JP6418500B2 - 車両の運転支援装置 - Google Patents
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Description
アイドリングストップ状態からブレーキを解除するとエンジンが始動する車両に装備し、
ドライバが運転中に居眠り状態に陥った際、前記ドライバを覚醒させる車両の運転支援装置に関する。
従来、特許文献1に開示されているように、ドライバの居眠りを検出した場合に、走行中の車両のスロツトルバルブ、イグナイタ、サスペンジョン、インジェクタ、吸気バルブ、自動変速機、休止気筒等を制御して走行状態に異変を発生させる技術があった。
しかしながら、この技術によれば、車両の走行状態に異変を発生させるために、道路状況、天候、周囲の車両等において予期せぬ状況が起きた場合に対応できなかった。
[2] 特許文献2の技術
ドライバの覚醒度低下や意識低下は、走行時よりも信号待ちや渋滞停止時といった非運転操作時のほうが強くなる。近年、車両停止時にエンジンを強制的に停止させて発進時にエンジンを再始動させるアイドリングストップ機能を有する車両が増えている。このような車両においては、車両が停止した際にエンジンの回転を停止することにより車室内の振動や騒音が無くなる。そのために、通常のアイドリング状態の車両に比べて車室内が静かな環境となり、ドライバの眠気度合いがさらに強くなってしまうという課題がある。
特許文献2に開示されているように、ドライバの意識が低下している状態では、エンジンの再始動を禁止する手法が提案されている。
しかしながら、エンジン停止が継続するだけでは、エンジン停止が継続していることにドライバが気付かないで車両が停止したままとなり、車両が周囲の交通の邪魔になる恐れがある。
[3] 特許文献3の技術
特許文献3に開示されているように、後方から接近する車両のドライバの居眠り情報を車車間通信で取得し、エンジンの再始動タイミングを早める技術が提案されているが、この技術では、自車両のドライバを覚醒させることはできない。
[4] 特許文献4の技術
特許文献4には、エンジン再始動時に空調装置から車室内に香りを送出する装置が開示されている。しかしながら、空調装置から車室内に香りを送出するだけでは、エンジンが再始動したということをドライバに意識させにくい。また、覚醒状態の異なるドライバに対して一律に空調装置を制御するだけでは、ドライバによっては煩わしさを感じたり、ドライバが慣れて覚醒効果が低減するといった問題が発生する。
[5] その他に、ラジオの音量を上げる、空調装置の風量を上げる等の技術もあるが、窓を開けて運転している場合、効果が低減する。
アイドリングストップ機能を有する車両において、覚醒度低下や意識低下が発生しているドライバを通常の状態に覚醒させることができ、しかも、道路状況、天候、周囲の車両等において予期せぬ状況が起きた場合にも対応でき、自車両が周囲の交通の邪魔になることを防止でき、ドライバの煩わしさを回避でき、ドライバの慣れによる覚醒効果の低減を回避できる車両の運転支援装置を提供する点にある。
アイドリングストップ状態からブレーキを解除するとエンジンが始動する車両に装備し、
ドライバが運転中に居眠り状態に陥った際、前記ドライバを覚醒させる車両の運転支援装置であって、
前記ドライバの顔を撮影する車載カメラと、
前記車載カメラが撮影した前記ドライバの顔画像に基づいて、前記ドライバが意識低下状態にあるか否かを判定する意識状態判定部とを備え、
前記ドライバが意識低下状態にあると前記意識状態判定部が判定すると、前記ドライバがアクセルを踏み込んだ祭に、予め設定した第1の遅れ体感時間が経過してから前記エンジンが始動するように構成するか、及び/又は、予め設定した第2の遅れ体感時間が経過してから前記車両が動き始めるように構成することで、前記車両の発進を遅れさせて、前記ドライバに前記意識低下状態にあることを知らせる点にある。(請求項1)
これにより、覚醒度低下や意識低下が発生しているドライバを通常の状態に覚醒させることができる。しかも、道路状況、天候、周囲の車両等において予期せぬ状況が起きた場合にも対応でき、自車両が周囲の交通の邪魔になることを防止でき、ドライバの煩わしさ回避でき、ドライバの慣れによる覚醒効果の低減を回避することができる。(請求項1)
後続車両、及び、前記後続車両の車速を検出する後続車両検出部を備え、
前記後続車両検出部が前記後続車両を検出し、かつ、前記後続車両の所定値未満の車速を検出した場合に、前記車両の発進を遅れさせることを特徴とすると、次の作用を奏することができる。(請求項2)
後続車両、及び、前記後続車両との車間距離を検出する後続車両検出部を備え、
前記後続車両検出部が前記後続車両を検出し、かつ、所定値以上の前記車間距離を検出した場合に、前記車両の発進を遅れさせることを特徴とすると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
前記車両の発進を遅れさせていることを前記車両の後部の表示手段により表示して後続車両に知らせると、次の作用を奏することができる。(請求項4)
前記車両の発進を遅れさせていることを車車間通信により後続車両に知らせると、次の作用を奏することができる。(請求項5)
アイドリングストップ機能を有する車両において、覚醒度低下や意識低下が発生しているドライバを通常の状態に覚醒させることができ、しかも、道路状況、天候、周囲の車両等において予期せぬ状況が起きた場合にも対応でき、自車両が周囲の交通の邪魔になることを防止でき、ドライバの煩わしさ回避でき、ドライバの慣れによる覚醒効果の低減を回避できる車両の運転支援装置を提供することができた。
図1に示すように、アイドリングストップ状態からブレーキを解除するとエンジンが始動する車両(自動車)に運転支援装置50を装備してある。運転支援装置50は、ドライバの顔を撮影する車載カメラ9と、車載カメラ9が撮影したドライバの顔画像に基づいて、ドライバが意識低下状態にあるか否かを判定する意識状態判定部4と、演算処理を行う演算処理部8とを備えている。
車両の再発進時の制御について、次の[1],[2]において簡単に説明し、その後に、より詳しく説明する。
[1] ドライバが通常状態の場合
自車両をアイドリングストップ状態から再発進させるために、ドライバがブレーキペダルの踏み込みを緩めた場合に、ブレーキコントローラ13、エンジン始動制御部5、エンジンコントローラ12等により、通常のタイミングでエンジンを再始動させる。その後、ドライバがアクセルペダルを踏み込んだ場合に、車両発進制御部6、エンジンコントローラ12等により、通常のタイミングでエンジン回転数の制御、又は燃料噴射量の制御を行って自車両を発進させる。
自車両をアイドリングストップ状態から再発進させるために、ドライバがブレーキペダルの踏み込みを解放した時点では、ブレーキコントローラ13、エンジン始動制御部5、エンジンコントローラ12等により、エンジンを再始動させない。そして、アクセルペダルを踏み込んだ後に、エンジン始動制御部5、車両発進制御部6、エンジンコントローラ12等により、通常よりも遅いタイミングでエンジンを再始動させるとともに、通常よりも遅いタイミングでエンジン回転数の制御または燃料噴射量の制御を行って自車両の発進を遅らせる。
(ステップ101(S101)、以下( )内は省略する)
車両側から車速、舵角、方向指示器、アクセル開度、ブレーキスイッチ、エンジン回転数、燃料噴射量等の車両情報10を取得して車両情報記録部1で記録する。
車体後部に設けたソナー、カメラ、ミリ波レーダ、レーザレーダ11等のセンサの情報を取得し、後続車両検出部3で、後続車両の有無、自車から後続車両までの車間距離、後続車両の移動速度を検出する。
車載カメラ9で撮影した運転中のドライバの顔画像をフレーム毎にカメラ画像記録部2で記録する。
意識状態判定部4において、ドライバの顔画像から瞼開度を検出する。瞼開度を検出するためには、前処理として画像内における顔領域の検出、顔領域における眼領域の特定、上瞼と下瞼の検出といった一連の処理を行う。上瞼と下瞼の間隔を瞼開度として検出する。瞼開度としては、左右それぞれで算出した値の平均値としても良いし、大きい値または小さい値を採用しても良い。瞼開度の過去フレ−ムの時系列変化から、瞬きの時間、瞬きの頻度等を算出する。
ドライバの瞼開度、瞬き時間、瞬きの頻度等の情報から意識状態判定部4でドライバの意識状態を判定する。例えば、瞼の開度(上瞼と下瞼の間隔)が50%以上ならば通常状態、50%未満ならば意識低下状態とする。また、例えば、瞬きの開始から終了までの時間が、通常状態における時間よりも1.0sec以上遅ければ意識低下状態としてもよい。さらに、例えば、過去一定期間(例えば60sec)における瞬きの回数が通常時よりも減少又は増加した場合(例えば50%)を意識低下状態としてもよい。
自車両がアイドリングストップで停止している状況において、ドライバがブレーキペダルを踏み込んでいるかどうかを判定する。ブレーキペダルの踏み込み量を検知するセンサの値をしきい値判定するか、又は、ブレーキの油圧を計測するセンサの値をしきい値判定する。ドライバがブレーキを踏み込んでいると判定した場合は、ループ処理の先頭に戻り次のフレーム処理を待つ。ドライバがブレーキの踏み込みを緩めたと判定した場合は、次のステップを実行する。
意識状態判定部4でドライバの状態を判定する。意識状態判定部4がドライバの状態を通常状態と判定した場合は、通常時のタイミングでエンジンを再始動させる。意識状態判定部4がドライバの状態を意識低下状態と判定した場合は、ドライバを意識低下状態から通常状態に回復させるための意識回復処理を実行する。
後続車両検出部3が、後続車両が存在するかどうかを判定する。後続車両が存在しない場合は、後続車両に対する手当が不要であるため、ステップ113に移る。後続車両が存在する場合は、後続車両に対する手当を実行するため、次のステップに移る。
後続車両の車速をしきい値判定する。後続車両の車速がしきい値以上(例えば、時速5Km以上)ならば、追突の危険が高まるため意識回復処理を行わずに、通常時のタイミングでエンジンを再始動させる処理(ステップ115)に移る。このとき、しきい値とする車速は、すぐに停止が可能な徐行運転車速である時速5Km〜10Kmとする。後続車両の車速がしきい値未満ならば、次の処理に移る。
後続車両までの距離(車間距離)をしきい値判定する。後続車両が自車両に接近している場合、すなわち、自車両から後続車両までの距離が一定の距離以内(例えば3m以内)ならば、追突の危険が高まるため意識回復処理を行わずに、通常時のタイミングでエンジンを再始動させる処理(ステップ115)に移る。このとき、しきい値とする距離は、徐行運転車速である時速5Km〜10Kmのうち高いほうの時速10Km(秒速2.78m)における1秒あたりの移動距離3mとする。後続車両が自車両から一定の距離以上離れている場合は、次の処理に移る。
後続車両が存在していて、かつ、後続車両の車速および距離の条件が成立している場合に意識回復処理を実行する。その際に、後続車両を含めた周囲の車両の安全を確保するため、自車両のバックランプを強制的に点灯または点滅させるようランプコントローラ14に信号を送信する。ランプコントローラ14は、意識回復処理が実行されている間、バックランプを点灯または点滅するよう制御する。通常と異なる制御を実行することにより、自車両の発進が遅れることを後続車両に知らせる。
後続車両が車車間通信装置16を搭載している場合には、車車間通信部7により、自車両から後続車両に対して意識回復処理を実行することを知らせる。後続車両は、前方の停止車両がすぐには発進しないことを事前に察知して、自車(前記後続車両)を急発進させないよう制御する。
その際に、車車間通信により後続車両に対して、前方車両に警音器を鳴らしたり前照灯を点滅させるよう依頼するための信号を送信することもできる。後続車両が車車間通信機能を搭載している車両の場合には、信号を受信した後、警音器を鳴らすか、前照灯を点滅させる制御を実行する。後続車両が警音器を鳴らしたり、前照灯を点滅させたりすることにより、ドライバに自車両の発進が遅れていることを自覚させることができる。また、意識低下状態を通常状態に戻す効果(意識回復効果)をより強く得ることができる。
ドライバの意識回復処理を実行し、通常より遅いタイミングでエンジンを始動させる。
ドライバがブレーキペダルの踏み込みを解放した後にアクセルペダルを踏み込んだ場合に、アクセルペダルの踏み込み量をセンサで計測し、通常よりも遅いタイミングでエンジンを再始動させるとともに、通常よりも遅いタイミングでエンジン回転数の制御または燃料噴射量の制御を行って自車両を発進させる。
[通常状態(図3(a)参照)]
ドライバがブレーキペダルの踏力を弱め始めてからエンジン再始動のためのセルが回転し始めるまでの時間をΔTa1とする。この時間は、ブレーキペダルのストローク変化、ブレーキの油圧の変化などをセンサで検出し、その値をしきい値判定するため、車両毎に一意に決定される。一般的には、ΔTa1=0.2sec程度である。
ドライバがアクセルペダルを踏み始めてから、実際に車両が動き始めるまでの発進遅れ時間をΔTb1とする。この時間は、エンジンの回転数上昇のタイムラグ、トルクコンバータやCV丁のタイムラグなど、車両毎に一意に決定される。一般的には、ΔTb1=0.5sec程度である。
一般に、セルモーターを回転させてエンジンが始動する時間は0.5sec程度である。また、ドライバがブレーキペダルの踏力を弱め始めてからブレーキペダルから足を離し、ブレーキペダルからアクセルペダルに足を移動させるまでの時間(ブレーキペダルの踏力を弱め始めてからアクセルペダルに足を移動させ終わるまでの時間)は1.0sec程度である。
ドライバがブレーキペダルの踏力を弱め始めてからエンジン再始動のためのセルが回転し始めるまでの時間をΔTa2とする。ΔTa2は、以下の条件を満たすように設定する。つまり、ドライバがアクセルペダルを踏み始めても、エンジンはまだ始動していないような設定とする。
ΔTa2+セル回転時間 > ブレーキ解除時間+ペダル間移動時間
遅れ体感時間<1>=(ΔTa2+セル回転時間)−(ブレーキ解除時間+ペダル間移動時間)
4 意識状態判定部
9 車載カメラ
Claims (5)
- アイドリングストップ状態からブレーキを解除するとエンジンが始動する車両に装備し、
ドライバが運転中に居眠り状態に陥った際、前記ドライバを覚醒させる車両の運転支援装置であって、
前記ドライバの顔を撮影する車載カメラと、
前記車載カメラが撮影した前記ドライバの顔画像に基づいて、前記ドライバが意識低下状態にあるか否かを判定する意識状態判定部とを備え、
前記ドライバが意識低下状態にあると前記意識状態判定部が判定すると、前記ドライバがアクセルを踏み込んだ際に、予め設定した第1の遅れ体感時間が経過してから前記エンジンが始動するように構成するか、及び/又は、予め設定した第2の遅れ体感時間が経過してから前記車両が動き始めるように構成することで、前記車両の発進を遅れさせて、前記ドライバに前記意識低下状態にあることを知らせる車両の運転支援装置。 - 後続車両、及び、前記後続車両の車速を検出する後続車両検出部を備え、
前記後続車両検出部が前記後続車両を検出し、かつ、前記後続車両の所定値未満の車速を検出した場合に、前記車両の発進を遅れさせることを特徴とする請求項1記載の車両の運転支援装置。 - 後続車両、及び、前記後続車両との車間距離を検出する後続車両検出部を備え、
前記後続車両検出部が前記後続車両を検出し、かつ、所定値以上の前記車間距離を検出した場合に、前記車両の発進を遅れさせることを特徴とする請求項1記載の車両の運転支援装置。 - 前記車両の発進を遅れさせていることを前記車両の後部の表示手段により表示して後続車両に知らせる請求項1〜3のいずれか一つに記載の車両の運転支援装置。
- 前記車両の発進を遅れさせていることを車車間通信により後続車両に知らせる請求項1〜3のいずれか一つに記載の車両の運転支援装置。
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