以下に、分電盤用内器の取付部材、分電盤用内器、および分電盤の実施形態を図面に基づいて説明する。但し、以下に説明する構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明は下記の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
なお、以下では、本実施形態の分電盤1を戸建住宅で用いる場合について例示するが、この例に限らない。すなわち、本実施形態の分電盤1は需要家(facility)に設けられており、例えば集合住宅の各住戸や事務所や店舗などに用いてもよい。また、以下では、分電盤1が壁に取り付けられた状態での上下左右(図2における上下左右)を上下左右とし、壁(図2の紙面)に直交する方向を前後方向として説明するが、分電盤1を取り付ける向きを限定する趣旨ではない。
本実施形態の分電盤1は、図2に示すように、分電盤用キャビネット10と、第1通信アダプタ7と、第2通信アダプタ8と、第3通信アダプタ9と、取付部材200とを備えている。また本実施形態の分電盤1は、分電盤用内器として、主幹ブレーカ2と、複数の分岐ブレーカ3と、計測ユニット6とを更に備えている。
分電盤用キャビネット10は、図2〜図5に示すように、キャビネット本体11と、外蓋15と、内蓋16を備える。キャビネット本体11は、図2に示すように前面が開口した箱状に形成されている。キャビネット本体11は、住宅の壁等に取り付けて使用される。キャビネット本体11の内部には、図2および図6に示すように、主幹ブレーカ2、複数の分岐ブレーカ3、導電バー41,42,43、電流計測器5、計測ユニット6、第1通信アダプタ7、第2通信アダプタ8、第3通信アダプタ9を収納する空間を有している。
また、キャビネット本体11は、前後方向に貫通する窓孔12を有しており、この窓孔12を通して壁裏からキャビネット本体11の内部に配線を引き込むことが可能である。
内蓋16は、図3および図4に示すように、例えば合成樹脂製であって、後面の略全体が開口した矩形枠状に形成されており、キャビネット本体11の側壁の前端部に被さるようにしてキャビネット本体11に取り付けられる。内蓋16の前面には矩形の窓孔161が形成されている。内蓋16には、窓孔161を塞ぐようにして、複数枚の蓋板162〜165が着脱自在に取り付けられる。4枚の蓋板162〜165は、上下方向の寸法が窓孔161の上下方向における開口寸法とほぼ同じ寸法に設定されており、左右方向に並ぶようにして内蓋16に取り付けられている。而して、窓孔161が蓋板162〜165で塞がれた内蓋16をキャビネット本体11の前側に取り付けることによって、キャビネット本体11の開口部14が内蓋16に覆われた状態となる。すなわち、内蓋16と、この内蓋16に取り付けられた蓋板162〜165とで、キャビネット本体11の前面の開口部14を覆う蓋が構成されている。なお、内蓋16と蓋板162〜165の少なくとも1つ以上とは、一体的に形成されていてもよい。
図3において左端に位置する蓋板162は、第1通信アダプタ7、第2通信アダプタ8、および第3通信アダプタ9の前面を覆うようにして内蓋16に取り付けられる。蓋板162には、第1通信アダプタ7の一部を露出させるための貫通孔1621,1622が設けられており、本実施形態では上側の貫通孔1621から表示部771が露出し、下側の貫通孔1622から操作ボタン781が露出する。
図3において左端から2番目に位置する蓋板163は、キャビネット本体11の内部で一次連系ブレーカ(図示せず)が取り付けられる収納スペースを覆うようにして内蓋16に取り付けられる。
図3において左端から3番目に位置する蓋板164は、主幹ブレーカ2の前面を覆うようにして内蓋16に取り付けられている。蓋板164の孔1641を通して、主幹ブレーカ2のハンドルが前面側に露出する。
図3において右端に位置する蓋板165は、複数の分岐ブレーカ3の前面を覆うようにして内蓋16に取り付けられている。複数の分岐ブレーカ3は、キャビネット本体11の右側の収納スペースに上下2列に分かれて配置されている。蓋板165には、上側に並んだ分岐ブレーカ3のハンドルを露出させる窓孔1651と、下側に並んだ分岐ブレーカ3および二次連系ブレーカ100のハンドルを露出させる窓孔1652が設けられている。
外蓋15は、図4に示すように、例えば合成樹脂製であって、内蓋16の前面を開閉自在に覆うようにして、キャビネット本体11に取り付けられる。すなわち、外蓋16によって、キャビネット本体11の開口部14が開閉自在に覆われている。なお、外蓋15は、キャビネット本体11の上部に設けられたヒンジ機構を介して、キャビネット本体11に開閉自在に取り付けられている。
主幹ブレーカ2は、一次側端子21と、二次側端子(図示せず)とを備えている。一次側端子21には、系統電源(商用電源)の単相三線式の引き込み線(図示せず)が電気的に接続される。二次側端子には、図6に示すような導電バー41,42,43が電気的に接続される。導電バー41,42,43は、それぞれ導電部材により左右方向に長い長尺板状に形成されており、取付ベース44の前面に取り付けられている。本実施形態の分電盤1では、配電方式として単相三線式を想定しているので、導電バー41は第1電圧極(L1相)の導電バー、導電バー42は第2電圧極(L2相)の導電バー、導電バー43は中性極(N相)の導電バーとして用いられる。取付ベース44の前面には、第1電圧極の導電バー41と第2電圧極の導電バー42とが上下に並べて取り付けられている。導電バー41,42はその長手方向が左右方向と並行になるようにして取付ベース44に取り付けられている。取付ベース44の上下方向における中央部には前側に突出する支柱(図示せず)が設けられ、この支柱の前側には、導電バー41,42と並行するようにして中性極の導電バー43が配置される。そして、これら3本の導電バー41,42,43が取り付けられた取付ベース44は、各導電バー41,42,43の長手方向が左右方向と並行するようにして、主幹ブレーカ2の右側に配置され、キャビネット本体11に固定されている。
各分岐ブレーカ3は、キャビネット本体11の内部において、中性極の導電バー43の上側と下側とに分かれて配置されている。図2の例では、中性極の導電バー43の上側に11個の分岐ブレーカ3が左右方向に並ぶように配置され、中性極の導電バー43の下側に11個の分岐ブレーカ3が左右方向に並ぶように配置されている。各分岐ブレーカ3は、それぞれ一次側端子(図示せず)と、二次側端子(図示せず)とを備えている。分岐ブレーカ3には100V用と200V用がある。100V用の分岐ブレーカ3が備える一次側端子は、第1電圧極の導電バー41および第2電圧極の導電バー42のうちの一方と、中性極の導電バー43とにそれぞれ電気的に接続される。200V用の分岐ブレーカ3が備える一次側端子は、第1電圧極の導電バー41と、第2電圧極の導電バー42とにそれぞれ電気的に接続される。また、各分岐ブレーカ3の二次側端子には、対応する電路(図示せず)が電気的に接続される。各分岐ブレーカ3の二次側端子に接続された電路には、例えば照明器具や空調機器やテレビ受像器や給湯設備等の機器、コンセント(アウトレット)や壁スイッチ等の配線器具が負荷として1つ以上接続される。
図6に示すように、第1電圧極の導電バー41は、複数の分岐ブレーカ3の各々に対応する位置において、上方及び下方に突出する複数の接続端子411を有している。また、第2電圧極の導電バー42は、複数の分岐ブレーカ3の各々に対応する位置において、上方及び下方に突出する複数の接続端子421を有している。各分岐ブレーカ3は、導電バー41と接続端子411と接続端子421とがそれぞれ差し込まれる差込口31を有している。差込口31は、導電バー41及び接続端子411,421の各々に対応するように、各分岐ブレーカ3に3個ずつ設けられている。一次側端子は、3カ所ある差込口31のうち2カ所の差込口31内に露出するように設けられている。100V用の分岐ブレーカ3では前後方向の両端にある差込口31内に一次側端子がそれぞれ設けられ、200V用の分岐ブレーカ3では前後方向の中間にある差込口31と後側にある差込口31とにそれぞれ一次側端子が設けられている。
本実施形態の分電盤1では、図6に示すように、中性極の導電バー43の上側において、前後方向の前側(壁とは反対側)から中性極、第2電圧極、第1電圧極の順に並ぶように導電バー43及び接続端子411,421が配置されている。また、中性極の導電バー43の下側において、前後方向の前側(壁とは反対側)から中性極、第1電圧極、第2電圧極の順に並ぶように導電バー43及び接続端子411,421が配置されている。
100V用の分岐ブレーカ3は、3カ所ある差込口31のうち、前側の差込口31と後側の差込口31とにそれぞれ一次側端子を備えている。100V用の分岐ブレーカ3が導電バー43の上側に取り付けられた場合、この分岐ブレーカ3の一次側端子は第1電圧極の導電バー41と中性極の導電バー43とに電気的に接続される。100V用の分岐ブレーカ3が導電バー43の下側に取り付けられた場合、この分岐ブレーカ3の一次側端子は第2電圧極の導電バー42と中性極の導電バー43とに電気的に接続される。200V用の分岐ブレーカ3は、前側以外の2カ所の差込口31内に一次側端子を備えており、この分岐ブレーカ3は導電バー43の上側および下側の何れに取り付けられた場合でも、第1電圧極の導電バー41と第2電圧極の導電バー42に電気的に接続される。
電流計測器5は、複数の分岐ブレーカ3の各々に接続された負荷(電路)に流れる電流(以下、「負荷電流」と称する)を個別に計測するように構成されている。電流計測器5は、図6に示すように、基板51と、複数のコイル52と、複数の計測部(半導体装置)55と、演算部56とを備えている。
基板51は、左右方向に長尺な多層構造のプリント基板である。基板51には、厚み方向に貫通する複数の第1孔53が左右方向(基板51の長手方向)に一定の間隔で並ぶように設けられている。また、基板51には、厚み方向に貫通する複数の第2孔54が左右方向に一定の間隔で並ぶように設けられている。複数の第2孔54の各々は、対応する第1孔53と前後方向に並ぶようにして、対応する第1孔53の後側に設けられている。第1孔53および第2孔54は、接続端子411,421のうちの何れもが貫通可能な形状に形成されている。この基板51は、接続端子411,421のうちの一方を第1孔53に貫通させ、接続端子411,421のうちの他方を第2孔54に貫通させた状態で、取付ベース4に取り付けられる。
基板51には、複数ある第2孔54の周囲にコイル52がそれぞれ形成されている。各々のコイル52は、コアを用いない(コアレスの)空芯コイルであり、第2孔54内を通過する負荷電流(接続端子411,421を流れる負荷電流)に応じた出力を発生するロゴスキコイルである。なお、本実施形態ではコイル52が形成される孔(第2孔54)は円形の孔となっているが、基板51を貫通するように設けられていればよく、矩形の孔でも、基板51の側縁に開放されたU字状の孔でもよい。また、本実施形態の電流計測器5では、第2孔54の周囲にコイル52が形成されているが、第1孔53の周囲にコイル52が形成されてもよい。また、本実施形態の電流計測器5では電流計測用のロゴスキコイルを備えるが、ロゴスキコイル以外の方法で電流を計測してもよい。例えば、GMR(Giant Magneto Resistive effect)センサーやホール素子を用いて電流を計測しても良い。
基板51には、複数の分岐ブレーカ3の各々に対応してコイル52が1個ずつ設けられており、隣接する2個のコイル52を1組として、各組のコイル52に対して1つずつ計測部55が設けられている。各計測部55の入力端と、対応する2つのコイル52の出力端とは、基板51の表面に形成された薄膜状の導電体からなる回路配線57を介して電気的に接続されている。
各計測部55は、図示は省略するが、増幅回路と、A/D変換回路と、積分回路と、信号処理回路とを備えている。また、各計測部55は、対応する2つのコイル52から出力されるアナログ信号を時分割で交互に取得する。
増幅回路は、コイル52から出力されるアナログ信号を増幅するアンプで構成されている。A/D変換回路は、増幅回路から出力されるアナログ信号をディジタル信号に変換するように構成されている。積分回路は、A/D変換回路から出力されるディジタル信号を積分するように構成されている。
ここで、コイル52から出力されるアナログ信号は、接続端子411,421に流れる負荷電流を微分した値となる。このため、積分回路は、A/D変換回路から出力されるディジタル信号を積分することで、接続端子411,421を流れる負荷電流を示すディジタル信号を生成する。なお、本実施形態の計測部55では、ディジタルフィルタにより積分回路を構成している。
信号処理回路は、積分回路から出力されるディジタル信号を処理することで、接続端子411,421を流れる負荷電流のデータを生成するように構成されている。また、信号処理回路は、負荷電流のデータを電流信号として演算部56に出力するように構成されている。
演算部56は、図示しないが、A/D変換回路と、信号処理回路とを備えている。A/D変換回路は、計測ユニット6から出力される電圧信号をディジタルの電圧信号に変換するように構成されている。信号処理回路は、A/D変換回路から出力されるディジタルの電圧信号と、各計測部55から出力される電流信号とに基づいて、複数の電路の各々についての瞬時電力を演算し、瞬時電力のデータを生成するように構成されている。また、信号処理回路は、瞬時電力のデータを電力信号として第1通信アダプタ7に出力するように構成されている。
計測ユニット6は、電流計測器5と電気的に接続されている。計測ユニット6は、主幹ブレーカ2の二次側に接続される電路から線間電圧を計測し、線間電圧のデータを電圧信号として電流計測器5へ出力する機能を有している。また、計測ユニット6には、分岐ブレーカ3に接続される電路以外の測定箇所(例えば主幹ブレーカ2の二次側の測定点)で電流を測定するためのカレントトランスが接続可能である。この場合、計測ユニット6は、カレントトランスを用いて測定した電流値と線間電圧とを用いて瞬時電力を演算し、瞬時電力のデータを第1通信アダプタ7に出力するように構成されている。
計測ユニット6は、何れかの分岐ブレーカ3の二次側端子に接続されており、この分岐ブレーカ3を介して動作電力を得る。また、計測ユニット6は、第1通信アダプタ7および第3通信アダプタ9に電気的に接続されており、内蔵の電源回路(図示せず)から第1通信アダプタ7および第3通信アダプタ9に動作に必要な電力を供給する機能も有している。なお、計測ユニット6は、導電バー41,42,43(つまり主幹ブレーカ2の二次側)から動作電力が直接供給されるように構成されてもよい。
ところで、本実施形態の分電盤1では、図2に示すように、複数の分岐ブレーカ3の他に、二次連系ブレーカ100が導電バー41,42,43に電気的に接続されている。二次連系ブレーカ100は、3P3E(極数3、素子数3)で、左右方向の寸法が分岐ブレーカ3の複数個分(3個分)の大きさのブレーカである。二次連系ブレーカ100は、電力系統への逆潮流が許容されていない分散電源(図示せず)に電気的に接続される。この種の分散電源としては、例えば燃料電池(図示せず)やガス発電装置(図示せず)や蓄電装置などがある。
二次連系ブレーカ100は、分岐ブレーカ3と同様に、一次側端子(図示せず)と、二次側端子101とを備えている。一次側端子には導電バー41,42,43が電気的に接続され、二次側端子101には分散電源が電気的に接続される。つまり、二次連系ブレーカ100は、主幹ブレーカ2の二次側と、分散電源との間に電気的に接続される。このため、二次連系ブレーカ100は、例えば系統電源からの電力供給が停止したときや、系統電源または分散電源に異常が生じたときなどに、分散電源を電力系統から切り離す(解列する)ように動作する。なお、本実施形態の分電盤1が、二次連系ブレーカ100を備えるか否かは任意である。
また、本実施形態の分電盤1は、キャビネット本体11における主幹ブレーカ2の左側に、一次連系ブレーカ(図示せず)が取り付けられるスペースを有している。本実施形態のキャビネット本体11では、図2に示すように、このスペースに支持台13が取り付けられている。そして、一次連系ブレーカは、この支持台13に取り付けられる。
一次連系ブレーカは、3P3E(極数3、素子数3)で、左右方向の寸法が分岐ブレーカ3の複数個分(3個分)の大きさのブレーカである。一次連系ブレーカは、電力系統への逆潮流が許容されている分散電源(図示せず)に電気的に接続される。この種の分散電源としては例えば太陽光発電装置などがある。
一次連系ブレーカは、一次側端子(図示せず)と、二次側端子(図示せず)とを備えている。一次側端子には、主幹ブレーカ2の一次側端子21が電気的に接続される。二次側端子には分散電源が電気的に接続される。つまり、一次連系ブレーカは、主幹ブレーカ2の一次側と、分散電源との間に電気的に接続される。このため、一次連系ブレーカは、例えば系統電源からの電力供給が停止したときや、系統電源または分散電源に異常が生じたときなどに、分散電源を電力系統から切り離す(解列する)ように動作する。なお、本実施形態の分電盤1が、一次連系ブレーカを備えるか否かは任意である。
次に、分電盤用キャビネット10の外部にある機器と通信を行う分電盤用内器である第1通信アダプタ7、第2通信アダプタ8、第3通信アダプタ9について説明する。
第1通信アダプタ7は、需要家(本実施形態では戸建住宅)でのエネルギーの需給を管理するコントローラ(図示せず)との間で通信する機能を有している。コントローラは、例えばHEMS(Home Energy Management System)用のコントローラであり、HEMSに対応する機器(図示せず)の監視又は制御を行うように構成されている。HEMSに対応する機器は、エネルギーの需給を把握するために必要な管理対象であればよい。このような機器には、例えば、照明器具、空調装置などの電気機器や電気自動車などのエネルギーを使用する機器、太陽光発電装置、燃料電池などのエネルギーを創出する機器、蓄電装置、および電気自動車のようなエネルギーを蓄える機器などを含む。なお、HEMSに対応する機器は上記の機器に限定されるものではない。また、第2外部機器400の機能を第1通信アダプタ7が備えていてもよい。この場合は、コントローラ機能を有する第1通信アダプタ7が、需要家でのエネルギーの需給を管理し、HEMSに対応する機器の監視又は制御を行う。
第1通信アダプタ7とコントローラとの間の通信方式は、例えば920MHz帯の特定小電力無線局(免許を要しない無線局)や、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の電波を媒体とした無線通信であってもよい。その他、第1通信アダプタ7とコントローラとの間の通信方式は、有線LAN(Local Area Network)などの有線通信であってもよい。また、第1通信アダプタ7とコントローラとの通信における通信プロトコルは、例えばEthernet(登録商標)、ECHONET(登録商標) Liteなどの通信プロトコルを用いてもよい。
また、第1通信アダプタ7は、電流計測器5および計測ユニット6から送信された瞬時電力の計測データを受信する。第1通信アダプタ7は、電流計測器5および計測ユニット6から受信した瞬時電力の計測データをもとに、各々の測定箇所について瞬時電力を所定時間にわたって電力量を積算し、得られた電力量のデータをコントローラに送信する。そして、コントローラでは、第1通信アダプタ7から受信した電力量の計測データを用いて機器の監視又は制御を行うように構成されている。このため、コントローラは、複数の電路の各々について電力量の演算結果に基づいて、各電路に接続された負荷機器の監視又は制御を行うことができる。
第1通信アダプタ7は、図7A〜図7Dに示すように、合成樹脂の成型品からなる直方体状のケース70を備えている。
ケース70において、上面と後面とがなす角部には、上側および後側にそれぞれ開放された凹部71が設けられている。凹部71の底面には、第2通信アダプタ8の下部に設けられた第2コネクタ(図示せず)が着脱自在に接続される第1コネクタ(図示せず)が設けられている。凹部71内に第2通信アダプタ8の下部を嵌め込み、第1通信アダプタ7の第1コネクタと第2通信アダプタ8の第2コネクタとを接続すると、第1通信アダプタ7と第2通信アダプタ8とが電気的且つ機械的に接続される。
また、ケース70において、下面と後面とがなす角部には、下側および後側にそれぞれ開放された凹部72が設けられている。凹部72の底面には、第3通信アダプタ9の上部に設けられた第2コネクタ93(図8A参照)が着脱自在に接続される第1コネクタ73が設けられている。凹部72内に第3通信アダプタ9の上部を嵌め込み、第1通信アダプタ7の第1コネクタ73と第3通信アダプタ9の第2コネクタ93とを接続すると、第1通信アダプタ7と第3通信アダプタ9とが電気的且つ機械的に接続される。
なお、図7Cでは、第3通信アダプタ9の第2コネクタ93が接続される第1コネクタ73のみ図示してあり、第2通信アダプタ8の第2コネクタが接続される第1コネクタは、第1コネクタ73と同様の構成を有しているので、図示は省略している。また、第2通信アダプタ8が備える第2コネクタは、第3通信アダプタ9が備える第2コネクタ93と同様の構成を有しているので、図示は省略している。
ケース70の左右の側面には、それぞれ、上下方向における同じ位置に、後側に開放された横溝741と、横溝741の前側から上側に向かって延びる縦溝742とが設けられている。縦溝742の後側には、左右方向における外側に突出するレール状の突起75が設けられている。この突起75の下部には、下側に近づくにつれて縦溝742の幅を広げるような傾斜面751が設けられている。
ケース70の右側面には、固定ネジ761を回転自在な状態で保持するボス76がケース70と一体に設けられている。
ケース70の前面には、動作状態や設定内容を表示するための7セグメントディスプレイからなる表示部771と、例えば発光ダイオードを光源とした動作表示のための複数個(本実施形態では例えば4個)の発光表示部772とを備える。また、ケース70の前面には、各種の操作を行うための操作ボタン781,782が設けられている。
ケース70の下部の前側には、レセプタクルコネクタ791,792が、ケーブルの接続方向を下向きにして設けられている。レセプタクルコネクタ791には、計測ユニット6からのケーブル(図示せず)に結線されたプラグコネクタ(図示せず)が着脱自在に接続される。レセプタクルコネクタ792には、計測ユニット6から第3通信アダプタ9に動作電力を供給するためのケーブル(図示せず)に結線されたプラグコネクタ(図示せず)が、着脱自在に接続される。このレセプタクルコネクタ792は、分電盤1が第3通信アダプタ9を備えていない場合に、計測ユニット6から第3通信アダプタ9に配線されるケーブルのプラグコネクタを仮保持するためのもので、第1通信アダプタ7の内部回路には電気的に接続されていない。また、本実施形態の第1通信アダプタ7は、コントローラとの間で無線通信方式で通信を行うが、コントローラとの間で有線LAN(Local Area Network)などの有線通信を行ってもよい。第1通信アダプタ7がコントローラとの間で有線通信を行う場合、レセプタクルコネクタ792の左側にある角柱状の突出部793の下面に、有線通信のための通信ケーブルを接続するためのコネクタ(図示せず)を備えればよい。
第2通信アダプタ8は、電力メータ(図示せず)との間で通信する機能を有している。電力メータは、所謂スマートメータであって、需要家での使用電力量を計測し、配電線に接続されているコンセントレータ(図示せず)との間で通信を行うことにより、遠隔検針を可能にするように構成されている。また、電力メータは、第2通信アダプタ8との間で通信することにより、計量値(使用電力量)や要請情報などを第2通信アダプタ8に送信することができる。要請情報とは、電力供給事業者などが運営するサーバから需要家に向けて送信される電力の消費を抑制するための要請である。なお、第2通信アダプタ8と電力メータとの間の通信方式は、例えば920MHz帯の特定小電力無線局(免許を要しない無線局)等の無線通信でもよいし、有線LANや電力線搬送通信等の有線通信でもよい。
第2通信アダプタ8は、電力メータから受信した計量値を第1通信アダプタ7へ送信するように構成されていることが望ましい。この場合、第1通信アダプタ7との間で通信するコントローラは、計量値をもとに機器の監視又は制御を行うように構成されてもよい。この構成では、コントローラは、電力メータから送信される計量値に基づいて機器の監視又は制御を行うことができる。
第2通信アダプタ8は、図1、図2、および図9に示すように、合成樹脂の成型品からなるケース80を備えている。ケース80の下部には、ケース70の凹部71に後側から嵌め込まれる突出部(図示せず)が設けられている。この突出部の前面には、凹部71に設けられたレセプタクルコネクタに着脱自在に接続されるプラグコネクタ(図示せず)が設けられている。ケース80の突出部がケース70の凹部71内に嵌め込まれるように、ケース70をケース80に被せると、ケース70側のレセプタクルコネクタとケース80側のプラグコネクタとが互いに接続される。これにより、第1通信アダプタ7と第2通信アダプタ8とが電気的且つ機械的に接続される。本実施形態では、第1通信アダプタ7と第2通信アダプタ8とは、各々の一部が前後方向に重なった状態で、基板対基板(board to board)接続によって接続される。
また、ケース80の左右の側面には、それぞれ、上下方向における同じ位置に、後側に開放された横溝811と、横溝811の前側から上側に向かって延びる縦溝812とが設けられている。縦溝812の後側には、左右方向における外側に突出するレール状の突起82が設けられている。この突起82の下部には、下側に近づくにつれて縦溝812の幅を広げるような傾斜面821が設けられている。
第3通信アダプタ9は、太陽光発電装置(図示せず)、蓄電装置(図示せず)、電気自動車に電気的に接続される電力変換装置(図示せず)の少なくとも1つとの間で通信する機能を有している。なお、電力変換装置は、分電盤1側から電気自動車への単方向充電を行うための電力変換の他、双方向に電力変換を行うことで電気自動車の蓄電池の充電と放電との両方に用いられる構成であってもよい。また、第3通信アダプタ9は、ガスメータ(図示せず)と水道メータ(図示せず)との少なくとも一方との通信機能を有している。ガスメータや水道メータは使用量が一定量だけ増加するごとにパルス信号を出力する。第3通信アダプタ9は、ガスメータや水道メータからパルス信号を受信し、予め決められている1パルス当たりの使用量の換算値(換算レート)を用いて、ガスや水道水の使用量に換算する。
第3通信アダプタ9と太陽光発電装置、蓄電装置、電力変換装置との間の通信方式は、例えばRS−485などの有線通信とする。なお、第3通信アダプタ9は、例えばヒートポンプ技術を利用した貯湯型の給湯装置などと通信可能であってもよい。また、第3通信アダプタ9とガスメータ、水道メータとの間の通信方式は、有線通信とする。但し、第3通信アダプタ9とガスメータ、水道メータとの間の通信方式は、有線通信に限らず、無線通信であってもよい。
第3通信アダプタ9は、図8A,図8Bに示すように、合成樹脂の成型品からなるケース90を備えている。ケース90の下部には、電線の芯線が接続される速結構造の端子台91が設けられている。ケース90の上部には、ケース70の凹部72に後側から嵌め込まれる突出部92が設けられている。この突出部92の前面には、凹部72に設けられた第1コネクタ73に着脱自在に接続される第2コネクタ93が設けられている。ケース90の突出部92がケース70の凹部72内に嵌め込まれるように、ケース70をケース90に被せると、ケース70側の第1コネクタ73とケース90側の第2コネクタ93とが互いに接続される。これにより、第1通信アダプタ7と第3通信アダプタ9とが電気的且つ機械的に接続される。本実施形態では、第1通信アダプタ7と第3通信アダプタ9とは、各々の一部が前後方向に重なった状態で、基板対基板(board to board)接続によって接続される。
ケース90の左右の側面には、それぞれ、上下方向における同じ位置に、後側に開放された横溝941と、横溝941の前側から上側に向かって延びる縦溝942とが設けられている。縦溝942の後側には、左右方向における外側に突出するレール状の突起95が設けられている。この突起95の下部には、下側に近づくにつれて縦溝942の幅を広げるような傾斜面951が設けられている。
ケース90の前面にはレセプタクルコネクタ96が設けられている。レセプタクルコネクタ96には、計測ユニット6から第3通信アダプタ9に動作電力を供給するためのケーブル(図示せず)に結線されたプラグコネクタ(図示せず)が、着脱自在に接続される。
また、ケース90の前面の上部には複数個(本実施形態では例えば4個)の発光表示部97が左右方向に並べて取り付けられている。複数の発光表示部97は例えば発光ダイオードを光源とし、それぞれ対応する機器との通信状態を表示するために用いられる。これらの発光表示部97は、ケース90の前面において、突出部793の下側の領域以外の領域であって、突出部793の下側の領域に対して右側に配置されている。したがって、第1通信アダプタ7がコントローラとの間で有線通信を行う場合に、通信ケーブルが接続されるコネクタが突出部793の下面に設けられたとしても、このコネクタに接続された通信ケーブルが発光表示部97の前側にかかりにくくなる。よって、発光表示部97による表示を視認する際に、突出部793に設けたコネクタに接続される通信ケーブルが邪魔になりにくくなり、発光表示部97の表示を確認しやすくなる。また、ケース90の前面の左下には、例えば通電表示用の発光表示部98が設けられている。
なお、本実施形態では、分電盤1の外部にある機器と通信を行う分電盤用内器が第1通信アダプタ7、第2通信アダプタ8、第3通信アダプタ9の3つの通信アダプタで構成されているが、少なくとも第1通信アダプタ7を備えていればよい。外部との通信機能を備える分電盤用内器として第2通信アダプタ8、第3通信アダプタ9を備えるかは任意であり、必要に応じて第1通信アダプタ7に接続して使用すればよい。また、第1通信アダプタ7と第2通信アダプタ8と第3通信アダプタ9とは別体に形成されているが、第1通信アダプタ7に、第2通信アダプタ8や第3通信アダプタ9の機能をもたせてもよい。
以上のような第1通信アダプタ7と第2通信アダプタ8と第3通信アダプタ9とは、図1、図5、及び図9に示すような取付部材200を用いてキャビネット本体11に取り付けられる。
取付部材200は、合成樹脂の成型品からなり、キャビネット本体11に固定される固定部201と、第1通信アダプタ7、第2通信アダプタ8および第3通信アダプタ9がそれぞれ取り付けられる取付部204,205,206とを備える。
固定部201は、取付部材200がキャビネット本体11に取り付けられた状態を前方から見た場合に、上下方向に細長い矩形板状となるように形成されている。固定部201にはネジ220を通すための貫通孔210が上下2カ所に設けられている。この貫通孔210に通したネジ220をキャビネット本体11の底壁に設けられたネジ部孔にねじ込むことによって、固定部201(すなわち取付部材200)がキャビネット本体11に固定されるようになっている。また、固定部201には、左右方向における中央部から前側に突出する山形の突出部211が設けられている。
固定部201の左右の側縁(左右の長辺部分)からは、それぞれ前方に突出する壁202が設けられている。各々の壁202は、後側の辺と前側の辺とが平行し、且つ、後側の辺に比べて前側の辺の方が長さが長くなるような台形形状に形成されている。ここにおいて、左右の壁202と突出部211の間の空間が配線の収納スペース212となっている。なお、突出部211に配線を巻き付けてもよい。この場合、配線を収納スペース212に収納しやすくなる。また、突出部211は、図1および図5に示すように複数箇所にわかれて設けられてもよいし、1箇所に設けられていてもよい。
各々の壁202の先端縁からは、それぞれ左右方向における外向き(対向する壁202と反対向き)に突出する鍔部203が設けられている。左右の鍔部203の各々には、第1通信アダプタ7を取り付けるための取付部204と、第2通信アダプタ8を取り付けるための取付部205と、第3通信アダプタ9を取り付けるための取付部206とが設けられている。
取付部204には、第1通信アダプタ7の側面に設けられた突起75が上側から挿入される溝2041が形成されている。
取付部205には、第2通信アダプタ8の側面に設けられた突起82が上側から挿入される溝2051が形成されている。
取付部206には、第3通信アダプタ9の側面に設けられた突起95が上側から挿入される溝2061が形成されている。
また、右側の鍔部203には、鍔部203の外側縁から外側に張り出すように突出部207が設けられている。突出部207は、第1通信アダプタ7のボス76に対応する位置に設けられており、突出部207にはボス76に保持された固定ネジ761がネジ止めされるネジ部208が設けられている。
ここで、第1通信アダプタ7と第2通信アダプタ8と第3通信アダプタ9とを取付部材200に取り付ける方法について説明する。
先ず、第1通信アダプタ7の凹部71に第2通信アダプタ8の下部を後側から嵌め込み、第1通信アダプタ7と第2通信アダプタ8のコネクタ同士を接続することによって、第2通信アダプタ8を第1通信アダプタ7に取り付ける。また、第1通信アダプタ7の凹部72に第3通信アダプタ9の上部を後側から嵌め込み、第1通信アダプタ7と第3通信アダプタ9のコネクタ同士を接続することによって、第3通信アダプタ9を第1通信アダプタ7に取り付ける。
このようにして、第1通信アダプタ7に第2通信アダプタ8と第3通信アダプタ9とが取り付けられた状態で、第1通信アダプタ7と第2通信アダプタ8と第3通信アダプタ9とを取付部材200に取り付ける方法について説明する。
一体的に接続された第1通信アダプタ7と第2通信アダプタ8と第3通信アダプタ9とを、取付部材200の鍔部203に前側から近づけ、取付部204を横溝741に、取付部205を横溝811に、取付部206を横溝941にそれぞれ挿入させる。ここで、ケース70,80,90の背面が鍔部203の前面に当接する位置まで移動させられた状態では、取付部204,205,206は、対応する第1通信アダプタ7、第2通信アダプタ8、第3通信アダプタ9を保持しておらず、この位置が第1の位置となる。この第1の位置では、突起75が溝2041に挿入可能な位置に移動し、突起82が溝2051に挿入可能な位置に移動し、突起95が溝2061に挿入可能な位置に移動している。そして、一体的に接続された第1通信アダプタ7と第2通信アダプタ8と第3通信アダプタ9とを第1の位置から下側へスライド移動させると、取付部204の溝2041内に突起75が挿入される。また、取付部205の溝2051内に突起82が挿入され、取付部206の溝2061内に突起95が挿入される。これにより、取付部204,205,206は、対応する第1通信アダプタ7、第2通信アダプタ8、第3通信アダプタ9を保持した状態となり、この位置を第2の位置という。ここにおいて、突起75の下側の角には傾斜面751が形成され、突起82の下側の角には傾斜面821が形成され、突起95の下側の角には傾斜面951が形成されている。したがって、突起75が溝2041に上側から挿入されると、溝2041の端面に傾斜面751が当たることで、ケース70の背面が鍔部203側に押しつけられ、ケース70と鍔部203との間に隙間ができにくくなる。同様に、突起82が溝2051に上側から挿入されると、溝2051の端面に傾斜面821が当たることで、ケース80の背面が鍔部203側に押しつけられ、ケース80と鍔部203との間に隙間ができにくくなる。また、突起95が溝2061に上側から挿入されると、溝2061の端面に傾斜面951が当たることで、ケース90の背面が鍔部203側に押しつけられ、ケース90と鍔部203との間に隙間ができにくくなる。よって、第1通信アダプタ7と第2通信アダプタ8と第3通信アダプタ9とが取付部材200に取り付けられた状態では、ケース70,80,90と鍔部203との間に隙間ができにくくなり、ケース70,80,90のがたつきが低減される。
そして、一体的に接続された第1通信アダプタ7と第2通信アダプタ8と第3通信アダプタ9とが第1の位置から第2の位置までスライド移動させられると、ボス76に保持された固定ネジ761が突出部207のネジ部208にねじ込み可能な位置に移動する。この状態で、固定ネジ761がネジ部208にねじ込まれると、一体的に接続された第1通信アダプタ7と第2通信アダプタ8と第3通信アダプタ9のスライド移動が規制されることになる。したがって、第1通信アダプタ7と第2通信アダプタ8と第3通信アダプタ9とが取付部材200に取り付けられた状態で保持されることになる。
ところで、第1通信アダプタ7が第1の位置にある状態で固定ネジ761の先端が当たる位置まで突出部207が設けられていない場合、第1通信アダプタ7が第2の位置へ移動する途中で固定ネジ761の先端が突出部207の縁に引っ掛かる可能性がある。それに対して、本実施形態では、第1通信アダプタ7が第1の位置と第2の位置との間でスライド移動する場合に、ボス76に保持された固定ネジ761が移動する範囲の全体に亘って突出部207が設けられている。したがって、第1通信アダプタ7を第1の位置から第2の位置までスライド移動させる場合に、固定ネジ761の先端が突出部207の縁に引っ掛かりにくくなり、第1通信アダプタ7を第2の位置までスムーズにスライド移動させることができる。
以上説明したように、本実施形態の取付部材200は、固定部201と、取付部204,205,206とを備える。固定部201は箱状の分電盤用キャビネット10の内壁に固定される。取付部204,205,206には、分電盤用キャビネット10に収納されて分電盤用キャビネット10の外部にある機器と通信を行う分電盤用内器(本実施形態では例えば第1通信アダプタ7、第2通信アダプタ8、第3通信アダプタ9)が取り付けられる。取付部204,205,206は、分電盤用内器の後側に空間が設けられた状態で分電盤用内器が取り付けられるように構成されている。このような取付部材200を用いることで、分電盤用キャビネット10の外部にある機器と通信を行う分電盤用内器を、この分電盤用内器の後側に空間が設けられた状態で分電盤用キャビネット10に取り付けることができる。したがって、分電盤用内器で発生した熱を逃がしやすくできる。なお、本実施形態の取付部材200には、3台の分電盤用内器(第1通信アダプタ7、第2通信アダプタ8、第3通信アダプタ9)が取り付けられているが、少なくとも1台の分電盤用内器が取付部材200に取り付けられていればよい。
本実施形態の取付部材200において、取付部材200が、矩形板状に形成された固定部201の両側からそれぞれ同じ方向に突出する壁202を備え、各々の壁202の先端側に取付部204,205,206が設けられてもよい。そして、各々の壁202の間の空間を、取付部204,205,206に取り付けられた分電盤用内器に接続される配線の収納スペースとしてもよい。このように、分電盤用内器の発熱を逃がすために設けた空間を配線の収納スペースに兼用しているから、分電盤用キャビネットを全体として小型にできる。
また、本実施形態の分電盤用キャビネット10は、前面が開口した箱状のキャビネット本体11、及び分電盤用内器の一部を貫通孔1621,1622から露出させた状態でキャビネット本体11の前面の開口部14を覆う蓋(内蓋16)を備える。そして、蓋の後面に分電盤用内器の前面を近接させた状態で、分電盤用内器が取付部204,205,206に取り付けられるように取付部204,205,206が構成される。取付部204,205,206に取り付けられた分電盤用内器の前面が蓋の後面に近接して配置されるので、蓋の貫通孔1621,1622から露出する分電盤用内器の部位(本実施形態では表示部771、操作ボタン781)の視認性や操作性が向上する。
また、本実施形態の取付部材200において、取付部204,205,206は分電盤用内器(本実施形態では例えば第1通信アダプタ7、第2通信アダプタ8、第3通信アダプタ9)の一部を保持してもよい。分電盤用内器の一部を取付部204,205,206が保持していない位置を第1の位置という。分電盤用内器の一部を取付部204,205,206が保持した状態となる位置を第2の位置という。そして、第1の位置から第2の位置まで分電盤用内器をスライド移動させることによって、分電盤用内器が取り付けられるように取付部204,205,206が構成されてもよい。これにより、分電盤用内器を第1の位置から第2の位置までスライド移動させることによって、分電盤用内器が取付部材200に取り付けられるから、工具などを必要とせずに分電盤用内器を取付部材200に取り付けることができる。
また、本実施形態の取付部材200において、分電盤用内器を第2の位置にスライド移動させた状態で、分電盤用内器のスライド移動を規制する規制部(本実施形態では第1通信アダプタ7に保持させた固定ネジ761がねじ込まれるネジ部208)を備えてもよい。規制部が分電盤用内器のスライド移動を規制することで、分電盤用内器が取付部材200に取り付けられた状態を保持することができる。
また、本実施形態の分電盤用内器は、本実施形態の取付部材200を用いて分電盤用キャビネット10に取り付けられる通信機能を具備した分電盤用内器であり、第1の内器と第2の内器を備える。第1の内器(第1通信アダプタ7)は取付部材200に取り付けられる。第2の内器(第2通信アダプタ8、第3通信アダプタ9)は、第1の内器(第1通信アダプタ7)の後部に設けられた第1コネクタ(例えば第1コネクタ73)に着脱自在に接続される第2コネクタ(例えば第2コネクタ93)を有する。第2の内器は、第2コネクタを第1コネクタに接続させることによって第1の内器に取り付けられた状態で、第1の内器と共に取付部材200に取り付けられる。第1の内器を取付部材200に取り付けることで、第1の内器に取り付けられた第2の内器を第1の内器とともに取付部材200に取り付けることができる。分電盤用内器は本実施形態の取付部材200を用いて分電盤用キャビネット10に取り付けられるので、分電盤用内器で発生した熱を逃がしやすくできる。なお、本実施形態では第1の内器に対して2台の
また、本実施形態の分電盤は、本実施形態の取付部材200と、取付部材200に取り付けられる分電盤用内器(第1通信アダプタ7、第2通信アダプタ8、第3通信アダプタ9)と、分電盤用キャビネット10とを備える。この分電盤用キャビネット10は、取付部材200に取り付けられた分電盤用内器を収納する。分電盤用内器は本実施形態の取付部材200を用いて分電盤用キャビネット10に取り付けられるので、分電盤用内器で発生した熱を逃がしやすくできる。
なお、本実施形態の分電盤1では、第3通信アダプタ9は、太陽光発電装置、蓄電装置、電力変換装置との通信機能と、ガスメータ、水道メータとの通信機能を両方共に備えているが、各々の通信機能を個別に有する2つのアダプタで構成されていてもよい。