JP6372205B2 - 偏光子、偏光子の製造方法、および光配向装置 - Google Patents
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Description
また、液晶表示装置に用いられる位相差フィルムや、3D表示用位相差フィルムの材料としても配向膜が用いられている。
しかしながら、このようなラビング処理により配向規制力が付与された配向膜では、布等が異物として残存するといった問題があった。
このような光配向膜への配向規制力付与のための直線偏光の照射方法としては、偏光子を介して露光する方法が一般的に用いられる。偏光子としては、平行に配置された複数の細線を有するものが用いられ、細線を構成する材料としては、アルミニウムや酸化チタンが用いられている(例えば、特許文献1)。
この二光束干渉露光法は、位相および光路長を合わせた2本のレーザー光を重ね合わせた際に発生する周期的光強度分布(干渉パターン)を、基板上のレジストに転写する技術である。
例えば、ガラス基板の上にアルミニウム等の金属層を形成し、その上に形成したレジスト層に二光束干渉露光を施し、現像して得られた周期的なレジストパターンをエッチングマスクに用いて金属層をエッチングし、その後、レジストパターンを除去することで、ガラス基板の上に、アルミニウム等の金属からなる複数の平行配置された細線を形成することができる。
その後、偏光子としての所望の形態にガラス基板を切断することで、アルミニウム等の金属からなる細線を有する偏光子を得ることができる。
そして、これらの検査や修正においては対象箇所を正確に特定することが必要であり、それゆえ、偏光子内の位置を特定するための基準となるマークが、偏光子に設けられていることが必要になる。
(第1の実施形態)
まず、本発明に係る偏光子の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る偏光子の第1の実施形態の一例を説明する図である。ここで、図1(a)は偏光子10の概略平面図であり、図1(b)は図1(a)におけるR領域の概略拡大図であり、図1(c)は図1(a)におけるマーク4aを含む領域の概略拡大図である。
また、図2は、本発明に係る偏光子が有する第1の細線の例を説明する図である。ここで、図2(a)は第1の細線2aを説明する概略平面図であり、図2(b)は図2(a)におけるA−A線断面図である。
また、図3は、本発明に係る偏光子の第1の実施形態におけるマークの一例を説明する図である。
上記のように、偏光子10は偏光領域3内にマーク4aを有しているため、このマーク4aを用いて第1の細線2aの検査や修正を精度良く行うことができる。それゆえ、偏光子10においては、精度や品質を保証することが可能となる。
透明基板1としては、光に対して透過性を有し、第1の細線2aを安定的に支持することができるものであれば、特に限定されるものではないが、なかでも、紫外光に対して透過性を有していることが好ましい。本発明に係る偏光子を用いて、紫外光に高い吸収を有する光配向膜に配向規制力を付与することができるからである。
その材料としては、例えば、光学研磨された合成石英ガラス、蛍石、フッ化カルシウムなどを用いることができるが、中でも合成石英ガラスを好ましく用いることができる。品質が安定しており、また、紫外光のような短波長の光を用いた場合であっても透過性が高いからである。
透明基板1の厚みとしては、偏光子10の用途やサイズ等に応じて適宜選択することができる。
第1の細線2aは、偏光子10において、入射光のP波成分を効率良く透過し、入射光のS波成分の透過率を低く抑える作用を奏するものであり、透明基板1の上に直線状に複数形成され、かつ、平行に配置されるものである。
消光比の測定方法としては、偏光子の分野における一般的な測定方法を用いることができ、例えば、ウーラム社製VUV-VASEなどの紫外光の偏光特性を測定することが可能な透過型エリプソメータを用いることで測定することができる。
また、上記の第1の細線2aの厚みは一の偏光子内に異なる厚みのものを含むものであっても良いが、通常、同一の厚みで形成される。
マーク4aは、主に、第1の細線2aの検査や修正において、対象箇所を正確に特定するための基準マークとして作用するものである。
また、マーク4aは、偏光子10の製造工程や偏光子10を用いて光配向する工程において、偏光子10と他の物とを位置合わせするための位置合わせマークとしての作用を奏することもできる。
例えば、マーク4aを第1の細線2aの寸法検査に用いる場合には、第1の細線2aの幅が100nm以下の大きさであることから、その検査には主に電子顕微鏡が用いられ、マーク4aも、このような微細な対象の位置を正確に特定するために適したサイズとなる。この場合は、例えば、図3に示すL1及びL2の大きさを1μm〜10μm程度とすることが好ましい。
次に、本発明に係る偏光子の第2の実施形態について説明する。
図4は、本発明に係る偏光子の第2の実施形態におけるマークの一例を説明する図である。
図4に示すように、本実施形態のマーク4bは、第1の細線2aの一部が除去されて透明基板1が露出した部分1a(上記の図3において破線で囲まれた部分)を有しており、さらに、部分1aと隣接する透明基板の部分(第1の細線2a間のスペース部分)の上に、第2の細線2bを有している。より詳しくは、図4に示すマーク4bは、第1の細線2aの一部が除去されて透明基板1が露出した部分1aを複数有しており、各部分1aの左右には、第2の細線2bを有している。
すなわち、図4に示すマーク4bは、図3に示すマーク4aにおけるL1×L2の矩形領域に、複数本の第2の細線2bが並列に配置された構成を有している。
第1の細線2aと同様に、第2の細線2bを、波長240nm以上400nm以下の紫外光に対して、消光比およびP波透過率に優れたものとすることが可能になるからである。
また、マーク4bを構成する第2の細線2bは、第1の細線2aと同じ材料から構成されていることが好ましい。
第1の細線2aと同様に、第2の細線2bを、波長240nm以上400nm以下の紫外光に対して、消光比およびP波透過率に優れたものとすることができるからである。
さらに、第1の細線2aと第2の細線2bを同一の工程で製造することで、第1の細線2aと第2の細線2bの相対位置精度を高いものにすることができる。
次に、本発明に係る偏光子の第3の実施形態について説明する。
図5は、本発明に係る偏光子の第3の実施形態のマークの例を説明する図である。
ここで、図5(a)は図3に示すマーク4aに第3の細線2cが設けられた例を示し、図5(b)は図4に示すマーク4bに第3の細線2cが設けられた例を示す。
より詳しくは、図5(a)に示すマーク4cは、図3に示すマーク4aの第1の細線2aの一部が除去されて透明基板1が露出した部分(図3に示すL1×L2の矩形領域)の上下方向(図中のY方向)の各端部に、第1の細線2aと交差する方向に配置された第3の細線2cが形成された構成を有している。
この場合も、上記のマーク4cと同様に、第1の細線2aと第3の細線2cとで構成される交点をマーク4dの位置を特定する基準点とすることができる。また、第2の細線2bと第3の細線2cとで構成される交点をマーク4dの位置を特定する基準点とすることもできる。また、上記と同様にマーク4dの中心位置を規定することもできる。
第3の細線2cが、第1の細線2aと同じ材料から構成されている場合には、後述するように、第1の細線2aと第3の細線2cを、同一の材料を用いて同一の工程で製造することができるため、偏光子の製造工程を短縮でき、製造コストも抑制できる。
さらに、第1の細線2aと第3の細線2cを同一の工程で製造することで、第1の細線2aと第3の細線2cの相対位置精度を高いものにすることができる。
次に、本発明に係る偏光子の製造方法について説明する。
また、第1の細線2aとマークを、同じ材料から構成することで、製造コストを低く抑えることもできる。
なお、上記の本発明に係る第2の実施形態及び第3の実施形態の偏光子も、本発明に係る第1の実施形態の偏光子と同様に製造できることから、煩雑となるのを避けるため、ここでは、主に本発明に係る第1の実施形態の偏光子の製造方法について説明する。
なお、この例においては、ハードマスク材料層32が上記の第1の材料層に相当する。
なお、上記の「一連の描画工程」とは、電子線描画装置に装填した被描画基板に対して、連続的に複数種のパターンを描画していく工程を指す。被描画基板は、この「一連の描画工程」の完了後、電子線描画装置から取り出される。
例えば、図7(g)に示す形態のように、ハードマスクパターン32Pを全面に残した形態を、最終的に得られる偏光子の形態としてもよい。この場合、ハードマスクパターン32Pを除去する工程を省くことができ、工程短縮の効果を奏することができる。
次に、本発明に係る光配向装置について説明する。
本発明に係る光配向装置は、紫外光を偏光して光配向膜に照射する光配向装置であって、上記の本発明に係る偏光子を備え、偏光子の偏光領域を透過する光を、光配向膜に照射するものである。
本発明に係る光配向装置においては、精度や品質を保証することが可能な本発明に係る偏光子を備えることにより、光配向膜に配向規制力を付与することを高精度に行うことができ、得られる光配向膜の品質を向上させることができる。
図8に示す光配向装置50は、本発明の偏光子が収められた偏光子ユニット51と紫外光ランプ52を備えており、紫外光ランプ52から照射された紫外光を偏光子ユニット51に収められた偏光子により偏光し、この偏光された光(偏光光54)をワーク56の上に形成された光配向膜55に照射することで、光配向膜55に配向規制力を付与するものである。
また、光配向装置50には、光配向膜55を形成したワーク56を移動させる機構が備えられており、ワーク56を移動させることにより、光配向膜55の全面に偏光光54を照射することができる。例えば、図8に示す例において、ワーク56は図中右方向(図8における矢印方向)に移動する。
図9は、本発明に係る光配向装置の他の構成例を示す図である。
図9に示すように、光配向装置60は、2個の紫外光ランプ62を備えており、各紫外光ランプ62とワーク66の間には、それぞれ、本発明の偏光子が収められた偏光子ユニット61が備えられている。また、各紫外光ランプ62には、それぞれ反射鏡63が備えられている。
より詳しくは、光配向膜の移動方向に直行する方向において隣り合う複数個の偏光子間の境界部が、光配向膜の移動方向に連続的に繋がらないように、複数個の偏光子が配置されていることが、好ましい。
偏光子間の境界部においては、通常、偏光光が生じないため、この境界部が連続的に繋がることによって光配向膜に与える弊害を抑制するためである。
また、図10(d)に示す配置形態は、配置される複数個の偏光子が、いずれも同じ形状、同じサイズを有し、左右方向において隣り合う偏光子の上下方向の位置が、偏光子の上下方向の大きさの1/2よりも小さいステップで上下方向にシフトしている配置形態である。
図10(c)に示す配置形態において、上下方向に隣接配置された偏光子10pと偏光子10qの境界部71は、左右方向に配置された偏光子10rと偏光子10sによって、左右方向に伸びていくことを阻まれている。
すなわち、図10(c)に示す配置形態においては、上下方向に隣接配置された偏光子間の境界部が左右方向に連続的に繋がっていくことを、阻止している。
それゆえ、図10(c)に示す配置形態を採用して、光配向膜に偏光光を照射する場合、上記偏光子間の境界部に起因する弊害が光配向膜に連続的に及ぶことを抑制することができる。
それゆえ、図10(d)に示す配置形態を採用して、光配向膜に偏光光を照射する場合、上記偏光子間の境界部に起因する弊害が光配向膜に連続的に及ぶことを抑制することができる。
一方、図10(d)に示す配置形態においては、偏光子の上下方向の大きさの1/2よりも小さいステップで上下方向にシフトしているため、境界部72の上下方向の位置は、より揃い難くなる。
それゆえ、図10(d)に示す配置形態においては、上記偏光子間の境界部に起因する弊害が光配向膜に連続的に及ぶことを、より抑制することができる。
1a 露出した部分
2a 第1の細線
2b 第2の細線
2c 第3の細線
3 偏光領域
4a、4b、4c、4d マーク
5a、5b 交点
10 偏光子
31 偏光材料層
31P 偏光材料パターン
32 ハードマスク材料層
32P ハードマスクパターン
33 レジスト層
34 レジストパターン
34a 第1の細線パターン
34b マークパターン
40 電子線
50、60 光配向装置
51、61 偏光子ユニット
52、62 紫外光ランプ
53、63 反射鏡
54、64 偏光光
55、65 光配向膜
56、66 ワーク
71、72 境界部
Claims (10)
- 透明基板の上に、複数本の第1の細線が並列に配置された領域と、複数本の第2の細線が並列に配置された領域と、を有する偏光子であって、
前記第2の細線は前記第1の細線と平行であって、前記第2の細線の幅方向の配置位置が前記第1の細線の幅方向の配置位置と異なり、
前記複数本の第2の細線が配置された領域が、前記複数本の第1の細線が配置された領域で囲まれる構成を有していることを特徴とする偏光子。 - 前記第2の細線のピッチが、
前記第1の細線のピッチと同じであることを特徴とする請求項1に記載の偏光子。 - 前記第2の細線のデューティー比が、
前記第1の細線のデューティー比と同じであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の偏光子。 - 前記第2の細線のアスペクト比が、
前記第1の細線のアスペクト比と同じであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の偏光子。 - 前記第1の細線と交差する方向に配置された第3の細線を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の偏光子。
- 前記第2の細線が、前記第1の細線と同じ材料から構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の偏光子。
- 前記第3の細線が、前記第1の細線と同じ材料から構成されていることを特徴とする請求項5に記載の偏光子。
- 前記第1の細線が、モリブデンシリサイドを含有する材料から構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の偏光子。
- 紫外光を偏光して光配向膜に照射する光配向装置であって、
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の偏光子を備え、
前記偏光子の前記偏光領域を透過する光を、前記光配向膜に照射することを特徴とする光配向装置。 - 前記光配向膜を移動させる機構が備えられており、
前記偏光子が前記光配向膜の移動方向および前記光配向膜の移動方向に直交する方向の両方向に複数個備えられており、
前記光配向膜の移動方向に直交する方向において隣り合う前記複数個の偏光子間の境界部が、前記光配向膜の移動方向に連続的に繋がらないように、前記複数個の偏光子が配置されていることを特徴とする請求項9に記載の光配向装置。
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