原理は
同じである。
この種装置の特徴のひとつは、物理的なスパツタ現象を
利用しているため、ほとんどすべての種類の薄膜をエツ
チングすることができることにある。このため、磁気バ
ブルメモリや薄膜磁気ヘツドの主要構成材料であるパー
マロイのように四ふつ化炭素、四塩化炭素、酸素、水素
等の通常良く使われているガスを用いたプラズマによる
エツチングができない薄膜のパターニングに有効であ
る。
ところで第2図は、薄膜磁気ヘツドの主要部の断面を示
したものである。基板21の上には下部磁性膜となるパ
ーマロイ膜22が形成されており、後から形成する上部
磁性膜となるもう一層のパーマロイ膜23と共に磁気回
路を構成している。両パーマロイ膜の一方端部において
はアルミナ膜25を介在したギヤツプ24が設けられ、
このギヤツプ24を用いて記録媒体に書き込み、またそ
れから読み出しをする。両パーマロイ膜の間には導体コ
イル26が貫通するように設けられている。パーマロイ
膜22,23及び導体コイル26は有機樹脂27により
絶縁されている。この有機樹脂27は、パーマロイ膜2
2,23間の漏れ磁束を防ぐため、約10μm以上の厚
さを必要とする。また、ギヤツプ24側は有機樹脂27
を基板21に対してある角度で傾斜させてあるが、その
斜面28の基板21となす角度が小さいと有機樹脂27
が薄い状態と等価になり、薄膜磁気ヘツドの性能が低下
する。一方、上記角度が大きいと、斜面28に堆積する
パーマロイ膜の膜厚が十分に確保できない、あるいは磁
気特性が悪い等の問題が発生する。これらの理由によ
り、斜面28の基板21となす角度は一定の条件下に限
定される。この条件は、パーマロイ膜23の堆積方法及
びパターニング方法によつて異なるが、例えば後述する
スパツタリング法により堆積する場合では30〜45°
の範囲内に最適な角度が存在することが多い。
上記の有機樹脂27の段差上に形成するパーマロイ膜2
3のパターニング方法としては、次の2通りの方法が知
られている。
第1はフレームめつき法と呼ばれる方法である。めつき
下地膜の上にホトレジストで所望のパターンを囲む形に
フレームを形成し、レジストの存在しない部分に選択的
にめつきし、レジストで区切られた不要部分及びレジス
トを除去する方法である。この方法は、形成したホトレ
ジストの寸法精度によりパーマロイ膜のパターン精度が
決定されるので、比較的容易に高い寸法精度の膜が得ら
れるという特徴を持つている。しかしながら、レジスト
フレームのある状態では容易に磁気特性の良好な膜を得
ることはできないという短所を持つている。
第2の方法は全体にパーマロイ膜を堆積した後、エツチ
ングによりパターニングする方法である。パーマロイの
堆積方法としてはめつき、蒸着、スパツタリング等があ
る。エツチング方法には前述の化学エツチング並びにド
ライエツチングがあるが、高精度が期待できること、並
びにコントロールが容易なことからドライエツチングが
選択されて来ている。
反応性のドライエツチングでは通常、CFなどのふつ
化物、CClなどの塩化物、酸素、水素等のガスを用
いる。しかしパーマロイ膜は上記物質のプラズマにより
エツチングをしても多きなエツチング速度は得られず、
実用的には使用できない。そこで、加速したアルゴンイ
オンにより物理的にスパツタリングする方法が良く用い
られる。より具体的には第1図にて示し前述したイオン
ミリング装置あるいは類似構造のものが使用される。
パーマロイ膜のパターニングプロセスの概略を第3図に
示す。第3図(a)は基板21の上に有機樹脂膜27のパ
ターンを形成し、その上にパーマロイ膜23を堆積した
ものの断面図である。この上にホトレジスト29を塗布
し、それを露光、現像して第3図(b)に示す断面形状に
する。この時、ホトレジスト29は、塗布時に流動性が
あるため、有機樹脂膜27のパターンに影響され、凸端
30では平坦部に比べ薄くなり、凹端31では平坦部に
比べ厚くなる。この後イオンミリング装置により、アル
ゴンイオンを上方から照射すると、パーマロイ膜とホト
レジスト膜は共にエツチングされ、第3図(c)に示す断
面構造となる。このエツチングの際ホトレジスト29
は、パーマロイ膜23の残して置く部分が露出しないた
めに十分な厚さが必要である。特に有機樹脂膜27の凸
端30は最も膜厚が薄くなる部分であり、このため、平
坦なパーマロイ膜をパターニングする時に比べより厚い
ホトレジストが要求される。
パーマロイのエツチングが終了した基板21は、ホト
レジスト29を酸素プラズマによる灰化、有機溶剤によ
る溶解等の方法で除去し、第3図(d)に示す断面形状の
素子を得る。
第4図に第3図のプロセスで作成する薄膜磁気ヘツドの
パーマロイ膜23の平面形状を示す。第4図においてパ
ーマロイ膜23は有機樹脂膜27の表面に形成されてお
り、その一部が有機樹脂膜27のパターンの外に出てい
る。有機樹脂膜27のパターン端部は前述のように凸端
30と凹端31によつて斜面28が形成されている。薄
膜磁気ヘツドにおいては、この斜面28の下方における
パーマロイ膜23の幅aを±0.5μmの許容幅で精密に
形成する必要がある。
第3図の方法を用いて、第4図のaで示す部分を精密に
形成するには次のような問題点がある。
第5図はホトレジストをマスクにしてパーマロイをイオ
ンミリングする時の断面形状の例である。第5図(a)は
基板21上のパーマロイ膜23をホトレジスト29をマ
スクにしてイオンミリングする前の断面、第5図(b)は
ホトレジスト29の膜厚が適正の時のイオンミリング後
の断面、第5図(c)はホトレジスト29の膜厚が過剰の
時のイオンミリング後の断面のそれぞれの模式図であ
る。イオンミリングにおけるアルゴンイオンは基板に対
し垂直に入射していると仮定している。第5図(b)にお
いてホトレジストの端部は斜めに削られているが、これ
は、テーパ部のイオンミリングの速度が平坦部に比べ速
いためである。第5図(c)に示すようにホトレジストの
膜厚が厚くなると、ホトレジストの端部にミリングされ
ない部分31ができる。そのため、アルゴンイオンによ
つてスパツタされたパーマロイ膜の一部はホトレジスト
の端部に付着し、膜32を形成する。このため、ホトレ
ジストをはくりした後のパーマロイ膜の形状は第5図
(d)に示すようになり、余分な膜32が残留することに
なり、目的の形状のパーマロイ膜が得られない。
一方、前記した通り、第3図並びに第4図の有機樹脂膜
の凹部31ではホトレジスト29は厚くなるため、パー
マロイ膜23は凹部31において第5図(d)に示す断面
構造を持つことになり、好ましくない。
この原因は、ホトレジスト29の側壁にスパツタされた
パーマロイが付着し、アルゴンイオンはこの側壁にほと
んど飛来しないため付着したパーマロイが再びスパツタ
されず、そのまま残渣として残るためと考えられてい
る。通常のこの現象の解決手段としては、次の3通りが
考えられている。
第1はホトレジストを薄くすることであるが、一方では
第4図に示す有機樹脂膜27の凸部30においてもホト
レジストがミリングにより失われないようにしなければ
ならないので、この方法には限界がある。
第2はアルゴンイオンを斜上方から入射させる方法であ
る。このようにすることによりホレジストの側壁もアル
ゴンイオンでスパツタされるため、付着により形成され
る膜は除去することができる。しかしながら、アルゴン
イオを斜上方から入射させると、アルゴンイオの入射方
向と反対側はホトレジストの影になりイオンミリングが
妨げられる。上記の方法でイオンミリングしたパーマロ
イの断面構造の例を第5図(e)に示す。パターニングし
たパーマロイ膜の周囲には残渣33ができ、第1の方法
と同様、目的とする形状が得られない。
第3はホトレジストの端部の基板とのなす角度を小さく
する方法であるが、この方法では、イオンミリングによ
りパーマロイのエツチングが進むにつれてパターン幅も
変化するため、高精度なパターニングが困難であるとい
う欠点を持つ。
以上のことから、薄膜磁気ヘツドのパーマロイ膜をイオ
ンミリングでパターニングする際にホトレジストを用い
ると、上記のいずれの方法によつても満足できる形状の
ものを得ることは困難である。
この問題点は、根本としてマスク材の厚さが部分的に厚
くなつていることにある。そこで、この解決策として、
パーマロイ膜の上にスパツタリングあるいは蒸着法によ
り塗布法よりも均一な膜を形成し、ホトレジストのパタ
ーンを一度上記膜に転写し、その後、転写したパターン
を持つ膜をマスクにしてパーマロイをイオンミリング法
でパターニングする方法がある。この方法に適用できる
薄膜材料としては、パーマロイに比べイオンミリングに
おけるエツチング速度の遅いものが望まれる。
アルミナ膜はスパツタされにくく、マスク材として良好
であるが、現在まで、このアルミナ膜を高精度かつ選択
的にエツチングする方法が知られてなく、適用できない
ままでいる。他の薄膜では、パーマロイとのミリング速
度の比が大きく取れず、高精度にパーマロイのパターン
を形成することができない。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、アルミナ膜を高精度にパターニングす
る方法を提供することにある。
〔発明の概要〕
本発明のアルミナ膜のパターニング方法は、パーマロイ
膜上にアルミナ膜を形成する工程と、アルミナ膜上に所
定のパターンのホトレジスト膜を形成する工程と、ホト
レジスト膜をマスクにして、アルミナ膜の露出部分をふ
つ化炭素系ガスを用いた反応性イオンビームエツチング
により除去し、パーマロイ膜を露出させ、アルミナ膜の
所定のパターンを形成する工程と、を有することを特徴
とする。
更に、本発明のアルミナ膜のパターニング方法は、パー
マロイ膜上にアルミナ膜を形成する工程と、アルミナ膜
上に鉄とニツケルとの合金からなる金属膜を形成する工
程と、金属膜上に所定のパターンのホトレジスト膜を形
成する工程と、ホトレジスト膜をマスクにして、金属膜
の露出部分を除去し、アルミナ膜を露出させ、金属膜の
所定のパターンを形成する工程と、所定のパターンに形
成された金属膜をマスクにして、アルミナ膜の露出部分
をふつ化炭素系ガスを用いた反応性イオンビームエツチ
ングにより除去し、パーマロイ膜を露出させ、アルミナ
膜の所定のパターンを形成する工程と、を有することを
特徴とする。
本発明は、ふつ化炭素系ガスをプラズマイオン化し使用
するものであつて、アルミナ膜がホトレジスト膜やパー
マロイのような金属膜に対して選択的にエツチングされ
ることを利用するものであり、この効果を応用すること
によりアルミナ膜を高精度にパターニングすることを可
能にしたものである。
なお、ふつ化炭素系ガスとしては、CF、 C又はCHFを使用することが好ましい。
〔発明の実施例〕
次に本発明を具体的実施例により詳細に説明する。
第6図は本発明によるプロセスの一例を示したものであ
る。第6図(a)は基板21の上に有機樹脂膜27のパタ
ーンを形成し、その上にパーマロイ膜23を堆積し、更
にパーマロイ膜23のマスク材となるアルミナ膜34を
堆積したものの断面である。第6図(b)ホトレジスト2
9を塗布し、それを露光、現象した後の断面である。第
6図(b)に示すようにホトレジスト29を形成した後、
アルミナ膜34をふつ化炭素系ガスを用いてプラズマエ
ツチングする。
第7図は、CFをプラズマでイオン化し、加速して試
料に衝突させる一種の反応性イオンビームエツチングを
適用した時のノボラツク系ホトレジスト51とアルミナ
52のそれぞれのエツチング速度とイオン加速電圧の関
係を示したものである。この図から、アルミナのエツチ
ング速度はイオン加速電圧が低い場合にはホトレジスト
より小さいがイオン加速電圧が高い場合には逆転するこ
とがわかる。また、イオンミリングに通常用いられるア
ルゴンガスを使用した場合、ホトレジストのエツチング
速度は第7図に示した値と同程度であるが、アルミナは
ホトレジストの1/2あるいはそれ以下である。このこ
とはCHがアルミナのエツチングを化学的に進行させ
ていると考えられる。
一方、反応性スパツタエツチングにCFあるいはふつ
化炭素系のガスを用いてもアルミナは実用上エツチング
されない。反応性スパツタエツチングあるいはプラズマ
エツチングにおいてエツチングされる物質は、それらの
物質の反応性ガスとの化合物の蒸気圧が高い、言い換え
れば沸点が低いことが必要条件である。例えばCF
ガスを用いたプラズマでエツチングされるシリコンのふ
つ化物SiFは−95.5℃で昇華し、CCl系ガ
スを用いたプラズマでエツチングされるアルミニウムの
塩化物AlCl3の沸点は182.7℃(755mmH
g)である。これらに比べ、アルミニウムのふつ化物で
あるAlF3は1260℃という高温で昇華する物質で
あり、実用上ふつ化炭素系ガスでプラズマエツチングで
きない理由はここにある。
そこで、第7図に示した現象は、まだ不明な点もあるが
現在のところ次のように考えられる。まず、アルミナの
表面がCFがイオン化されてできた化学種、例えばC
3 +等によりふつ化物に変わる。アルミナは高融点材料
として知られている通り、融点2015℃、沸点350
0℃の物性を持ち、このような高沸点材料はイオンミリ
ングされにくい傾向にある。この物質が昇華温度126
0℃のふつ化物に変わることによりエツチング速度が速
くなつたものと考えられる。急峻な加速電圧依存性はふ
つ化物への反応が表面しか起きないために律速になつて
いるためではないかと思われる。
以上の結果により、高い加速電圧を用いるとホトレジス
トに対し選択的にアルミナをエツチングすることがで
き、これを適用することにより、パーマロイのエツチン
グマスクとなるアルミナをエツチングすることができ
る。なお、第7図ではCFを例に用いて説明したが、
C2F6,CHF3等のふつ化炭素系化合物でも同様の結果
を得ており、これは前述の原理からの当然の帰結であ
る。
第6図(b)においてアルミナをエツチングした基板は、
ホトレジストが薄く残つた第6図(c)の断面形状とな
る。CFを使用した時はアルゴン使用時に比べイオン
にさらされたホトレジストの変質は少なく、酸素プラズ
マ並びにアセトンなどの有機溶媒を用いることにより容
易に除去でき、1kVの加速イオンを用いることもでき
ることを確認した。
アルミナ膜34をエツチングした後、アルミナ膜34を
マスクにしてアルゴンイオンを用いたイオンミリング法
でパーマロイ膜23をエツチングすると、第6図(d)に
示す形状となり、パターニングが完了する。マスクに使
用したアルミナ膜34を除去したい場合は、この後もう
一度CFによる反応性イオンビームエツチングを行な
うか、あるいは他の方法によりアルミナ膜34をエツチ
ングすれば良い。薄膜磁気ヘツドにおいては、デバイス
の構造上残しても問題ないため特に除去する必要は無
い。
上記のプロセスを採用すると、第6図におけるアルミナ
膜34のエツチングでホトレジスト29の端部に付着す
る物質はホトレジストの除去あるいはその後のパーマロ
イ膜23のイオンミリングにおいて容易に除去され、目
的とする形状のパーマロイ膜23が得られる。また、エ
ツチングに選択性が得られるためホトレジスト29を薄
くすることができ、高精度なパターンを形成することが
できるようになる。
第8図は本発明の他の実施例を示したものである。第8
図(a)は基板21の上に有機樹脂膜27のパターンを形
成し、その上にパーマロイ膜23を堆積し、更にパーマ
ロイ膜23のマスク材となるアルミナ膜34を堆積し、
このアルミナ膜34のマスク材となる金属膜35を堆積
したものである。有機樹脂膜27の膜厚は薄膜磁気ヘツ
ドの特性上の要求から約10μm以上となつているが、
他の膜の厚さは有機樹脂膜端部の形状、パーマロイ膜に
要求される磁気特性、エツチングの選択性、精度等の因
子によつて決められる。ただし、精度を確保するため、
パーマロイ膜23の厚さよりアルミナ膜34の厚さの方
が薄く、金属膜35の方がさらに薄いことが要求され
る。
第8図(a)により堆積した各膜は、ホトレジスト膜29
のパターニングを出発点にして順次エツチングして行
く。第8図(b)はホトレジスト膜29をパターニングし
た後の断面、第8図(c)はホトレジスト膜29をマスク
にして金属膜35をエツチングした後ホトレジスト膜2
9を除去した段階の断面、第8図(d)はアルミナ膜34
をCF反応性イオンビームエツチングでパターニング
した段階の断面、第8図(e)はパーマロイ膜23をイオ
ンミリングによりパターニングした段階の断面である。
パーマロイ膜23をイオンミリングすると金属膜35は
薄いため自動的に除去される。
このプロセスで使用される金属膜35はふつ化炭素系の
ガスによる反応性イオンビームエツチングにおけるエツ
チング速度が遅いことが要求される。そのためにはふつ
化物の沸点が高いことと、金属単体の沸点が高いことの
2つの条件を満足するものが望ましい。例としては、ク
ロム、鉄、ニツケル等がある。この中で特に、鉄とニツ
ケルの合金であるパーマロイは形成しようとしている膜
と同一であるので実用上特に有益であると共に、イオン
ミリング時にスパツタされた金属膜35が基板上の部分
に付着したとしても不純物として悪影響をおよぼすこと
が少ないという長所も合わせ持つている。
第9図にパーマロイ膜及アルミナ膜のCFイオンビー
ムエツチング並びにアルゴンイオンミリングにおけるエ
ツチング速度を比較して示す。イオン加速電圧は600
Vである。アルミナ膜52ではCFを用いた時の方が
エツチング速度が速いのに対し、パーマロイ膜53では
アルゴンを用いた方がエツチング速度が速い。そこでこ
の特性を利用する。つまり、まずホトレジスト膜をマス
クにしてパーマロイ膜で形成された薄い金属膜35をア
ルゴンのイオンミリングでパターニングする。この金属
膜でより厚いアルミナ膜34をCF反応性イオンビー
ムエツチングでパターニングする。更にこのアルミナ膜
34を用いてパーマロイ膜23をアルゴンのイオンミリ
ングでパターニングし、第8図(e)の断面形状のパーマ
ロイ膜、すなわち薄膜磁気ヘツドの磁気コア部を形成す
る。
この方法は、エツチングマスクが薄いためパーマロイ膜
の再付着を防止でき、目的とする形状の薄膜が容易に得
られる。また、ホトレジスト膜は目的とする膜よりも薄
い膜をイオンミリングするマスクとして用いられるた
め、膜厚を薄くすることができ、パターン精度が向上す
る。さらにこのホトレジスト膜をマスクにした時のミリ
ング時間も短縮されるため、サイドエツチによるパター
ン寸法の変化も抑えられる。これらの結果、パターン寸
法のばらつきは±0.5μm以下の範囲に収まることが
確認された。
一方、2つの実施例に共通した特徴として、パーマロイ
膜のミリング時に耐熱性の悪いホトレジスト膜を使用し
ないで済むことから、イオンの加速電圧並びにイオン電
流を増加させて所用時間を短縮することができる。ま
た、パーマロイ膜の端部の基板とのなす角を90°に近
づけることもできる。これはアルミナ膜がサイドエツチ
ングされにくいことによる。
上記実施例ではアルミナ膜をマスクにしたパーマロイ膜
のパターニングについて説明したが、アルミナ膜はエツ
チング速度が遅い膜であり、パーマロイ膜以外の金属膜
その他の種々の膜にそのまま適用できる。
また、本実施例で述べたアルミナ膜のパターニング法
が、そのままアルミナ膜の形成に使えることは言うまで
もない。エツチングマスクにはホトレジストと金属膜の
2種があるが、金属膜を用いるとアルミナ膜は、端部が
ホトレジスト膜をマスクにした時に比べ急峻にすること
ができるという特徴を持つ。さらに、エツチング速度が
アルゴンを用いた時に比べ速くなることから時間短縮す
ることができる。
本発明の更に異なる実施例を第10図及び第11図に示
す。第10図及び第11図は第2図に示した薄膜磁気ヘ
ツドの形成プロセスの一部を示したものである。第10
図(a)に示すように、基板21の上にはパーマロイ膜2
2が形成されており、更にその上にアルミナ膜25が全
面に堆積されている。第2図に示しているように、パー
マロイ膜22はもう一層のパーマロイ膜23と一部で接
続するためアルミナ膜25の一部を除去する必要があ
る。
アルミナ膜の除去方法には、ふつ酸などを用いた化学エ
ツチングと真空容器中でラジカル、イオン、加速粒子等
により除去するドライエツチングによる方法がある。し
かし、アルミナ膜を前者の化学エツチングで高精度にパ
ターニングすることは困難であり、後者のドライエツチ
ングが使われる傾向にある。
一般に、ドライエツチングは、加速した粒子による物理
作用を用いたものと、ラジカル、イオンとの化学反応を
利用したものに大別される。アルミナ膜はふつ素、塩
素、酸素、窒素等の化合物に対し安定であることから、
反応性スパツタエツチングなどの化学反応を利用したも
のでは十分なエツチング速度が得られない。そこで、イ
オンミリング法などの加速粒子により膜を除去するエツ
チング方法が専ら採用されている。第10図は、上記の
イオンミリング法を採用した時の薄膜プロセスを断面図
で示したものである。
第10図においてアルミナ膜25をエツチングするた
め、ホトレジスト膜29を形成する。第10図(b)はス
ルーホール29aを持つホトレジスト膜29を形成した
時の断面である。次に第10図(c)に示すように、イオ
ンミリング法によりアルゴンイオンで表面層から削り、
アルミナ膜25にスルーホール25aを形成する。そし
て、第10図(d)に示すようにホトレジスト膜29を酸
素プラズマ、又はレジストの剥離液、あるいは両者の共
用により除去する。しかしながら、加速したイオンによ
りアルミナ膜25を削る場合、アルミナ膜25のエツチ
ング速度がホトレジスト膜29やパーマロイ膜22に比
べ遅いため、次の問題点が発生する。
(1) ホトレジスト膜を厚くしなければならず、パター
ン精度が低下する。
(2) エツチング中にホトレジスト膜のサイドエツチン
グが進行するため、(1)と同様パターン精度が低下す
る。
(3) オーバエツチングの際に下層のパーマロイ膜が急
速にエツチングされ、局部的に薄くなる。
これらの問題点を解決するためには、アルミナ膜のエツ
チング速度をパーマロイ膜及びホトレジスト膜に比べ速
くすれば良い。本発明によるプロセスを第11図に示
す。第11図(a)は基板21上に形成されたパーマロイ
膜22の上にアルミナ膜25を堆積した状態、第11図
(b)はアルミナ膜25の上にホトレジスト膜29を形成
した状態、第11図(c)はアルミナ膜25をCFを用
いた反応性イオンビームエツチングでパターニングした
状態、第11図(d)は用いたホトレジスト膜29を剥離
した状態をそれぞれ示す。本発明による方法ではアルミ
ナ膜25のエツチング速度が速いため、薄いホトレジス
ト膜29を用いることができる。また、オーバエツチン
グした時の下層のパーマロイ膜22のエツチング量も減
らすことができる。そのため、従来法に比べ良好なパタ
ーニングが可能となる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、エツチング速度の遅いアルミナ膜をイ
オンミリングのマスク材に用いることができるので、形
状の良好な薄膜パターンを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はイオンミリング装置を説明するための概略図、
第2図は薄膜磁気ヘツドの構造を説明するための断面
図、第3図は従来プロセスの説明図、第4図は従来プロ
セスの問題点を説明するための平面図、第5図は従来プ
ロセスの問題点を説明するための断面図、第6図は本発
明の一実施例を説明するための工程図、第7図は本発明
を説明するためのグラフ、第8図は本発明の他の実施例
を説明するための工程図、第9図は本発明を説明するた
めのグラフ、第10図及び第11図は本発明の他の実施
例を説明するための工程図である。 21…基板、22,23…パーマロイ膜、25…アルミ
ナ膜、27…有機樹脂、29…ホトレジスト、34…ア
ルミナ膜、35…金属膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉成 恒男 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 佐藤 満雄 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 光岡 勝也 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 森尻 誠 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 華園 雅信 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 小林 哲夫 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所小田原工場内 (56)参考文献 特開 昭52−125429(JP,A) 特開 昭54−21700(JP,A) 特開 昭55−83249(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パーマロイ膜上にアルミナ膜を形成する工
    程と、 前記アルミナ膜上に所定のパターンのホトレジスト膜を
    形成する工程と、 前記ホトレジスト膜をマスクにして、前記アルミナ膜の
    露出部分をふつ化炭素系ガスを用いた反応性イオンビー
    ムエツチングにより除去し、前記パーマロイ膜を露出さ
    せ、前記アルミナ膜の所定のパターンを形成する工程
    と、 を有することを特徴とするアルミナ膜のパターニング方
    法。
  2. 【請求項2】パーマロイ膜上にアルミナ膜を形成する工
    程と、 前記アルミナ膜上に鉄とニツケルとの合金からなる金属
    膜を形成する工程と、 前記金属膜上に所定のパターンのホトレジスト膜を形成
    する工程と、 前記ホトレジスト膜をマスクにして、前記金属膜の露出
    部分を除去し、前記アルミナ膜を露出させ、前記金属膜
    の所定のパターンを形成する工程と、 所定のパターンに形成された前記金属膜をマスクにし
    て、前記アルミナ膜の露出部分をふつ化炭素系ガスを用
    いた反応性イオンビームエツチングにより除去し、前記
    パーマロイ膜を露出させ、前記アルミナ膜の所定のパタ
    ーンを形成する工程と、 を有することを特徴とするアルミナ膜のパターニング方
    法。
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