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JP2004203387A - 緊急自動ブレーキ装置 - Google Patents

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JP2004203387A JP2004040104A JP2004040104A JP2004203387A JP 2004203387 A JP2004203387 A JP 2004203387A JP 2004040104 A JP2004040104 A JP 2004040104A JP 2004040104 A JP2004040104 A JP 2004040104A JP 2004203387 A JP2004203387 A JP 2004203387A
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Abstract

【課題】 緊急自動ブレーキ作動時での安全性保持が充分にえられるようにした緊急自動ブレーキ装置を提供すること。
【解決手段】 緊急自動ブレーキ制御手段3は、車両状態検出手段1で検出した車両状態データと、走行環境検出手段2で検出した走行環境データにより緊急自動ブレーキを作動させるか否かを判定し、緊急自動ブレーキを作動させると判定された場合、報知/作動タイミング制御手段4で、そのことを報知する指令を出力し、この後、予め定めてある所定の時間経過したタイミングで緊急自動ブレーキを作動させる指令を出力するようにしたもの。
従って、緊急時、自動ブレーキが作動される事態になったときは、まず報知手段6により、このことが報知された後で車両のブレーキが掛けられることになるので、運転者を含む乗員は、緊急自動ブレーキが掛かるであろうことを予め知ることができ、この結果、緊急自動ブレーキによる強い慣性力にも慌てずに対応でき、仮に衝突した場合でも、予め身構えることができるので、損傷を最小限に抑えることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車間距離が危険な値になったとき、障害物が突然飛び出してきたときなどの緊急時にブレーキを自動的に働かせる装置に係り、特に、自動車の緊急自動ブレーキ装置に関する。
自動車では、脇見運転や居眠り運転など、運転者の不注意による危険な事態の発生が多い。
そこで、このような危険を回避するため、衝突の虞れが高い危険な領域に自動車が進入した場合、衝突防止や乗員保護のための装置を自動的に制御する技術が従来から提案されており、或る技術では、衝突の可能性の高い危険領域を複数設定し、危険の度合いに応じて自動的にスロットル制御、ブレーキ制御、シートベルト制御などを段階的に行なうようにした安全制御装置について開示している(例えば、特許文献1参照。)。
特開平2−246838号公報
上記従来技術は、緊急時、自動ブレーキが作動したときの乗員の状態について配慮がされているとは言えず、ブレーキの作動により乗員の安全が損なわれてしまうという問題があった。
すなわち、従来技術では、乗員の操作とは関係なく、自動的にブレーキが作動開始してしまうため、乗員からすれば、突然、ブレーキが掛かってしまうことになり、不意の減速に対応できず、慣性力により体が動き、車体に打ち当たってしまうなどの事態発生の虞れを生じ、安全性が損なわれてしまうのである。
例えば、従来技術では、危険領域内に障害物が進入してきた場合など、緊急時には突然自動的にブレーキが掛けられた後、衝突すると想定される時点の0.1秒〜0.2秒前にシートベルトに自動的にテンションを掛けるようになっているので、シートベルトが強くされるまでの間に、慣性力でむち打ちになったり、極端な場合、手足を痛めてしまう虞れすらあった。
また、シートベルトを装着していないときに、もしも事故に至ったとしても、予め緊急自動ブレーキの作動を知り、身構える暇があれば、もしかして危険の度合いが抑えられたかも知れないが、従来技術では、この期待も叶えられない。
本発明の目的は、緊急自動ブレーキ作動時での安全性保持が充分に得られるようにした緊急自動ブレーキ装置を提供することにある。
上記目的は、自己車両の走行速度を含む自己車両の状態を検出する車両状態検出手段と、自己車両と他車両との車間距離及び相対速度を含む自己車両の走行環境を検出する走行環境検出手段と、これら車両状態検出手段からの車両状態データと前記走行環境検出手段からの走行環境データより緊急自動ブレーキを作動させるか否かを判定する緊急自動ブレーキ制御手段と、この緊急自動ブレーキ制御手段の判定結果に応じて車両のブレーキを作動させる緊急自動ブレーキ作動手段を備えた緊急自動ブレーキ装置において、前記緊急自動ブレーキ制御手段の判定結果に応じて緊急自動ブレーキ作動報知指令を出力し、前記車両状態データと前記走行環境この緊急自動ブレーキ作動報知指令出力後、緊急自動ブレーキを作動させるまでの待ち時間を設定する報知/作動タイミング制御手段と、前記報知/作動タイミング制御手段の報知指令により音声などにより報知を行う報知手段とを設け、前記報知手段の報知開始から所定の時間後に緊急自動ブレーキを作動させるようにして達成される。
本発明によれば、緊急自動ブレーキの作動に際して、予めそのことが報知されるので、運転者を含む乗員は、緊急自動ブレーキの作動を意識し、それに備えて予め身構えることができる。
この結果、緊急自動ブレーキによる強い慣性力にも慌てずに対応でき、仮に衝突に至ってしまったとしても、損傷を最小限に抑えることができる。
また、本発明によれば、シートベルトを装着してなければ緊急自動ブレーキが作動するモードに入らないようにすることができるので、この場合には、緊急自動ブレーキが作動したときには、必ずシートベルトが装着されていることになるので、より高い安全性を容易に保つことができる。
以下、本発明による緊急自動ブレーキ装置について、図示の実施形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示すブロック構成図である。
まず、車両状態検出手段1では、自車(自己車両)の速度、加速度、アクセルペダルの踏込量、アクセルペダルの操作速度、ブレーキペダルの踏込量、ブレーキペダルの踏込速度、エンジン回転数、駆動軸トルク、変速比、操舵角などの車両状態データを検出する。
次に、走行環境検出手段2では、自車と先行車(自車の直前を走行している車両)の車間距離と相対速度、障害物の有無、道路のカーブ曲率、勾配、路面の摩擦係数μ、視界、交通規制情報、渋滞情報、先行車の速度及び加速度等の走行環境データを検出する。
緊急自動ブレーキ制御手段3では、車両状態検出手段1からの車両状態データと走行環境検出手段2からの走行環境データにより、緊急自動ブレーキを作動させるか否かを判定する。
そして、緊急自動ブレーキ制御手段3により緊急自動ブレーキを作動させると判定された場合、報知/作動タイミング制御手段4では、そのことを報知する指令を出力し、この後、予め定めてある所定の時間経過したタイミングで緊急自動ブレーキを作動させる指令を出力する。
そこで、緊急自動ブレーキ作動手段5では、報知/作動タイミング制御手段4から与えられた緊急自動ブレーキ作動指令に応じて車両のブレーキを掛けるのである。
また、報知手段6では、報知/作動タイミング制御手段4からの報知指令に応じて、警報音、音声などによる聴覚による報知動作や、表示ランプ(LED)の点灯点滅、ディスプレイ装置の表示などの視覚による報知動作、さらには、シートベルトのテンション増加、ステアリングや座席の振動など、体感と触覚に訴える報知動作を行う。
従って、この実施形態によれば、緊急時、自動ブレーキが作動される事態になったときは、まず報知手段6により、このことが報知された後で車両のブレーキが掛けられることになるので、運転者を含む乗員は、緊急自動ブレーキが掛かるであろうことを予め知ることができ、この結果、緊急自動ブレーキによる強い慣性力にも慌てずに対応でき、仮に衝突した場合でも予め身構えることができるので、損傷を最小限に抑えることができる。
図2は、本発明の一実施形態が適用された自動車の一例を示したもので、この図は車の前半分を横から見たもので、ここで、300は緊急自動ブレーキコントロールユニットで、マイクロコンピュータを備え、図1に示した緊急自動ブレーキ制御手段3と報知/作動タイミング制御手段4に相当する機能が発揮できるように構成されている。
100は車速センサで、101は運転モードスイッチであり、これらからの信号が車両状態データとして緊急自動ブレーキコントロールユニット300に入力される。
なお、この図では、簡略化のため、車速センサ100と運転モードスイッチ101しか記してないが、車両に装着された各種センサから得られる加速度、アクセルペダル踏込量、アクセルペダル開閉速度、ブレーキペダル踏込量、ブレーキペダル踏込速度、エンジン回転数、駆動軸トルク、変速比、操舵なども車両状態データとして緊急自動ブレーキコントロールユニット300に入力されるようになっている。
200はミリ波レーダアンテナで、201はレーダコントロールユニットであり、ミリ波レーダアンテナ200からの信号をレーダコントロールユニット201で解析して車間距離と相対速度を求め、走行環境データとして緊急自動ブレーキコントロールユニット300に入力する。
なお、同じく簡略化のため、この図には、レーダコントロールユニット201からの車間距離と相対速度しか記してないが、テレビカメラ、ナビゲーションシステム、路車間通信装置、車車間通信装置などから得られる障害物情報、カーブ曲率情報、勾配情報、路面摩擦係数情報、視界情報、交通規制情報、渋滞情報、先行車の走行速度と加速度などの走行環境データも、緊急自動ブレーキコントロールユニット300に入力される。
そこで、緊急自動ブレーキコントロールユニット300では、これら車両状態データと走行環境データより緊急自動ブレーキを作動させるか否かを判定し、緊急自動ブレーキを作動させると判定された場合は、そのことを報知する指令をスピーカー600、ディスプレイ601、シートベルトテンションアクチュエータ602などの報知手段に供給し、聴覚と視覚による報知と、シートベルトの締付力の増加による体感的な報知を行なった後、所定のタイミングで、緊急自動ブレーキを作動させる指令をブレーキアクチュエータ500に出力する。
このときの報知手段としては、スピーカー600、ディスプレイ601、シートベルトテンションアクチュエータ602が設けてあるが、この外にも、ステアリングハンドルや座席の振動、電気刺激などによる報知手段を設けるようにしてもよい。
従って、この実施形態によれば、緊急自動ブレーキの作動が必要な事態になったとき、まずスピーカー600、ディスプレイ601、シートベルトテンションアクチュエータ602により、予めそのことの報知がなされた後、緊急自動ブレーキが働くので、運転者を含む乗員は、緊急自動ブレーキの作動が予知でき、この結果、緊急自動ブレーキによる強い慣性力にも慌てずに対応でき、仮に衝突に至ってしまったときでも、受けてしまうであろう損傷の程度を最小限に抑えることができる。
図3は、緊急自動ブレーキコントロールユニット300内のマイクロコンピュータによる緊急自動ブレーキをかけるか否かを決める危険判定ルーチンを示すフローチャートである。なお、このルーチンは所定の時間毎に実行される。
このルーチンの実行に入ると、まずステップ3001で車間距離Dの算出を行ない、ステップ3002では相対速度Vrの算出を行なう。
ここで定義している相対速度Vrは、自車を基準として考える。すなわち、自車の速度をV、先行車の速度をVfとすると、相対速度Vr=Vf−Vである。
従って、先行車の速度Vfが、自車の速度Vより大きい場合、すなわち車間距離が広がる状態の場合は、この相対速度Vrはプラスの値となり、反対に自車の速度Vが先行車の速度Vfより大きい場合、すなわち車間距離が縮まる状態の場合は、この相対速度Vrはマイナスの値になる。
続いてステップ3003では、この相対速度Vrが0「m/s]以上か否かを比較し、結果がY(肯定)ならばステップ3004へ行き、ブレーキ指令フラグをOFFする。
しかして、結果がN(否定)のとき、すなわち相対速度Vrが0「m/s]未満のときはステップ3005の処理に進み、車速Vを算出し、次いでステップ3006では、緊急自動ブレーキを指令するか否かを判定するための閾値となる危険車間距離Ddを、図示のように、自車の空走時間を1.5[s]、自車の減速度を4.0[m/s2]として算出しているが、路面の摩擦係数μなどの走行環境に応じて可変値として算出するようにしてもよい。
そしてステップ3007で、車間距離Dと危険車間距離Ddを比較し、車間距離Dが危険車間距離Dd以上のときは、ステップ3004でブレーキ指令フラグをOFFするが、車間距離Dが危険車間距離Dd未満のときはステップ3008でブレーキ指令フラグをONにするのである。
次に、図4は、緊急自動ブレーキの作動タイミングを決めるタイミング制御ルーチンを示すフローチャートで、このルーチンも所定の時間毎に実行される。
まずステップ4001でブレーキ指令フラグがONになっているか否かを判定し、ONになっていなければステップ4002でスピーカーやディスプレイによる報知及び緊急自動ブレーキを解除する。
一方、ONになっていたときは、まずステップ4003で緊急自動ブレーキが作動する事態に至り、これからブレーキが掛かることをスピーカーやディスプレイにより報知する。
そして、ステップ4004で、報知を開始してから所定の待ち時間Tが経過するのを待ち、その後ステップ4005に進み、緊急自動ブレーキを作動させるのである。
この待ち時間Tは、初期値として予め設定しておくもので、その値としては、人間の反応が200[ms]程度なので、これを勘案して、200[ms]付近の値にすればよいが、このとき、ブレーキアクチュエータの動作遅れなどの機械系での遅れ時間が考えられるので、この時間Tとしては、上記した人間の反応時間から、この機械系での遅れ時間を差し引いてやる必要がある。
例えば、いま仮に機械系での遅れ時間が50[ms]であったとしたら、待ち時間Tの初期値として、T=200−50=150[ms]にしてやればよく、要は、報知がされてから実際にブレーキが作動するまでの時間が人間の反応時間にほぼ等しくなるようにしてやればよい。
次に、図5は、本発明の第2の実施形態で、図1の実施形態に乗員状態検出手段7を付加したものである。
この乗員状態検出手段7は、ステアリング握り圧、アクセル操作、ブレーキペダル操作、フットレスト圧、運転姿勢、シートベルト装着中か否かの情報、エアバッグ装備車か否かの情報を検出し、これらを乗員の状態を表すデータ、すなわち、乗員状態データを出力して報知/作動タイミング制御手段4に供給する働きをする。
そして、報知/作動タイミング制御手段4では、この乗員状態データを用い、運転者が緊急自動ブレーキに対応できるか、身構えているかを判定し、この結果に応じて、緊急自動ブレーキの作動タイミングを、所定の時間T経過後のタイミングから変更し、乗員が身構えたと判断されたときは、初期値として設定してある待ち時間Tの経過を待つまでもなく、その前の所定のタイミングで緊急自動ブレーキを作動させる指令を発生するように構成してあり、その他の構成は、図1の実施形態と同じである。
従って、この実施形態によっても、緊急自動ブレーキの作動が必要な事態になったときには、予めそのことの報知がなされた後で実際にブレーキが働くので、運転者を含む乗員は、緊急自動ブレーキの作動が予知でき、この結果、緊急自動ブレーキによる強い慣性力にも慌てずに対応でき、仮に衝突に至ってしまったときでも、受けてしまうであろう損傷の程度を最小限に抑えることができる上、乗員が充分に身構えを終わっていたときには、早めに緊急自動ブレーキを作動させることができるので、先行車との距離を充分に残して安全に車両を停止させることができる。
図6は、この第2の実施形態のハードウェア構成図で、図2の実施形態において、ステアリング握り圧センサ700とアクセルペダルセンサ701、ブレーキペダルセンサ702、フットレスト圧センサ703、シートベルト装着スイッチ704、それに車内テレビカメラ705を付加し、これらによる検出結果を乗員状態データとして緊急自動ブレーキコントロールユニット300に入力するようにしたものである。
そして、まず、ステアリング握り圧センサ700により運転者のステアリングの握り圧変化や手の位置を検出し、次にアクセルペダルセンサ701でアクセル操作を検出し、乗員状態データとして出力する。
次に、ブレーキペダルセンサ702ではブレーキペダル操作を検出し、フットレスト圧センサ703で足の位置や踏ん張り力を検出し、それぞれ乗員状態データとして出力する。
また、シートベルト装着スイッチ704では、シートベルトが装着されているか否かが検出され、これを乗員状態データとして出力する。
一方、車内テレビカメラ705では運転者を撮像し、その画像データを解析して、運転者の姿勢が正常か否かを検出し、さらに姿勢と視線方向などから居眠りの有無を検出し、乗員状態データとして出力する。
そこで、緊急自動ブレーキコントロールユニット300は、これら乗員状態データを取込み、運転者が緊急自動ブレーキに対応できるか、身構えているかを判定し、この結果により緊急自動ブレーキを作動させるタイミングを変更し、緊急自動ブレーキを作動させる指令を出力するのである。
なお、同じく簡略化のため省略してあるが、運転者の声やエアバッグ装備車か否かなどの乗員の状態に関わる他のデータも緊急自動ブレーキコントロールユニット300に入力されており、その他は、図2の実施形態の動作と同じである。
図7は、この図6の実施形態における緊急自動ブレーキコントロールユニット300によるタイミング制御ルーチンの第1の例を示すフローチャートで、このルーチンも所定の時間毎に実行されるものである。
そして、この図7のルーチンは、図4のタイミング制御ルーチンを基本とし、そのステップ4001〜ステップ4005の処理は同じままで、ステップ4004の後にステップ4006〜ステップ4010を追加したものであり、これにより、ステップ4004での結果が否定(N)になったときでも、ステップ4006〜ステップ4010の何れかの処理での判定結果が肯定(Y)になったときには、報知後、待ち時間Tが経過する前でも、この時点で直ちにステップ4005に移行して緊急自動ブレーキが作動されるようにしたものである。
そこで、まずステップ4006でステアリング握り圧が増加したか否かを判定し、増加したなら運転者が報知に反応したものと見做してステップ4005に進み、増加していないならば、未反応であるとしてステップ4007に進む。
次にステップ4007ではアクセル操作に変化があるか否か判定し、変化有りならば運転者が報知に反応したものと見做してステップ4005に進み、変化無しならば未反応であるとしてステップ4008に進む。
またステップ4008ではブレーキ操作に変化があるか否か判定し、変化有りならば反応したと見做してステップ4005に進み、変化無しなら未反応としてステップ4009に進む。
さらにステップ4009ではフットレスト圧が増加したか否かを判定し、増加したならば反応したものとしてステップ4005に進み、増加していないならば未反応としてステップ4010に進む。
そしてステップ4010では運転姿勢が正常か否かを判断し、正常ならば居眠りなどはしておらず、当然、報知に反応した筈であるとしてステップ4005に進み、正常でないならば未反応の虞れありとしてステップ4004に進むのであり、その他の処理は、図4の実施形態と同じである。
従って、この実施形態によれば、緊急自動ブレーキの作動に際して、そのことが乗員に報知された後、緊急自動ブレーキが掛けられるようになり、この結果、乗員は、緊急自動ブレーキによる強い慣性力にも慌てずに対応でき、仮に衝突にまで至ってしまったときでも、損傷を最小限に抑えることができる上、緊急自動ブレーキを掛ける場合で、そのことを報知した後、運転者の手足の動き、姿勢などから緊急自動ブレーキに備えて運転者が身構えたか否かを調べ、運転者が充分に身構えたと判断されたときは、所定の待ち時間の経過を待たず、早めに緊急自動ブレーキが掛けられるようになるので、先行車からの距離に余裕を持って停車させることができる。
次に、図8は、タイミング制御ルーチンの第2の例を示すフローチャートであり、同じく所定の時間間隔ごとに実行される。
そして、この図8のルーチンは、図7のルーチンにおけるステップ4003の処理の後にステップ4011〜ステップ4016の各処理を追加し、運転者によるシートベルトの装着状態と、自車でのエアバッグの装備状態に応じて、待ち時間Tが変更されるようにしたもので、その他は図7のルーチンと同じである。
まずステップ4011では、運転者がシートベルトを装着しているか否かを判定し、装着しているならステップ4012に進み、報知開始後から緊急自動ブレーキを掛けるまでの待ち時間TをN[ms]に変更し、未装着ならばステップ4013で、時間TをM[ms]に変更する。ここで、N<T<Mにしてある。
次にステップ4014では、自車がエアバッグ装備車か否かを判定し、装備しているならばステップ4015で時間TをL[ms]に変更し、未装備ならばステップ4016で時間TをK[ms]に変更する。ここでは、L<T<Kにしてある。
運転手がシートベルトを装着していたり、自車にエアバッグが装備されていれば、乗員の保護が充分に得られるので、報知開始後から緊急自動ブレーキを掛けるまでの時間Tが短くても済み、他方、そうでなければ、長い方がよい。
従って、この実施形態によれば、報知開始後から緊急自動ブレーキが掛けられるまでの時間Tが保護装置の有無により変更され、保護装置が有る場合には待ち時間Tが初期値よりも短い時間N、Lにされることになり、運転者の保護が確保できることを前提として、より迅速に緊急急自動ブレーキを作動させることができる。
また、図9は、タイミング制御ルーチンの第3の例を示すフローチャートであり、同じく所定の時間間隔ごとに実行される。
そして、この図9のルーチンは、図8のルーチンにおけるステップ4003の処理に代えてステップ4017を設け、ステップ4012の処理の後にステップ4018を、そしてステップ4002の処理の後にステップ4019の処理を、それぞれ追加したものであり、その他の処理は図8のルーチンと同じである。
そして、ステップ4017では、スピーカー600やディスプレイ601などにより、緊急自動ブレーキの作動開始の予告を報知すると共に、ここでまず緩やかにブレーキが利き始めるように、緩自動ブレーキの作動を開始させる。
ここで、緩自動ブレーキとは、緊急自動ブレーキよりも弱いブレーキ力で自動的にブレーキを作動させる処理のことであり、この緩自動ブレーキの作動は、この後、緊急自動ブレーキが作動されるまで継続される。
この緩自動ブレーキによる緩やかな減速状態が最初に与えられることで、運転者はより身構え易くなり、続いて緊急自動ブレーキにより受ける衝撃も柔らげられる。
そして、この後、ステップ4011でシートベルトが装着されていると判定されたら、ステップ4018でシートベルトのテンションを強める処理が実行される。
こうすることにより、脇見運転や居眠り運転をしていた場合にも効果的な報知が行え、運転者の安全の確保も万全となる。
また、これに伴って、緊急自動ブレーキが解除された後は、ステップ4019によりシートベルトのテンションを緩める処理を実行する。これにより、快適性が損なわれる虞れもなくなる。
次に、運転モードスイッチ101による運転モードの選定処理の一実施形態について、図10により説明する。
この図10は、運転モード判定ルーチンのフローチャートで、このルーチンは所定の時間毎に実行される。
まずステップ3010で、緊急自動ブレーキを作動させるか否かのモード決めるスイッチ101のON/OFFを判定し、OFFならば何もせずに終わる。
しかして、ONのときは、次のステップ3011で、シートベルトが装着されているか否かを判定し、装着されているのならばステップ3012で、図3で説明した危険判定ルーチンを実行し、、ステップ3013で、図4、図7、図8、図9で説明したタイミング制御ルーチンを実行するのである。
一方、シートベルトが未装着ならばステップ3014に進み、緊急自動ブレーキ作動モードに移行するのが禁止されていることを報知する処理を実行し、次いでステップ3015で、緊急自動ブレーキを作動させるか否かのモード決めるスイッチ101をOFFする。
従って、この実施形態によれば、シートベルトを装着しなければ緊急自動ブレーキを作動させるモードに入らないので、シートベルトの装着を促すことができる上、緊急自動ブレーキが作動したときは、必ずシートベルトが装着されていることになり、より高い安全性を得ることができる。
本発明による緊急自動ブレーキ装置の第1の実施形態を示すブロック構成図である。 本発明の第1の実施形態が適用された自動車の一例を示すハードウェア構成図である。 本発明の実施形態における危険判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態におけるタイミング制御ルーチンの第1の例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態を示すブロック構成図である。 本発明の第2の実施形態が適用された自動車の一例を示すハードウェア構成図である。 本発明の実施形態におけるタイミング制御ルーチンの第2の例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態におけるタイミング制御ルーチンの第3の例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態におけるタイミング制御ルーチンの第4の例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における運転モード判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1:車両状態検出手段
2:走行環境検出手段
3:緊急自動ブレーキ制御手段
4:報知/作動タイミング手段
5:緊急自動ブレーキ作動手段
6:報知手段
100:車速センサ
101:運転モードスイッチ
200:ミリ波レーダアンテナ
201:レーダコントロールユニット
300:緊急自動ブレーキコントロールユニット
500:ブレーキアクチュエータ
600:スピーカー
601:ディスプレイ
602:シートベルトテンションアクチュエータ

Claims (5)

  1. 自己車両の走行速度を含む自己車両の状態を検出する車両状態検出手段と、自己車両と他車両との車間距離及び相対速度を含む自己車両の走行環境を検出する走行環境検出手段と、これら車両状態検出手段からの車両状態データと前記走行環境検出手段からの走行環境データより緊急自動ブレーキを作動させるか否かを判定する緊急自動ブレーキ制御手段と、この緊急自動ブレーキ制御手段の判定結果に応じて車両のブレーキを作動させる緊急自動ブレーキ作動手段を備えた緊急自動ブレーキ装置において、
    前記緊急自動ブレーキ制御手段の判定結果に応じて緊急自動ブレーキ作動報知指令を出力し、前記車両状態データと前記走行環境この緊急自動ブレーキ作動報知指令出力後、緊急自動ブレーキを作動させるまでの待ち時間を設定する報知/作動タイミング制御手段と、
    前記報知/作動タイミング制御手段の報知指令により音声などにより報知を行う報知手段とを設け、
    前記報知手段の報知開始から所定の時間後に緊急自動ブレーキを作動させるように構成したことを特徴とする緊急自動ブレーキ装置。
  2. 請求項1の発明において、
    運転手のステアリング握り圧などの乗員の挙動を表す乗員状態データを検出する乗員状態検出手段を設け、
    この乗員状態検出手段から出力される乗員状態データに応じて前記待ち時間が変更されるように構成したことを特徴とする緊急自動ブレーキ装置。
  3. 請求項1又は請求項2の発明において、
    前記報知手段による報知動作が、少なくともシートベルトのテンションを増加する動作を含むことを特徴とする緊急自動ブレーキ装置。
  4. 請求項1〜請求項3の発明の何れかにおいて、
    シートベルトの装着状態を判定し、未装着のときは緊急自動ブレーキを作動するモードに移行せず、そのことを前記報知手段で報知するように構成されていることを特徴とする緊急自動ブレーキ装置。
  5. 請求項1〜請求項4の発明の何れかにおいて、
    前記報知手段による報知動作が開始してから緊急自動ブレーキが作動されるまでの間は、前記緊急自動ブレーキによるブレーキ力よりも弱いブレーキ力による緩やかな自動ブレーキが作動されるように構成したことを特徴とする緊急自動ブレーキ装置。
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